1人と1匹   作:takoyaki

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百三十七話です



なんか、一週間本当忙しいな…………



てなわけで、どうぞ


蛙の子はやっぱり蛙

「やっとついた…………」

左の発動機にたどり着いた時、ローズはため息をついた。

ここにたどり着くまで妙にアルクノアの数が多かったのだ。

「そりゃあ、死守するって言ってたし、仕方ないよね」

「お前らが必要以上にデカイ声出したからに決まってるだろ」

ジュードの言葉をヨルは鼻息とともに消し飛ばす。

「それよりも、これ、どうするんだい?」

ホームズは、発動機に近づき観察するのだが、何がどうなっているのかさっぱり分からない。

「アルヴィン、君分かる?」

「いや。専門外だし無理。優等生は?」

「僕も無理かな」

三人が頭を抱えているとミラがポンと手を叩く。

「ようは、停止させればいいのだろう?」

ホームズは、ミラが何を言いたいかわからず首を傾げる。

「アルヴィン。それを撃ちぬけ」

「………了解」

苦笑いと共にアルヴィンは、銃を構え発動機を撃ち抜いた。

撃ち抜かれた発動機は、完全に沈黙した。

「んじゃあ、次は右舷の発動機か?」

「だね」

引きつり笑いが止まらないホームズは、そう賛同すると右舷を目指して歩き出した。

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

「それで、ヨル続きは?」

「は?」

ホームズの言葉にヨルは怪訝そうに顔をしかめる。

「だから、続きだよ。父さんと母さんの馴れ初めの。あの後母さんの自己紹介で終わりってわけじゃないだろう?」

「わたしも聞きたい!」

『僕たちもー!!』

レイアとティポも便乗してきた。

そんな面々を見てジュードは、呆れ顔だ。

「あのね、ここが何処だか分かってる……」

そう言って止めて貰おうとミラ達の方を見るが、どう見ても止める気はない。

寧ろ聞こうとしている。

「ハァ…………」

ジュードは、ため息をついて観念した。

ヨルはその面々を見ると口を開く。

「まぁ、いいか。暇つぶしにはなるだろ」

「別に暇じゃないけどね」

ホームズは、後ろから近づいてくる敵を蹴り飛ばしてそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

『さて、私の自己紹介はこんなところだよ。何か、質問あるかい?

体重以外だったら答えてあげるよ』

ホームズの母、ルイーズの言葉に一人手を挙げる。

『どうぞ』

『歳は幾つですか?』

『わぁ、真っ先にそれを聞くんだ………』

ルイーズは、呆れながらため息を一つ吐く。

『二十二歳だよ。それが?』

よく言えばキリッとした目つき、悪く言うなら、目つきの悪い男は促されるままに言葉を続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『なら、教官やめて下さい』

 

 

 

 

 

 

 

 

突然の暴言にルイーズは、少しだけ目を細める。

『へぇ……理由は?まぁ、大体予想はつくけどねぇ』

表情を崩さないルイーズに男は更に続ける。

『俺は十八です。俺と四つしか違わない、しかも女を教官とは呼びたくないです』

『わぁ………失礼千万だなぁ……』

『別に俺個人の意見じゃないですよ。多分みんなも同じ事を考えていると思います』

そう言って班員を見ると班員の何人かは目を反らす。

どうやら当たりのようだ。

『つまり、アレかい?女は男に力で負けるからって事かい?』

『それと軍とは言え、憲兵程度の実力者なら俺は、教官とは認めません』

『なんで?何か恨みでも?』

『単純に憲兵が弱かったからです。俺は何回も倒しています』

自慢するでもなくただ淡々と事実を述べていくその男にルイーズは、やれやれとため息を吐きたくなった。

女性というだけで舐められるのは、覚悟していた。

というより、ルイーズは、そこにタレ目というのが加わり年相応に見られない。

若く見られるというのは、中々女としては喜ぶべきものだが、幼く見えてしまうのでは、ある意味マイナスとも言える。

『そうは言ってもねぇ……教官やれってのが、上司からの命令だし』

ルイーズは、心底困ったようにため息を吐くと目の前の不躾な質問をした男を見る。

『それでえーっと………』

ルイーズは、手元の書類をパラパラとめくり確認する。

『ベイカーは、どうすれば私を認めてくれるんだい?』

ベイカーと呼ばれた男は、立ち上がりルイーズに近づく。

『簡単です。俺より強い事を証明してください』

ルイーズは、驚いて目を丸くする。

『思ったよりも分かりやすいねぇ……何がいい?組手?逮捕術?ボクシング?』

『いえ、試合ではなく、実戦です』

『実戦?』

ルイーズは、首を傾げる。

そんなルイーズに構わずベイカーは、続ける。

『実際の現場で、道場のような礼儀正しい試合なんてないでしょう?そんなまやかしの強さじゃなくて、実戦でのみ生きる本物の強さです。

それで俺より上だと証明してください』

ルイーズは、アゴに手を当て考える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ふむ。思ったより簡単だね』

 

 

 

 

 

 

 

その言葉と共にベイカーの身体は、宙を舞った。

 

 

 

 

 

 

 

誰もが突然起こった出来事に開いた口がふさがらない。

全てを理解したのは、ベイカーが地面に叩きつけられた時だ。

叩きつけられたベイカーは、地面につくと同時に胃の中のモノを吐き出した。

ルイーズは、殺気や闘気も出さず、構えも取らずなんの前触れもなくベイカーの腹に渾身の一撃を決めたのだ。

腹から広がる痛みにベイカーは、動けない。

ルイーズは、近づいていく。

『実戦じゃあ、動けなくなったヤツの負けだ。つまり………』

そう言ってルイーズは、ベイカーの顔を踏みとても楽しそうに笑う。

腹の痛みが酷くベイカーは、声が出せない。

『君の負け、私の勝ちだ』

ルイーズは、踏みつけているベイカーの目を見てハッと馬鹿にしたように笑う。

『なんだい?その目は?これが君の望んだ実戦だゼ?』

ルイーズは、後ろを振り返り他の班員を見る。

『いいかい?実戦には、よーいどんもレディファイトも始めもないんだ』

そう言って少しだけ踏みつける足に力を込める。

『不意打ち騙し討ち通り魔。突然始まって突然終わるなんて当たり前のように起こる』

そう言ってルイーズは、ベイカーの胸ぐらを掴んで立たせる。

『さて、君の望んだ実戦での決着だ。私のことを教官と認めてもらうよ』

ルイーズは、パッと手を離し支えを失ったベイカーは、そのまま地面に伏した。

地に伏しながら、その透き通るような碧い目には、見間違いようのない闘志が宿っていた。

『今に………見てろ』

ルイーズは、それを見て面白そうに笑う。

『君のその綺麗な碧い目で睨まれると迫力だねぇ………』

そう言って紙を投げ捨てる。

『五分もすれば回復するはずだから、回復したらそれをやっておきたまえ』

それからとても意地の悪い笑みを浮かべる。

『私に目にもの見せたいなら、それぐらいあっさりこなすんだねぇ?』

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

「てな感じだ………」

ヨルの話を聞き、一行は各々頭を押さえている。

「流石という感じね」

ローズは、ため息が止まらない。

「というか、名前ルイーズとベイカーって言うんだ………」

ジュードとは、ハハハと乾いた笑い声をあげる。

ホームズは、頭の上に暗い影を作って落ち込んでいる。

「聞かなきゃよかった………もう少しぐらいロマンチックなのを期待してたのに………」

「なんだ?口に食パンくわえたのを期待してたのか?」

ヨルの馬鹿にしたような言葉にホームズは、深々とため息を吐く。そんなホームズにエリーゼは呆れたようにため息を吐く。

「ホームズだって他人のこと言えないです」

ローズとホームズの出会いもこんなものだ。

いや、それでも二人の出会いの方がまともに見える。

「にしても、本当にホームズの上位互換だよね………」

「おれそんなに傍若無人なつもりないけど………」

レイアの言葉にホームズは、頬を引きつらせる。

「まぁ、アレだよな。ホームズを完成させると多分こうなるな」

「それ完成されてるのかい?」

アルヴィンの言葉にホームズは、怪訝そうに返す。

ミラは顎に手を当てそれから納得したように口を開く。

「おぉ!分かったぞ。所謂、ホームズの数倍タチの悪い奴ということだな」

『『あぁ……』』

ミラの言葉にようやくしっくり当てはまった面々は、納得したように頷く。

「………君たちがおれの事をどう思ってるか、よーく分かった」

ホームズは、吐き捨てるようにそう言う。

すっかり機嫌の悪くなったホームズにレイアは、引きつり笑いを浮かべる。

「というより、ホームズのお父さんも相当だよね」

「あぁ。若干思春期特有の病気から抜け出せていなかったというのが、ホームズ母の話だ」

「ハハハ………」

ローズは、乾いた笑いを浮かべる。

「でもさ、ホームズのお父さん、ベイカーさんだっけ?多分弱いわけじゃないよね?」

ジュードは、こめかみに指をつけながらそう分析する。

ヨルは、こくりと頷く。

「単純にホームズの母親が強すぎたって話だ」

「まぁ、母さん、見た目じゃマジで実力分かんなかったからなぁ………」

幼げな印象のせいで強く見えず、更に賢そうにも見えないルイーズは、とにかく絡まれる事が多かった。

結果は、全部返り討ちだったのだが。

「それで、ホームズのお母さんとお父さんは、どうやって仲良くなったんですか?」

エリーゼは、そうヨルに尋ねる。

ヨルは少し考え込む。

「詳しく話すと長いんだよな……あのバカ、その話をするとマジで一晩中話しやがったからな……」

「そんな大ボリュームなんだ………」

「とりあえず、プロポーズと新婚旅行は、同時だったらしい」

「ごめん。君が何を言っているかマジでわからない……」

ホームズは、もう何度目かも分からないため息を吐いた。

ヨルも説明する事を諦めたようだ。ため息を吐くと尻尾を振る。

「……とにかく、仲が良くなるまでに時間がかかったらしい」

「………余裕で想像出来るよ。母さん、気に入らない相手は徹底的に叩き潰すタチだったからね」

そんなホームズにヨルは、ヒゲを動かしながら頷く。

「まぁ。彼奴は、屈辱には屈辱で返すタイプだからな」

ベイカーは、自分より下だと思っていた女に一撃で意識を刈り取られたのだ。

これは屈辱以外の何者でもない。

「うん。疑ってなかったけど、確実にホームズのお母さんだね」

ジュードの言葉にホームズは、半眼を向ける。

「どういう意味だい………と聞きたいところだけど……」

ホームズは、そう言いながら前方を指差す。

 

 

 

 

そこには、アルクノアがずらりと並んでいた。

「時間もなさそうだし、後回しにするよ」

ホームズは、右脚を一歩前に出す。

どんな話をしていようと、ここは戦場だ。

臨戦態勢は、整っている。

他の面々も武器を構える。

「待て!お前、ホームズ・ヴォルマーノだな?」

突然名前を呼ばれたホームズは、ぴたりと動きを止める。

「それが?また生け捕りにしろとでも言われたのかい?」

「違う!おれは、ビネガー。お前の母親、ルイーズ・ヴォルマーノさんに世話になったものだ!」

ホームズは、構えを解く。

アルクノアは、それを見るとホームズに歩み寄っていく。

「母さんに?」

「あぁ。指導は厳しかったが、それでも我々は、感謝しているのだ。

今でも、それは、大きな借りだと思っている」

ホームズの身体に走る緊張が消える。

「だから、今度は、我々の番なんだ。その借りを必ず返さなくては、嘘だ」

ホームズは、その言葉を聞き、ヨルに目を向ける。

「びっくりだねぇ、母さんに感謝する人がいるなんて………」

「まぁ、否定はしない」

ヨルとホームズの言葉に突っ込みを入れたいジュードだが、ぐっと堪える。

「それで?」

「お前たちの味方をしたい。信じてくれないか?」

その言葉に一行は、微妙な顔をする。

エレンピオスから来た奴ら。

そんな奴らが、味方をするというのが信じられない。

何より、アルクノア達にジャオは殺され、マーロウは殺され、ローズの両親は殺されている。

味方をしてくれるなら、それは嬉しいことだが、感情がそれに追いつかない。

「………………まぁ、いいよ。君達が味方をしてくれるなら、歓迎だよ」

そんな沈黙を無視してホームズは、アルクノアに向き合った。

一行は、驚いて目を剥く。

「ホームズ!?」

レイアが驚いたような声をあげる。

エリーゼは、ティポをぎゅっと抱きしめる。

「信じられるんですか?」

「まぁ、同じ釜の飯を食った仲になるだろうしね」

ホームズは、戯けてそう返す。

「食べたことぐらいあるだろう?」

「あぁ。部隊の訓練の時に何度かある」

その言葉を聞き、ホームズはにっこりと笑う。

そんなホームズにミラが言葉をかける。

「ホームズ、お前、その言葉微妙に意味が違うぞ」

「突っ込むところそこじゃないよ」

ジュードは、そう言ってアルクノア相手に構えを解いているホームズに不満そうな目を向ける。

ホームズは、ジュードの視線に応えるように振り返る。

「まあいいじゃないか。信じてみようよ」

「もし、違った場合は?」

「その時は、おれが責任を取るさ」

ホームズは、肩をすくめてそう答える。

そう言ってアルクノアの一人ビネガーとホームズは、談笑をする。

「へぇ、母さんの料理を食べたのか!身内褒めになるけれど、相当美味しいよね」

ホームズのその笑顔から紡ぎ出される言葉にアルクノアの男は頷く。

「あぁ。絶品だった。訓練という悪条件でよくアレだけのものを作ったもんだと驚いたよ」

普通に談笑するホームズを見て一行は、複雑そうな顔だ。

「普通に会話してるよ」

「なんか………納得できないなぁ……」

レイアとジュードは、そう言いながらホームズを見る。

「でも、母さん、お菓子作りは下手なんだよねぇ……」

「あぁ。確かにルイーズさんは、そうだった」

エリーゼは、納得出来ないようで更に首を捻る。

「甘いコーヒーは、好きなくせにな?」

突然喋ったヨルに男は驚いて頷く。

「あぁ。苦いものより甘いコーヒーの方を好んでいたな」

そう頷いて答える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まぁ、嘘なんだが」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨルの言葉にアルクノアの空気が凍りつく。

「あ………あぁ!そうだった。あの人は苦い飲み物が好きだった。

甘いのが好きだったのは、ベイカーさんの方だった」

突然の不意打ちに思わず、早口でまくしたてる。

 

 

 

 

 

 

 

「まぁ、それも嘘なんだが」

 

 

 

 

 

 

 

ヨルの言葉に今度こそ一行は、声が出ない。

「因みに言っておくと、奴にとっての甘さの基準はコーヒーの香りはするが基準だ。別名はコーヒー風味の砂糖水」

そう言って、ヨルはホームズの肩からビネガーバカにしたように睨みつける。

「お前ら、嘘をついてるな?」

「ま、待て!コーヒーの味ぐらい別にな?」

そう言って助けを求めるようにホームズを見る。

ホームズは、にっこりと笑顔で頷く。

「もちろん。それだけなら別に疑う理由にはならないよ」

アルクノアは、安心した瞬間、地面と天井がひっくり返った。

 

 

 

 

 

 

ミラ達の憤った顔が段々と変わっていくのを不思議に思い、首を傾げているとそのまま頭に衝撃が走る。

そして腹部から広がる衝撃に堪えられず胃の中のものを吐き出す。

 

 

 

アルクノアは、ようやくそこでホームズに蹴られた事に気付いた。

 

 

 

 

ホームズは、にっこりと胡散臭い(・・・・)笑顔を浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

「それだけならね?」

 

 

 

そう言ってホームズは、そのまま近くにいたアルクノアの頭を掴みそのまま別のアルクノアに投げつけた。

これで、三人動けなくなった。

開いた口が塞がらないアルクノア、そして、マクスウェル一行。

「………今、ノーモーションで蹴りをやった?」

レイアの言葉にジュードは、頷く。

胡散臭い笑顔が消えたホームズは、アルクノアを見る。

「母さんの料理は、確かに美味しかった。結婚した後はね?」

ホームズは、そう言って指を立てる。

「確か、花嫁修業の成果だと言っていた。

新婚旅行とプロポーズがいっしょだった母さんの花嫁修業なんてリーゼ・マクシア(こっち)に来てからだ。君たちアルクノアがその修行の成果を口にすることはない。それに……」

ホームズは、煙管を口から外しくるくると回す。

「お菓子作りは、得意だった。自分で自慢してたんだから間違いない」

『やっぱりー!前に聞いた話と違うなーって思ってたんだー!!』

ティポの言葉にホームズは、パチパチと拍手を送る。

「よく覚えていたねぇ。流石」

そう言ってエリーゼから、アルクノアに視線を移す。

「あぁ。借りを返さなきゃ嘘だとかなんとか言ってたねぇ………」

そこで言葉を区切ってニヤリと底意地の悪い笑みを浮かべる。

「一体、君達どんな目にあったんだい?」

ようやく現実に追いついたアルクノアは、一斉に武器をかまえる。

ミラ達も負けじと武器をかまえる。

今にも飛びかかろうとするミラ達の前にホームズの手が現れる。

「ホームズ、何のつもりだ?」

「何のつもりだって?先言った通りさ」

 

 

 

そう言って口に人差し指を一本あて、悪戯っぽく笑う。

「おれ一人で責任を取る」

その言葉と共にヨルが、ホームズの肩から降りる。

「ヨル?!」

エリーゼが驚いてそう言っている間にヨルはレイアの肩に乗る。

「まぁ、どちらにせよ。黒匣(ジン)相手じゃ、俺の力は使いようもないし、黒球もこんなところで使うわけには行かないしな」

何て事なさそうに欠伸をする。

「尻尾は?!」

ローズの質問には、答えずヨルは鼻で笑って返す。

「なんだ?あんな目にあわされたのにホームズの心配か?」

容赦のない言葉に思わずローズは、言葉が出ない。

「死にかけたら手を貸してやるぞ、ホームズ?」

ヨルの嫌味ったらしい言葉にホームズは、これまた嫌味ったらしい笑顔で肩をすくめる。

「そりゃあ、どうも涙が出るほど嬉しいねぇ」

ホームズに一斉にアルクノアが飛びかかる。

「ホームズ!!」

ミラの叫びと同時に赤い蒸気が溢れ出る。

「剛招来!!」

技名と共にアルクノアは、吹き飛ばされた。

アルクノアが散らされ、赤い蒸気の背中が現れる。

「精々、温存しておきたまえよ、ヨル」

そう言ってホームズは、強く踏み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポンチョのはためく背中を見ていると、少しホームズより小柄な茶髪の長髪の女性の姿がだぶる。

それを見ると思わず目を丸くして、ヨルはフッと笑う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くくく、間違いなくあいつの息子だな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






コーヒーの下りはとあるテイルズのオマージュです。
わかった人はニヤリと笑ってもらえればと思います!!
このシーンは、見てて本当に鳥肌が立ちました。
これをヨルが悪意たっぷりにやるとこうなるんです……


ではまた百三十八話で( ´ ▽ ` )ノ



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