とある研究者
ある研究者がいた、その研究者は好奇心が強かった、探究心が強かった、そして自尊心も高かった。
その研究者がいる時代の人類は滅亡しかけていた。
ある日空から謎の巨人と赤い竜が出現したのだ。
その研究者は自衛隊によって撃墜された竜が秘密裏に政府に回収されていたことに気づいていた。
調べたい、解剖したい、実験したい。探究心が湧き出てくる。
だがその研究者はまだ若く、国家へと働きかけることができなかった。
歯痒く思っていた研究者だが次から次へと探求心をくすぐるイベントが起こる。
ああ!なんて素晴らしい時代に生まれたのか!
研究者は独自の研究を行い、とあることに気づいた。
運が良かったのか稀代の天才だったのか、その研究者は魔素と魂の存在に気づいた。
新宿を中心に世界各地で巻き起こる奇病、「白塩化症候群」の原因は魔素によるものであり、魔素は崩壊した謎の巨人化赤い竜によってもたらされるものだと推測する。
「白塩化症候群」は人間だけであり、遺伝子もしくは魂の存在によるものではないか、様々なことが芋づる式に判明することに研究者は興奮した。
そして悟った、ならば次期に私にもその症状が出てしまうのではないか、
なんてことだ!私はまだ研究を続けていたい!
何年も何年も考えた、どうすれば死から逃れられるのか、研究を永遠に続けてられるのか。
時に各地の研究所を襲い資材を奪った。時に民間人を殺し食料や衣服を奪った。武装した人を殺し武器を奪った。
全ては自身の研究のため、そしてそれが世界に認められる研究に繋がるのだと盲目的に信じて。
ある日政府がアンドロイドの開発をしていること知った。
そして、思い付いた、「白塩化症候群」が起こるのは人間の魂を持ったものだけ、ならば、魂をデータ化しアンドロイドに移せば半永久的に研究できるのではないか。
義体が壊れそうになったら政府のアンドロイドを奪取してしまえばいい。ああ!なんて私は天才なのだろうか!
それからその研究者の行動は早かった。すぐさま自身をデータ化しアンドロイドを作り上げた。
アンドロイドにデータを移すとすぐさま起動させる。
「おはようございます、私」
「初めまして、おはようございます、私」
軽いやり取りと問題がないか確認をしその研究者はアンドロイドに託した。
「あなたは私です、ということは私の探究心はあなたのものであり、あなたの探求心は私のものです」
「もちろんです、これから私は探究し続けるでしょう、私の意思を引き継ぐために」
そうしてその研究者は自殺をしました、もう自身は必要ないとばかりに。
アンドロイドになった私は考えます。人間の時とは違うその思考能力は速さが違います。
体だってそうです、アンドロイドの体は丈夫で、力も強い。
また、ナノマシン、魔素による「無より有を生み出す技術」を使った超小型の万能機械も作り出し、自身のメンテナンス、復元、強化を可能にしました。
素晴らしい体を手に入れた研究者は興奮します。
これなら素晴らしい研究ができると!
ある日大きな衝撃が走ります、それは地下に作られたその研究者の研究施設まで届きました。
その研究者は地上に出るためのハッチを開こうとしますが、押しても引いても開きません。
研究者は地上への興味をなくし魔素の研究を開始しました、何年も何十年も何百年も。
研究者は「無より有を生み出す技術」を使った別の技術、魔法を使えるようになりました。
そしてその魔法を使い地上へのハッチをぶち抜きました。
その研究者は変わり果てた世界を目にします。
その景色に目が奪われました。これからどんな素晴らしい未知が出てくるのだろう!
そんな未来に希望を持った研究者の名前は…蝨滄俣闍ア驥悟ュ
別の世界でドロシーと呼ばれているものであった。