異世界にて、烈海王、復ッ活ッ!!烈海王、復ッ活ッ!! 作:浦井朝時
マイク「……お」
オレは何回驚かされればいいんだッッ!!
マイク「レツ選手が……レツ選手がガーゴイルに胡坐の姿勢でまるで肩車されているようにしがみついた後」
マイク「刹那ッガーゴイルの首が、曲がってはならぬ方向に折れてしまいましたッッ!!」
マイク「元から白眼のガーゴイルでは、完全にダウンしているかはどうかは確かではありませんが」
マイク「まず! 間違いなく! 足元から崩れ落ちたガーゴイルに戦闘は不可能!」
マイク「そして、残ったガーゴイル二体ですが―――」
てめぇらあぁぁ~~~~~ッッッ!!!
マイク「ひっ」
ラヴェーナ「仲間の敵討ちだ! その目障りな【転生者】をぶっ殺せ!!」
ラヴェーナ「喰っても構わねぇ! 二人掛かりで本気で殺りにいけ!!」
・
・
・
[[・・・・・・・]]
実際のところ―――
ガーゴイル達は『主人』であるラヴェーナ嬢の命令など気にも留めていなかった
事実―――
彼らにとって、人間とは『餌』であり、
ラヴェーナ嬢も所詮『餌』を定期的に供給する都合のいい『餌』であり、
今まで命令に従っていたのも、
ただ、安定した『餌』の供給を確保したかったからに過ぎないッッ
実は―――
このマギカリーゼ王国周辺でも類を見ない強さを持つこのガーゴイルだが、
ある一つの深刻な問題に対峙していた。
『食糧不足』
圧倒的強さ故の他の生物からの『畏怖』
それは、時としては彼らの捕食行動の大きな阻害となり得る。
疑問に思ったことはないだろうか?
なぜ―――
時速100㎞近くで走るチーターがはるかに遅いシマウマを捕らえられない時があるのか?
なぜ―――
力も耐久力も生物の中では桁外れの性能を持つゾウが肉食ではなく草食なのか?
なぜ―――
牙も爪も持つライオンが圧倒的弱者であるシマウマに対して必ず群れで狩りを行うのか?
それらの原因はみな、本来生物が持つ強者への『畏怖』に起因するッッ
『畏怖』するから死に物狂いで隠れ、見つかったら逃げるのであり、
『畏怖』されるから逃げる
また『畏怖』されるから群れで行動しないと
しかし―――
単体であまりにも高い生物的強度を保持するガーゴイルは
裏を返せば自然界の中で最大級の『畏怖』を持って迎えられ、
結果、ガーゴイルが安定的に食料を自然界の中で得ることは意外にも困難なのである。
そんな彼らが見つけた
人間という強者への『畏怖』だけでなく、『畏敬』という感情を持つ稀有な存在
『餌』を提供する『餌』というガーゴイルにとっての新たな概念
[[・・・・・・]]
烈「……これで」
烈「これで
[[・・・!]]
烈「恐らく、君たちの中で強さという面では一番上であった先のガーゴイル……」
烈「その者が私に、完膚なきまでに倒された。これが何を意味するのか、戦闘において優れた知能を持つ君たちなら既に理解できているはずだ」
[[・・・・・・]]
烈「降伏しなさいッ!」
烈「最早この世界における中国拳法の威厳は保たれた。これ以上君たちと拳を交えても何も生まれない……」
―――しかし、
その一見恵まれたように見える環境の中で、
ガーゴイル達は「大切なもの」を失い、
およそ自然界で生きていくには「不必要なもの」を得ることになる。
―――それは……
[[………ギ]]
[[ギャオォォォーースッッッ!!!]]
『畏怖』と『傲慢』
バサバサバサバサッッッ
マイク「ああッ!ラヴェーナ会長の呼びかけに答えるように、残るガーゴイル二体もレツ選手に飛び掛かっていった~~~!」
烈(……)
烈「愚かな……」
スゥッ
《プク~~~~~~~~~》
マイク「!?」
マイク「な、なんだ?」
マイク「レツ選手の上半身が、まるで風船のように膨れ……?」
《ピタッ》
プップッ―――
《ピシッピシッ》
[[!]]
[[グ、グギャオ!?]]
マイク「ど、どうしたんだ? ガーゴイル!?」
マイク「まさに今、飛び掛かろうという直前、あろうことか目を抑え始めたゾッッ!?」
烈「……(シュタッ)」
マイク「……!? そ、それを待っていたのかの如く、レツ選手が飛び上がり……」
シュシュッ
ゴキリッ
ゴキリッ
[[・・・・・・ッッッ・・・]]
―――その二つの感情の有無が、
マイク「ガ、ガーゴイルの首に両足同時に蹴りを叩きこみ……」
ドサドサッ―――
今回、ガーゴイルに『自然界』における勝利条件であった「逃走」という選択肢を失わさせた
マイク「……」
マイク「…………」
マイク「…………け、決着……」
決着ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!
遂に、遂に決着ッ!!