時を刻む音楽奏   作:狼と月の間

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はい、遅めのあけおめです。さて、第二章に移りますが時練本人はどうなるんでしょうか?では第十八話、どうぞ。


第二章『剥き出しの牙。穿つ矛先は誰に』
第十八話『獣。心を乱れさせる』


〜弦巻邸・地下隔離室〜

 

鎌太刀Side

 

「そこだぁ!」

「ガルルァァァ!」

 

ギィン!

 

「グルァ……ハァッ……ハァッ……」

「どうだ?まだ動けるか?」

「……ゲン……カイ」

「そうか……分かった。戻って良いぞ、時練」

「ヴァ……るい」

 

目を閉じて元に戻ったかの様に此方に向く時練。今は彼の能力『Crazy clock hands(狂った時計の針)』の能力の内容調査とそのコントロールしている所だ……が、

 

「言語は大丈夫だが時間は然程変わってない……やはり馴染めないか?」

「あぁ……前回の件で俺が……俺じゃない様に感じるんだ」

「そうか。所で聞きたい事があるんだけど良いか?」

「言いたい事は分かる……『コレ』だろ?」

 

そう言い、時練は手袋とコートを外す。隠されたのは肉球にフサフッサの毛皮の手と俺の身体を4回程巻きつけそうな長く大きな尻尾。暴走後の所為なのか、ガチの獣みたいに変化していたのだ。そこから俺は改名『獣ノ狩時(When hunting beasts)』と名付けた。

 

「不便じゃないのか?」

「手としての役割は限定的だが使える。霧霜が抑制剤か元に戻らせる薬作ってるからそれまでは我慢だな」

「その手と尻尾、バレたら不味いから隠さないといけないしな」

「はぁ……尻尾はデカすぎて隠しにくいし、手はこんなのだから弾けないのが痛恨だ」

「指示は行けるだろ?突然暴走して後から悔やんでも仕方ねぇよ」

「うむむ……」

 

まぁ、自己抑制は出来てるから良いか。

 

「んじゃ、俺は霧霜と報告書書いて薬の製作してくるから。何か有ったら呼べよ?」ガチャ

「あぁ」

 

彼奴には……まだ()()()()()()()()()()()がある。それを知るまで、俺は……。

 

 

 

時練Side

 

「……はぁ、不便なのは不便だ」

 

自宅に戻り、水分補給用のミネラルウォーターを1本飲み干す。冷たさが全体に伝わり、熱くなったら身体が一気に冷やされる。

 

「もう少しなんだが……何故か掴めない」

 

例えるなら真正面に敵が居るのに弾が出ずして確認したらJam(弾詰まり)起こして危険状態になる位だ。

 

「ゆっくり考えれば何とかなるか?まぁそんな事考えても無駄になるかどうかだな」

 

両手を見続ける。自身の手だと分かっていても、認めれない自分が居る。もし暴走し、傷を付けたらと考えると……。

 

「はぁ、深く考え過ぎか……全くどうすれb(ピンポーン)入って良いぞ」

「失礼するわ」

「友希那か、どうs(ギュッ)た……?」

 

彼女の目には涙が見えた様な気がした。

 

「友希那……?」

「心配させないで……貴方が死んだのと……思ったのよ……」

 

そう言い強く縋る。少し震えており、泣いているのは明確だった。

 

「……泣きたかったら、泣いても良いんだぞ」

「泣いてないわ……」

「ここは、俺しかいないからな」

「だから泣いてないわよ……泣いてなんか……」

「意地を張るのは良いが、辛いのは消えないぞ」

 

そっと頭に手をやり撫でる。友希那もさっきよりも強く縋り、嗚咽を漏らしていた。

 

「ううっ……つっ……」

「(……仕方ないか)」

 

手袋を外してコートを捲り、尻尾を出す。そして巧みに友希那に巻きつかせる。

 

「……っ?」

「今はこんな姿で悪い……だが悪いのはお前じゃない。制御出来ていない俺が悪いんだ」

 

()()()()。何故だ?あの時何故、抵抗せずに取り込まれた?

 

 

 

 

 

(慣れれば……だけどな。所で現実に戻りたいんだけど)

 

「(流石に我でも難しいだろうな)」

 

(何故だ?)

 

「(簡潔的に言えば……お前さんの意識は今、生と死の狭間だからだ)」

 

 

 

 

生と死の狭間……彼奴(Chimera)はそう言った。確か取り込まれる瞬間に殺意らしき声も聞こえた。

 

「(あの殺意は……)」

「……時練、少し良いかしら?」

「ん、どうした?」

「この尻尾と手は……?」

「恐らく暴走後のだと思うが……正直、俺にも分からない。何が何だか……暴走時は言う事を聞かないし、何故かお前達を傷付けようとする……」

「でも、貴方のやった事では無いのよ?」

「それでもだ。俺自身でやったのは変わり無い」

「……」

 

だからこの力は制御出来るまで使わない……絶対。いや多分……偶にかもしれないが。

 

「(……マズイ、確証が持てない。いやマジで、難しいっての。反動で暴走する可能性も有るs)だぁぁぁぁ!」

「ど、どうしたのよ!?」

「考えても何も変わんねぇんだ!友希那ァ!今日は有るか!?」

「練習なら有るわよ……でもその姿……」

「関係ねぇ!隠せば良いしバレたらバレたで考える!以上!」

「そう……(尻尾、気持ち良かった///)」

 

早く彼奴が来るまでに抑えが効くと良いんだが。

 

 

 

〜CIRCLE・スタジオ〜

 

扉が開く。カウンターでコーヒーでも飲んでいるまりなさんを無視してスタジオに入ろうとする。

 

「ち、ちょっと無視しないでよ!?」

「いや良いです。もう良いです」(第四話参照)

「何が!?」

「(……私が気にする事では無いわね)」スタスタ

「あ、友希那!?置いていk(ガシッ!)なぇ!?」

「隠してるなら教えてよ時練ちゃん!謝るから!」

「ヤメロォォォ!収拾付かなくなるゥゥゥ!と言うか見捨てるなァァァ!」

 

伸ばした手も束の間。見事にまりなさんに取られ組み伏せられる。

 

「離してください!何か不味い気がするので!」

「やだ!こうなったら意地でも吐いてもらうよ!」

「何でそうなるんですkってちょ!?コート脱がさないで!?」

 

尻尾は潰れて痛いし触れたら触れたでバレそうだし!あ、でも掴んでると言う事は気付いてないか。なーんだ大丈d……

 

「じゃねぇよ!?この状況を打開する方法は何かねぇのか!?」

「ほらほら吐いちゃいなよ!何隠してるのさ!」

「何かまりなさんスイッチ入ってない!?明らかにヤバいスイッチONってるって!」

「(ウィーン)居ないから何処行ったと思ったr……どう言う状況だ?」

 

占めた!鎌太刀なら!

 

「鎌太刀頼む!まりなさん止めてくr」

「ゴユックリドウゾー」スタコラサッサー

「鎌太刀ィィィィィ!?」

 

助け舟、即沈没。そのあとコートを脱がされ尻尾がバレた俺は両手の事も伝えて行こうとしたがモフモフさせろと言われ捕まり、第2ラウンドのゴングが頭の中で鳴った気がした。

 

 

 

「はぁ……シヌカトオモッタ」

「ご、ご愁傷様……と言うか本当なんだね……」サワサワ

「でリサ、お前も触るんかいな」

「良いじゃん?こんなの滅多に会えないんだよ?」サワサワ

「そらそうだけどよ……ううっ……」

 

擽ったい。無茶苦茶擽ったい。この尻尾も身体の一部だからか?

 

「あの……擽ったいんdひゃむっ!?

「へ〜?先端弱点かなぁ〜?」

「ひゃっちょっ……やめt止めろって言ってんだろうg(ガシッ)……はい?」

「私も……触りたいです」

「あのちょっと白金さん?触りたい衝動は分かる……いや分かりたくないけど何故羽交い締めしなくてはならないのか聞きたいんだが?」

「逃げるから……」

「あ、りんりんずるい!あこも!」

「ちょ待て!?一斉に来るかおい!?さ、紗夜さん……た、助けt」

「すみません刻針さん……実は私も……」

「ここには敵しか居らんのかぁぁぁ!」

 

この後、動けぬ状態でしこたま触られた。ねぇと言うかさ、まりなさんもそうだけど何で触られなきゃならんのじゃぁぁぁ!

 

「ううっ……もう婿に行けない……」

「『たすけてしぬ』とか書かれてて来たらこんな状況だったんですか……」

「抑制剤は出来たのかぁぁぁ……?」

「それがまだ……その尻尾の構造体を解析しているんですけど、流石に難しくて……」

「大体的な時間(サワッ)わぁぁぁん!?……どうだ?」

「えげつない声出ましたね……」

「辛抱なん(ギュム)らぁぁぁ!?

「もう止めたらどうですk「「「「「無理です!」」」」」……そうですか」

 

もうどうする事も出来ないし。しかも尻尾が痛い……普通の服だと尻尾の付け根が引っかかって痛い。

 

「あ、後尻尾の事で専用の仕事服と私服を用意しました!」

「でかした!尻尾が痛ぇ痛ぇ!」

「ですよね!そう思って作ったのですから!受け取ってください!」

 

 

 

渡された紙袋を受け取り、更衣室にすぐ向かい着替える。付け根辺りはどうやら穴が空いており尻尾が通せると言う事だ。

 

「(ガサガサ)……ん?何か……入ってるな?」

 

取り出して見ると1通の手紙、霧霜のだろうか。裏面を見ると……

 

 

 

『時練さんへ』

 

 

 

「……俺に?」

 

驚いた。この頃はいつも口頭で伝えていた彼女がまさかの筆書で来るとは。

一応、危険物は無いかと袋を探ってみたが、それっぽい物や形跡は見つからなかった。浮かれ過ぎたか。最近は裏仕事が多かったから警戒心が強くなっているらしい……いや、浮かれるのも駄目だが。

 

「んで、内容は何だろうか……」

 

開けて空っぽだったら仕方ない……あ、紙有った。

 

 

 

時練さんへ

あれから色々考えたのですがお願いする事に決めました。実は私がマネージャーを務めているPastel*pallettesについてなんですけど、どうやら皆さん時練さんに会いたいらしくて……こんな状態ですみません……。

 

 

 

「……まぁ彼奴の事だかr『ですので次の番組に出演して頂けますか?』はい?」

 

いやちょっと待て、何で書いてあったのか分かんなかった。

 

 

 

『次の番組に出演して頂けませんか?』

 

 

 

「(コンコン)失礼します……どうですか?」

「ここ更衣室だっての、まぁ獣化してる所為か慣れないがありがとう。そして霧霜、聞きたい事がある」

「何でしょうか?」

「お前……これなんだよ……」

「はい?」

 

本人に手紙を渡してみる。すると顔を赤らめ、

 

「えっ!?あ、あの!?これ!?もしかして!?」

「落ち着け。紙袋に入ってた。恐らくだが取り出すの忘れてただろ」

「は、はい……恥ずかしい……」

「全く……んで、出るんだろ?」

「……え?」

「番組。俺に会いたいからって番組出させるんだろ?やるよ。借りを返す時だからな」

「す、すみません……色々と……」

「(ポンポン)謝んなっての。ほら、そうとなったらさっさと予定日決めて用意しようか」

「は、はい!と言うか大丈夫なんですか?」

「何が?」

「あの……終わるまで既に扉前で待っているんですけど」

「Roseliaが?」

「Roseliaが」

「……いやまさk(バァン!)ナァァァァ!?」

 

この後、またモフモフされたよ畜生。

 




次回、新たなオリメン登場。
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