1人と1匹   作:takoyaki

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四十八話です。




日曜朝八時が熱い!!


本当に熱い展開が続いて、いつも手に汗握って見てます。





夜になにいってんだって感じですけどね……



てなわけで、どうぞ


出鼻を挫きまくる

「ん………」

ローズは、むくりと起きる。

昨日の事を思い出す。

昨日は、闘技大会があり、毒殺騒ぎがあり、過去の話をし、最後に残念な目にあった。

要約すると、色々あり過ぎて疲れたのだ。

そして、更に、今いる状況もあまり、愉快なものではない。

両親を殺したアルクノアが、今度はミラを狙っている。(ついでにホームズも)

そんな事を思い出しながら、ローズは、頭をボリボリと掻く。

まだ、眠い。

そんな眠くてドロンとした目で辺りを見回すと、

「…………あれ?」

ローズは、違和感を覚える。

「なんか、おかしいわね………」

試しに人数を数えてみる。

「いち、に、さ…………ん?」

三人目がいない。

 

 

 

ミラだ。

 

 

 

 

 

「……!ちょ、レイア!エリーゼ!」

ローズは、急いで二人を叩き起こした。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

「いた?」

レイアの質問にジュードは、首を横に振る。

ローエンは、髭を触りながら考える。

「従業員の話によると朝早くに一人で出て行ったそうですが……」

「昨日の様子じゃあ、一人で無茶はしないと思うけど………」

そう口にするレイアも自身は無い。

なぜなら………

「でも、ミラだから………」

エリーゼの言ったこの一言に尽きる。

「とりあえず、探しにいきましょ」

ローズの提案にジュードは、頷き、部屋に向かって走り出す。

「じゃあ、僕はホームズを起こしてくるよ。みんなは、先に出てて」

「分かったわ。外で待ってるわね」

そう言って、ローズは、扉に手をかけようとしたが、扉の方が先に開いた。

「ん?ローズじゃねーか」

扉から出て来たのは、マーロウだった。

相変わらず、朝からキセルをもくもくとさせている。

「どうしたんですか?こんな朝早くから?」

マーロウは、ローズの質問に答える。

「昨日の件の報告にな」

そう言って、煙を吐く。

そんなマーロウの顔を見る限り、あまりいい報告は、期待出来そうにない。

「それで、ホームズの馬鹿は、今何処にいる?」

「上で寝てますよ」

「じゃあ、丁度いい。お前らもついでに聞いて貰おう。後で、俺のウチへ………」

来いと言おうとマーロウをローズは、手で制する。

「……これから、いなくなったミラを捜しに行くんです。だから………」

「あの姉ちゃん一人で出歩いてるのか!?」

昨日の今日だというのに、不用心な行動を取るミラにマーロウは、驚きを隠せない。

マーロウは、ガシガシと頭を掻く。

「………わーった……とりあえず、ホームズにだけ報告しとくから、後は奴から聞いてくれや」

「分かりました。それじゃあ、いってきます」

マーロウは、軽く手を振って答える。

ローズ達は宿を出て行った。

「大変だな、アンタも」

通り過ぎざまに、マーロウは、ローエンに声をかける。

「フフフ。若者達を見守るのもジジイの役目ですよ」

ローエンは、笑顔で振り返るとマーロウに言った。

「………だな。んじゃあ、俺もその勤めを果たしにいきますか」

マーロウは、そう返事をすると階段を登っていった。

ローエンは、それを見送ると扉をゆっくりと閉めた。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

ローズ達は宿を出て歩いていた。

しかし、見つからない。

「困ったわね…………」

ローズは、腕を組んでいる。

何処か他に行きそうな所と言えば……

(ワイバーンのところ?)

いずれ、自分が乗るものをみてみたくなったのだろうか?

(………ないわね)

すぐさまその答えをかき消す。

すっかり思考の渦に沈んでしまった、ローズ。時折頭を振るのが少し不気味だ……。

レイア達はそんなローズに触れないようにしている。

「あら、あなた達……」

その声で、ようやくローズは現実世界に帰ってきた。

「……イスラ!驚いたわ……」

「今の声に私は驚いたわ……」

イスラは、うんざりとしながら耳を抑えている。

「それよりも、昨日は、大変だったわね……あなた達は、運がいいわ」

イスラの言葉にジュードは、顔を顰める。

「は、はぁ……でも、たくさんの人が亡くなったから……」

この言葉でイスラは、自分の発言の迂闊さに気付いたようだ。

「そ、そうだったね……失言だったわ……ごめんなさい」

慌てて謝るイスラをローズはため息を吐きながら見ている。

「もう少し気を付けて。あなた年上でしょ?」

「……えぇ。そうね」

少し気まずそうに、イスラは、頷く。

そんなイスラに、レイアが訪ねる。

「……あ、あの……ミラ見ませんでしたか?」

イスラは、少し驚くと、エリーゼに向かって微笑む。

「あら。あなたとちゃんとお話をするのは、初めてね」

そう言って、イスラは、少し屈んで、エリーゼの視線に合わせる。

「ミラさん、一緒じゃないの?」

エリーゼは、小さく頷く。

「一人で出て行っちゃったみたいで………」

レイアは補足する様に説明した。

そんなレイアに構わず、イスラは怪訝そうな顔をして、エリーゼを見る。

「あなた……前にどこかで?」

イスラの言葉にエリーゼは、何が何だか分からず首をかしげる。

「イスラさん。ひょっとして、エリーゼさんの事を知っているのですか?」

ローエンは、思わずそう尋ねた。

「エリーゼ………?」

イスラは、呟きながら、何かを思い出している様だ。

そして、目を丸くし、突然エリーゼか、飛びのいた。

「イスラ?どうしたの、そんなに慌てて?」

今度はローズが首を傾げる番だ。

「い、いいえ、違うのよ」

「いや、何が?」

ますます訳が分からないローズは、更に首を傾げる。

「そ、その、私はこれから、ちょっと用事があるから、これで失礼するわね」

イスラは、そう一方的に告げるとそのまま走り出した。

「何なのかしら?」

ローズの首は、もうこれ以上ないくらい傾いている。

「考えても仕方ないよ。それより、ミラを探そう。アルクノアに不意でも付かれてたら、大変だからね」

レイアの言葉にティポが口を開く。

『そこは、レイアじゃないから大丈夫だよ。ミラ君は、レイアと違って足を引っ張らないもんねー』

突然の毒舌にレイアは、腰に手を当て、声を荒げる。

「ちょ、ちょっと何を言うのよティポー!」

「ああ、もう、行くよ」

ジュードの言葉を聞き、レイアは、我に返る。

「ああ、うん、そうだね」

一行は、再び歩き出した。

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

「あ、あれ……」

橋を渡っているとローズが突然、前方を指差した。

ローズの指の先を見るとそこにはアルヴィンとミラがいた。

「ミラ!」

「ジュードか……」

ミラはそう返事をした。

しかし、ジュードは、少し怒っている。

「どこ行ってたの?!心配したんだよ!」

「あ、ああ、すまない」

 

 

 

 

「ミラが押されてれるよ………」

ローズは、横にいるローエンに話す。

「ええ、なかなか見れるものではありませんね」

「ジュード、怒ると怖いから」

レイアも会話に参加する。

 

 

「アルヴィンも。今度からは、行き先を伝えてよね」

しかし、アルヴィンは、ジュードの小言など、どこ吹く風と言わんばかりに腕を組んでいる。

「そんなに怒るなよ、優等生。

それより、エリーゼが何か言いたそうにしてるぜ」

ジュードは、アルヴィンの言葉を受けて振り返る。

エリーゼは、ジュードの方を向くとティポを強く抱きしめて話す。

「あのね……イスラさんが私の事を知ってるのかも………」

「イスラが?」

ミラは驚いて、エリーゼに一歩近づく。

ジュードは、頷いて答える。

「うん……さっき、エリーゼの顔をまじまじと見て顔色を変えたから……」

『でも、逃げるみたいにして、どこか行っちゃったんだー』

ティポが更に説明する。

「そうか……」

ミラは何と無く釈然としない様だ。

「今度、イスラさんに会ったらちゃんと聞いてみようね」

「そうね」

ローズは、微笑んで頷く。

きっと次会ったら話してくれるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

『誤魔化された質問に答えてもらうのは、無理とは、言わないけどなかなか大変だよ』

 

 

 

 

 

 

 

そんな、ローズの脳裏に不吉な言葉が過る。

幸先が悪いにも程がある言葉をローズは、振り払う。

そして、同時に考える。

(誰が言ったんだっけ?)

とりあえず、マーロウでは、ない事は確かだ。

マーロウだったら、もっとこう、豪胆な感じに言いそうだ。

ついでに言うならホームズでもない。

ホームズとした、会話らしい会話は少な過ぎて、覚えるのが楽すぎるのだが、その少ない会話の中にもない。

姉かと思ったが、それも少し怪しい。

もう少し、年上だった気がするのだ。

(本当に誰だったんだろう……)

「………ズ、ローズ!!」

「……へ?!な、何?」

レイアの声にローズは、ハッとする。

「何じゃないよ。どうしたの?えらく考え込んでたけど………」

「ああ、それね」

ローズは、一旦言葉を切る。

「 昔言われたの、『誤魔化された質問に答えてもらうのは、無理とは、言わないけどなかなか大変だよ』って……誰に言われたのかなぁ……って考えてたのよ」

「意味深なセリフだね………誰だろう?」

レイアは、悩んだが直ぐに答えに辿り着いた。

ポンと手を叩き、人差し指を立てる。

「分かった。多分、ホームズのお母さんだよ。よくホームズが、使う言葉にそっくりだもん」

ローズは、ようやく、合点がいった。

ホームズの母は、この街にいる時はローズの家によく来ていた。

なので、話す機会もたくさんあったのだ。

「うーん……幸先の悪い言葉だね」

ジュードは、引きつり笑いをしている。

「あ、ごめん………」

ローズは、引きつり笑いをしながら、直ぐに謝った。

 

 

 

 

その時、空中闘技場から、鐘の音がシャン・ドゥいっぱいに響き渡った。

ローズは、目を丸くする。

 

 

「時間か……」

「どうしたの、ローズ?」

驚いているローズにレイアが尋ねる。

 

 

「あんた達、闘技場に急いだ方がいいんじゃない?」

 

しかし、ローズの代わりに年配の女性が忠告する。

ジュードが驚いてローズを見ると

ローズは、コクリと頷いて答えた。

『え!?大会始まっちゃうのー!?』

「もしかして、早く行かないと失格なっちゃったり?!」

レイアとティポは、大慌てだ。

対照的にミラは静かだ。

「いいのか?大会は、辞退を考えていただろう?」

そんなミラの疑問に一同は、笑っている。

「迷いながらも行動をするのが人間。そう言ってくれたのは、あなたじゃないですか」

ローエンは、微笑みながらそう答える。

ローズは、腕を組んで感心している。

「へぇー、いいこというじゃない。マクスウェル様」

ローズの褒め言葉にミラは微笑む。

「うむ、そうだったな。助かるよ、みんな」

ミラの言葉にジュードは、頷くと、先程の年配の女性の方を向く。

「あの、どうして、僕達が参加者だって分かったんですか?」

「この時期に、この街によその街の人がいたら、それは、闘技場を見に来たか、参加者のどちらかよ」

「ここじゃ、ジョーシキだよ」

隣りにいた女の子も言葉を続ける。

「そうなの?」

ジュードは、振り返ってローズに尋ねる。

「そうよ。まあ、例外もいるけど」

ローズがやれやれと言った風にジュード達を見る。

ローズ達の答えに、ジュードは、目を閉じて物思いに更ける。

「………ジュード?」

そんなジュードをエリーゼは、不思議そうに見ている。

ジュードは、そんなエリーゼに少し微笑む。

「ごめん。なんか、頭の中で引っかかっただけで………闘技場に急ごう!」

一同は、闘技場に歩みを進めた。

 

 

 

 

『物事には、必ず、前兆というものがある。見逃すと、後でとんでもない事が起きるよ』

 

 

 

 

ローズは、再びホームズの母の言葉を思い出し、歩みを止める。

 

 

 

 

「前兆、ね………」

もう、前兆はあちらこちらに出ている。

ローズは、考えるが、どうも正解は、出て来そうにない。

「諦めたほうがよさそうね」

ローズは、羽織をはためかせ、仲間達と空いてしまった距離を走って埋める。

(考えても答えが出ない時は、目の前の事を片付けるしかないわ)

ローズは、そう決意を固め強く足を踏み出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『まあ、見逃さなくても、とんでもない事が起きるなんて、よくある事だけどね』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……」

そんな、気合いを入れた矢先、ローズは、続きの言葉を思い出し、思わずため息を吐く。

「……?どうしたの、ローズ?」

レイアの言葉にローズは、顔に影を作る。

「……後で話すわ」

 

 

 

ローズは、もう一度ため息を吐いて歩みを進めた。

 

 

 

 








日曜朝八時………もう、毎週これだけを楽しみにしているようなものです。

熱いです、本当に!!


まあ、メンタルの折られる展開も続いてますけどね………



では、また四十九話で( ´ ▽ ` )ノ
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