1人と1匹   作:takoyaki

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百七十八話です。


ベルセリアの新pvが出た!と思って見てみたら聞き覚えのある台詞が多い。おかしいなぁともう一度よく見たら、pv3のロングバージョンということだったんですね……pv4じゃないんですね……なんだろうこの肩すかし感……
とはいえ、とてもpvかっこよかったし、OPも全部聞けたし、嬉しいことが大きい!
でもpvは、3のロングバージョン…………

褒めるにも手放しで褒められないし、文句を言おうにもクオリティが高くて文句も言えないし……なんだろうこの気持ち………



微妙な気持ちを抱えつつ、どこの店で予約しようか考え中です!


長くなりましたが、てなわけでどうぞ


そこに霊山があるから

「うぉらっ!!」

ホームズは、真っ直ぐにイバルに向かって回し蹴りを放つ。

イバルは、体を捻ってそれをかわす。

そして、そのまま回転を止めずホームズに向かって短剣を振るう。

ホームズは、左手の盾で防ぐ。

「はぁっ!!」

その隙にジュードの拳がイバルに向かって放たれる。

だが、それが届くより前にワイバーンの翼がジュードを弾く。

「ジュード!!」

「今だ!ワイバーン!」

イバルの命令とともにワイバーンの口から緑の煙が溢れ出る。

緑の煙はホームズとジュードを包む。

「なんだい?こ………れ?」

そう言ったホームズの口から血が一筋流れる。

「これ、毒だ……」

ジュードは、思わず膝をつく。

「エリーゼ!!」

ヨルの声にエリーゼが杖を降り精霊術を発動させる。

『「ディスペル!!」』

精霊術は、清らかな水となってホームズとジュードの体から毒を消し去った。

毒が消え、体の軽くなったホームズとジュードは、慌ててワイバーンから距離をとる。

ホームズは、口元の血を拭う。

「どうするんだい?あれ?かなり厄介だよ」

毒に侵されても早急に対応すればどうにかなる程度の毒だが、その度にイバル達に攻撃のチャンスを与えてしまう。

「こんなことなら、ポイズンチェックをもっと買っておけば良かった……」

今現在持っているのは、エリーゼだけだ。

「ホームズ!!」

歯嚙みをするホームズにエリーゼが何かを投げつける。

慌ててキャッチしてゆっくりと手を開く。

「これ……!」

そこにはポイズンチェックがあった。

「ホームズがワイバーンを押さえてください」

「は?」

「それで、今回のことはチャラ……です!」

ホームズは、首を傾げながらも頷く。

「よし!何がなんだかよく分からないけど、チャラになるならやってあげよう!」

「あ、ついでに死にかけたりしたらその約束なしです」

「…………………」

ホームズの顔に引きつり笑いが張り付く。

「そうですよ。ホームズさん。私も手伝うのですからね」

そう言ってローエンがにこにこしながらホームズの隣に立つ。

「本当、人使いが荒いゼ……君たちは」

ホームズは、息を大きく吐き出し、パンっと手を叩く。

「よし。それじゃあ行くとしますか」

ワイバーンが再びホームズ達に襲いかかる。

真っ直ぐに迫り来るワイバーンにホームズは、回し蹴りをぶつける。

「ぐがぁ!?」

カウンターの要領で攻撃されたワイバーンは、思わず面食らう。

「もひとぉーーつ!!」

ホームズは、そのまま身体を捻って逆足を叩きおとす。

地面に落とされたワイバーンは、ギロリと睨むと翼を大きく広げ飛び上がった。

思わずホームズは、転ぶ。

飛び上がったワイバーンをにらみながらホームズは、立ち上がる。

「やってくれるゼ………」

ホームズは、そう言って肩にいるヨルを見る。

「というか、君のことを怖がらないんだね」

「よく躾けられている。腐ってもマクスウェルの巫女ってことか……」

ヨルは、フンっと鼻を鳴らすと上空にいるワイバーンを見る。

ホームズは、疲れ切ったため息を吐く。

「操れないし、戦うし、どうもワイバーンとは巡り合わせが悪いねぇ………」

「まあ、これも運命だ。諦めろ」

「君はどうも滅びを望まれる運命みたいだねぇ………」

勘弁してくれというふうにクビを振るホームズ。

「まずは、勝たなきゃなんだけど………」

そう言ってホームズは、上空にいるワイバーンを見る。

「あれじゃあ何もあたらないんだけど………」

「いえいえ。そんなこともありませんよ」

ローエンは、そう言って精霊術を発動させる。

「フリーズランサー」

術の名とともに氷の矢が上空にいるワイバーンに向かって放たれる。

ワイバーンは、旋回してかわす。

そして、そのまま急降下をする。

落下とほぼ変わらない速さのまま地面に真っ直ぐ落ちていく。

さながら獲物を見つけた鷲のように。

その風圧と威圧にホームズは、動けない。

(だったら………!)

ホームズは、右足を強く踏み込む。

「動かなきゃいいだけの話だ!!」

ホームズの右足を中心として青白い光が広がる。

「守護方陣!!」

光の陣が、ワイバーンを捉える。

一瞬だけ、動きを止めるが直ぐに振り払うとホームズを吹き飛ばす。

「ぐっ!!」

思わず転がるホームズ。

そこに追撃を仕掛けようとするワイバーン。

「ファイアーボール!!」

ローエンの精霊術が発動しワイバーンは、堪らず上空へと舞い上がる。

その遥か上空にいるワイバーンを見ながらホームズは、考える。

「ふむ……ヒットアンドウェイか……厄介なことこの上ないねぇ」

非常識・改(ヨル命名)で駆け上がるにしても、どう考えても相手の方が速い。

恐らくたどり着く前にまた攻撃を喰らうだろ。

ローエンは、髭を触りながらふと顔あげる。

「ホームズさん。一つ考えがあるのですが」

「奇遇だね。おれも一つ考えがあるんだ」

二人は顔を見合わせるとニヤリと笑う。

「どうです、ホームズさん。私に命を預けてみませんか?」

ホームズは、頬が引きつる。

「いや………死にかけるなって、おれエリーゼに言われてんだけど………」

「大丈夫ですよ」

ローエンは、そう言うと細剣を振るう。

「賭けるのでは、ありません。預けるんですからね」

ホームズは、それを聞くと金色の瞳を輝かせる。

「分かった。エリーゼへの弁解は任せたよ」

ホームズは、そう言うとヨルを見る。

「さあ、頼んだよ」

「ハァ……」

ヨルはため息もそこそこに黒球を吐き出すとホームズの両脚に黒霞となり纏わりつく。

レイアは、イバルと戦いながらローエンとホームズを視界の端に捉える。

(何やってるんだろ……………)

「行きます!フリーズランサー!!」

氷の矢か現れる。

それにホームズが飛び乗った。

「って、は?」

「行っけええええええ!!」

何が起こったかわからない面々を差し置いてホームズを乗せた氷の矢は真っ直ぐにワイバーンへと向かっていった。

突然のことに戸惑うワイバーンに構わずホームズは、氷の矢を足場に飛び上がると、ワイバーンの脳天に踵落としを喰らわせる。

「ぐがぁ!」

そして、怯んだところに遅れて氷の矢が刺さる。

ホームズは、空中で一回転すると、そのまま両足で宙に着地する。

「っだぁらっ!!」

ホームズの回し蹴りがワイバーンを襲う。

だが、それをワイバーンが尻尾で防ぐ。

吹き飛ばされホームズは、空中で体勢を立て直す。

その僅かな隙にワイバーンが襲いかかる。

眼前に迫るワイバーンに思わず身構えるホームズ。

そこにローエンのファイアーボールが襲う。

地上から離れたところにいるワイバーンに寸分違わず精霊術を当てるローエンにホームズは、舌を捲く。

「っとに流石、指揮者(コンダクター)

ホームズは、そう言ってもう一度蹴りを放つ。

ワイバーンは、火球を喰らい動きが鈍っている。

だが、それでもホームズの攻撃をかわす。

(…………制限時間………どれくらいだったけ?)

内心歯嚙みをしながら思い出す。

はっきり言って空中戦は、もう終わらせないとならない。

ここで決めなければ勝ちはない。

「手は?」

「一つある」

「なら………」

「だけど、隙がない。因みに聞くけど、制限時間あとどれくらいだい?」

 

 

 

 

 

 

 

「1分切った」

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨルの淡々とした物言いを聞いてホームズ、三秒フリーズ。

 

 

 

 

 

 

そして、

「どうしてもっと早く言わないんだい!!」

「言ったって気にしない奴が何言ってやがる!!」

醜い責任転嫁の罵り合いが上空で始まった隙にワイバーンが真っ直ぐに向かってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「やれやれ、声は聞こえませんが状況だけは、何となく掴めました」

ローエンは、呆れたように言うと細剣を指揮棒のように振る。

要は隙を作ればいいのだ。

それも特大の。

だったら、食らわせればいい。

特大の精霊術を。

「ディバイン………」

ローエンの前に光が収束していく。

「……ストリーク!!」

収束された光は大砲となって、ワイバーンに襲いかかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぉっ!!」

目の前を横切る光の大砲にホームズは、思わず息を飲む。

そして、その光が消えるとボロボロになったワイバーンが現れた。

その姿をホームズの瞳は、チャンスと捉える。

「ヨル!!」

ホームズの言葉と共にヨルの尻尾がワイバーンに伸び、ワイバーンを拘束する。

翼が開かぬよう確実に。

「翼が開かにゃ飛べないよねぇ?」

身動きの取れないワイバーンを引き上げる。

「飛べない何ちゃらはって、奴だ!!」

引き上げられるワイバーンにホームズの脚が迫る。

「断………」

ワイバーンは、暴れるがヨルの拘束は、解けない。

「………空……」

そして遂にホームズの脚が届く。

「………打ァ!!」

安全靴のホームズの脚がワイバーンにめり込みそのまま地面に向かって真っ逆さまだ。

そして轟音と砂煙を撒き散らし地面に叩き落とされた。

地面に叩き落とされると同時にホームズの脚が更にめり込みワイバーンの視界は、暗闇へと消えた。

砂煙が晴れるとホームズがいつものように煙管を咥えて佇んでいた。

ホームズは、ポカンとしている面々を見るとひらひらっと手を振る。

倒れているイバルを見る限りどうやらジュード達も勝ったようだ。

「やっほー」

そのお気楽な様子にレイアは、苦笑いをしながらエリーゼの方を見る。

「どう?死にかけたわけじゃないし、許してあげたら?」

エリーゼは、苦い顔をした後渋々と言った手を挙げる。

ホームズはその手を叩きつけるようにハイタッチをする。

「……………おまけです」

「そりゃあどうも」

ホームズは、肩をすくめて返す。

そして今度はローエンだ。

「ナイスアシスト」

「当然ですとも」

ローエンもにっこり笑ってホームズとハイタッチをする。

ハイタッチが終わるとホームズは、イバルに視線を向ける。

「勝ったみたいだねぇ」

「うん。ホームズとローエンが抑えてくれたおかげだよ」

ジュードの言葉にホームズは、うんうんと頷いた後エリーゼを半眼で見る。

「君もこれぐらいいいたまえ」

「ティポ」

「ごめん。何でもない」

ホームズは、ティポが飛んでくるまえに謝る。

レイアは近くにいるローエンにコソコソと話す。

「余計なこと言わなきゃいいのにね……」

「いつものことですよ」

「ハハハハハハ…………」

そんなやり取りをしているとイバルがゆっくりと立ち上がる。

ホームズは、目を険しくさせると脚を構える。

そんなホームズの前にジュードが一歩出る。

「どうして……どうして、お前ばかりが……」

「イバル……」

イバルは、怒りに震えながら言葉を紡いでいく。

「俺は、マクスウェルの正統な巫女なんだぞ!!特別なんだ!!」

ジュードは、静かに首を横に振る。

「僕もイバルも特別じゃないよ」

「黙れ!!ミラ様を見殺しにしたくせに!!」

ジュードは、静かに振り向く。

「あの時、僕が二人みたいに特別だったらミラを助けられたかもしれない」

ジュードから静かに紡がれる言葉にイバルは、呆気にとられたように聞いている。

「僕も特別になりたいんだ」

「お前………」

イバルは、ゆっくりと俯くと聞こえるか聞こえない声でポツリと呟く。

「霊山は、社の向こうだ」

イバルが答えてくれたことにジュードは、驚く。

イバルは、そんなジュードをきっと睨み付ける。

「消えろ!!俺のまえから消えろ!二度と現れるな!!」

息も切らさずまくしたてるとそのままイバルは、走り去ってしまった。

『自分から消えたー!!』

レイアは少しだけ呆れたように笑った。

「これに懲りたら、次会う時は、大分変わってるといいね」

レイアのこの言葉にジュードは、静かに首を横に振る。

「多分もう、会わないんじゃないかな」

「え?何で?」

レイアは、訳も分からず首をかしげる。

そんなレイアに構わずジュードは、歩みを進める。

答えてくれないジュードに変わりレイアは、隣を歩くホームズに尋ねる。

「ホームズは、何でだか分かる?」

「まあ、おおよそ」

ホームズは、肩をすくめる。

「何でなの?」

「うーん………なんて言えばいいのかなぁ………」

ホームズは、困ったように腕を組む。

その間にジュードは、社の扉に手をかける。

「あのバカ巫女がジュードを認めたからだ」

ヨルがホームズの肩で1+1を説明するような調子で言う。

「あのプライドの高いバカは、それに耐えられないんだろ」

ヨルの解説にレイアは、首をひねる。

「…………うーん、なんか、少しだけわかった」

「ならいいんじゃないかい?」

そう言ってホームズは、社の中を指差す。

レイアも頷くと社に入った。

そこは円を描いた家だった。

「ここにミラがいたのかい………」

「うん。僕と………アルヴィンも一回来たことがあるんだ」

ジュードは、言いづらそうにそうホームズに教えると真っ直ぐ歩いていく。

そして、目の前にある天幕をめくる。

天幕をめくるとそこには外に続く扉があった。

ジュードは、迷わずその扉を開ける。

開けた途端外の空気が、風となってホームズ達を撫でる。

思わず目を閉じそしてゆっくりと開けるホームズ。

「………マジかい……結構デカイねぇ」

そこには、悠然とそびえるニアケリア霊山があった。

広がる曇り空がホームズを更に身構えさせる。

 

 

 

 

───────山の天気はよく見ときたまえ。命にかかわるからね。──────

 

 

 

 

 

 

ルイーズの言葉を思い出し、ホームズは、アホ毛を触る。

「うし!崩れるまえに早く行こう!」

「何言ってるの?山が早々崩れる訳ないじゃん」

気合を入れたホームズの横でレイアがすっとぼけた事を言っている。

ホームズは、迷った後もう一度口を開く。

「うし!天気が崩れるまえに早く行こう!」

「そうだね。ホームズの言う通りだよ」

ホームズの言い直しとジュードのさり気ないフォローにレイアは、自分がおかしな事を言ったとようやく気がついた。

「えーっと………あははは」

気まずそうに頭をかきながら笑うレイアにホームズは、ジットリと湿度の高い目を向ける。

「大方、またおれのことバカにしたんだろう?」

「いや、その……いつものかと思って………」

「…………」

『まあ、ホームズだもん仕方ないよねー』

「君たちがおれのことをどう思ってるかよーく分かった」

ホームズは、そう返すとずんずんと山を登り始めた。

「わあ!待ってよ」

慌てて追いかけるレイアとエリーゼにジュードは、ため息を吐いて隣にいるローエンを見る。

「どうしようか?」

「まあ、私たちは、私たちで行きましょう」

「だね」

 

 

「悪かったって、ホームズ!!」

「そうですよ。これからは、もっと信用しますって」

「気にしてないからいいですよーだ!!」

 

 

 

 

 









コナンの映画を見てきました!



完全にアクション映画となっていましたが楽しかったです。不覚にも泣きそうになりました。


まあ個人的には、シャ○のボイスとア○ロのボイスで会話してるシーンは、笑いそうになりました。



ではまた百七十九話で( ´ ▽ ` )ノ

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