時を刻む音楽奏   作:狼と月の間

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大変お待たせしました。バイトやらで5月から6連勤という地獄が待ってます。

「お疲れ様」

マジ地獄です。

「お疲れ様」

……休んじゃダメ?

「駄目」

えぇ……。


第十九話『右往左往。行ったり来たりの迷い道』

〜時練Side〜

 

「荷物良し。鍵掛け良し。()()……良し」

「櫛持ちました?」

「……持ってなかったような。取ってくる」

「時間も有りますし、ゆっくりで良いですよ」

 

結構モフモフされた後日。霧霜の依頼を聞き入れ、二人で事務所に向かう用意をしている。

 

「と言うか本当に唐突だな……まさか番組に出演するとは……お、有った有った」

「無理でしたら出演しなくても良いんですよ?」

 

櫛をバックに入れ、着ている私服をチェックする……何で女物しかないんだ?休日にでも服買ってくるか……まぁ。

 

「無理はしてない。やらなくてはいけない事をやるだけだ」

「そ、そうなんですか……私でも分からないです」

「分かんなくて良いぞ」

 

どうせ後からくだらない結果(オチ)は目に見えてるから。

 

「良し、ほれ霧霜。被れ」

「あっはい……ってヘルメット?何でヘルメットなんか被らないといけないんですか?」

「言ってなかったっけ?()()()()()()()()っての」

「……え?」

 

 

 

数日前に戻る……それは俺が家で朝食(French toast)を作っていた時だった。

 

「……よっと。お、良い焦げ付きだな。CIRCLEの新メニューとしても考えた方が良いかもn(ピリリリリ)ん?メールか」

 

差出人は鎌太刀。どうやら外にプレゼントを用意したらしい。

 

「一体何を用意したんだよ」

 

鎌太刀のプレゼントは大半ろくでもない物しか入ってることが多い。例えばAlligator(アリゲーター)の子供とかBlack Mamba(ブラックマンバ)とか……

 

「マジで何用意したんd(ガチャ)……は?」

 

そこにあったのは『VULCAN 2000』全長2535mm、排気量2053ccを叩き出す大型自動二輪車だ。しかもサイドバックにヘルメットまで有るし……

 

「お、やっと来たか!待ちくたびれたぜ!」

「待ちくたびれたぜじゃねぇよ!?どうしたこのバイク!?盗んだか!?」

「盗んではない!譲ってくれたんだ!」

「あれ程盗むn……待て、譲ってくれた?誰に?」

「あー、ほらアイツだ!校長!」

「……でもどうしてこんなもんを」

「その事なんだが、これを見てみろ」

 

渡された1通の手紙を受け取り読んでみる。

 

 

 

刻針時練へ

羽丘学園での事件、ご苦労であった。そして生徒達を助けてくれた事にはとても感謝している。詫びと言ってはなんだが、そこのバイクを君に譲ろう。色々と改造はしているが法には引っかからないから安心したまえ。二輪免許は戦時中に取っていて既に持ってると鎌太刀から聞いてな、私も歳で最近は乗ってないし、手放すのも勿体無いが君なら使えるだろう。By.学園長

 

 

 

 

 

「……て事があったんだ」

「え?でもこのバイクって1人乗りじゃ……」

「言っただろ?『()()()()()()()()()』って」

「そう言う所も御手の物なんですね……」

「あぁ……」

 

正直、俺も驚いている。最初はスロットルレバー普通に1回入れたら通常の40〜60kmは出ていたけど、2回入れたら急に80kmも出るし。

 

「取り敢えず乗れ。予定時刻までには時間もあるし、のんびり行くぞ」

「あっ、はい!よい……しょっと!」

「しっかり捕まったか?」

「つ、捕まりました!」

「良し、行くぞ」

 

スロットルレバーを握り発進させる。最初はゆっくり行くから何とかなるが……まぁ、慣れだろ慣れ。

 

クイッ……ヴゥゥゥゥゥン!

 

「(あ、不味い)ウィリーするなこれ」

「えっ!?」

「これだけは嫌だけど……ふっ!」

 

踵を地面に勢い良く叩きつけ……

 

ガッ!ゴゴゴゴゴッ!

 

土を削る勢いを身に感じながら軽くウィリーして止まった。

 

「某だるま屋みたいになるかと思いましたよ!?」

「踵は死んだがな……途中靴屋に寄ってブーツ買うか」

予備(Spare)はないんですか?」

「長年使ってるからそろそろ替え時と思って買ってない」

「アッハイ」

 

再びスロットルレバーを入れて発進させる。今度は通常通り動いた。

 

「おぉ……風がぁぁ……気持ちいいですぅぅぅ……」

「それ雪降る時とか雨とか寒いぞ。バイザーは何か有った時以外上げるなよ」

「はぁぁぁぁい……」

「……聞いてねぇな」

 

だが、身体に当たるこの涼しさは良いな。後でお礼に行くか。

 

「所で聞きたい事が有るんですがー!」

「んー?どうかしたか?」

「そのー!燃料(Gasoline)足りますかー?

 

メーターを見る。Eマーク寸前を指しており、完全にガス欠直前。

 

「……給油にも寄るか」

「そうしましょうー!」

「霧霜、聞こえるからそんな叫ばなくて良いぞ」

「あっそうなんですか?」

「そう」

 

隣でも()()()聞こえる。

 

「取り敢えずスタンド寄るぞ、曲がるからしっかり掴まれ」

「はい!」ギチギチ

「強過ぎだ」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……ジャケットだから分かんねぇけど。

 

 

 

「ユキさん……来ないです……」

「大丈夫よイヴちゃん。必ず来るわ」

「チサトさん……」

「そうね……今頃迷ってるかしら?

 

 

 

「迷ったな」

「ちょっと待ってて下さい……200m手前の所で左ですね」

「手前か……仕方ない。戻るぞ」

 

片足を踏み込み、Uターン。クラッチも握りやすいし何処まで改造したんだ?

 

「所で時間大丈夫か?」

「予定よりは少し早めに出たので……あ、でも遅れそうですね……」

「なら少しルートを逸れる」

「近道ですか?」

()()()()()()()()ぞ、掴まってな!」

「え?ちょっtきゃっ!?

 

ブヴヴヴゥゥゥン……ガァン!

 

「着地成功」

「じゃないですよ……お尻痛いです……」

「ボ◯ギノール塗るか?」

「痔じゃないですよ!?と言うかなんで持ってるんですか!?」

「偶然ポケットに入っていた」

 

偶然って怖いな。

 

「まぁ冗談はこの位にしといて、サイドバッグの所に小型マット有るからそれ敷け。取り付けできる筈だから」

「だから何で持ってるんですか……」

「偶然サイドバックに入っていた」

 

偶然って怖いな。(2回目)

 

 

 

「……あ、来ました!」

「ん、あそこか(ブロロロ……)ハイ到着」

「皆さんすみません!色々と有りまして……」

 

側に寄せて止める。ブレーキも改良されてるな。

 

「お久しぶりです!レンさん!」ガバッ

「危ないて……久しぶりだな、イヴ。元気そうで何よりだ」

「はい!」

「と言うか千聖さん時間有りますか!?」

「大丈夫よ。時間も有るわ」

「なら良かったです……」

 

安堵している霧霜に対して耳打ちをする。

 

「駐車場所探してくる。先行って収録準備して来い」

「了解です」

 

再びアクセルを入れ、駐車場探しへと向かう。

 

 

 

「……あれ?レンさんは?」

「駐車場探しに行きましたよ?すぐに戻るらしいです」

「そうなんですか……」

「ところで霧ちゃん。時練ちゃんは昔からの付き合いなの?」

「付き合いと言うよりは話が長くなりそうなので……後で良いですか?」

「えぇ、じっくり聞かせてもらうわ」

「私に聞きたいです!」

 

時練さんの過去話は……色々と辛いんだよね。

 

「おいおい、一体何話してんだ……?」

「と……取り敢えず、収録準備に行きましょう!」

「……そ、そうだな?」

 

霧霜は何を言いたかったんだ?まぁ後で問いただすか……。

 

 

 

「……と言うか、何処で行うんだ?」

「一応、番組放送とかになる予定です」

「大丈夫かそれ……?」

「手と尻尾を隠しておけば何とかなるんじゃないですか?」

「いや、そうじゃなくて顔とか」

「……」

「……」

 

あ、これ考えてねぇな。やっぱり問うより擽りの刑に処すか。

 

「……何か、嫌な事考えてないですか?」

「サァーテナンノコトヤラ」

「もう……」

「レンさん!ユキさん!お待たせしました!」

「嗚呼……ん?」

 

何かソワソワしてないか?

 

「イヴ?どうかしたのか?」

「に、似合ってますか……?」

「ほら!時練さん!(ドガッ)」

「背中GAギャァァァ!」

「だ、大丈夫ですか!?」

「嗚呼……結構似合うぞ(ポンポン)」

「……ありがとうございます///」

 

ピリリリリ……ピリリリリ……

 

電話か……鎌太刀?

 

「ちょっと先行っててくれ。霧霜はここに残れ」

「了解です。私も後で向かいますのでお先に」

「はい!」

「気をつけて下さい」

 

そう言いイヴと千聖は中へと入っていった。

 

「……で、どした?」

『少し報告を。近々解析役の彼奴も此処に来るという事を報告するぜ』

「もしかして……()()ですか?」

『嗚呼。今バンに乗ってそっち向かってる』

「流石に運転中に通話は不可能か」

『HAHAHA。まぁ着いたら連絡する。後もう一つ』

「もう一つ……?」

『その姿を見せるなよ……実験動物(Marmot)になる可能性もあるぞ』

 

それは既に分かっていた。おそらく前回の暴走の件もあるし、発動も控えないとな。

 

「流石にそれは御免だな」

「Roseliaの皆さんならまだしも、他の皆さんだと危険ですね……」

「元から隠すって決めたんだ。バレたら仕方ないし、後々バレるんだから」

「え……それってどう言う事ですか?」

『まぁ……話すと少し長いから手短に伝える。実はな……』

 

 

 

「(ガチャ)悪い、遅れたか?」

「丁度です!次の台詞で向かって下さい!」

「頑張りましょう!時練さん!」

「嗚呼……」

 

物凄い笑みで此方を見てくる。何故此方を見る?

 

「では、Pastel*Palettesの若宮イヴさん、白鷺千聖さんに続いて、ゲストにお越し頂きましょう!刻針時練さんと霧霜雪さんです!」

「どうも!」

「はい、どうも」

 

取り敢えず表情を殺して出る。何かやらかしたら不味そうだから……ん?あのスタッフ、何かカンペを向けているような……。

 

『少しでも気持ちを抜いて下さい』

 

出演すら初めてなんだからそんな楽に出来るか。まぁ対話での情報収集と思って。

 

「えーと、お二人にお聞きしたいのですが……」

「「あ、はい!」」

「と有るライブ襲撃事件で、二人が犯人を取り押さえたとお聞きしていますが……それは本当なんでしょうか?」

「実際に起こってますので……」

「お二人のご職業は……?」

「マネージャーです」

「学生です」

 

……ノリで学生とか言ったけど大丈夫だよな。事実だし……?

 

「そうなんですか!因みに刻針さんはPastel*Palettesの皆さんとどの様な関係で……?」

「赤のt「時練さん?」……依頼で会って今はこの様な状況で」

「成程……」

「本当にレンさんには感謝してます!」

「えぇ。気づいてなかったらこのまま亡くなってたわ」

「何だこのタイミング逃したから今此処で言う感じ」

「気にしない方が良いですよ?」

 

いや気にするわ。

 

 

 

「まだまだお聞きしたい事がありますが、お時間となってしまいました。皆さん、ありがとうございます」

「いえいえ!こちらこそありがとうございました!」

「またお時間あったらお願いします」

「私もお願いします!」

「本当にありがとうございます」

 

カメラマンがグッドサインを送る。どうやら撮影は終わったらしい。

 

「終わったわね。お疲れ様」

「お疲れ様です!チサトさん!ユキさん!レンさん!」

「お疲れ様〜!」

「……」

「時練さん?」

 

気のせいか?()()()()がする様な……まさかな。

 

「霧霜、この後の予定は有るか?」

「特にはないですが……どうかしたんですか?」

「少し嫌な感じがしてな……バイク取ってくる。ここで待機しててくれ」

「あ、はい……」

 

 

 

キキィィィ……ガンッ!

 

左右から2台の黒いクーペがバンにタックルを繰り返してくる……全く、合流した時からこれかよ!

 

「くっ……こんな状況とは聞いて無いぞ鎌太刀!」

「俺もこんな事は予想外だ!合流前にこっちに襲撃が来るとは聞いてねぇよ!」

「何とか打開策を練らなければ……ここは廃工場……策はあるか鎌太刀!」

「有る訳ないだろ状況考えろ!って前見ろ!?」

「壁!?……飛び降りるぞ!」

 

ガチャッ……ガンッ……ドカァァァァァン!

 

「バンが……」

「漸く捉えたぞ……このハッカーめ」

 

クーペからサングラスをかけたスーツ姿の屈強な男達が現れた。

 

「……知り合いか?」

「昨日の夜に任務で情報を盗んだ敵社だ」

 

ん?追われる理由が分かったぞ?

 

「まさか、ここまで追ってくるとは執念深いな……」

「どうする?時練が居ない今は任せるが……」

「なるべく戦闘は避けたい……が、悠長な事も言ってる暇もなさそうだな」

「調子に乗るな……お前ら!やれ!」

「「「「ヒャッハァァァァァ!」」」」

「仕方ない。久々の運動だ……付き合えSilence!」

「了解ッ!」

 

悪いな時練……遅れそうだ……!

 

「……オラァ!」ブンッ!

「ッ!来るか!」

 

ナイフを振り下ろすタイミングを合わせ、腕を掴み……

 

「ハァッ!」

 

ドガァァァン!

 

「ぐ"あ"っ"!"?"」

 

ドラム缶の上に叩きつけた。

 

「鎌太刀!何かしら武器はないのか!?」

 

バチバチッ!

 

「あ"ぁ"ぁ"ぁ"!"」

「この高圧電流式スタンバトンしかないが大丈夫か!?」

「高圧電流!?何がどうしてそうなったんだ!?」

「時練が……」

 

あの馬鹿……まぁ、良いか。

 

「それを渡せ!」

「掴む所間違えないでくれよ!」ブンッ!

「(パシッ!)……さぁ、来い!」




次回は4人目の異名と名前が分かるぞぉ!乞うご期待!
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