何でこんな時間に投稿したかって?
飲み会の後だからです!!
酔っ払いです!
テンションフォルテッシモー!!
てなわけでどうぞ
「ホームズ!!」
ローズは、慌ててホームズに駆け寄る。
「そう、焦りなさんな、急所は……外れているんだから」
ホームズは、そう言って刺さっている刀に手をかける。
「待って」
ジュードがそれを止める。
「下手に抜けば大出血だよ」
「なら、どうする?このまま、こいつは、刀と共に暮らすか?」
ヨルの言葉にジュードは、真剣な表情になる。
「……治癒孔で治療しながら、同時に刀を抜くしかない……レイア、指示をするから、その時に真っ直ぐ抜いて」
「………うん、わかった」
力強く頷いたレイアをヨルは、見ると満足そうに笑う。
「尻込みしたら、どうしてやろうかと思っていたところだが……」
ヨルは、レイアの様子を見る。
「……杞憂だったようだな」
「看護師見習いだからね」
そう言うとレイアは、ホームズの近くに膝を突く。
「ローズは、ホームズの体高を高くして。他のみんなはホームズを押さえて………多分暴れるから」
「……えっ?……ちょ……、そんなに痛いの?」
なけなしの血が更にホームズから、引く。
ローズは、それに構わず、ホームズを膝枕する。
「あ、そうだ。ホームズ、ハンカチ貸して」
「………何に使うの?」
ホームズのポケットから無理やりハンカチをあさると、ホームズの口に突っ込む。
「舌噛んだり、歯にひびが入るとダメだし……」
「ねぇ、おれはこれからどうなるの?」
ジュードは、そんなホームズを無視するとみんなに目配せをする。
「いくよ……」
「待って……心の準備が………」
『『せーの!!』』
レイアが深々と刺さった刀を引き抜く。
ホームズの腹に激痛が走る。
最早、痛み通り越して炎だ。
「い─────ッ!!!」
声にならない。
「……もう少し!!」
レイアがラストスパートをかける。
案の定、手足に力が入る。
ミラ、ローエン、エリーゼが力を込める。
「………取れた!」
レイアは、ホームズの腹に深々と刺さっていた刀を遠くに投げる。
ジュードが素早く傷を塞ぐ。
ホームズの傷は、見事に消え去った。
「ホームズ、ライフボトル……」
レイアから、ライフボトルを受け取ると一気に飲み干す。
「………この前のナイフよりきつかった………」
ホームズは、げんなりしている。
「これに懲りたら、もう無茶はしない事ね」
ローズは、そう言って頬を摘む。
その間に、ジュードがホームズを治癒孔で治していく。
エリーゼは、それの手伝いだ。
「………よし、とりあえずこれで大丈夫だと思うけど……どう?」
「いい感じ」
そう言って、ホームズはゆっくりと立ち上がる。
傷は、全て治った。
しかし、身体に残ったダメージと、身体から消えた血までは、治らない。
正直な所、立つので精一杯だ。
それを見越すとジュードがホームズをおぶる。
「やってくれたな……」
ウィンガルが意識を取り戻した。
髪の色も言葉も元に戻っている。
プレザもゆっくりと立ち上がる。
二人とも意識を取り戻したとは、いえ、まだダメージがありそうだ。
ミラは、ゆっくりと剣を構える。
「また……相手をしてくれるのかしら?」
今にも斬りかかりそうなミラをジュードが止める。
「邪魔するな!」
「違うよ!アレ!」
ジュードの視線の先には、ア・ジュール兵が迫ってきていた。
「潮時という奴か……」
一行は、一気に駆け出す。
ローエンも最後に駆け出す。
「また、逃げるのか……イルベルト……」
そんなローエンに、ウィンガルが言葉を投げかける。
「あなたが、逃げたから、ナハティガル王は………」
ローエンは、立ち止まる。
実際、反論のしようがないのだ。
しかし、ローエンは、それを振り切るように再び走り出した。
そんな彼らを遠くからアルヴィンは、眺めていた。
◇◇◇◇
「なんとか、逃げ切れた………」
ジュード達は、今、モン高原にいる。
ホームズは、雪を避ける為にフードを被る。
「代わるわ、ジュード」
「……じゃあ、お言葉に甘えて」
流石にジュードでも、雪に足を取られながらホームズを背負いながらずっとと言うのは無理だ。
ローズがホームズを背負い直すと、ミラは、ローズの背中にいるホームズに尋ねる。
「それで、お前はいつから裏切るつもりだった?」
ミラのストレートな物言いに慣れたホームズは、ため息一つ吐かず話す。
「……カン・バルクの一日目の夜から、かな」
「えらく、具体的だね………」
ジュードは、ホームズの詳しいタイミングに少し呆れる。
「ほら、アレだよ。君たちが、おれにアルヴィンを探させに行かせたでしょ?」
ローエンがあごひげを触る。
「ああ、あの時ですか……」
「そ。その時に、アルヴィンからウィンガルさんからの手紙をもらったんだ」
ホームズは、順番に話していく。
「まあ、色々書いてあったけど、要約すると、『時が来たら、ガイアス王に最も有利になる様に動け』って所かな」
「恩を返せ、とは書いてなかったの?」
レイアは、ホームズに尋ねる。
レイアの質問にホームズは、少し驚くと首を横に振る。
「まあ、明確には書いてないさ」
つまり、暗にそう言っていたということだ。
ホームズは、ミラの言葉を思い出しながら、今度は、逆に自分から訊ねてみる。
「あのさ、ウィンガルさんから、聞いたって言ってたけど……どの辺まで聞いたの?」
ホームズの質問に、エリーゼが答える。
「ホームズのお父さんのお墓があるって言ってた……です」
エリーゼの答えにホームズは、少し目を伏せ、自嘲するように言葉を繋いでいく。
「………思ってたより、しょうも無い理由だろう?
何せ、おれの命を助けられた、とか、おれの家族を助けてもらった、て訳でもない。間違った道に迷いそうだったのを救ってくれたって訳でもない。ただ、墓を建ててもらったってだけの話だ」
ホームズは、エリーゼの方を向くと言葉を続ける。
「………でも、おれとっては、デカイ恩だった……
なんと言ったて、おれは、行商人。
死体なんて、野山の何処かに埋めちゃうのが当たり前だったからねぇ……
でも、ガイアスさんとウィンガルさん達は、カン・バルクに墓を建てていいって言ってくれたんだ……」
ホームズは、静かに目を閉じる。
その時の事を思い出しているのだろう。
この気持ちを理解してもらえるとは、ホームズは思っていなかった。
人によっては、甘いの一言で済ましてしまうようなものだ。
寧ろ、やってもらって当たり前と思えればホームズもこんな事をしなかったかもしれない。
しかし、ホームズには、それが出来なかった。
そして、その出来事は、ホームズにとっては、絶対に返さなければならない恩へと変わっていった。
だから、今回、ホームズは、ジュード達を裏切ったのだ。
そりゃあ、迷いも消えるはずである。
自分の生き方をホームズは、真っ直ぐに選んだのだ、迷うわけがない。
レイアは、ため息を吐く。
恩を返す、
これは、間違っていない。
しかし………
「そうは言っても、迷って欲しかったよ………ホームズ……」
レイアは、ポツリと言う。
ホームズとの
あの時、ホームズから迷いは感じなかった。
友と戦う事に迷わなかったホームズにレイアは、寂しさを感じていた。
ホームズは、そんなレイアを見ると少し驚くがすぐに穏やかに笑う。
「君は、迷いながらも戦っていたね……やり合ってて分かったよ……」
そう言うと、ホームズは、レイアの方を見る。
「本当にいい奴だね、君は」
ホームズは、そう言って前を向く。
そこで、ホームズは大事なことに気づいた。
まだ、自分のすべき事を何もやっていない事に。
「えっとさぁ………」
ホームズは、言葉を区切ると皆を見回す。
「……ごめん。今回は、みんなに迷惑をかけたよ……」
ホームズの言葉に一同は、目を見開き、思わず立ち止まる。
なんと言ったって、あのホームズが真剣に自分の過ちを認めて謝ったのだ。
いつも、のらりくらりと生きて自分の弱味を誤魔化している様な男が、こんなに弱味を見せている、こんなに驚く事があるだろうか。
ホームズは、更に口籠りなから言葉を続ける。
本当は、これが一番言いづらいのだ。
ホームズは、目を泳がせる。
「えぇっと、後さ、凄く言いづらいんだけど………出来ればさ、まだ、みんなと一緒に旅をしたいんだ………ダメ……かな?」
その瞬間、ローズは、ホームズを背中から落とす。
「……何するんだい!!」
尻もちをついたホームズは、雪まみれになりながら、抗議をする。
因みにヨルは、巻き込まれる前にレイアの肩に逃げた。
そんなホームズをローズは、見下ろす。
「貴方、少しは頭を使いなさい」
ローズは、そこで言葉を切るとミラ達を見る。
みんな少し呆れている。
「何の為に、足手まといの貴方を背負ってここまで来たと思ってるの」
ホームズは、尻もちをついたまま驚いて目を丸くする。
そんなホームズにローズが、手を差し伸べる。
ホームズは、暫くそれを見つめるとフードを深々と被り、目元を隠す。
「………ありがとう」
ホームズは、そう言うと、ローズの手を取る。
ローズは、優しく微笑むとホームズを再び背負い直す。
ヨルは、その様子を見て少しだけ笑う。
「あの馬鹿、泣………」
「しー……」
レイアがヨルの口を押さえる。
もちろん、レイアだって気づいている。
あの時、ありがとうと言ったホームズの声は震えていたのだ。
ホームズが深くフードを被っているため分かりづらいが、目元も涙でいっぱいだろう。
ヨルやレイアだけでなく、みんな気づいている。
そんな中、ティポが、ホームズのところまで飛んでいく。
何処かで見たことのあるハンカチを咥えて。
『どうぞー』
ホームズは、ティポからのハンカチを受け取る。
「……おれは幸せ者だよ」
ホームズは、小さく、本当に小さくポツリと呟いた。
良かった……ちゃんとここまで書けた………
安堵で胸が一杯です。
あぁ、後、明日というか、もう今日ですが……二日酔いが怖いです。
ヤダヤダ
ではまた七十四話で( ´ ▽ ` )ノ