後方小話   作:文系グダグダ

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ヒャア!我慢できねぇ!投下だ!(12月分ストック)


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 ――右に左に、声、声、声。

 

 道行く市民や世間話をする市民、店を広げて声高に品物を売る商人達。指揮官の管理地区の商業地区はそんな人々の活気で溢れていた。

 

「つまらないわね、今回の敵もまるで歯ごたえがなかったわ」

 

「偶発的に起きる事件や紛争など、殆どそんな物でしょう。厄介な問題は無いに越したことはない」

 

 不満たらたらな態度を崩す気もないAK-12を見ながら、指揮官は内心で付け加える。

 

 ――もし厄介な問題が起きれば、すぐに私達の目の前にやってきてしまうだろう……

 

 それこそ、ゾンビもどきのELIDがなだれ込む自体や、国を割るような出来事が起こるものなら、今いるこの商業地区の明るい空気も、陰鬱に包まれた物へと早変わりする事だろう。

 歯ごたえがないと言い放った後も物足りない、といった面持ちを見せていた叛逆小隊の隊長を務めるAK-12であったが、一転して惚けた笑みを浮かべた。

 

「そうね。あたしも指揮官と一緒に戦場を連れ回す機会があまり無い事は残念だけど、こうして二人で街を歩いたりするのも、その、……良いものだと思うわ」

 

 快活に彼女はそう言ったが、語尾の歯切れが悪いことは指揮官もわかっていた。もとより、人や他所に対して朗らかな態度を必要以外ではあまりみせようとはしない分すぐにわかるだろう。

 

「隊の装備の補充(おつかい)、及び情報収集を兼ねた市街の警邏、視察という事をお忘れなく」

 

「プレゼントを選びながら言う台詞かしら? 指揮官」

 

 指揮官の気を使った言葉にAK-12はすぐに機嫌を戻し、いつもの飄々した油断のない自信に満ち溢れた雰囲気へと戻る。

 

「お言葉ですが、それは隊長が

『日頃の感謝の意を込めて、指揮官はあたしに何か贈り物でもするべきだと思うの。そこのところどうなのかしら? あたしとしては最近は装飾類が欲しいかもだけれど、どうなのかしら?』

 と、昨日の昼から司令室で言い始めて、後方基地から外出するまで延々と言い続けていたからでしょう。周りに他の戦術人形が居るのも構わずに」

 

「ええ、わかってる、わかってるわよ。こうした行為には色々と言い訳が必要だもの。

 それは指揮官だって例外じゃないわ。だってあたしも、今かなり照れてるんだから、貴方も同じ目に遭いなさい」

 

 指揮官は俯瞰的に自分をみた。

 端からみれば、男と女が逢引している様相は他社の目には好奇に見えるだろう。

 特に、AK-12は見た目麗しいといって差し支えない。事実、大衆の視線は常に目を瞑っている彼女の一挙一足に注がれている。

 

 それを敢えてわかってて指揮官は皮肉と嫌味とを、口調と顔の両方に多分に出しつつ牽制したが、AK-12はどうにも堪えた様子は無い。相変わらずめげない人である。

 

「時に、隊長は「社交辞令」という言葉をご存知でしょうか?」

 

「「嫌よ嫌よも好きのうち」ならば耳にした事があるけど」

 

「隊長、それは世に蔓延る加害者達の免罪符です。デマに惑わされてはいけません」

 

「あら、「ヤらずに後悔するよりもヤって後悔しろ」って昔の偉人も言ってたわ」

 

「隊長、それは今貴女の頭に浮かんだ新しい格言です。歴史の捏造は好ましくない」

 

「そうやって憎まれ口を言いつつも、しっかり良い品を選んでくれてる。

 あたしは指揮官のそんなところが大好きよ」

 

「恐縮だ。

 ……ああ、恐縮ついでにいっそ消えて無くなってしまいたいくらいに」

 

 指揮官は今までの経験上、AK-12が取る行動の予測は良く理解していた。しっかりと選ばなければ、AK-12は後で恨み言を山程言うだろう……。

 それでも叛逆小隊の隊長として、そして書類上の指揮官の上司として仕事はきちんとこなすのだから文句は言えないと指揮官は内心で溜息をついた。

 

 ――その代わりに愚痴は胸中で盛大にこぼさせて貰ってもバチは当たらないだろう。

 

「そんなの困るわ。指揮官が居なければ誰があたしの副官をするっていうのよ?」

 

「隊長にはAN-94がいるでしょう。それでも足りなければペルシカリアかアンジェリアに要請すると良い」

 

「言った筈でしょ? 指揮官じゃなきゃあたしの片腕は務まらないんだから。

 他の凡百の人間や人形なんかに用は無いの。あたしには、指揮官とAN-94が居ればいいのよ」

 

「例え話です。お気になさらずとも、貴女は私の上官で、私は貴女の部下だ」

 

「むっ……はぐらかさないで。あたしが言いたいのはそうじゃなくて」

 

「隊長」

 

 食い下がろうとする彼女に、指揮官はその場凌ぎの餌を撒く事にした。

 

「これなんてどうでしょう。きっと隊長に良く似合うはずですよ」

 

「……またそうやって誤魔化す。卑怯者」

 

 くい、とAK-12の目の前に差し出されたネックレスを見て、彼女は恨めしそうに指揮官を見やった。

 

「嘘は申しておりませんので」

 

「ふん……待ってなさい。すぐに付けるから」

 

「いいえ、自分が付けましょう。そのまま動かないで」

 

 指揮官はそう言うなり、出来る限り優しい動作で、肩までかかる銀糸のような細く美しい髪を分けて、細い首筋にネックレスをかけてやる。ネックレスはスターリングシルバーに明晰・完璧・沈着冷静の意味を持つ宝石が一つあしらわれたシンプルな物であった。

 

 AK-12は一瞬驚いて両目を開いて身を竦めたが、微かに頬を赤らめる以外はすっと大人しくなってくれた。

 予想通り、ネックレスはばっちりと似合っていた。カードを渡して代金を払うと、指揮官はAK-12の機嫌は戻ったと判断して後方基地の方へと戻って行く。

 

「……本当に、卑怯な奴」

 

「それが人間の嗜みです」

 

「名前で呼んでもくれない」

 

「所詮私は唯の傭兵、立場がありますので」

 

「他の隊員と同じ呼び方でいいじゃない?」

 

「ならこれで妥協してください。AK-12隊長」

 

「隊長は余計よ……わざとやってるでしょ?」

 

「卑怯者だそうですので」

 

 不満をもろに表情に出しているAK-12に、指揮官は皮肉混じりの笑顔を向ける。普段から振り回されている分、こうして意趣返しするのも悪くないだろう。

 

「そんなに沈んだ顔をしないで下さい隊長。折角のプレゼントなんですから」

 

「優しくない。指揮官はこういうところが、本当に全くこれっぽっちも優しくない。

 何がプレゼントなもんですか。一旦喜ばせてから更に落とすんだからもっとタチが悪いわ」

 

 AK-12は首に書けられたネックレスの先端、宝石部分を片手でつまんで弄びながら、眉間にシワを寄せた。

 

「それならいっそ、最初からこっちの誘いを断ればいいのよ。

 それは、まあ、指揮官がやんわり断りを入れていても強引に取り付けたのは他でもないあたしだったけれど……」

 

 尚もグチグチと不満を並べるAK-12を見て、どうしたものかと指揮官は思い悩む。

 AR小隊や404小隊の時と同様に、本当はこの曖昧なくらいの友好関係で中途半端に親愛を享受できる位の関係性が一番好ましい。

 指揮官の個人的な感情としては、AK-12をはじめ叛逆小隊のメンバーは別に嫌いなわけではない。AR小隊や404小隊と同じ位にはキャラクターの個性は尖ってはいるものの、容姿は勿論のこと、性格的・人間的、あるいは彼女達の背後にいるペルシカリアとアンジェリアの二人と指揮官自身との利益関係を考えても、彼女が好意を寄せてくれるというのはこちらとしても望ましい。

 

 少なくとも、出会った当初と比べて自身に対する態度は随分と軟化し、素直になったものだと指揮官は思いを馳せていた。

 

 

 

   ■   ■   ■

 

 

 

 AK-12は一瞬で指揮官の手首を掴み、渾身の力でその腕を引き寄せて重心を崩しに掛かる。

 

「……っ!?」

 

 ――まるでプラモデルのように滑らかに、 巻き込まれた指揮官の腕が、通常では有り得ない角度へ曲がった。

 

 人体ではありえない想定外の挙動にAK-12は力加減を誤り、足元がふらついてしまう。その間、当の指揮官はまるで想定済みであったかのようにAK-12の留守になった足首へ絶妙の払いを入れた……

 

 面白い程に綺麗な尻餅を付いた音。しかし、AK-12は心身の反応が目の前の事実に対してしばらく追いつかない様子だ。何が起きたのか、理解する事も信じる事も出来なかった。

 

 見上げた先には、肩肘の伸び切った片腕を垂らし、無表情に呟く指揮官。化け物じみたその立ち居姿を目にして、初めて極限の緊張がAK-12の内心に走る。

 果たして、今AK-12の目の前で起きているのはどのような奇術の類だろうか……。指揮官は垂れ下がった腕の関節をもう片方の手を器用に使って、所々鈍い音を立てながら嵌めていく。

 

「慣れてはいるが、相変わらずそれなりに痛いな。これは……」

 

 見る間に元通りの形を取り戻した腕を感覚取り戻すように軽く振るい、指揮官は苦笑した。

 AK-12は察した。こちらの投げ掴みに合わせ、この男は自らの関節を自然に素早く外したのだという事を把握した。その後、足を払って体勢を崩した後で、残った片手で王手をかけたのだ。

 

 ――妖怪。

 

 そんな二文字がAK-12の脳裏に即座に思い浮かび、いかにも板に付いた指揮官のイメージに彼女の身が粟立つ。

 

「わかった! わかったわよ指揮官!

 貴方の実力はホンモノね。良いわ、私達を率いる事を許すわ」

 

 かつて、AK-12達叛逆小隊は屋外での模擬戦闘にて指揮官に対して敗北を喫していた。

 実戦経験や烙印システム(スティグマ)の適応もない状態であったが、地形や状況を駆使して、戦術人形の各種センサーを見事に誤魔化しきった指揮官によって見事にやられてしまったのだ。

 

 その後、その戦闘データを持ってアップデートを行い、烙印システム(スティグマ)によって叛逆小隊として生まれ変わり、多少なりともアンジェリアと共に実戦を積んだAK-12の元に、最前線での調整役兼補佐役を務める嘱託職員として指揮官が就けられたのは彼女自身にとってまたとない機会であった。

 

 ――もちろん、模擬戦闘での借りを返す機会である。

 

「……ここは誰の隊ですか?」

 

 人間と戦術人形の膂力の差、深度演算を用いる事で反応速度と判断能力に大きなアドバンテージをつけての格闘戦に持ち込んでも尚、AK-12に土をつけた指揮官。

 彼は特に感情を込めるでもなく、そう言い放った。かつてAR小隊隊長にも言い放ったその言葉を……

 

「いいじゃない、そのくらい。あんたは部下でしょ? 言う事聞きなさいよ?」

 

「貴女が製造された目的はなんですか?」

 

 AK-12の反論に耳を傾けること無く指揮官は言い放った。

 

 ――聞かれるまでもない。

 

「わたしはただ他の戦術人形とは一線を画した……」

 

 そこまで言いかけて、AK-12はすぐそこに居た弱い自分に気が付く。

 

 ――どうしてわたしはこんな弱音を吐いているの?

 

「聞けば、実戦に投入されてしばらくも経っていないと聞きました。人間に当てはめて良いものかはわからないが、おそらく、張り詰めていた気がふとした拍子に緩んでしまったのだろう」

 

 淡々とした口調で指揮官が言う。……確かに、そうかもしれないとAK-12は思案した。

  これまでの戦いの中で、AK-12は自分なりに全力で生き抜いてきた。誰にも負けないよう、戦術人形だからと侮られないよう……。

  叛逆小隊の皆は、AK-12に付いて来る為に応えてくれていた。文字通り、本当に死ぬ気で。ことと次第によっては立場を成り代わる事も厭わないほどであった。

  だがしかし、AK-12は自分の落ち度で小隊が窮地に陥る時がたまらなく悔しくて、惨めで、時々指揮を執るのが嫌になる事もあった。

 

「ペルシカリアやアンジェリアは貴女達のメンタルユニットを大層気に懸けておられました。

 私に叛逆小隊を任せるつもりであれば、貴女はもう前線指揮官向け軍用戦術人形の役割を放棄しても良い―――と」

 

 ――アンジェがこいつをあたしの小隊に入れた理由が、何となくわかった。

 

 AK-12は確信を持った。今、あたしは試されているのだ。次世代型の戦術人形として……戦場で銃を手に取り、人を殺し、殺され続けるに耐える意志を。

 

「……悪いけど、前言撤回させてもらうわ。

 余所者のあんた(指揮官)なんかにうち(叛逆小隊)の小隊は任せられない―――」

 

 そして、あくまでも戦いを続けるつもりであれば。

 意地の悪いメスゴリラ(アンジェリア)ケモミミ(ペルシカリア)の顔が思い浮かぶ。ついでに、目の前にいる上手く言ったと言わんばかりに佇むいけ好かない男のムカつく微笑も。

 

「そうですか」

 

 ――どのみち私には貸しがあるだろう小娘。せいぜい、私を有効にこき使うと良い。

 

 AK-12は指揮官に言外にそう言われた気がした。

 

「わたしが、最後までやる。あんたは、わたしの部下として補佐をしなさい!」

 

 

 

   ■   ■   ■

 

 

 

 AK-12達にあてがわれた私室。そのドアが開かれると、そこに現れたのは指揮官であった。

 AK-12は指揮官を確認すると、上機嫌になって彼に駆け寄った。

 

「ああ、来た来た指揮官。今度の作戦なんだけど……」

 

 あれからしばらく、AK-12は色々な方法で指揮官に近づこうと努力した。

 簡単なようで一番苦労したのが、呼び方であった。叛逆小隊の皆は早くから気軽に指揮官と呼んでいたが、意地を張っていたAK-12は、ずっと「ねえ」や「あんた」と呼び、指揮官と呼ぶことすら稀な有様だった。

 

  先程言葉を発したAK-12の心境は穏やかなものではなかった。部屋にやって来たとき何気なく言ってみたものの、後ろに回された手は汗を握り通しで、心臓は早鐘のように脈打っているほどである。

 

 ――な、馴れ馴れしいとか思われないわよね、流石に。皆に言わせてるんだし、あたし隊長だし、指揮官の命の恩人だし……。

 

 前日の夜からどうやって言おうか考えて、今朝にはわざわざ身体を隅まで洗って、部屋中を掃除して、棚に指揮官をもてなす為の、とっておきの葉と豆がちゃんと残っているかも確認した。

  そこまで思い出して、ドアの前で指揮官が立ち止まっているのに気が付く。

 

 ――え、……なに、もしかして、ダメだったの? それとも、わたし何か変な顔してた?

 

 泳ぐ視線を戻して瞼を閉じ、慌てて平静を取り繕おうとするAK-12ではあったが、その行為が上手く行っている自信は少しも無かった。

 

「いえ、以前来たときよりも部屋の雰囲気が変わっていたので」

 

 お気になさらず、と言って指揮官がこちらへもう一度会釈をする。

 ……自分の呼ばれ方については、気付いてもいないんじゃないかと思える、その普通な態度。

 

 これで良かった、……の?

 

 AK-12は眉間にうっすらとシワを作る。

『もどかしさなんというか、こう。成功には違いないんだろうけど、微妙なあっけなさというか、そこはもっとリアクション取るべきなんじゃないの?』などとメンタルユニット上で思ったりするが、いまいち腑に落ちた訳ではない。

 

  ――でもよく考えたら、部屋を綺麗にした事に関してはわかったみたいだし、努力の結果はあったはず。

 

「そ、そう。それじゃ早く座ってちょうだい、指揮官」

 

 念の為にもう一度、AK-12は今度はちょっとわざとらしく言ってみる。

 

「ええ、わかりました。今回はまた不穏分子に対する奇襲作戦でしたね」

 

 やはり、指揮官の様子は淡白で無反応であった。

 

 ……ひょっとして、呼ばれ方自体にははどうでも良かったりするのかしら?

 

 AK-12はまるで肩透かしを受けた気分ではあった。しかし、今はこれで納得しておこうと心に留めておく。

 AK-12にとっては指揮官をそう呼べるようになっただけでも、すでに十分な収穫なのだから。

 

 

 

   ■   ■   ■

 

 

 

「これからお茶にしようと思うんだけど、一緒にどう?」

 

 作戦からの帰投に伴って、基地内で紛失物が無いか最後の点検をしている指揮官に、作業を一足先に終えたAK-12が、さり気ない口調で指揮官を誘う。

 

 AK-12は題して、気が利く上司の労い作戦。と名付けた。

 

 結束に必要な交流は、ただ単純に上から物を言うだけでは深められない。そこで、いつも世話になっている者に自分からお茶の誘いの一つもしてみせ、お互いの親密さを上げようという作戦である。

 訓練中に閃いたAK-12は、我ながら素晴らしいと拍手したくなった発想……ではあったのだが。

 

 ――これって、ようするに指揮官の真似よね。

 

 にこやかな表情を作りながら、今さらそんな事に思い至る。そう、AK-12が指揮官に近づこうと現在実行中な手段は、指揮官が普段からやっていた事であった。

  意固地になっていたAK-12を除き、叛逆小隊の隊員は早い段階から指揮官と打ち解けて、戦闘にあたる際もしっかりと信頼を寄せていた。

 

「有り難く相伴致しましょう」

 

 確認を終わらせた指揮官が、少しだけ息を吐いて答える。そのなんでもない仕草の裏には、一体どれだけ多くの苦労が積み重ねられてきたのだろうか……

 指揮官と同じ人間ではなく、ただの戦術人形であるAK-12には、見当なんか到底付きそうになかった。

 

「指揮官」

 

「はい?」

 

「……距離、遠くありません?」

 

「?」

 

 休憩がてら共にティータイムを過ごしていたAK-12が唐突にそう言い放った。

 

「かつて貴方は、私に親しみを抱いてくれていると言いましたね?」

 

「ああ、命の恩人だ」

 

 指揮官の好意に答える形で、叛逆小隊率いるAK-12がこの基地に常駐しているという事実として物語っていた。

 テーブルを挟んで指揮官と向かい合う形で彼女は同じ言葉を放つ。

 

「……距離、遠くありません?」

 

 AK-12は自分がここまで好意を寄せているのに対して、指揮官の態度や反応がてんで変わらないことに少しばかり不満を持っていた。

 指揮官はAK-12のように軽口も言わない性質ではあったが、誠実ではあった。故にM82A1やRPK-16の小難しい話に対しては真摯に答えているのもまた、AK-12には面白くなかったのだ。

 

――故に、指揮官にはAK-12に対してだけは砕けたもので接してほしいと思うのは当然であった。

 

「……了解した」

 

 指揮官は戸惑うものの意を決して立ち上がる。

 

「失礼します」

 

 指揮官はAK-12の横に腰を下ろした。

 

「……」

 

「……」

 

 AK-12はゆっくりとティーカップを手に取って、紅茶を少しばかり喫すると、両目を開いて隣の指揮官を見つめた。

 

「そうではなく」

 

 AK-12が指揮官に振り回されるのはまだまだ続きそうであった……。

 

 

 

 




こういう普段手のひらの上で転がす美人さんを転がすの良いよね(クソ野郎)
あるいは普段人を振り回してるひとが逆の立場になって困惑するの(同じくクソ野郎)

叛逆小隊みんな獰猛な狼や猛獣ばかりで結構好きAK-15が一番好き(素直)
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