1人と1匹   作:takoyaki

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八十六話です



久しぶりの本編更新です!!



本当は、明後日にやろうと思っていたのですが、自分の好きな漫画がアニメになるという、嬉しいニュースを見てテンションが上がったので、更新しました!!



いや、だって……半ば諦めてたもん……完結したの十何年も前の奴だもん……父親が学生の頃に連載してた奴だもん……
だからこその、テンションマックス!!
てなわけで、どうぞ





章のタイトルを変更しました( ´ ▽ ` )ノ



ナハティガル王
足元から現れる


「おぉ!」

イル・ファンに着いたホームズは、感嘆の声を上げる。

「いつ来ても、やっぱり息を呑むねぇ」

夜域と言われるイル・ファンを街灯樹が彩る。

その幻想的な光景は、見るものを魅了する。

カバンをホテルにおいて身軽になったホームズは、そんな景色を楽しそうに眺めていた。

「景色を楽しむのもいいけど、今はそれどころじゃないでしょ」

ローズは、そう言って舞い上がっているホームズの前を指差す。

ホームズは、ローズの指差す方向に目を向ける。

そこには、ラ・シュガルの兵が辺りを走り回っているのが目に入る。

「うーん……なんだか、物々しいねぇ」

ホームズは、顎に手を当て考える。

ジュードも不審そうに見回す。

「何があったんだろう?」

「見て!あれ!」

レイアが指差すその先には、煙が上がっていた。

「あれ、研究所の方向だ!!」

ジュードは言葉にミラは顔を険しくさせ口を開く。

「行こう!」

その言葉を聞くと一同は、走り出した。

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

一行が研究所に辿り着くとそこには、倒れている兵士が多数いた。

それぞれ倒れている兵に駆け寄る。

「エデさん!?」

ジュードは、駆け寄った兵士の顔を見て驚く。

「先生……ジュード先生なのか?」

「知り合いかい?」

ホームズの質問にジュードは、首を縦に振る。

ジュードの答えにホームズは、改めてエデと言われた男を見る。

ひどい怪我を負っており動くのも辛そうだ。

「聞いてくれ。兵士の中にア・ジュールのスパイが紛れ込んでいた」

エデは、そんな状態にも関わらず、ジュードに現状を報告する。

エデの言葉にジュードは、息を呑む。

「拘束しようとしたら、奴ら……実験室を爆破して……」

ジュードにそう言うと、医者が近寄ってきて、エデを抱えていく。

「ガイアスがもう動き出したんじゃ……」

今の話を聞いてジュードは、何か思ったようだ。

ホームズは、アホ毛を触りながら考える。

「……というより、何で研究所なんだい?」

イル・ファンの夜に青白い光を放ち佇む研究所を見上げながらホームズは、言葉を続ける。

「ガイアス王が動き出してるんだったら、もっと別の場所を狙うもんだろう?何でよりにもよって、学者さん達の聖地が襲われてるんだい?」

「それは、ここに『クルスニクの槍』があるからだ」

ホームズの疑問にミラが答える。

ミラの答えにホームズは、眉を寄せる。

国の研究所を利用して、最悪の兵器を作る。

そして、それを嗅ぎつけたア・ジュールのスパイが進入しようとしたのだ。

自分の物とする為に。

「……なるほど」

ホームズは、納得したようだ。

「とにかく、急ぐぞ!」

ミラは、そう言うと先頭を切って研究所に入っていった。

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

「……外から見てても思ったけど……」

研究所に入ったホームズは、辺りを見回す。

「広いね」

「……なるほど、兵器の一つや二つあっても不思議じゃないな」

ホームズの言葉にヨルも感想を漏らす。

「何だお前たちは?」

兵士がヨル達の方に来る。

爆発騒ぎで警備をしていた兵士がジュー達に近づく。

ミラとジュードが構える。臨戦態勢が整った。

そんな二人をホームズが手で制する。

「どうも、以前こちらにお渡しした物の点検に参りました」

ホームズは、にこやかに笑う。

「渡したもの?」

兵士は、不審そうに首を傾げる。

「はい」

そんな兵士に構わず、ホームズは更に笑顔で言葉を続ける。

「まぁ、お節介かとは思いますが、仕事の関係でここを通りかかったら、研究所の方が騒がしかったようなので心配になって寄らせてもらいました……どうでしょう?」

ホームズが物腰低く交渉をする。

兵士は迷う。

この非常時に、関係者以外を通すのは、余りいいものではない。

しかし、もしこの目の前の人間の言っていることが本当だった場合、それを止めた自分は完全に足を引っ張ることになる。

どうしようか悩んだが、正直今は呑気に悩んでいる場合ではない。

「分かった。そういう事なら、頼んだ」

「はい、ありがとうございます」

ホームズは、とびきりの笑顔を浮かべ、ミラ達を先導していく。

 

 

 

 

 

 

ローズとレイアは、しらっとした顔を浮かべホームズを見る。

「見た?」

「見たわ。とびきりの胡散臭い笑顔だったわね……」

その兵士から、かなり離れ、声が届かない位置に来るとミラが険しい顔で訪ねる。

「一体ここに何を売った?物によっては……」

「用紙」

「は?」

「だから、用紙、紙、ペーパー」

ミラは開いた口が塞がらない。

そんな様子のミラに構わずホームズは、言葉を続ける。

「前にここに来た時にさ、この研究所から出てきた白衣を着たおっさんに紙を売ったんだよ、無くて困ってたみたいだからね」

「…………確認する?」

ジュードの言葉にホームズは肩をすくめる。

「するまでもないだろう。何年前の事だと思っているんだい?」

「……ホームズ、嘘吐いたんですか?」

エリーゼは、ジトっと睨む。

ホームズは、ニヤリと笑ってエリーゼに答える。

「失礼だなぁ。おれは何一つ嘘はついてないよ。おれが言ったのは全部本当の事。彼が勝手に勘違いしただけだよ」

ジュードは、大きくため息を吐く。

確かに何一つ嘘はついていない。

以前と言うのも確かに前だし、実際にここに物を売りに来ている。

「相変わらずだね……」

「つーか、君たち、お礼の一つや二つあってもいいんじゃないの?」

ホームズは、半眼で一行を見る。

「そうか、言われてみればお前のお陰だな」

今気づいたという風にいうミラを見てホームズは、ため息を吐く。

「ま、いいけどね」

そう言ってホームズ達は、ある扉の前で立ち止まる。

「なんだい、これ?」

鋼で覆われており、全く開く気配がない。

「この先に何があるか知ってるかい?」

ホームズの質問にミラは顔を険しくする。

 

 

 

 

「クルスニクの槍だ」

 

 

 

 

ミラの言葉にホームズは、もう一度扉を見る。

入ろうとする者を拒む確かな圧力があった。

ミラは剣を抜くとその扉を何度も斬りつける。

「クソ!この向こうにクルスニクの槍があると言うのに!」

しかし、斬れる気配は、全くない。

それを理解したミラはホームズを見る。

「ホームズ、何時ものあの黒い霞を出せ!」

ホームズは、静かに首を横に振る。

「止めておきたまえ。音を聞きつけて兵士達が向かってくる事になるよ」

ホームズの言葉にミラは渋々と頷く。

「他のところを探そう」

ジュードが静かに言うとミラは剣を収め、再び歩き始めた。

「大したものだねぇ……」

ミラのそのクルスニクの槍に対する怒りを見てホームズは、そうつぶやいて再び歩き始めた。

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

一行が別の扉を探していると、ガタンという音が聞こえた。

「何だろう?」

ホームズが前方に見える扉を指差しながら言う。

「行ってみよう」

ジュードは、力強く言うとその扉に駆け出し、他のみんなもそれに従う。

 

 

 

 

 

 

 

 

「なに……これ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

ローズは、異様な部屋の光景に言葉が続かない。

 

 

扉を開けて入った部屋の中には、円柱状の水槽が両側に並べられている。

しかもよく見れば……

「人が……入ってる……」

ぶくぶくと水の中に浮かんでいる人間達は皆意識がなく、ぐったりとしている。

ホームズは、ホームズで呆然とその水槽を眺めている。

そんな中、ジュードは床に倒れている老婆に駆け寄る。

「大丈夫か!?」

ミラの言葉を聞き、老婆は口を開ける。

「わ、わたしは、もう何も……許して下さい……」

アルヴィンは、その顔を見て気づく。

「このバアさん!!」

「知ってるの?」

ローズは、驚いてアルヴィンに尋ねる。

「知ってるも何も……」

「村長さん!!」

アルヴィンが説明する前にエリーゼが駆け寄る。

後から合流したホームズ達は知らないのだが、ここに倒れているのは、エリーゼを軟禁していた村の村長である。

『しっかりしてよー!!』

ティポも必死に呼びかける。

「ハミルの村長か……ラ・シュガル軍に進行されたと言っていたな……」

ミラは現状を把握しようとしてハミルの村長に話しかける。

「みんなが……凍り付けに……」

しかし、返ってくるのはうわ言の様な返事だけだ。

「やめてくだされーーーー!」

掠れながらも村長は、何かを恐れる様にうわ言を繰り返す。

「あ………あ………あ」

そして、最後には何も物を言わなくなってしまった。

息絶えてしまった村長を見てジュードとミラは目を背ける。

「村長さん!村長さん!」

エリーゼの必死な叫びも村長には、もう届かない。

一部始終見ていたローズは、強く手を握る。

「これ、ラ・シュガルの王様がやったのよね……」

ローズにとっての王は、間違っても人をこんな哀れな死に様にさせたりしない。

怒りに震えているローズを尻目にヨルは、静かに観察する。

「ホームズ……こいつからはマナを一切感じないぞ……」

ヨルは、嫌悪感を一切隠さずホームズにそう言う。

ヨルの言葉にジュードが答える。

「きっと……この水槽みたいな装置でマナを搾り取られたんだよ……僕の教授も同じ死に方をしてた」

ジュードの言葉にホームズの顔から血の気という血の気が全て消えていく。

「何……で?……」

頭をくしゃくしゃと手でかきながら、誰に問うわけでもなく呟く。

「ホームズ?」

そんなホームズを不審に思ったジュードは声をかける。

しかし、ホームズの呼吸は、そんなジュードを他所にどんどん荒くなっていく。

一目見て異常だと分かるほどにまで……

 

 

 

 

 

 

 

 

「何で……何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!」

 

 

 

 

叫び続けるホームズとは対照的にジュード達は声が出なかった。

いつもとは比べ物にならないくらい取り乱しているホームズ。

はっきり言って恐怖を覚えるレベルで取り乱している様は、もはや壊れていると言っても何も遜色のない程だ。

そんな彼らに構わず、ありったけの声で叫ぶとホームズはそのままふらふらとおぼつかない足取りで歩き出し、壁にぶつかる。

「ホームズ!!」

慌ててホームズ駆け寄るジュード。

 

 

 

 

 

 

しかし、ホームズは駆け寄ってきたジュードを虚ろな目で確認すると、顔を険しくさせ胸ぐらを掴み上げる。

「ホームズ!?」

その唐突な行動にエリーゼは、驚きの声をあげる。

「─────!!」

突然の事にジュードは、声も出ない。

普段のホームズからは想像もつかない恐ろしさにジュード達はただ黙って見ているしかない。

「……どうして……どうして!どうして!どうして!ここにこんなものがあるんだ!!これは、この機械は……!この装置は……!この技術は……!!」

ホームズは、そう言うと更に拘束する力を強める。

ジュードは、苦しそうに呻き声を上げる。

ヨルは、尻尾を伸ばすと鞭のように振るってホームズを叩く。

ホームズは、痛みと突然の出来事に硬直する。

「落ち着け、阿呆。そいつは、唯の医学生だ。

この国の裏側になんざ今の今まで関わっちゃいない」

ヨルのビンタと言葉にホームズは、正気をとりもどした。

正気をとりもどしたホームズは、ジュードの胸ぐらから手を離す。

胸ぐらから手を離したホームズは、申し訳なさそうに頭を掻く。

「……ごめん」

謝ったとは言え先ほどのホームズが忘れられない面々は、心配そうに見る。

ホームズは、口に手を当てブツブツと何かを喋っている。

「まさか……なんで……そうか……でも……」

そんな中ミラが質問をする。

「ホームズ、一体どうした?」

しかし、ホームズは、先程と同じ様にブツブツと喋っている。

どうやら聞こえていないようだ。

ジュードは、近づいて肩をポンと叩く。

ホームズは、びくんっと肩を震わせ、肩を叩いたジュードを見る。

「ホームズ……僕達は上にある機械を調べておくよ」

「あ……あぁ、そう分かった。じゃあ、おれも……」

ホームズの言葉にジュードは首を横に振る。

「……ここで待ってて。何かあったら伝えるから」

「でもさ……」

しかし、ホームズは付いて行こうする。

すると、ミラがおもむろに口を開く。

「雇い主からの命令だ。ホームズ、お前はここにいろ。何かあったら、必ず伝える」

「……分かった」

ホームズは、渋々頷くとジュード達が上への梯子を登って行くのを黙って見送った。

それを見届けるとホームズは、どかっと腰を落とす。

「何でこんなものがここに………」

ホームズは、思わず頭を抱え、髪をくしゃくしゃにする。

「きっと、繋がりがあったのだろう……どうやら、お前にも因縁がありそうだな」

ヨルの言葉にホームズは力無く笑う。

「こんな、因縁があるなんて思わなかったよ……ヨル、君は気づいてた?」

「まさか。クルスニクの槍の原理なんて今知ったところだ」

「……だよねぇ」

そう言ってホームズは、もう一度人の入っていた水槽を見る。

「過去は無かった事にならない……か」

そんな会話をしているとジュード達が降りてきた。

「どうだったんだい?」

ホームズの問いにミラが答える。

「ここにはない。どうやら持ち出されたようだ……」

ホームズは、一気に顔を険しくする。

「わかった。探しに行こう」

そう言って勢いよく立ち上がるが、立ち眩みを起こし、ホームズは、膝から崩れ落ちる。

「ホームズ」

今度はミラが駆け寄る。

ホームズは、近寄ってきたミラの肩をぎゅっと握る。

「ホームズ?」

肩に込められた力に戸惑いながら、ホームズの顔を見る。

相変わらず血の気は無く、真っ青だ。

「ミラ……誓うよ、おれは」

不審そうにミラに構わずホームズは、言葉を続ける。

「……クルスニクの槍は、必ず壊す。

コレは、あっていいものじゃない」

今まで、報酬の為の仕事だった理由が完全にホームズの理由になった瞬間だった。

唐突の宣誓にミラは戸惑ったが、直ぐに力強く頷く。

ホームズは深呼吸をし、今度はゆっくりと立ち上がる。

「休まなくていいの?」

ローズの言葉にホームズは、大丈夫と胡散臭い笑顔で返す。

「行こう!」

ミラの言葉に頷き、皆が歩き出した。

ホームズの歩みが一番遅いため、必然的に最後になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後尾を遅れて歩いていたホームズは、ミラ達の姿が見えなくなった瞬間、胃の中の物を全て吐き出した。

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

幸い吐瀉物は、服にはつかなかった。

ホームズは、壁に寄りかかりながら立ち上がる。

ライフボトルで口を濯ぐのも忘れない。

これで匂いもどうにかなるだろう。

「しっかり……しなきゃ」

ホームズは、そう決意し再び歩みを進める。

曲がり角を曲がるとそこには、ローエンとレイアとローズがいた。

「貴方、本当に大丈夫?」

「大丈夫だよ」

ホームズは、そう言って青白い顔のままひらひらと手を振る。

三人は、そんなホームズを見ると思わず顔を顰める。

「ホームズ、嘘はヤダよ」

レイアは、とても心配そうに言う。

どう見ても大丈夫とは、程遠い表情をするホームズにレイアは、不安そうに尋ねる。

「大丈夫だって……」

看護師見習い(わたし)の前でそんな嘘は通用しないよ……いや、誰であれ今のは嘘だって分かるよ」

「うるさいっ!大丈夫だって言ってるだろう!!」

ホームズは、金切り声を上げ叩きつけるようにレイアに言い返す。

その剣幕にレイアは、思わず距離を置く。

しかし、直ぐにぐっとお腹に力を込めてホームズを睨む。

「……ホームズ。だったら、無理をしないで」

「する。無理してでも必ず壊す」

すると脇で聞いていたローズのピンタが炸裂する。

「いい加減にしなさい、ホームズ」

それから、ホームズを睨む。

「……どうしたのよ……レイアが心配してる事が分からない貴方じゃないでしょ」

そして胸ぐらを掴む。

「それに、レイアの事が的を得ていることぐらい、わかっているでしょ」

静かにそして有無言わせない迫力でホームズを問い詰める。

「……分かってるよ……それぐらい……」

「──────!」

ホームズは、力無くローズに返す。

その普段のふてぶてしさからは、考えられないぐらい弱々しい反応にローズは、思わず胸ぐらを掴んでいる手を緩める。

「……何があったのよ……貴方」

ローズの言葉にホームズは、答えようと口を開く。

しかし直ぐに口を塞ぐとローズを突き飛ばし、三人から離れたところでもう一度吐いた。

 

 

 

もう、胃液しかない。

 

 

 

ひとしきり吐ききるとホームズは、ライフボトルを取り出し口をゆすぎ、水を吐き出す。

そして、ゆらゆらと立ち上がり、

 

 

「………また、気が向いたら、話すよ」

ホームズは、ポツリとこぼした。

「……行こう……置いてかれちゃう」

最後にそう付け足し、ホームズは、フラフラと歩いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

「……ローエン」

ローズの心配そうな言葉に、ローエンは顎髭を触る。

「……残念ですが、あまり聞き出すことは出来ないでしょう」

ローエンは、目を伏せる。

「ローズさんの質問にホームズさんは、答えようとしていました。

しかし、答えられなかった」

ローエンの言葉にレイアは、何となく察しがつき頷く。

ローエンは、更に言葉を続ける。

「答えるためには、その時の事を思い出さなくてはなりません。

恐らく、ホームズさんの心が身体がそれを拒否しているのでしょう。だから、話そうとするとああなってしまう」

「………一体、どんな目に……」

「さぁ、それは分かりません。しかし、ホームズさんが危ういのは、事実です。

そして、それを上手に隠していたことも」

そう言ってポツンと歩いているホームズをローエンは、見る。

まるで今にも消えてしまいそうだ。

「………気をつけましょう……ホームズさんの為にも」

「えぇ。そうね」

「うん、分かったよローエン」

レイアとローズは、それぞれそう返事をし、歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『何かこう、気味が悪い』

 

 

 

 

 

 

 

レイアは、歩いている途中でヨルの言葉をハッと思い出した。

ル・ロンドの港でホームズが寝た後ヨルが言った言葉だ。

あの時の会話が忠告となって降り注いでいる予感がするのだ。

思ったよりも危うい友人の背中を見ながらレイアは、頬をパンと叩く。

 

 

 

 

「……わたしもしっかりしなきゃ!」

 

 

 

 

 

そう言ってから、レイアは、ホームズの後を追いかけた。

 

 

 

 








………まぁ、深く語るのは止めておきましょう。







とりあえず、前書きのテンションと話が一致してないです……



そして、食事中の方、すみませんでした。




ではまた、八十七話で( ´ ▽ ` )ノ
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