1人と1匹   作:takoyaki

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七十九話です




今更ですが、UAが、40000を超えました!!



これも皆さんのお陰です!!



てな訳でどうぞ


天は二物以上与える

「というか、ここって………」

ホームズは、辺りを見回す。

見覚えのある街並みに、見覚えのある風車、そして、ホームズが気まずい思いをしたあの、見覚えのある屋台。

 

「カラハ・シャールだったのかい……」

そう言って広場で羽を広げ叫んでいる魔物、プテラロングを見る。

「………厄介なことだ」

ホームズは、プテラロングを睨みつける。和やかな広場とは不釣り合い過ぎてため息が止まらない。

突然の魔物の襲来に一般の民衆たちは、出来るだけ距離をとったり、店から離れたりしている。

「にしても、デカイなぁ……」

巨大というのは、それだけで強味だ。

だというのに……

「火も吐いて、空も飛んでって……二物与えないでおくれよ……」

「グチ言ってないで、とっとと構えなさい!」

泣き言を言っているホームズにローズがげきを飛ばす。

「へいへい……」

ホームズは、足にグッと力を入れ、飛び上がる。

「飛燕連脚!!」

回転しながら、ホームズは連続の回し蹴りを叩き込もうとする。

しかし、プテラロングは、翼で応戦する。

そして、そのまま地面に向かって叩き落す。

ハンマーズファームの時とは比べものにならない怪我を追う羽目になるだろう。

(ヤバイ……!)

「ジャリ!!」

ヨルの呼び声にエリーゼが、ティポライジングで、駆けつけ、ホームズを支える。

「うっ………」

とはいえ、男の体重を片手で支えるのは、いくらリリアルオーブがあろうと無理である。

直ぐに緩やかに着地する体制に入る。

「サンキュー、エリーゼ」

ホームズがお礼をすると直ぐに顔を険しくさせる。

「ホーム……?」

戸惑うエリーゼをホームズは、脇に抱えて横に跳ぶ。

エリーゼが驚いていると先ほど自分達のいた場所から炎が上がる。

『ぎゃー!!』

その威力を目の当たりにしたホームズは、顔を引きつらせる。

「……ヨル、アレ食べれる?」

「精霊術ならな」

「アレは?」

「精霊術に見えるか?」

「だよね………」

「いいから降ろして下さい」

ホームズの脇に抱えられたエリーゼが、ホームズとヨルの情けない会話を止める。

すっかり、エリーゼの存在を忘れていたホームズは、下ろそうとする。

しかし、その間もなくプテラロングがホームズに襲いかかる。

「クソッタレ!」

ホームズは、構える。

「守護氷槍陣!!」

今度は、柱ではない。白く煌めく氷の槍がプテラロングを襲う。

動きが止まったのは、一瞬のだった。

氷の槍を翼で砕き散らすとら再びホームズ達に襲いかかる。

「……マジ?」

『ホームズ!なんとかしろー!!』

「んなこと言ったって……」

ホームズは、そう言って気付く。

(さっきから、おればかり狙われているような………いや……違うな……)

ホームズは、そう言ってヨルを見る。

「君を狙ってる?」

「ご名答。どうやら、忌々しいことに俺の事をエサだと思っているようだな……ワイバーンよりも頭が悪そうだ」

しゃあしゃあと言うヨルにホームズは、頬を引きつらせる。

「厄介事をもってくるのは、いつだって君だよなぁ」

そう言いながらエリーゼを両手で抱える。

「二割は、お前だ」

「八割を担ってる自覚は、あるんだね」

「……あの、さっきから何を……」

戸惑うエリーゼに構わずホームズは、ジュードを呼ぶ。

「ジュード!!」

 

 

 

 

 

そして、そのままエリーゼをジュードに向かって放り投げる。

 

 

「きゃあぁぁあああ!!」

『嘘ーーーー!』

ジュードは、突然の事に驚いたが、なんとかキャッチする。

そして、ホームズと一番最初に戦った時の事を思い出す。

「あの時も同じことしてたよね……」

ため息が止まらない。

ホームズは、ジュードが無事にエリーゼをキャッチするのを見届ける。

これでプテラロングに狙われるのは、ホームズのみとなった。

エリーゼの安全を確認し、ほっと胸を撫で下ろすホームズに、後ろからプテラロングが近づく。

ホームズは振り向きざまにプテラロングの顔面に回し蹴りをする。

驚いたようにホームズの歩幅にして、半歩下がった。

顔面にホームズの蹴りを食らい、半歩下がったプテラロングは、お返しとばかりに翼でホームズを襲う。

 

 

 

「ぐっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

盾で防ぐが勢いを殺し切れず、ホームズは、商品を飛び散らせながら、出店に派手な音を立てて頭から突っ込む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ホームズ!!」

ジュードは、思わず叫ぶ。

プテラロングは、追撃をしようとホームズの元へ行こうとする。

しかし、その行く手を防ぐ人影が現れる。

「アルヴィン!」

「任せろ!」

ローズの声にアルヴィンが大剣を構える。

「「飛天翔星翔!!」」

いつもと違い打ち上げると言うよりは、真っ直ぐ飛ばすという形にし、ローズに勢いをつける。

ローズは、その勢いのまま、背中を二刀で切る。

「グギャアアア!!」

痛みにプテラロングは、叫ぶ。

そして、ホームズ達を背にし、今度は、ローズにターゲットを絞る。

ローズは油断なく構え、プテラロングの突進をかわす。

「……!」

ただ、かわすだけでなく、同時に刀で斬りつける。

「アルヴィン!援護お願い!」

そう言うとローズは、詠唱を始める。

「来たれ、正義の(いかずち)……」

「……人使いの荒いこって……」

アルヴィンは、忌々しそうに言うとプテラロングに銃を構える。

「ヴァリアブルトリガー!!」

引き金を引くと同時に銃弾が、プテラロングを襲う。

 

 

 

「祖は、(つるぎ)となりて………」

 

 

 

ローズの詠唱は、中盤に差し掛かっている。

「ついでだ」

アルヴィンは、それを確認すると、怯んだ隙に剣と銃を合わせ、チャージする。

「チェイスキャノン!!」

そこから放たれて三つの銃弾がプテラロングに向かって放たれるが、回復したプテラロングは紙一重でかわしていく。

アルヴィンは、かわしたプテラロングを見てニヤリと笑う。

 

 

 

「バーン」

 

 

すると、かわされた弾丸が弧を描き三発全てが襲いかかる。

「ま、ズルと卑怯はホームズだけの特権じゃないって事だ……ローズ!」

相手が動きを止めた今が機会(チャンス)だ。

 

 

 

 

「あのバカを裁け!!」

ローズは、閉じた目をカッと開く。

 

 

 

 

 

「サンダーブレード!!」

 

 

 

 

 

(つるぎ)の形を纏った刀が、プテラロングに突き刺さり、雷撃の波を放って弾け飛ぶ。

 

 

 

まさかの攻撃の連続にプテラロングは、雄叫びをあげ、高度を下げる。

そして、自分をこんな目に合わせた人間(ローズ)をギロリと睨む。

そして、もう一度雄叫びを上げるとローズに向かって突進する。

ローズは、刀を構え、ジリジリとタイミングを計る。

「来たわね……ローエン!!」

「お任せを……」

ローエンの精霊術が完成する。

冷気がローエンの前で収束されていく。

「フリーズランサー!!」

しかし、プテラロングは、氷の矢を避ける。

当たらなかった氷の矢は、プテラロングの後ろへと降り注ぎ、砂煙が舞い上がる。

どうやら、プテラロングはこの攻撃を読んでいたそうだ。

「……なるほど」

ミラは、そんなプテラロングの動きを感心したようにみると、精霊術の待機を止め、発動させる。

「スプラッシュ!!」

プテラロングの上空に現れた水亀は、その蓄えられた水をプテラロングに注ぐ。

完全に不意打ちの攻撃に、空中でのたうち回る。

「ローエンの言った通りになったな」

「えぇ、この程度の誘導なんてお茶の子さいさいです」

いきなりの連続でプテラロングは、頭に血が上っていた。

自分に楯突いた人間全てに裁きを下すため、羽を広げ、周りを巻き込むように回ろうする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時、プテラロングの背後で砂煙を上げている出店から、ドン!という音が響き渡り、出店が吹き飛ぶ。

そして、吹き飛んだ出店が、プテラロングに当たる。

 

 

 

 

 

「ガァ?」

プテラロングは、奇妙な声をあげ振り返る。

振り返った先は、砂煙に包まれている。

しばらく見ていると、徐々に晴れていき、ポンチョはためかせ、剛照来のオーラを纏ったホームズと、生首になっているヨルの姿が露わになる。

「……まさか、ヨルに精霊術を食わせるのが目的だっとはね……もっと早く説明してよ」

ホームズは、ローエンの方を見る。

すると、ローエンは、静かに微笑む。

そう、最初からそれが目的で、ローエンは、フリーズランサーを放ったのだ。

プテラロングになど初めから当てるつもりなどなかった。

「助かったが……一応、今後の為に言っておくが、俺は強すぎる光属性の精霊術は、食えないからな」

ヨルは、ギロリとひと睨みすると、巨大生首から、いつもの猫の姿に戻る。

「どっちで行く?」

「非常識の方で」

「……」

ホームズのネーミングセンスにヨルは、若干顔を引きつらせると口から球を吐く。

ホームズの足に当たり砕けた球は両足に黒い霞を纏う。

「覚悟したまえよ、クソトカゲ」

そう言ってホームズは、プテラロングへと駆け出した。

「悲壮霊活!クイックネス!」

レイアの精霊術が発動し、ホームズのスピードが上がる。

プテラロングは、それに構わず襲いかかる。

ホームズは、右に前転してかわす。

「エリーゼ!援護を!」

そういって、レイアはティポライジングで跳ぶエリーゼに捕まる。

そして、二人はそのまま突っ込む。

「「『ライオットグライダー!』」」

二人の杖と棍の連打が、プテラロングを襲う。

二人の乱打にプテラロングは、ジリジリと後退し始める。

 

「効いてる!」

レイアは、更に攻撃の手を強める。

 

プテラロングは、この攻撃に対してどう対処しようか悩んでいた。

火を吐こうにもこの空中突撃の技は、その隙を見せてくれない。

だったら、一声雄叫びを上げ相手を驚かせばいい。

轟音というのは、それだけで相手にダメージを与える。

こんな近くで叫べば、レイア達もただでは済まない。

その考えに至るとプテラロングは、咆哮をあげようと口を開ける。

 

 

 

 

 

しかし、その考えを出してしまったが為にプテラロングは、気付かなかった。

 

 

 

広場の街頭を二本の脚で駆け上がり、プテラロングの頭上を取ったホームズに。

 

 

 

遠巻きにジュード達の戦いを見ていた、市民達は、当たり前のように駆け上がるホームズを見て空いた口がふさがらない。

 

ホームズは、高々と上げた足を一直線にプテラロングに向かって振り下ろす。

 

 

「断空打!!」

 

絶対に来るはずないと思っていた頭上からの攻撃にプテラロングは、声もあげる間も無く地面に叩きつけられる。

「レイア、ジュード!」

未だ空中にいるホームズは、レイアとジュードの名前を呼ぶ。

プテラロングは、すぐに起き上がり、羽ばたこうとする。

そして、ほんの僅か地面から離れるようとする。

 

 

 

 

しかし、それをレイアとジュードは、挟む。

 

 

 

 

「「巻空鏡舞!!」」

 

 

 

 

プテラロングは、再び宙に浮く。

 

 

 

「ホームズ!足!」

 

 

時間差で着地したホームズに、レイアが要求する。

 

 

 

 

「任せたまえよ……」

ホームズは、足を振り被る。

そして、その足にレイアが乗り、足場にする。

「「飛燕連月華!!」」

足に乗ったレイアをそのまま宙にいるプテラロングに向かって、打ち出す。

攻撃を食らったプテラロングは、そのまま広場の崖下へと落ちていった。

 

 

 

 

 

 

 

 







戻ってきたぜ!カラハ・シャール!!

一話は、ここから始まりましたね………

感慨深いったらないです。


では、また八十話で( ´ ▽ ` )ノ
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