1人と1匹   作:takoyaki

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番外編です!


皆様あけましておめでとうございます



新年企画一発目です!



あぁ、そうだ。
一応、ラ・シュガルへの章を読んでからの方が良いかも……



てなわけでどうぞ


番外編!
おいしい?鍋パーティー!


「……どうしたんだろう、突然」

とある街、ホームズは首を傾げている。

「さてな」

ヨルも首を傾げている。

彼らの頭を悩ませているのが、この紙だ。

《今日の夜までにそれぞれ食べ物を持って集合!

 

 

レイア・ロランド》

 

 

 

 

「朝から見てないんだけど、彼女……」

「……何を企んでいるんだか……」

紙を読み直した彼らは、もう一度ため息を吐いた。

「食べ物って事は、料理でも持っていけば良いのかねぇ?」

ホームズは、そう言って料理屋に入っていく。

「……みんないないな……もう買ったのかな?」

店には、店員を除けばホームズとヨルしかいなかった。

ホームズは、メニューを眺めて考える。

「ふむ……さて、どうしたものか」

マーボーカレーが目に入る。

ホームズの好物である。

まず、これが嫌いな人間はいない。

しかし、

「レイアが好きだから……彼女が買ってきそうだ」

「かぶるのは避けたいところだな……」

ヨルもホームズに同意する。

「あ、豆腐の味噌汁」

「……それ持ち寄って食べたいか?」

「微妙だね……普通に作れるし……」

「お前が言うと説得力が違うな」

「君、馬鹿にしてるだろう」

ホームズとヨルは、しばらく視線で喧嘩をする。

「さて、他は……」

ホームズは、メニューを見るが、何だか、どれも被りそうで選べない。

「あ、これでいいんじゃない?」

「うん……まあ……うーん……」

ヨルの微妙な返事をよそにホームズは、購入しようとする。

「なぁ、ミネストローネとかは……」

「君はトラウマ抉って楽しいのかい?」

「いや、それはお前が作ったからで……」

ヨルの正論を無視し、ホームズは決定した料理を購入する。

「まぁ、いっか」

そう言ってヨルは、ホームズの購入した料理を見つめながら、ポツリと呟いた。

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

「みんな、食べ物持ってきた?」

「持ってきたけど……」

レイアの言葉にジュードは、料理を持ち出す。

「どうして、突然こんなものを?」

そう言って、レイアからの手紙を見せる。

「まあまあ、いいからいいから」

「というか、まだホームズとヨルがいないんだけど……」

「いいのいいの」

レイアは、そう言ってジュードを促す。

ジュードは、釈然としないながらも自分の持ってきた料理を見せる。

「……僕は豆腐の味噌汁。好物だし……」

ヨルとホームズがいたら文句たらたらな物を出した。

「うわぁ、流石、地味だね」

「どういう意味、レイア?」

ジュードの文句を聞き流し、次はローエンだ。

「私は、オレンジスープです」

そう言ってオレンジ色のスープを見せる。

「そう言えば、ローエンは好きだったね……次は?」

「私だ」

ミラが手を挙げる。

そう言って出したは、

「ミネストローネだ。料理と言ったらこいつが出てきた」

それを見たレイアは、頬を引きつらせる。

「あの時は、ロクな目に遭わなかったよね……」

ホームズが作り上げた兵器の数々を思い出す。

ホームズ自身も若干トラウマになってるものを平気で用意する、ミラ・マクスウェル。

「というかさ、汁物ばっかなんだけど……誰かそろそろ、何か固形物はないの?」

「なら、俺だな」

そう言ってアルヴィンが料理を取り出す。

「チキン南蛮だ」

レイアは、ぐっとサムズアップをする。

「いいね!そういうの待ってた!」

テンションの上がるレイアを尻目にローズが段々と半眼になっていく。

「ねぇ、ジュード?レイア一体何を企んでるの?」

「僕が知りたいぐらいだよ……」

ジュードは、ため息が止まらない。

「さあ!次は……エリーゼ!」

レイアの言葉に、エリーゼは、おずおずと料理を出す。

「クリーム牛丼です」

「わぁ!エリーゼ、好きなの?」

エリーゼは、少し恥ずかしそうに俯く。

『エリーゼは、お肉が好きなんだよー』

「ティポ!」

慌ててティポを押さえるエリーゼ。

そんなエリーゼを尻目にローズの方を向く。

「ローズは?」

「えーっと……」

期待満面の顔で聞かれ、目を逸らしながら、出す料理、それは……

 

 

 

 

「はい……サンドイッチ……」

 

 

 

ローズは、おずおずと出す。

 

 

「なんとも言えないな……」

アルヴィンの言葉が全てを物語っていた。

ジュード程地味でもなく、かと言ってエリーゼやアルヴィン程の、驚きもない。

そして、ローズがそれを好きだと言う話も聞いたことがない。

なんともコメントのしづらい料理を引っ張りだしてきた。

 

「うるっさい!!何も言うな!」

ローズは、気まずくなって叫ぶ。

「いや、わたし何も言ってないけど……」

レイアは、引きつり気味ローズを落ち着かせる。

料理が出揃ったのを見るとジュードは再度レイアに尋ねる。

「ねぇ、どうしてこんなことを考えたの?」

ジュードの言葉にレイアは、よくぞ聞いてくれたと言わんばかりに胸を張る。

「前にね、ホームズが言ってたの……」

 

 

レイアは、そこで言葉を切りたっぷり溜める。

 

 

 

「『闇鍋』というものがあるって!」

 

 

 

 

 

 

 

 

アルヴィンとローズとは、それを聞いた瞬間、血の気が引く。

 

 

 

そして、胸の内で叫ぶ。

 

 

 

《あんの……馬鹿野郎! !!》

 

 

ジュードは、開いた口が塞がらない。

レイアのこの提案を防げなかった事に後悔が止まらない。

エリーゼとミラは闇鍋がどんなものか分からない。

ローエンは、分かっており渋い顔をする。

「闇鍋をすると、親睦が深まるって、ホームズのお母さんが言ってたヨルが言ってたってホームズが言ってた!」

「……何だって?」

ローズが思わず聞き返す。

「だから、闇鍋をすると親睦が深まるってホームズのお母さんが言ってたってヨルが言ってた!」

「又聞きメンドくさっ!レイア!自分が何かやらかしたことに気づいてるでしょ!!」

ローズの心からの叫びが炸裂する。

「そ、そ、そんな訳ないでしょ」

そう言いながらもレイアの泳いだ目は落ち着かない。

誰々から聞いたというのは、責任転嫁の常套句だ。

しかし、ミラは生真面目に頷く。

「ふむ……そういう事ならやるべきだろう」

「え?」

「だから、親睦を深めるのだろう?だったら、やるべきだ。裏切り者が二人もいるんだ、やって損はないだろう?」

アルヴィンの逃げ道は封じられた。

戸惑うレイアに構わず、ミラは着々と準備を始める。

「鍋と言うぐらいだ、食材を入れればいいのだろう?」

そういってジュードの持ってきた豆腐の味噌汁に手を伸ばす。

「レイア、鍋だ」

「え、あ、うん」

レイアが差し出した鍋にミラが、豆腐の味噌汁を注ぐ。

用意されていた出し汁と豆腐の味噌汁が混ざる。

「次だ」

オレンジスープを注ぐ。

ミラを除いた一同は、鍋を覗き込む。

「まだ、大丈夫そうだな」

「そうね」

そんな事をローズとアルヴィンが言っているとミラがミネストローネを注ぐ。

トマトの匂いとオレンジの匂いと味噌の匂いが混じる。

「う、うーん……ギリギリ食べれるかな……」

ジュードが自信なさげに首を傾げる。

「いや、問題は次からだろ……」

そうお次は、アルヴィンのチキン南蛮だ。

普通に食べれば、絶品であろうものを訳のわからないスープの中に放り込む。

そして、次は……

「クリーム牛丼が……」

エリーゼの悲壮な嘆きを他所にミラは容赦なくぶち込む。

クリーム牛丼のクリームがスープの上を漂う。

「コレは……」

ローエンは、息を飲む。

「おかしい……鍋ってこんなにどろっとしてたってけ?」

ローズは、引きつり気味に喋る。

「さて、次はローズのだ」

場の空気を微妙にさせたサンドイッチを全てぶち込む。

パンと間の具材が綺麗に分かれ、一気に鍋の具が増える。

「これ……厳しいでしょ……」

ローズは、戦慄を覚える。

「どうすんの、パンが毒スープを吸ってるんだけど……」

「ふむ……後はホームズだけか?なら、しばらく煮込むとしよう」

ミラはそう言ってグツグツと鍋に火をかける。

 

 

 

 

異臭を放ちながら。

 

 

 

 

「もう、ダメだ……」

ジュードは、絶望に打ちひしがれている。

「し、しっかりしろ!優等生!」

「そうです!ジュードさん!まだ、ホームズさんがいます!きっと最高の食材を持ってきますよ!」

ローエンは、不安を振り払うように声を上げる。

 

 

 

 

 

 

その時、扉を開ける音が聞こえる。

 

 

 

 

「ただいま……て、うわ!」

 

 

 

 

《《来た!!》》

 

 

 

 

一同がホームズの方を振り向く。

 

 

 

 

「何?!この匂い?」

「む?ホームズか、いいところに来た。お前の食材だけまだだ」

「は?まあ、いいけど……」

そう言って料理を渡す。

ミラはそれを受け取る。

ジュードとレイアとローズは、ホームズに詰め寄る。

「何?何持ってきたの!?」

「何って……」

「凄い食材だよね!」

「最高な食材だよね!?」

「何でそんなに求めるハードルが高いんだい!?」

何せ命がかかっている。

しかし事情の知らないホームズは、訳が分からない。

「いいから、答えなさい!」

ホームズは、戸惑いながら答える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クリームコロッケパフェ」

 

 

 

 

 

 

 

 

三人の顔から血の気が引く音がする。

 

 

『『ミラ!ストップ!』』

 

 

 

 

 

しかし、時すでに遅し。

 

 

 

 

 

 

ミラは、ホームズの持ってきたクリームコロッケパフェを全て鍋にぶち込んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

甘いクリームの広がる鍋が闇へ誘おうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

「つまり、要約すると闇鍋をやっていると」

アルヴィンとジュードは、頷く。

「で、それをやる為に料理を集めたんだね」

「ま、まあね」

レイアは、頭を掻く。

ホームズは、嫌悪感を隠さず半眼で睨む。

そんなホームズにレイアは、慌てて言葉を繋ぐ。

「ほら、前に言ってたじゃん!闇鍋したって!」

「そうだね。ついでにその後おれと母さん、二人共吐いたって言ったはずだけどね」

そう言ってホームズは、扉に手をかける。

「待って!ホームズ!」

「何?」

「どこ行こうとしてるの!」

「ここじゃない何処か」

逃げようとするホームズをレイアが、手を掴んで止める。

しかし、構わずホームズは、外に出ようとする。

「冗談じゃない!ホームズだけ逃げるなんて許さないよ!」

手を引っ張る力が強くなるがホームズは、それに構わず扉を開けようと踏ん張る。

「あのね!君達が何処でどんな地獄を味わおうと勝手だけど!おれを巻き込むのはだけは止めてくれ!」

なおも逃げようとするホームズを今度はエリーゼがポンチョを掴んで引き止める。

『参加するよね〜ホームズ?』

「話聞いてた?!」

しかし、エリーゼはポンチョを離さず、ホームズに屈むよう指示を出す。

不審に思いながらも指示を従う。

屈んだホームズに耳打ちする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ホームズの初恋の相手って誰でしたっけ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「レイア、おれ実は闇鍋大好きだったんだ」

ホームズは爽やかな笑顔で颯爽と扉から手を離し、食卓に着く。

そして、扉に向かって猫のように足音を殺して向かっているヨルの頭を掴む。

「君だけ逃がすわけないだろう」

「お前が何処でどんな地獄を味わおうと勝手だが!俺を巻き込むのだけは止めてくれ」

「おれだけが、地獄を味わって君だけ無傷なんて許さない!」

「ざけんな!このアホ毛!」

「諦めが悪いんだよ!クソ猫!」

鍋の前で喧嘩を続けるホームズとヨル。

それに続くように、エリーゼとアルヴィンとジュードが席に着く。

「エリーゼ……」

レイアの目にエリーゼは、気まずそうに目を反らす。

「奥の手、です」

「気をつけなよ。ホームズ結構根に持つから」

「つーか、レイアも知ってんだろ」

「まあね」

そう言って、一同は食器を持つ。

ミラはそれを見ると頷く。

「全員揃ったな、それでは開けるぞ」

そう言って蓋を開ける。

むわっと立ち上がる臭気。

「ゔっ!」

ホームズは、早速後悔しそうになった。

最早何色なのか表現するのも難しい色を放っているスープ。

強いて言うなら薄いオレンジ色の何かと言ったところだろうか

更にそのスープに浮いている原型を留めていない具材がちらほら。

「これが本当の地獄の釜の蓋は開かれたって奴ね」

「誰が上手いこと言えって言ったよ……」

ローズの呟きにアルヴィンが突っ込む。

「……おかしいですね、私の知ってる鍋の匂いとは随分違うのですが……」

ローエンは、既に引いている。

「トマトと味噌とオレンジの匂いに混じって、パフェの甘い匂いが……」

ジュードは、こめかみが引きつるのを感じる。

「私のクリーム牛丼が……」

『元気出して、エリーゼ……』

エリーゼは、泣きそうな目でホームズを睨む。

「おれのせいじゃないだろう……企画した隣の天然娘に言っておくれよ」

「天然娘って私のこと?」

「他に誰がいるんだい?」

静かに火花を散らすレイアとホームズ。

「前にも言ったろう、君はもうちょっと頭を使った方がいいって」

ミラは、鍋を見ながら不審そうに首を傾げる。

「おい、ホームズ。本当にこれを食えば親睦が深まるのか?」

「………母さんはそう言って、提案してきた」

「結果は?」

「聞きたいかい?」

ホームズの言葉にミラは首を振る。

ホームズは、鍋の具材を一つお椀に盛ろうとする。

「………何これ?」

そう言って謎のブヨブヨとしたもの掴む。

「あ、それ私の持ってきたサンドイッチのパンだ」

ローズが手を挙げる。

「………外はカリっと中はふんわりがサンドイッチのパンの特徴じゃなかったけ?外も中もブヨブヨのヒタヒタなんだけど」

「ホームズ、もう一つも取れ」

ミラの命令にホームズは、頷くと取る。

しかし、ボロボロと崩れる。

そして、中から白い何かが顔を覗かせる。

「………これ、おれのクリームコロッケパフェだ……」

引きつりながら盛る。

外はサクッと中はトロッとと言うのが基本のクリームコロッケが、中も外もドロドロになって現れた。

後は肉っぽい何かを取る。

そしてスープを掬う。

「………甘い匂いと酸っぱい匂いとしょっぱい匂いが……」

もう既に吐きそうなホームズ。

そして、一言。

「誰が食べるんだい?一発目」

皆いっせいに顔をそらす。

「いつもの如くおれが食うなんてやだよ……提案者のレイアが食べれば?」

「やだよ!絶対に!そうだ!ジュードどう?」

「僕だってやだよ!アルヴィンは?!鍋好きでしょ?」

「いつ俺がそんなこと言った!!勝手なこと言ってんじゃねーぞ!優等生!……そうだ!エリーゼ、お前にやるよ!ガキはたくさん食って育だねーとな!?」

「私は……その……そうだ!ローエン?どう……ですか?」

「ジジイに甘いものは厳しいです……ローズさんどうですか?」

「私は、ホラ、お腹いっぱいだから……ミラは?貴方が育てた鍋なんだし」

「いや、私も命が惜しい……というわけで、ヨル。お前が食え」

「はあ?!」

我関せずで見守っていたヨルに突然話題を振るミラ。

「ざけんな!その残飯!テメーらの招いた災いだろ!テメーらでどうにかしろ!」

「うるさい!君以外これを食える奴なんていないんだよ!とっとと食え化け物!」

そう言ってヨルを締め上げ、口をこじ開ける。

「あがっ!」

「レイア!今だ突っ込みたまえ」

「分かった!ローズお椀取って」

三人の連携により、ヨルは鍋料理を口にする。

放り込まれたヨルは、モグモグと口を動かして一言。

 

 

 

 

 

 

「意外に行けるぞ、これ」

「は?」

 

 

 

 

 

 

 

あり得ない一言に場の空気が凍りつく。

「う、嘘だよね、ヨル?」

「いや、結構マジ」

そう言ってヨルは、パクパクと食材を口に放り込む。

とても美味しそうに。

それを見ていたミラは、唾を飲み込む。

「ふむ、ヨルが食べているところを見ると大丈夫そうだな」

「だね」

レイアは、そう言って盛る。

ミラもそれに続きジュード、ローエン、アルヴィン、エリーゼ、ローズと続く。

ホームズは、ヨルの方をもう一度見る。

確かにもごもごと確かに口を動かしている。

「まあ、大丈夫だよね」

そう言ってホームズもみんなに習ってお椀に盛大に盛る。

皆が器に鍋の具材を盛り付けるを見届けるとミラは口を開く。

「では、食べるとしよう」

「そうだね」

「お腹も減ったし」

「ヨルも美味しそうに食べてますし」

「なんだか心なしか美味そうに見えてきたな」

「食材自体は、美味しいものですしね」

「たまには、鍋を囲むのもいいわね」

「なんだか、ヨルに真っ先に食べさせたのが惜しくなってきたねぇ」

「確かに」

ホームズの言葉にレイアが同意し、食卓は笑いに包まれる。

各々が各々の感想を言ってお椀の食材を一気に平らげた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

「馬鹿だな、アレで美味いわけないだろ」

ヨルは、そう言って口の中の物を灰状にして吐き出し視線を向ける。

視線の先には、テーブルには机に突っ伏したミラ、ジュード、アルヴィン、エリーゼ、ローエン、レイア、ローズ、ホームズがいる。

この世のものとは思えない味にどうやら気絶したようだ。

当たり前の事だが、あれだけ甘いものとしょっぱいものとは酸っぱいものを合わせたものが美味い訳がない。

そう。ヨルは、味覚を消してモグモグと動かしていただけなのだ。

決して飲み込んではいない。

「う……嘘つき……」

辛うじて意識のあったレイアが死にかけの目でヨルを睨む。

ヨルは、フンと鼻で馬鹿にする。

「確かにホームズは、嘘はつかない」

そう言って口角を上げ白い牙を見せる。

「だが、俺が嘘をつかないと誰がいつ言ったんだ?」

そう言って半開きの扉に向かう。

 

 

 

 

 

「それ、片付けとけよ」

 

 

ヨルは、そう言って半分程減った鍋を尻尾で指し、ギリギリの行動範囲内の中に消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ………」

ホームズが、消えゆく意識の中で言葉を絞り出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あんの……クソ猫ぉォ〜〜!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※鍋は、この後マクスウェル一行が命懸けで頂きました

 

 

 

 

 








闇鍋は、怖くて出来ません……

この話は、本編と繋がっているか、繋がっていないのか……
まあ、アンソロジードラマCDだと思って下さい。

因みに言うと自分は、腹が痛くなる料理を二回程作った事があります。



では、また本編でお会いしましょう!

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