1人と1匹   作:takoyaki

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九十五話です




ゼスティリアクリアしました。
アフターエピソードももちろん!


色々言われてますが、個人的にはやっててとても楽しかったです。


きっとヒロインは、日朝八時みたいな感じなんですよ。
主人公を物語に引っ張りこむけど、戦わない!みたいな
……うん、少し苦しいかな?
ここんとこは、結構とんでもなく重要な役目ばっか負ってるし……
エルも戦ってないし……




てなわけで、どうぞ( ´ ▽ ` )ノ


マナ降って地固まる

「ホームズ!」

起き上がったホームズにローズが呼びかける。

ホームズは、左手をポケットに突っ込みヒラヒラと手を振ってローズに返していた。

一見余裕そうに見えるがよく見ると足元がおぼつかないのが分かる。

どうやら、意地だけで立っているようだ。

そんなホームズにレイアは、ため息を吐く。

「本当に無理したね……」

「おれは有言実行の男だから」

「はいはい……ジュード」

レイアは、呆れたように返すとジュードを呼ぶ。

呼ばれたジュードは、ホームズの治療をする。

とはいえ、目立った傷はナハティガルに殴られたところぐらいだ。

「きっと、あの守護方陣のおかげだね……」

そう言いつつ、ホームズの両腕を見て言葉を失う。

 

 

「ホームズ……これ……」

 

 

 

 

ホームズの両腕は、赤黒く濁っていた。

 

 

 

 

 

 

ジュードが軽く触っただけでホームズは、顔をしかめる。

 

 

 

 

 

 

 

「……あんだけ……回復と怪我を繰り返してれば……こうなるよね……」

そう言いつつ今度は足に目を向ける。

蹴りとは、思えない音を何度も立てていたのだ。

一応診なくては、ならない。

「……ホームズ、靴脱いで」

「……んー……多分大丈夫だよ」

「それを判断するのは、患者(ホームズ)じゃないよ」

「へいへい」

ホームズは、そう言って靴を脱ぐ。

確かに見た目は何の異常はない。

「ま、念の為」

そう言ってジュードは、治療をかける。

その後は、腕だ。

とは言え、あまりしっかりとはかけられない。

元々回復と破壊を繰り返し続けていたところにもう一度治療をするのは、いいことではない。

「……はい、とりあえず簡単に痛みだけでも和らげておいたから」

「サンキュー」

ホームズは、ジュードにそう言ってフラフラと立ち上がる。

そして、ナハティガルに視線を向ける。

「ぐ……」

ローエンの秘奥義を食らったナハティガルは、フラフラとしながら玉座を目指す。

そんなナハティガルをローエンとホームズは、静かに見つめる。

「馬鹿者共が……!儂を殺せば、ラ・シュガルは、ガイアスに飲み込まれるぞ……」

「しかし、王とて罪は償わなければなりません」

苦しそうに言うナハティガルにローエンは、そう静かに告げる。

「知ったことではないわ!!」

ローエンの言葉をそう一蹴するとナハティガは、玉座に手をつく。

「クルスニクの槍さえ……あれば……儂は絶対の力を……」

苦しみながらもそう告げるナハティガルをホームズは、冷めた目で見る。

「………無様だな」

「否定はしないよ」

ヨルの言葉にホームズは、そう返し、ナハティガルを見る。

「槍の力に頼って、なのに敗北して……拠り所を失ったようだねぇ」

「黙れ……」

ホームズは、冷え切った目で見つめる。

「折れただろう、君の心」

核心をついた言葉にナハティガルは、思わず息を飲む。

そして、さらにミラが剣を突きつける。

「ナハティガル」

凛として呼んだ後静かに言葉を続ける。

「人の部を超えた力は、いずれ世界を滅ぼす………お前も同様だ」

「ぐっ……」

ミラは、そのまま一歩踏みでようとする。

しかし、

「ミラ、待って!」

それをエリーゼが止める。

「この人は、ローエンの友達だから……」

エリーゼの言葉を聞きミラは剣を下ろし、ローエンに視線を向ける。

ローエンは、静かに頷きホームズの方を見る。

「よろしいですか?ホームズさん?」

先ほどの様子とナハティガルへの言動。

どう考えてもホームズにも何かしらの感情が渦巻いているのは、確かだ。

 

 

 

 

しかし、ホームズは、優しく微笑んで頷く。

 

 

 

 

「最初からそのつもりだよ」

そう言ってホームズは、ポンとローエンの背中を叩く。

そして、直ぐに痛そうに顔をしかめる。

「……ありがとうございます」

ローエンは、ホームズの言葉とともにナハティガルに歩みを進め、向かい合う。

 

 

 

 

 

 

「ナハティガル」

 

 

 

 

 

玉座にもたれかかるナハティガルにローエンは、静かに告げる。

 

 

 

「……ラ・シュガルには、民を導く王が必要です」

 

 

 

 

そう言って言葉を続ける。

「私も貴方と同じなのですよ……背負うべき責任から目を背けた」

 

 

 

そこで言葉を切り、ナハティガルを見る。

 

 

 

 

「ナハティガル」

 

 

 

 

そして、静かに自分の友の名を呼ぶ。

 

 

 

 

 

 

静かに、本当に静かに。

 

 

 

 

けれども、大広間には確かに染み渡るそんな声音だ。

 

 

 

 

 

ナハティガルは、信じられないというふうに目を見開く。

 

 

 

 

「まさか……イルベルト……貴様………!」

 

 

 

 

 

どうやらローエンの思惑に気がついたようだ。

ローエンの言葉は、続く。

「私と貴方とでもう一度、ラ・シュガルの未来を……」

「貴様………儂の生み出した業まで背負って……」

ナハティガルは、ローエンの言葉に驚愕する。

 

 

 

 

「構いません……」

ローエンは、そう言ってちらりとヨルの方を見る。

「私は、指揮者(コンダクター)であり、そして……貴方の友です。

構いやしませんよ」

そう言ってローエンは、にっこりと笑う。

ヨルは、ふんと鼻を鳴らす。

ナハティガルは、その言葉に憑き物が落ちた顔をする。

ローエン(・・・・)……」

 

 

 

 

今、ようやくナハティガルは、ローエンを名前で呼んだ。

さながら、友人のように。

ホームズは、何とも言えない顔で見つめる。

ナハティガルには、個人的に言えば憎悪のみだ。

しかし、ローエンの言葉にナハティガルは、動いた。

「……まぁ、またの機会にしとくかな」

ホームズは、そう言って諦めたようにため息を吐く。

言葉とは裏腹にその時が来ない事ぐらいホームズだって分かっている。

何せもう、問い詰めるべき暴君はいない。

いるのは、ローエンの友人であり、業を背負って歩く覚悟を決めた1人の人間だ。

ホームズの抱えた過去の恨み言の出番などありはしない。

「くくく、相変わらずお人好しだな」

ヨルの言葉にホームズは、ふんと鼻を鳴らす。

「別に。そうじゃなくてさ……なんと言うか……」

なんと言おうかホームズは、悩む。

そして、ポンと手を叩く。

「あぁ、これだ。いわゆる『おれが言うまでもない』って奴さ」

ホームズは、そう言ってローエンを見る。

「きっと、後はローエンがやってくれるよ」

「一度逃げた人間に期待をするのか?」

ヨルの意地の悪い言葉にホームズは、クスクスと笑う。

「分かってる癖に」

「……さて、なんのことやら」

ヨルは、とぼけたようにホームズに返す。

安心しきったホームズ。

そのホームズからは、先程まであった殺気は確かに消えていた。

周りもホッとし、そしてローエンの言葉で揺れ動いたナハティガルを見守った。

 

 

 

 

 

誰もが、暴君と言われる王と分かり合えた思えた

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間、

 

 

 

 

 

 

ヨルの耳だけが声を捉える。

 

 

 

 

 

 

 

「ちっ……やれ」

「はい、マスター」

 

 

 

 

 

 

(……なんだ?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨルが不審そうに眉はないが、眉を顰め、ヒゲをピクリと動かす。

 

 

(……マナの気配?……それに……デカイ!)

 

 

ヨルが不審な気配に首を傾げたまさにその時、氷の矢がナハティガルに降り注がれた。

 

 

 

 

 

 

 

「……っ!グァァア!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

降り注いだ氷の矢に貫かれたナハティガルは、苦悶の声を上げる。

 

 

 

 

 

「なっ!!」

 

 

 

 

 

 

突然起こった惨劇にホームズ達は思わず息を飲む。

「ナハティガル!!」

ローエンは、思わず駆け寄るが、時既に遅し。

ナハティガルの生命の灯火が消え、氷の矢が弾け飛ぶ。

 

 

 

 

 

「誰だ!!」

ジュードは、辺りを見回す。

しかし、何処にも人のいた様子はない。

「……どうなってるんだい」

ホームズは、呆然としながら、いかぶしむように弾け飛んだ氷に目を向ける。

「………それにこの精霊術……詳しいことはよくわかんないけれど、コレ、フリーズランサーの威力じゃないだろう?」

ホームズの言葉にローズは、頷く。

「というより、何でナハティガルを……!」

ローズは、動揺しながらそう口にする。

そんな中、ミラは顔を険しくさせ口を開く。

「まさか、狙いは!!」

「クルスニクの槍……でも、誰がどうして!!」

ローズは、自分で言って信じられないようだ。

何せクルスニクの槍を使っていたのも指示を出していたのもナハティガルだ。

そんなナハティガルが死んだのに誰がクルスニクの槍に関わろうと言うのだ。

「誰がはともかく、どうしてなんて考えるまでもないだろう」

ホームズは、吐き捨てるように言う。

あの圧倒的な力を見れば、必要な理由などそれこそ考えるのが疲れるほどある。

「とりあえず、クルスニクの槍だねぇ」

真剣な表情のホームズの言葉に皆は頷く。

 

 

 

方向性が決まった中ヨルは、静かにローエンを見つめる。

ローエン(・・・・)

ヨルの言葉にローエンは、静かにナハティガルを見つめる。

後ろ姿の為、どんな表情なのか、ホームズ達には分からない。

「私は大丈夫、行きましょう」

そう言ってナハティガルを振り返らず一同の元へと歩みを進めた。

 

 

 

 

 

友の死に胸は痛む。

 

 

 

 

しかし、確かに友と最後の最後で分かり合えた。

これだけでも、ローエンにとっては意味のあるものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(………さらばです、ナハティガル)

 

 

 

 

 

 

 

ローエンは、後ろにいる友にそう告げると一同の元にたどり着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

クルスニクの槍を巡る戦いに幕が引かれるのはもう少し後になりそうだ。

 

 

 







前書きの続き


何と言っても胸熱な展開が多い!
おおおお〜〜ってなかんじですよ!
まあ、それを見る度に思うんですよ、アリーシャなんでそこにいないんだろ………
いいんです!アフターエピソードで充分頑張ってましたからあの子!
そして我々の知らないところでも色々頑張ってましたから!

まあ、今回は、『熱い友情』って感じでしたね!
スレイとミクリオを筆頭としてみんな熱い友情で結ばれていたと思います。
パーティーの仲もいいし、主人公も爽やかで個人的には凄く好印象でした。
でも、もう少しアリーシャとイチャイチャして欲しかったなぁ……
それはともかく夢を追いかける若者って眩しいですよね……
スレイ君ホントキラキラしてて……青春してるなぁって思いました。
………働きたくねぇな




あ、本編。



えぇーっと……ホームズがまた馬鹿やらかしました!




ではまた九十六話で( ´ ▽ ` )ノ
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