時を刻む音楽奏   作:狼と月の間

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精鋭部隊の残党は戦争を捨てた……。その中の部隊長「刻針時練(コクシ ジレン)」は平穏に生きようとしたが……。


序章「時は針。仲間と各事件」
第一話『軍人。歌姫は出会いの始まり』


時刻は午後7時、楽屋にて……俺は仲間のバンドメンバーはライブ終了後の打ち上げをしていた。

 

『お疲れ〜!』

「いや〜最高のライブだったな!」

「うんうん!息ピッタリだったよな!」

「時練はどうだった?」

「大丈……夫?」

 

何故か疑問で返してしまった。

 

「何で疑問なんだよ!そう深く考えるなって!」

「そうそう!一緒に飲みましょ?」

 

仲間がフォローしてくれるから笑えた。……が、

一人が俺に向けてこう言った。

 

 

 

「__ハッ……何が「最高のライブ」だって?

史上最悪だよ……クソったれが……。」

 

 

 

そいつは俺達バンドのリーダー。「廣岡佐崎(ヒロオカ サザキ)」だった。

 

「どうしたよ廣岡?最高だったじゃねぇか?」

「……時練、ベースのサビ間違ったよなぁ?」

「そうだけど……何で?」

 

瞬間、廣岡は俺の胸倉を掴んだ。

 

「……っ!?」

「おい!?廣岡!?」

「良いか?ベースは俺達にとってドラムより次に大切なんだ……分かるか?」

「……少しミスったのは反省してる。」

「分かってねぇ……なぁ!」

 

掴んでた胸倉緩めた途端、廣岡の右ストレートが鳩尾に入った。

 

「……ぐっ!?」

「ちょっと廣岡!?」

「廣岡!何してんだよ!?」

「ちょっとお灸を据えねぇとよぉ!」

 

廣岡は腹部に膝蹴りを放ち、身体ごと壁に叩き付けられた。

 

「……うぐっ!?」

「時練!もう止めろ廣岡!」

「このままじゃ、時練が死んじゃう!」

「ふん……よく聞け。」

 

 

 

「__時練、お前は脱退しろ。そして二度とベースを弾くんじゃねぇ。バンドも組むな。分かったなら俺の目の前から消えろ。」

 

 

 

「……ッ!?」

 

 

 

そう、その言葉は要約すると「脱退命令」廣岡は俺を「戦力外(クビ)」にしたんだ。

 

「おい!それは流石に酷過ぎだろ!」

「何故時練が脱退しなきゃいけないの!?」

「時練も何か言えよ!ほら!」

「……。」

 

俺が出した言葉は……

 

 

 

「__ごめん。」

 

 

 

「ハッハッハ!ありがとよ時練!お前が居なくなって俺は嬉しいよ!」

「は!?何言ってんだよ!?」

「お前が居なきゃ誰がベースを弾くんだよ!?」

「そうよ!時練じゃないと駄目なの!お願い考え直して!」

「……さよなら。」

 

荷物を纏めて大雨の中、俺は楽屋を出て行った。

 

 

 

 

 

時刻は午後九時、傘を持って来るのを忘れ大雨の中。ずぶ濡れでベースが入ったケースを持って帰ってる途中だった。

 

 

 

(__時練、お前は脱退しろ。そして二度とベースを弾くんじゃねぇ。バンドも組むな。分かったなら俺の目の前から消えろ。)

 

 

 

「__クソッ!畜生が!」

 

コンクリートの地面を拳で殴る。殴った部分から血が滲み出ていたが、そんなのは気にしなかった。

 

「……。」

 

そして殴るのやめ、行き場を失った俺は、たった一人で電柱に背中を預け座ったまま動かない。雨の勢いが増し、女性の様に長い髪は濡れていく。

 

「……ッ。」

 

この時の俺は分からなかったけど、多分このまま放っといて欲しかった。何もかもが失った。何もしないで死にたかったんだと思う。……そう思った瞬間だった。

 

「風邪、引くわよ?」

「……?」

 

誰かが俺に声を掛けた。ゆっくり上を見ると俺と同じくずぶ濡れの銀髪でロングヘアの女子学生がそこに立っていた。傘持ってるのに髪が濡れてるのは途中で傘を差したからだろう。

 

「一体何してるの?」

「……行き場を失ったんだ。少し放ってくれ。」

「『放って』って……恰も終わったと思いつつ大雨の中、傘も差さず濡れてる人を放って置けるのかしら?」

「ううっ……正論で言い返せねぇ。」

「……此処で話すのも何か悪いし、私の家に行きましょう。」

「放っても良かっt……」

「良いから。」

 

銀髪ロングヘアの子は俺の服の裾を引っ張った。

 

「……はいはい。」

 

正直、女性の家に行くって言う発想が怖い。

普通ならファミレスやら喫茶店やら……午後9時だからもう閉店してるか。

 

 

 

〜???家〜

 

んで結局引っ張られ、銀髪ロングヘアの子の家に来た。

 

「てか出血してるじゃないの?止血とかしてないの?」

「そこは包帯有るんで大丈夫だ。」

「そうなの……。」

「そうだよ。」

 

出血部分をゆっくりと包帯で巻く。……傷口に包帯が擦る度に激痛が走るから巻きにくい。

 

「……っ。」

「上手く巻けてないじゃないの。ほら手貸して」

「……悪い。」

 

銀髪ロングヘアの子は此方の痛みに配慮してるのか擦れない程度に巻き続けながら口を開いた。

 

「で、詳しく話を聞かせて貰えないかしら?」

「……拒否権は?」

「勿論無いわよ?」

「あ、無いんだ。話すしか無いんだ。」

 

俺は銀髪ロングヘアの子に詳しく話を聞かせ、バンドのリーダーが脱退命令を出した事、ベースやバンドを組むなと言われた事、目の前から消えろと言われ、暴力を振るわれた事を全部話してやった。

 

「そんな事が……。」

「だから俺はもう仕事は不可能だろうな。苦しいまま死むしかねぇんだよ。」

「……仕事なら有るわよ?」

「一応聞こうかな。」

「私達のバンドの『スタッフ』よ。」

「……スタッフか。……少し考えさせてくれ。」

「それじゃ……携帯持ってるかしら?」

「持ってるが……どうした?」

「少し貸して。」

「……?」

 

俺は銀髪ロングヘアの子にスマホを渡すと、十秒も経たずに返してきた。

 

「連絡先を交換したわ、あと自己紹介ね。私の名前は

湊友希那(ミナト ユキナ)』Roseliaのボーカル担当よ。」

「宜しくな。名前は刻針時練。『元』ベース、ギター担当だ。」

 

何やかんや有って湊さんと出会った。これが『始めの一針』だった。




読んでくれてありがとうございます。作者の「狼と月の間」です。よろしくお願いします。さて、一話目から「とんでもねぇ位に話が飛躍してないかな?」と思ってますが誠に合ってます……。
一応、こちらも頑張るので、感想と評価を下さると嬉しいです。
何かバンドリメンバーを入れて欲しいと言う要望が有れば、頑張ってみます。

キャラ紹介
名前 刻針 時練(コクシ ジレン)
誕生日 9月5日
好きな食べ物 カ◯リーメイト、サラダ
嫌いな食べ物 特に無し
所属部活 現在無し
趣味 音楽関連、裁縫

黒い長髪に紅い瞳。『Forest delete(フォレスト デリート)*1』の陸軍大尉。その脅威的な戦闘能力、かつ常人以上の体力を持つ。また瀕死時、戦闘能力が更に向上する所から『死際(Death)』の異名*2を持つ。
『元』ギター、ベース担当で、ライブでのミスが原因で脱退、大雨の中、友希那と出会う。因みに彼は数々の楽器を齧っている為、大体の楽器は弾けるらしい。
因みに背丈は高いが、髪が長く声も女顔で、近所から女性と間違われる事があり、変装での潜入調査の時、女装してると例え軍人でも恥ずかしく、任務完了後からは、女装するのを躊躇っている。

*1
『削除の森』の名を持つ精鋭部隊。元は三十人の部隊だったが、とある任務により戦死者が多数続出。現在は現部隊長の時練含む四人が任務を遂行している。

*2
特殊軍人には『異名』が付けられる。これらはForest deleteにも関わり、異名を持つ者は三十人の中で五人居る。

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