異世界にて、烈海王、復ッ活ッ!!烈海王、復ッ活ッ!! 作:浦井朝時
マイク「吹っ飛びましたぁ~~ガーゴイルッ!!」
マイク「しかもガーゴイル、先ほどの空中での回転による攻撃の受け流し(?)をしていないぞ!? これはもろに攻撃を食らったかッ⁉」
ラヴェーナ「馬鹿ね…………」
――――受け流す必要がないのよ
――――生物が空を飛ぶために必要な胸部の筋肉
実は、ほとんどの地上活動生物において
胸筋は全体の筋肉の半分以上の比重を持っている――――
そして、肝心な空を飛ぶ鳥類の全体重に対する胸部の筋肉の割合――――
平均で約20%
では対する人間は?—————
実は約1%にも満たないッッッッ!!!
つまり
仮に体重65kgの人間が空を飛ぶには
約13kgの筋肉が胸部になければならないというわけだ――――
そして
それを実現するための筋肉の長さ――――
――――『2m』?
明らかに生物として
だがしかしッッッ
異世界にはそれを実現させた生物がいたのだッ!
およそ通常の7倍という筋密度を胸筋部において実現させ
人型体型にて『飛行』という偉業を成し遂げた生物
それが『ガーゴイル』なのであるッッッ
ラヴェーナ「あの一見細身な胸回りに蓄えられた圧倒的な筋肉量……」
ラヴェーナ「それこそがガーゴイルの生物としての原動力でもあり、また圧倒的な破壊力を生み出す攻撃の要でもあるのよ……」
[…………! ]
[キシャアアアーーーー!! ]
マイク「ラ、ラヴェーナ会長の言う通り、ガーゴイルにはダメージを負った形跡はないッッ!? レツ選手に向かって飛ばされた空中から突進していくぞぉ!?」
マイク「ファン選手との戦いで見せた攻撃の受け流しは必要ないという事なのかァッ?」
烈(……成る程)
烈(自らの体を宙に浮かせるだけの飛行力)
烈(実はその原動力は、目につく派手な翼などではなく)
烈(それを動かすための胸筋部にあった、というわけか)
烈(道理で胸部を打った際にオリバ氏の顔が頭によぎるわけだ)
烈「フッ……」
マイク「レツ選手? が? わらっている?」
[……!!!]
戦闘の中で生じた烈の心ここにあらずの「笑み」
――――《ビキビキビキ》
これはガーゴイルの生物としての矜持を
[グルァァアアアアッッ!!!]
ひどく傷つけ《ボキッ》
[……?]
マイク「こ、これは……?」
《プルプルプル》
マイク「お、オーナー?」
ダンッ!
ラヴェーナ「あ、あのヤロ~~~ッッ」
やりやがったッッ!!
[ギ、]
[ギィヤアアアァァァ~~~ッッ!?]
烈「ガラ空きだったぞ……」
・
・
・
ミネルバ「な、なに? 何が起きたの?」
ラン「……あ! み、見てください! ガーゴイルの脚が!」
ひゃしげたスプーンのようにひん曲がってるッッ!!
・
・
・
烈「……『武とはずるきもの』」
烈「私はここに君と力比べをしに来たのではない……」
君に勝つために来たのだッッ!!
《ピクピクッ》
[グ、グギュウウウ……]
マイク「ど、どうすればいいのか?」
マイク「あれほど頑強だったガーゴイルが、こうも簡単に脚を折られている」
この事実をッオレは一体どう受けとめたらいいのかッ!?
烈「……別に難しい話ではない」
烈「生物において必然的に起こる『退化』という現象」
烈「使わなければ衰える、ただそれだけのこと」
それはガーゴイルという超規格外生物でも変わらないッ
烈「空を自由に飛び回る君たちにとって「足」とは「翼」」
烈「もはやその「脚」は、例えるなら人でいう虫垂のようなもの」
『脆い』一方で『痛い』
烈「私はただ、それに付け込んだに過ぎない……」
(((えぇ~~~~~~~~ッッッ!?)))
その時会場にいたもののほとんどが心の中で叫んだ――――
それ
そして――――
[グギャァ……]
――――もういい! 戦いたくない!
生まれて初めて経験する『物理的な痛み』に
――――痛いのはやだ! 早く帰って飯を食べるんだ!
先ほどの怒りはどこへやら、ガーゴイルはもはや戦意を失っていた――――
そして、翼を広げ――――
バサッ
――――『アイツ』はどこだッ?
「仮に……」
(ビクゥッッッ!?)
烈「仮に君が黄選手と真っ向から向き合い」
――――首元に感じる服の繊維の感触
烈「一つの嘲笑なく試合を終えられたのなら、或いはこうはならなかったのかもしれんが」
――――そしてこの声が、まず間違いなく
烈「黄選手との『約束』故、見るものすべてが『武の勝利』を認めるような形で終わらせてもらう……」
――――自分の頭上から発せられていることに、ガーゴイルは戦慄した
『転蓮華』ッッ
ボキッ
圧倒的「格」の違いッッッ