1人と1匹   作:takoyaki

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百四十七話です



遅れてしまい申し訳ありません!!



てなわけで、どうぞ( ´ ▽ ` )ノ


立つ鳥跡を残さず

「………ゼ!エリーゼ!」

突然揺り起こされエリーゼは、瞼を擦って起きる。

目の前には、レイアの顔があった。

どうやら結局エリーゼは、寝てしまったようだ。

「レイア?」

見るとあの時と同じ椅子に腰掛けていた。

「大変だよ!ホームズ達がいなくなった!」

 

 

 

 

 

 

「………え?」

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

ローエン、ジュード、ローズも遅れて出てきた。

「……………ホームズ……」

ローズは、震える声を押し殺す。

あの時、目を逸らしてしまった自分が憎くて仕方ない。

「まだ、そう遠くまでは、行っていない筈です。手分けして聞き込みをしましょう」

ローエンの言葉にジュード達は、頷く。

「もしかして、碧い目して黒猫を肩に乗せたにぃちゃんの話してるのか?」

近くで聞いていた宿屋の主人が声をかけてきた。

「あのにぃちゃんなら、イル・ファンの行き方おれに聞いてきたぞ」

こんなに早く情報が手に入るとは思わなかったのだろう。

しかし、手に入った情報を使わない手はない。

一行は、そう思って歩き出そうとする。

「馬鹿言ってんじゃないよ、アンタ。そのあんちゃんなら、 ル・ロンドに行く船を聞いてきたよ」

「?」

新しく出てきた情報に皆が首を傾げていると更に朝食を食べていた老人が口を開く。

「いや、儂は綺麗な滝が見えるところはどこかと聞かれたぞ」

「あ、おれはニアケリアは、どこだって聞かれた」

「僕はハ・ミルは、何処か聞かれた」

「私はカラハ・シャールへの行き方聞かれた」

「わたしはね、イル・ファンへのいきかたをきかれたよ」

老人の言葉を皮切りに方々(ほうぼう)からホームズの目的地が次々と出てくる。

「これ………どういう事?」

レイアの言葉にローエンは、顎髭を触る。

「恐らく、ホームズさんでしょう。私達を巻こうとしていますね」

ホームズは、後を追われる事を可能性の一つとして考えていた。

つけられる事はホームズとしては望むところではない。

だったら行先は、絶対に完璧に隠さなければならない。

だが、物事に完璧はない。

ホームズはそれを知っている。

手掛かりを残さないなんて不可能だ。

だからこそ、ホームズはありとあらゆる情報をぶちまけた。

行方を眩ませるのは諦め、時間を稼ぐことを選んだのだ。

「………どこまでもホームズは……」

エリーゼは、ギュッと拳を握り締める。

情報を隠す事にかけては容赦がない。

レイアも俯いてしまう。

一度見破ったとはいえ、そう何度も出来るとは思えない。

「また、居なくなってしまうんですね…………」

その時、エリーゼははっと気が付いた。

 

 

 

 

 

 

 

「ティポが居ないです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エリーゼの言葉にジュード達は思わず息を飲む。

消えたホームズ達とティポ、やな予感が皆の頭をよぎった。

エリーゼは、瞼に涙を浮かべる。

「そんな…………ホームズどうして…………」

ローエンは、その言葉に頷く。

「確かに、今更そんな事をしてもホームズさんに得などないはずです。

いえ、もっと言えばホームズさんにとってティポさんにその様な価値はありません」

だが実際、ティポは居ない。

エリーゼは、震える声で叫ぶ。

「ティポ!!どこにいるんですか!!」

『ここだよー!!』

今までの空気をぶち壊すかの様に呑気な声が聞こえた。

声のした方、掃除ロッカーの方を振り返るとエリーゼは、急いで扉を開けた。

『エリーゼー!!』

ティポは、扉が開くと同時にエリーゼの胸に飛び込んだ。

「ティポ!!」

『大変だよー!!ホームズが出て行っちゃたんだよー!!』

「知ってるわよ」

ローズは、そう返すとティポの腹に巻かれた紐を見つけ、眉を潜める。

「ティポ、後ろ向いて」

ティポは、ローズの言葉の通り後ろを向く。

 

 

 

 

 

【みんなへ】

 

 

 

 

 

 

ティポの背中には、そう書かれていた封筒が紐とティポの背中に挟まれていた。

 

 

ローズは、目を丸くするとそれを急いで開いた。

 

 

【みんなへ

 

 

 

 

きょうまで、どうもありがとう。勘違い

をしないでおくれよみんなといる事が

つらくなったから別れるわけじゃない。

ケンカもしたけど、楽しい日々だった。

ロクな思い出もなかったけどね

 

 

 

 

 

そんなわけでここでみんなとはお別れだ。

今日までありがとう。

それじゃあ

 

 

 

 

p.s ティポには、謝っといて

 

ホームズ・ヴォルマーノより】

 

 

 

 

 

 

 

「ホームズ………」

ローズは、もう涙をこらえる事が出来なかった。

妙に言い訳くさいその手紙がホームズの隠し事を晒している様なものだ。

「ごめん………私のせいだ………」

ローズの手から手紙が一つ落ちる。

きっと、ミラならホームズをここまで追い詰める様なことはしなかっただろう。

ミラの様になりたいと願ったというのに結局このザマだ。

「…………ホームズ……」

もう一度ここにはいない、昔馴染みの名前を呼ぶ。

ローエンは落ちた手紙を拾い上げ、眉を潜める。

「…………これから、どうしようか……」

レイアの言葉にジュードも俯いたままだ。

今まで指針を決めてきたミラがいない今、誰も行動を決めようがない。

「みなさん、今すぐホームズさんを追いましょう」

そんな空気を振り払うかの様にローエンの鋭い声が飛ぶ。

「…………ローエン?」

首を傾げているジュードにローエンが手紙を見せる。

「文章の初めを縦に読んでください」

ローエンの言葉にジュードは、不思議そうに首を傾げながら言われた通り読み始める。

「『きをつけろ』………?ローエン、これって……」

「えぇ。恐らくホームズさんは、何かに気付いています。

そして、それを確かめに何処かへ行った。私達を置いて」

「危険を伴うから……」

レイアは、ギュッと拳を握る。

「早く追わないと……!」

「どうやってよ……」

エリーゼの言葉をローズがポツリと放った言葉で黙らせてしまった。

ジュードは、今までの情報を集め考える。

一つ、この状況に相応しい行く先を口にしていた人がいた。

「ニアケリアだ。多分ミラ絡みのことでホームズ何かに気付いたんだよ」

「何かって?」

「多分、あの精霊術のことです」

ローズの言葉にエリーゼがポツリと呟く。

「昨日の夜、聞きました。ホームズあの時の事に何か気付いているみたいでした」

「でも、精霊術の事だったらイル・ファンに行くのが筋じゃない?」

ローズの言う事は一利ある。

そう、あそこは精霊術に関しては一級品の都市だ。

ジュードは、宿屋の主人のほうを向く。

「イル・ファン行きの船ってもう出ましたか?」

「いや、これから第一便が出るところだよ」

まだ、出て行っていない船。

「一応、聞きに行ってみるわ」

ローズは、そう言うと船の受け付けまで走って行った。

「ローズさんの事も一利あります。けれども、もし船に乗っていなかったとしたら………」

「ニ・アケリアだね」

 

 

 

 

 

 

 

二人がそんな話をしているとローズが帰ってきて船に乗っていないことが分かった。

 

 

 

 

 

彼らの行く先は決まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

「見えてきた、アレがニ・アケリアじゃない?」

ローズは、指を指して確認するとジュードは、ゆっくりと力なく頷く。

そう、ニ・アケリアに行くという事はそのままミラの死亡の事も伝えなくてはならないのだ。

気が重くなるのも仕方ない。

「みなさん、取り敢えず、まずは、ホームズさんです」

ローエンの言葉に頷きニアケリアに足を踏み入れた瞬間一行を鉄の匂いが襲った。

「何よ………これ?」

そこには、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ニ・アケリアの人々の死体が所狭しと並んでいた。

 

 

 

 

 

 

「何よ………これ!」

ローズは、必死に家族殺しの光景がフラッシュバックしないよう抑える。

「誰が……こんな事を……」

「アルクノアに決まってるでしょ!!」

ローズは、そう言うと刀を両刀引き抜く。

それに続くようにジュード達も武器を構え、辺りを見回す。

辺りに注意していると戦闘音が聞こえた。

皆はそれを聞くと、こくりと頷き音のした方に走り出した。

どうやら、町の広場のようだ。

目の前の家を越えれば、直ぐに辿り着く。

 

 

 

 

 

 

 

「来るな!!」

その瞬間ホームズの鋭い声が飛んできた。

その鬼気迫る声音に一瞬足が止まったが直ぐにローズは、踏み込んだ。

「ホームズ!!」

広場の真ん中でホームズは、膝をついていた。

身体からは、相変わらず血を流している。

「来るなって言ったろう!!」

ホームズの言葉にローズは、取り合わず、駆け寄ろうとする。

「あら?援軍かしら?」

その聞き覚えのある声にローズは、立ち止まり、思わず耳を疑った。

そして、声の発した本人を見て違うと言いたかった。

ローズは、震える声で別の言葉を続ける。

「どういうことよ………なんで、貴方が…………」

遅れてやってきたレイア達も驚きで声が出ない。

「こいつがやったんだ………ニ・アケリアも、そして、あの精霊術も全部!」

ホームズは、キッと上空に漂う人影を睨みつける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「このミュゼが全部やったんだ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミュゼは、口に手を当てフフフととても愉快そうに微笑んだ。







暗号というほどのものでもありませんね。


仕掛けです。


一応何回もプレビューをみて何回も直しました。


とはいえ、パソコンで見てる方には何が何だかわからなかったかもしれまれませんが………



ではまた、百四十八話で( ´ ▽ ` )ノ
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