スピードは落ちるけど……頑張るぞー!
〜CIRCLE・ロビー〜
時練Side
霧霜と合流してから1週間が経過した。彼女のお陰で体力は完全に回復、安定しているが……
「(……何か、嫌な感じだ)」
今は気を紛らわす為にベースを弾いていたが……例えるなら『後悔』『悲嘆』……そして『憎悪』が混ざって、俺の中に『殺意』を生み出している様な……。
「(そう言えば、霧霜が渡してくれた薬が……これか」
ポケットを
「おい、この赤と青のカプセルは?」
「青のカプセルは『精神安定剤』です。一錠で約1時間の効果ですが、時練さんの症状と言うか……原因がまだ分からないので……」
「そうか……ありがとう霧霜」
「いえいえ……でも気を付けて下さい。情報や解析担当の『あの人』が現状居ない為。一時的な応急処置、または私が独自で作ったので副作用や効果が薄い事が有るので、覚悟を決めてから飲んで下さい」
「覚悟を決めて飲むんだな。んでもう一個のカプセルは?」
「薄かった用の為に、赤のカプセルは『仮死薬』を作りました。テトロドトキシンを若干含んでいます。飲めば仮死状態に出来ますけど、これも先程同様、独自で作ったので死ぬかもしれません。薄めの麻酔と追加、時練さんの血で実験したので一時的仮死の後、時間が経てば意識が回復すると思います」
「成程。効果なし用に使えと」
「ですけど、連続服用や一気に全部を使用するのは死に繋がる可能性も有ります」
「そうか……忠告ありがとうな」
「別れても部隊ですから」
「(精神安定剤と仮死薬)」
でも本当に『彼奴』が居ないから成分や効果による解析が不可能となっている。
「(現状居場所は鎌太刀が捜索している。確認後に連絡をくれるだろう)」
「……刻針ちゃん?どうかしたの?」
「あ、まりなさん」
既にPastel*pallettesの若宮イヴとRoseliaの湊友希那は分かってそうだが、なるべく危害は減らすのは
「いえ、少し考え事を」
「珍しいね〜、考え事なんて。悩みなら私も聞くよ?」
「大丈夫です」
ポケットからカ○リーメイトを一本取り出し、口に放り立ち上がる。
「んじゃ、早めですけど。淹れますか?」
「そうだねー、貰うかな!」
「了解です」
髪を結え、慣れた手つきで用意する。
「(……親父にも、用意したかったな)」
「出来ましたよ……って」
「あら、時練じゃない……聞いたわよ。悩みですって?」
まさかの友希那。しかも話したな
「……ご本人は?」
「スタジオの用意よ」
「成程な。本人が居ないなら……飲むか?ミルクティーだけど」
「えぇ、頂くわ」
俺はブラックコーヒーを、友希那はミルクティーを口に付け飲む。
「(あ、精神安定剤)」
飲む前に一錠を口に含み、再度を飲む。
「……それは何なの?」
「(見られてたか)」
色々な意味で不味い状況となったぞ如何にかしろ俺。
「まぁこれは何というか風邪薬と言うか」
「おーい?スタッフは居ねぇのかー?」
「……ッ!?」
突然の男性の声に向くと……そこには『
「時練……どうしたの?」
「(彼奴は不味い……!こっちに気付くなよ……!)」
「……ん?お、お前さんは……?」
「(……!)」
ニヤリと不敵な笑みを浮かべ此方に向かってきた。手が震える……身体が強張る……意識が朦朧とする……声が出しにくい。
「久しぶりだなぁ?『
「もう、貴方のバンドのメンバーじゃない。だから弾いてi……(ドカッ!)ッ!」
左頬を殴られる。一瞬、トラウマが蘇る。
「弾くなって言ったよな?」
「時練……!」
「大丈夫……だ……このくらいは……まだっ!」
だがダメージは受けても意識が朦朧とすれば立てなくなる確率がある。
「……貴方の練習スタジオは此処ではありませんよね?」
「(友希那……)」
庇ってくれるのは有難いが、対して奴は言わば『
「……っと、誰かと思えばRoseliaの湊友希那さんかいな?まさか此奴をサポート役として雇ったのか?」
「えぇ、彼にはその素質が有るわ」
「素質……ねぇ……」
その目の意味は俺は直ぐに分かり……そして何を思ったのか廣岡は言い放った。
「……やめときな。そんな『使えない奴』は役に立たねぇよ」
そう……キッパリ言い放った。
「……使えるか使えないかは、私が決めるわ。貴方は口を出さないでくれるかしら?」
彼女は違った。放つ
友希那Side
彼は私を信じた……そして私も彼を信じる。
「ほう?こんな間違いを犯すだけの雑魚をか?ハッ、笑わせんなよ」
「笑わせてないわ。彼は私達のマネージャーだもの」
「マネージャーだと?」
どんな災難が来ても……彼は私を助けてくれた。
「時練……貴方は
「友希那……」
あの大雨の中で私は貴方と出会った。それが
「……そうだな。そいつより俺が適任だ。どうだ?あの愚か者よりかはうまく指示できるぞ?」
「愚か者なのは貴方じゃないのかしら?」
「何だと?」
「彼は優しくて、寄り添える人よ。でも貴方は……惜しい人を失ったわね」
「調子に乗りやがって!」ブンッ!
怒りに身を任せて、その拳を振り下ろしてきた。
「……手を出したからには、此方も本気でやるしかないよな?」
私を庇って……彼はそこに居た。
時練Side
「なっ……貴様……!?」
「悪いな廣岡。そしてありがとう、友希那」
「クソッ!離せ!」
「良いぜ?ほらよ」バッ
片手で掴んだ廣岡の拳を離した。
「確かに俺は頼りないかもしれん。その所為で殴られてばっかだけどな……」
「だけど……なんだってんだァ!」
「時練!」
「……」
バキッ!
「ぐぁぁぁ!?」
「……えっ?」
鳩尾を捉えた廣岡の拳は
「か、肩がぁぁぁ!?」
そう……廣岡の肩を脱臼させた。
「調子に乗ったのはお前の方じゃ無いのか?」
「ったく、邪魔すんなよ。鎌太刀」
「大丈夫ですか?湊さん?」
「あ、貴方は……?」
「あ、大丈夫です。私は時練の友達です」
「何故友達」
「仲間と言ったらややこしいかと思って……」
「あー、成程なー」
「ふ、ふざけやがって!」
まだ生きてた。そろそろ気絶させたいのだが。
「こんな事したんだから……た、ただじゃ済まさねぇぞ!?」
「はいはい。もう黙ったらどうですか?『
「……ッ!?」
「鎌太刀、どう言う事だ?」
「お前さんに話しとくよ」
それは15分前の事だ。
「刻針ちゃん元気なかったけど……どうかしたのかな?」
「あー、少し良いですか?」
「ひゃあっ!?か、鎌太刀君!?」
「すみません毎度毎度うちの者が……」
「え、えぇ?」
霧霜自己紹介中……
「雪ちゃんで……良いのかな?」
「あ、はい。お気軽にお好きな呼び方で」
「んでまりなさん。少しここに居てくれませんか?」
「え……どう言う事?」
「あー、何というか……廣岡という時練のトラウマが来るっぽくて」
「嘘っ!?」
「(あ、ヤベミスった)」
「あぁもう!すみません失礼します!」
「えっ!?ちょっt」ピキピキ
「んで、凍らせたと」
「はい。時練さんと一緒だったバンドメンバーから聞いたのですけど、脱退した後。ポケットに札を入れている所を見ているらしく、どうやら要らないメンバーを脱退させる前に金を奪う。彼と同じだったバンドメンバーからは同じ事を言われ、所持金が無いと言うのも掴みました。他の目撃者からは「見たけど言ったら絶対殴られる」と物理的脅迫も有るそうで……」
「良くそんな大量の情報持って来れたな……」
「2日前から調べてたので」
「2日前……まさか薬を渡す時か!?」
「はい、事前に調べておきました……と、言う事で。どうします?今なら投降しても良いですけど?」
「ふざけるなぁ!俺はそんな事はやってねぇ!」
「そうかいそうかい意地でも拒むんだねぇ?ならご本人に登場してもらいましょうて事でCome on!」
扉が開き、入って来たのは……
「時練……ごめんなさい!」
「俺達は気付いていたんだが……彼奴だけには逆らえなくって」
「許してくれるかは別だがすまないと思ってる!」
「お前ら……脱退する前のメンバー達か……?」
「う……うん!」
「覚えてくれてたのか!?」
「嗚呼」
忘れる訳が無いだろ。必死に止めてくれたからな。
「お、お前等……!?」
「さて、あの方に何された?」
「鎌太刀さん言い方」
「最初は……仲は良いと思ってたんです。でも徐々に脅されて……」
「最終的には分け前の4分の1が俺達に渡されて残りの分は全て彼奴が持って行ったんだ!」
「それに、時練が居なくなってから彼奴はこう言ってた……「脱退する時に奪うのは容易い」って……」
「なっ……!?」
「なぁ時練……俺達は……」
「安心しな。
「……時練!」
仲間達は涙を流していた。
「さて……そろそろ本気で「始末」しないとな?」
「く、クソッ!ここで捕まってたまるか!」
何を思ったのか廣岡はポケットから何かを投げてきた。瞬間、辺りに煙が充満する。
「ちっ……
「あばよ!今度会った時は必ず殺してやるからな……ハッハッハ!」
「前が見えねぇ……霧霜行けるか!?」
「やってみます!」バッ!
その後、霧霜からの連絡で廣岡に振り切られた事。凍ったまりなさんを溶かして、何とか言いくるめた事。廣岡とメンバーだった者から奪われた金額は此方の予算で返す事にした。
「……時練」
「何だ?鎌太刀?」
「……お前さんは彼奴を如何思う?」
「如何って……何だよ?」
「彼奴は生かすか……それとも……」
「……」
それは今の俺には出来ない。もしも、その時が決まったのなら……
「俺は……するだけだ」
「何て?」
「……何でもない。戻るぞ、今夜は俺の家で食べるんだろ?霧霜も待ってるしな」
「おう、そうさせて貰うぜ」
???Side
カタカタカタ……カチッ。
「お前は何だ!?目的は……い、一体何だ!?」
煩いねぇ……もう少し黙ってくれても良いと思うのだが。まぁ、良いだろう。これで情報は掴んだ。そろそろ、此方の仕事も終わるから彼に会う用意をしないとね……。
「最後に……名はClairvoyance。そして……
……バンッ!
目的は……この情報を頂き、君達排除。そして、仲間と合流する事だよ」
はい、Roseliaだと思った方はすみません。今回は彼のトラウマ回となりました。果たして廣岡は何処へ行ったのか、そして最後のClairvoyanceとは何者なのか……?