今回の真田丸、熱かったですね!
てなわけで、どうぞ( ´ ▽ ` )ノ
「ローズちゃんというんですね」
金髪の女性は、うんうんと頷いている。
「どうしてこんなところに?」
女性の質問にローズは、何というのが正解か考える。
その間に女性は、もう一つ質問する。
「それから、目元真っ赤ですけど、何かあったんですか?」
女性の優しい口調にローズは、再び目元に涙を浮かべ、ポツリポツリと話し始めた。
◇◇◇◇
「だぁらっ!!」
ホームズが回し蹴りを放つ。
ヴォルトは、自分を覆う球体で受ける。
(くそ!蹴りが!)
ホームズにヴォルトは、電撃を流す。
「がっ!!」
身体に襲い来る痺れと痛みにホームズは、動きを止める。
動きを止めたホームズをヴォルトは、球体の殻のままぶつかり弾き飛ばす。
吹き飛ばされたホームズは、屋上の手すりに打ち付けた。
「ホームズ!!」
レイアは、ぎゅっと棍を握り締めるとそのままジュードと二人で同時に攻撃をぶつける。
だが、それもヴォルトの殻に阻まれる。
ヴォルトは、そのまま回転して二人を吹き飛ばした。
「ジュード!レイア!」
エリーゼが慌てて治療に駆け寄る。
アルヴィンが、その間に引き鉄を引くが、放たれた弾は、やはり阻まれる。
「チッ……ミラ、精霊は使えないのか?」
アルヴィンの言葉にミラは首を横に振る。
「
下手をすれば四大達の命に関わる。
まだ、ミラの中にいた方がマシだ。
「そもそも、現界できるのですか?」
「それも怪しい所だな。こんなにマナが枯渇した世界で……」
ミラは、更に顔をしかめる。
「ないもの嘆いたって仕方ないか……」
ホームズは、そう言ってゆらりと立ち上がる。
ジュードとレイアの治療を終えたエリーゼが、ホームズの治療をしている。
焦げ目がついてずれたポンチョを直してホームズは、目の前のヴォルトを見据える。
「取り敢えず、あの殻をぶち壊せばまだやりようがあるだろう?」
『まだ動くなー!!火傷が残ってるんだぞー!!』
エリーゼは、ムッとしながら治療をしている。
ホームズは、諦めたようにため息を吐く。
その一瞬の隙にヴォルト距離を詰めていた。
「っ!」
ホームズは、エリーゼを突き飛ばしてその場から遠ざける。
エリーゼという標的を失ってもヴォルトは、止まらない。
ホームズに体当たりをかます。
ホームズは両脚に力を入れると盾で受け止める。
両者一歩も引かない一騎打ちとなった。
一見、両者は拮抗しているように見える。
だが、そうは言っても大精霊の方が何枚も上だ。
このまま続けばいずれ競り負ける。
「ローエン!!」
ヨルの声と共にローエンが精霊術を放つ。
「ディバインストリーク!!」
光の大砲は、ヴォルトの側面に命中した。
それによりヴォルトは、僅かに態勢を崩した。
「だぁっらっ!!」
ホームズは、その隙にボルトを籠っている殻ごと蹴り飛ばした。
ヴォルトは、そのまま転がるが持ち直して再びホームズに向かう。
ホームズは、にやりと笑ってリリアルオーブを輝かせる。
「やるのか?お前一人で?」
「当然」
ヨルの力は、借りられない。
となればここから放たれるのは、正真正銘のホームズ単体の秘奥義だ。
「やるしかない!!」
右脚でどんっと地面を踏み鳴らす。
「炎より熱く!」
ホームズを中心に炎が渦を巻く。
「灼熱より熱く!!」
その炎を足に纏う。
「藍よりも碧く!」
纏う炎は、碧色に変わっていく。
「失恋より苦い!」
向かってくるボルトを睨みつけるとそのまま飛び上がった。
「エスプレッソ………!」
ホームズは、炎を纏った右脚を高々と掲げ、
「インパクトーーっ!!!」
向かってくるボルトに自分の体重全てを乗せた踵落としを放った。
碧い炎の踵落としは、殻を粉々に砕くとそのままヴォルト本体を踏付けた。
「ジ、ジ………」
「マズイ!脚を離せ、ホームズ!」
ヨルの言葉にホームズは、慌てて脚をどかす。
その瞬間、ヴォルトが電撃を放つ。
間一髪でホームズに電気が流れるのは、防げた。
「…………やっぱり、倒せないか……」
ホームズは、ゆっくりと起き上がるヴォルトを見ながら忌々しそうに舌打ちをする。
「どうしたって威力が出ないよなぁ………」
ホームズは、トントンとつま先で軽く地面を叩く。
「マーロウに放ったのに比べればな」
ミラは、そう言って目の前にいるヴォルトを指差す。
ヴォルトを覆っていた殻は治る様子を見せない。
ホームズは、にやりと笑う。
「だけどまあ、狙いは悪くないだろう?」
「ああ。珍しく文句なしだ!」
ミラはそう言うと同時にヴォルトに向かって踏み込んだ。
ミラの剣が振るわれるその瞬間、ヴォルトは、その場から消えた。
「何!?」
「上だ!」
アルヴィンは、そう言ってミラの上空にいるヴォルトに向かって引き鉄を引く。
放たれた銃弾は、ミラに振り下ろそうとしているヴォルトの手を撃ち抜いた。
「ジ………ガ……?」
ボルトは、撃ち抜かれた手を見る。
その隙にミラが剣を振るう。
振るわれた剣は、ヴォルトに当たる。
(くっ……浅い!!)
だが、届くよりも早くヴォルトは、後ろに避けた。
「ギギ……」
ヴォルトは、傷つけられ己の身体に僅かに戸惑った後、姿を消した。
「そんな!また!?」
レイアが辺りを見回す。
一行がヴォルトを探しているとアルヴィンの目の前に現れた。
大剣は、マクスウェル戦で使い物にならない。
「くっ!」
銃を構える。
だが、それよりも速く、ヴォルトの拳がアルヴィンを殴り飛ばした。
「アルヴィン!!」
思わず声を上げるホームズ。
ヴォルトは、そんなホームズの後ろに現れ、電撃を放つ。
「がっ!」
ホームズは、膝をつく。
身体全身に走る痺れに立っていられない。
「くそ……マジかい……」
動けなくなったホームズにヴォルトは、トドメを刺そうと右手を振り上げる。
「えぃっ!!」
そんなヴォルトにレイアが棍を打ち付ける。
ボルトは、突然の攻撃に戸惑う。
その隙にジュードのレストアでホームズを助け出す。
レイアは、構わず攻撃を続ける。
だが、すぐにヴォルトは、消えてしまった。
戸惑うレイアの後ろにヴォルトは、現れる。
そこに向かってローエンがナイフを投げる。
ヴォルトはゆっくりとローエンの方を向く。
その隙にレイアが棍で横殴りにする。
ヴォルトはレイアの棍に当たるより早く姿を消す。
「あぁ、もう!またこれ?」
苛立つレイアの背中にローエンが背中を合わせる。
「ローエン?」
ローエンは、頷いて指示を出す。
「皆さん、お互いに背中を合わせ、背後の死角を無くして下さい!」
ローエンの指示通り、アルヴィンとエリーゼ、ジュードとミラが背中を合わせる。
ホームズは、ヨルに自分の後ろを見るように指示を出す。
今、ホームズ達の背後に死角はない。
「なるほど、こうすれば選択肢を絞れるねぇ……」
ホームズの言葉にローエンが頷く。
「でも、どこにもいない……」
「来たぞ」
レイアの言葉を遮ってヨルが口を開く。
その瞬間、ホームズが飛び上がる。
「飛燕連脚!!」
ホームズは、空中に回し蹴りを放つ。
放たれたホームズの蹴りとヴォルトの拳がぶつかり合う。
「押し切ってやる!!」
ホームズは、踏ん張りの効かない空中で、脚だけの力で押し返す。
ヴォルトの拳は、ホームズに弾かれた。
その一連の流れでジュードが気づく。
「そうか、背後に死角がないなら……」
「そうです。上しかありません」
ローエンは、そう言ってナイフを投げ、アルヴィンが引き鉄を引く。
銃弾はボルトの肩を撃ち抜き、ナイフは、ホームズにもう一度ぶつけようとしていた、拳に刺さった。
「ジュード、ミラ!」
「分かってるよ、ホームズ!」
ジュードは、そう答えるとミラと
ミラが出した光の剣をジュードが持つ。
「「カタラクトレイ!!」」
光の剣は、ヴォルトを貫いた。
「ジジ………!」
ヴォルトは、苦しそうに呻く。
「やったか?」
「いや………」
アルヴィンの言葉にミラが首を横に振る。
ヨルは、髭をピクリと動かす。
「マズイ!」
ヨルの鋭い声が飛んだ瞬間、ヴォルトは、雷撃を放った。
それは、同時にホームズ達に襲い掛かった。
雷撃は、眩い光を放ちながら屋上を包んでいた。
しばらくして、眩い光が消えるとそこには、倒れている七人と一匹の姿があった。
幸いなことに全員息はある。
「………ったく」
ホームズの身体が僅かに動く。
そして、地面に手を付いてゆっくり起き上がる。
「規格外だねぇ、本当」
そう言って地面を踏む。
すると、青白い光の円陣がジュード達全てを囲む。
光の円陣により、ジュード達の傷が癒える。
それに伴って他の面々も何とか意識を戻す。
ホームズは、それを見届けると守護方陣を解く。
「ホームズ、逃げる?」
ジュードの言葉に肩をすくめる。
「逃げられるなら、ね。逃げられると思うかい?」
今度はジュードが肩をすくめる番だ。
「なら……」
ミラは、片手剣を構える。
「やるぞ!!」
ミラの号令に頷くと一行は、再びヴォルトに向かって踏み込んだ。
次は、第二章ル・ロンドの日常です。
ぶっちゃっけ、章タイトルを思い付いたのは、ここからでした。
こう、ある時フッと頭に浮かんだので、今後も全部章タイトルをつけようという考えに至りました。
さて、思い出としましては、スキットを入れたい!原作でさらっと流したところを使って彼らの楽しい日々を書きたい!と思い、色々詰め込みました。
結果は、今に続く様々なホームズの欠点を晒す章となりました(笑)
ヒロインは、次です!
てなわけで、また二百六話で( ´ ▽ ` )ノ