異世界にて、烈海王、復ッ活ッ!!烈海王、復ッ活ッ!! 作:浦井朝時
黄「ハァ、ハァ…………ゴフッ」
マイク「や、槍が……」
マイク「ファン選手が先程手から放した槍が……」
マイク「思わぬ形でガーゴイルに利用されてしまったァ~~~~!?」
? 「フッ、ざまぁないね」
烈(!?)
マイク「あ、あなたは……」
現『ドラゴン』【クラスマスター】 『二刀竜鬼 キリク』選手ッ!?
キリク「全く……」
ドサッ
キリク「そもそも、力の根源である【補正】武器を手放してしまった時点で、既に彼の負けは決定していた……」
キリク「あまつさえ、それを敵に利用されてしまうなんて……失笑もいいところだ」
タンッタンッ
?「そう言うもんじゃあないですわよ、キリクさん」
マイク「そ、そして……当闘技場運営責任者、第212代目ラドグリフ家当主、ラヴェーナ・ラドグリフ氏!!!」
ラヴェーナ「私の飼育するガーゴイルちゃんに尻尾を使わせるなんて、並みのお方ではそうそうできることではありませぬわ」
ラヴェーナ「まずは、彼の見事な槍捌きに名誉ある喝采と、刺さったお腹の治癒を……」
ふざけるなッッッッ!!!!
(!!!)
黄「ま、まだ私は戦える……」
いや、戦ってみせる!
レガロ「む、無茶だ……あんな状態では、戦うとかの話じゃ……」
烈「………………」
黄(……こ、ここで)
黄(ここで私が倒れてしまったら)
黄(……敗北を、敗北を認めてしまうことになる)
『中国武術』の敗北をッッッッ!!!
黄(そ、それだけは)
黄(それだけは阻止せねばならないッッ!!)《ガッ》
グチュウ―――
(!?)
[グギャア? ]
ブシュッ!
カランカランッッ
ラン「そんな! 槍を引き抜いたら傷口から出血が!」
烈「………………………………」
黄(烈「さん」、すいません……)
―――自らの敗北を悟った「元」『八極拳』門下
黄(私は……)
―――奇しくも、彼が最後にとった行動、それは
黄(『中国武術』を捨てますッッッ)
―――烈が、ピクルとの闘いにおいて取った行動と同じく…………
黄「ウワアアアアオオオォォ————————!!!」
《ブンブンブンブン》
マイク「な、なんだこれはぁ~~~!?!?」
マイク「ファン選手、先程のようなスマートな戦いから一転、子供のように手をぶん回し、泣きながらガーゴイルに突進していくッッ!?」
マイク「圧倒的な実力差を前に錯乱してしまったのかぁッッ!?」
[…………キキッ]
ピュッ
ゴキュッ
黄(…………カッ)
バタッ
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
―――重い
―――重い沈黙の後、
―――そこに突如響いたのは……
「はっはっはっはっは!」
キリク「おい見たかよみんな! あの情けない最後ッ!」
キリク「くたばっちめェやんの! 尻尾で首折られてッ!」
キリク「これが『中国拳法』の奥義ってやつですか!? なぁ、みんな!?」
ラヴェーナ「……クスッ」
「た、たしかに、最後のあれは……なぁ?」
「みっともないっていうか、なんというか……」
「チっ、途中までガーゴイルに勝てると思ったのによ、最後あっけな!」
クスクスクス…………
キリク「あぁホント傑作! おい、誰か! あれ【
カァッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!
《ピタッ》
(!?!?!?)
スタッ
烈「黙りなさいッッ」
烈「彼は君たちが笑っていいような戦士ではないッ!!!!」
烈「黙らぬ者は遠慮なく私が叩き伏せるぞッッ!!!!!」
《シーーーーーーーーーーーーーーーン》
烈「………………ミネルバさん」
烈「早く、彼の手当てを……まだ、間に合うかもしれん……」
ミネルバ「分かったわ!」
【高等治癒 骨復元】!
烈(………………黄よ)
烈(確かに、君はあのガーゴイルに負けた……)
烈(最後に見せた君の姿は、なんとも情けない、見るに堪えないものだった)
烈(それでも……)
烈(それでも君は、守り通したのだ)
『中国武術』無敗の歴史をッッ!! この異世界の地にてッッ!!
烈(私も経験したからこそ痛いほどわかる、君の中国武術への思い……)
烈(最後に『武』を捨てることで、「敗北」の一字を自らのみ負うことによって保たれた中国武術の威厳……)
烈(そう……)
スクッ―――
烈(大丈夫だ……)
君の繋いでくれた『中国武術』無敗の歴史、
私がその1年目をこの地に刻もうッッ!!
キリク「―――あんたは、確かあのときギルドハウスにいた……」
烈「43番、烈 永周だ。彼と同じ中国拳法を生業とする。次の挑戦を所望する」
キリク「へぇ、あんたも中国拳法……」
キリク「どうする? 同門の敵討ちでもするかい? それともビビッて『小人』をご所望かな?」
烈「……もちろん」
ガーゴイル3匹、『ドラゴン』クラスへの挑戦を所望するッッッッ!!!!
コイツならやってくれるッッッ!!!