1人と1匹   作:takoyaki

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百九十一話です

遅くなりまして申し訳ありません!!



てなわけでどうぞ


※質問の返答を忘れていましたm(_ _)m
後書きに追加しましたのでご覧下さい!


無理を通して道理を蹴っ飛ばす

 「まずは、一発!!」

 ホームズの黒霞を纏った右足がマクスウェルに襲いかかる。

 マクスウェルは、盾を操りそれを防ぐ。

 鉄骨をぶつけ合う音が響き渡る。

 「やっぱり、マナで守られてると厳しいねぇ………」

 盾は砕けずに残り、ホームズの脚から黒霞が消える。

 「当然だ。私を誰だと思っている」

 その瞬間ホームズの前に火の玉が六つ現れる。

 「フレアボム!!」

 ホームズは、大きく打ち上げられる。

 「ホームズ!!」

 ローズが思わず叫ぶ。

 対するホームズは、空中でニヤリと笑う。

 「ヨル!」

 ホームズの声にヨルは口を開けもう一度黒球を吐き出す。

 吐き出された黒球は、宙返りをするホームズの周りを回って両脚にたどり着く。

 辿り着いた黒球は、黒霞となってホームズの両脚に纏わりつく。

 ホームズは、両脚で空を蹴り、マクスウェルに向かって勢いそのままに蹴りを放つ。

 マクスウェルは、マナの障壁を張る。

 だが、ヨルが生首となりそれを食い散らかす。

 しまったと思った時には、もう遅い。

 ホームズの蹴りがマクスウェルに届く。

 「ぐぉっ…………」

 蹴りを食らったマクスウェルは、思わず唸るが直ぐにホームズへと狙いを合わせる。

 着地をしたばかりのホームズにそれの対応は、出来ない。

 迫り来る盾をアルヴィンが大剣で受け止める。

 盾を受けたアルヴィンにホームズは、思わず口笛を吹く。

 「やるじゃん、アルヴィン」

 「当然。これぐらい出来なくてどうするよ」

 アルヴィンが押さえている間にローエンが精霊術を完成させる。

 「フリーズランサー!!」

 放たれる氷の矢は、無数。

 マクスウェルが躱しても躱しても作られ放たれる。

 「この!小賢しい!」

 躱すことに煩わしくなったマクスウェルは、マナの障壁を張る。

 「せーのぉ!!」

 ホームズが肩にいるヨルを掴んで投げ飛ばした。

 投げ飛ばされたヨルは、生首となりマクスウェルの張ったマナの障壁を喰らい尽くす。

 ヨルに喰われたところからマナの障壁が崩れ去りローエンのフリーズランサーがマクスウェルに降り注ぐ。

 「ぐぉお!」

 ヨルは、いつもの黒猫に戻り尻尾を振る。

 「耄碌したか?俺にそんなのが通じるわけないだろ」

 「調子に乗るな、シャドウもどきが!!」

 マクスウェルの盾が1匹で立つヨルに襲いかかる。

 

 

 

 

 

 

 

 「どこを見ている?」

 

 

 

 

 

 後ろに立ったミラが手をかざす。

 「イフリート!!」

 炎の大精霊が現れ、マクスウェルに炎の拳をぶつける。

 マクスウェルは、ヨルに向かわせていた盾で、防ぐ。

 拳を受けながらマクスウェルは、イフリートを睨みつける。

 「貴様、正気か?」

 イフリートは、静かに頷く。

 ヨルの味方をするイフリートにマクスウェルは、驚きが隠せない。

 そんなマクスウェルにレイアの棍が振り下ろされる。

 マクスウェルは、すぐさまマナの障壁を張る。

 それを見越したようにヨルが、生首となって障壁を喰らい尽くす。

 阻まれることのなくなった棍は、そのまま真っ直ぐにマクスウェルに振り下ろされる。

 「よし!当たった!」

 「だから、どうした!」

 拳を受けている盾でイフリートを吹き飛ばすとレイアに向かって盾をぶつけた。

 盾は、レイアを吹き飛ばす。

 飛んでくるレイアに向かってミラが手をかざす。

 「シルフ!!」

 風の大精霊シルフが現れ、レイアが地面に落ちないよう風を起こす。

 レイアは、急降下することなく地面に降り立つ。

 「ミラ!!」

 「礼は、いい。それより来るぞ」

 マクスウェルは、盾を緑に輝かせる。

 そして、

 「トリニティチェイサー!!」

 緑の弾が、ホームズ達に襲いかかる。

 その遅いスピードにホームズは、首をかしげて紙一重でかわす。

 「阿呆!」

 ヨルの言葉にホームズが、肩にいるヨルに言い返そうとするとそこには、眼前に迫る緑の弾があった。

 「っ─────!」

 確かに避けたのだ。

 だが、その弾は自動追尾をするものだった。

 防御が間に合うわけもなく緑の弾は、ホームズとヨルを捉えた。

 緑の弾に弾かれたヨルは、宙を舞う。

 「ヨル!」

 思わず叫んだホームズをマクスウェルの盾が弾き飛ばす。

 「ぐっ………!」

 ホームズに更に追撃しようとするマクスウェルにジュードとローズが迫る。

 「こんのぉ!!」

 ローズとジュードの刀と拳がそれぞれマクスウェルに放たれる。

 マナの障壁が防ぐ。

 動きを止められたジュード達に盾が襲いかかる。

 盾は二人をまとめて弾き飛ばす。

 「ネガティヴゲート!!」

 エリーゼの精霊術もマクスウェルは、マナの障壁で防いでしまう。

 マクスウェルは、マナの障壁を消すと両手を合わせて菱形を作り出す。

 「"結晶せよ!根源たる元素!"」

 マクスウェルの後ろに四色に輝く魔法陣は、ない。

 代わりにあるのは、白く物憂げに輝く魔法陣だ。

 「"メテオストーム!!"」

 光り輝く球体がジュード達に迫る。

 ヨルは痛む身体を押して生首になろうとする。

 だが、喰らうことは叶わず輝くマナの塊がジュード達に降り注ぐ。

 ホームズは、忌々しそうに降り注ぐマナの塊を睨みつけると無理矢理立ち上がり地面を踏み鳴らした。

 そんなホームズに構わずまなの塊が降り続ける。

 降り終わった時、高みから見下ろしていたマクスウェルの目に映ったのは、ボロボロになりながらも佇む八人とそしてヨルだ。

 「ほう、アレを耐えたか」

 「ホームズのおかげだ」

 ミラは、そう言ってホームズに目配せをする。

 ホームズは、力無く笑って光り輝く陣を消した。

 ギリギリのところで守護方陣・改を作り出し、マナの塊の威力を殺していたのだ。

 マクスウェルは、ミラを見下ろす。

 「大したものだ。だが、勝てるのか?」

 「勝つんだよ。俺を封印したお前に負けるのは頭に来るからな」

 ミラが答えるより早くヨルが口を挟む。

 マクスウェルがそんなヨルに侮蔑を込めた目を向ける。

 「貴様……自分が何をしたか忘れたわけではないだろう?封印されるのは、当然だ」

 「知ったことか!負けっぱなしほど、頭に来ることはない!」

 暴言そのままの言葉にホームズは、呆れるばかりだ。

 マクスウェルの言葉は、正論だ。

 悪事を働けばそれ相応の代価は、付き物だ。

 だが、そんなもの(正論は)化け物(ヨル)には、通じない。

 「ここできっちり憂さ晴らししてやる」

 ヨルは金色の瞳を闘志で爛々と輝かせ、マクスウェルを睨みつける。

 マクスウェルは、そんなヨルを馬鹿にしたように笑う。

 「ならば、今のお前に何が出来るか見せてもらおう」

 マクスウェルの盾がヨルに向かって進む。

 それをホームズの脚とミラの剣が止める。

 「お前は、本当に………」

 「全く、ここまでくるといっそ清々しいねぇ………」

 呆れる二人にヨルは、尻尾をゆらゆらと揺らしてどうでも良さそうにしている。

 ホームズとミラは盾を弾き飛ばす。

 飛ばされた盾は、マクスウェルの元へと戻っていった。

 ホームズは、それを見ながら首を傾げる。

 先ほどから一つの可能性が、頭から離れないのだ。

 「ミラ、確認だけどここってなに?精霊界?」

 「と人間界を繋ぐ場所だ」

 「どうやって作ったんだい?」

 「精霊術以外にないだろ」

 「だよね」

 ホームズは、ニヤリと笑う。

 「だ、そうだよヨル」

 一瞬ヨルは、訳が分からず首をかしげるが直ぐにニヤリとホームズと同じ悪巧み満載の笑みを浮かべる。

 「なるほど」

 ヨルは生首へと姿を変える。

 「まさか………」

 ローズの呟きなど無視してホームズは、指をビシっと突き出す。

 ヨルは口を大きく開ける。

 「喰らいつくせーーーーー!!」

 「言われなくても!」

 ヨルは、大口を開けて息を大きく吸い込む。

 ヨルの口を中心に世界が歪み始める。

 「待て!やめろ!」

 マクスウェルの盾が迫り来る。

 それをジュードとミラが止める。

 ごくんごくんという音が響き渡る。

 文字通り世界に挑むその様は、まさに化け物と呼ぶにふさわしい。

 あたり一面にあるマナは、全てヨルが喰らっていく。

 マクスウェルは、慌てて止めようとするが、そんなことホームズ達が許さない。

 妨害という妨害を繰り返し、マクスウェルをヨルに近づけさせない。

 「貴様ら、いい加減に…………」

 「して欲しいんだったら()めてあげるよ」

 ホームズは、そう言ってマクスウェルから一歩離れる。

 ホームズは、肩幅分だけ身体をずらす。

 そこには、黒い靄に包まれた何かがあった。

 靄だというのにその吸い込まれそうな見覚えのある黒にマクスウェルは、息をのむ。

 「まさか………!」

 黒い靄は、両後ろ脚の形に整えられ、二つの足だけが現れた。

 「……………!」

 マクスウェルは、盾を思い切り黒い靄にぶつける。

 だが、迫り来る盾を黒い靄が押さえる。

 盾と靄がぶつかった瞬間前脚が現れる。

 「それとも()めてあげた方がいいかい?」

 黒い靄が、霧散し現れる。

 「……………この姿を見るのは、何年振りだ?マクスウェル?」

 白虎というのがあるなら、黒虎と表現するのがぴったりの本来の姿をしたヨルが。

 

 

 

 

 

 

 

 「今の俺に何が出来るか見せてやる」

 

 






悪質クレームの対応をする同期が言うには、日本語の通じない日本人が、外国人より遙かに厄介だそうです。



うん、誰とは言いませんよ。黒い猫なんて一言も言ってないよ?




てなわけで、質問コーナー!!

Q.オリキャラ達に声を当てるとしたら、どんな声優さんですか?

A.思いつきません。
以前から何回かこの質問を受けているのですが、考えれば考えるほど、どれがいいか分からなくなってきました。
前までは、ヨルは、竹中○人とか言っていましたが、最近は他の人もいいんじゃないか?と思い始めてまして………
ざっとで行くなら、
ヨルは低い声、
ホームズは、胡散臭い中性的な感じ、
ローズは、ツンデレしすぎない感じ、
マーロウは、渋い感じ、
ルイーズは、もう胡散臭さ全力な感じ
マープルは、あの言葉遣いが似合う元気な感じ
…………大部分雑ですね。ヨルとホームズ以外声の話してないですからね。
なので、もう皆さんの好きな声を当てはめちゃって下さい!





ではまた百九十二話で( ̄∇ ̄)/




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