異世界にて、烈海王、復ッ活ッ!!烈海王、復ッ活ッ!! 作:浦井朝時
烈「ここは私に任せて、君たちは固まって防御陣形を組むんだッ!」
魔導士「む、無茶ですよ!いくらあなたが強くても、このゴブリンの軍勢は・・・」
烈「――――小鬼、西洋の空想上の生物か・・・」
格闘家「そうですよ!見ただけでも100体、いや・・・巣にいるのも考えるとその倍以上いると考えられます!」
剣士「それにおっさん魔法使えないんだろぉ?基本
回復魔導士「それに、ゴブリンの皮膚は人間より何倍も硬いのよ⁉支援魔法なしの素手の攻撃じゃダメージ与えるどころか自殺行為よ!!」
烈「問題はない!!500匹までなら!!!」
(ど、どういう理屈だよッッッ???)
戦闘という緊張の真っ只中における、
『雑談』という明らかな『非常事態』――――
生来から人を襲うことを本能とする
それはある意味敗北より憎むべき『侮辱』である――――
ゴブリンA「キシェェェェッッッ!!!」
烈「ハッ!」
およそ小さな体躯からは想像できないような跳躍の後、
棍棒を振り上げながらの背後からの不意打ち、という
考えうる限りの
烈の振り向き様の上段蹴りによって頭部を捉えられることになる
格闘家「す、すごい・・・見事な蹴り・・・」
回復魔導士「馬鹿!ゴブリンに支援魔法なしの素の蹴りなんて効くわけ・・・」
────────────────────────────────────────
ブリュミエール大学 学園長
『都市郊外における危険な魔法生物』 著者 ブリュミエール・ラドグリフ
「ゴブリン・・・ですか・・・」
そう呟くと、ラドグリフ氏は小さなため息をつき、ソファーに体重を預ける。
「――――多くの冒険者や魔導士にとって、ゴブリンという存在はある意味で非常に身近
な存在です・・・」
「初心者向けクエストにおける登竜門・・・、都市郊外において最も多く観察される魔法生物・・・、剣術や魔法に多少なりとも通じているものにとっては、いわゆるザコ敵として、技や魔法の練習台にされることもしばしば――――」
大いに間違った認識であるッッッッ
「彼らは非常に狡猾残忍で、かつ慎重な魔法生物です。」
「自分が相手の戦力より低いと思えばすぐに撤退し、自分を矮小な存在だと相手に印象付ける行動をとります。」
「それが、例え自分の身体能力が相手の数倍あったとしても、です。」
「あまり知られていませんが、ゴブリンは単独行動を行う生物でなく、本来我々と同じく集団行動を旨とした生物なのです。」
「実は大半の冒険者たちが討伐して喜んでいる単体のゴブリンは、弱くて巣から追い出されたはぐれゴブリンにすぎません。」
「巣を作り、繁殖活動を行うようなゴブリンの三分の一のLvにも満たないでしょう。」
「――――そして」
机に置かれた紅茶を一口すすると、ラドグリフ氏は話を続ける。
「彼らは、集団を単位として戦力を判断します。」
「仮に一人の冒険者が3体のゴブリンと遭遇した際、圧倒的優位と判断した彼らはその凶暴性をむき出しにし、人間離れした身体能力と頑強な体でもって襲い掛かり、まぁ、その冒険者のLvがそれぞれのゴブリンのLvの合計の最低でも3倍、いや、4倍はなければ、まず一方的にやられてしまうでしょう。」
「それほどまでに集団のゴブリンとは手ごわいのです。」
「この都市では冒険者の行方不明者が後を絶ちませんが、私の目算ですと恐らく3分の2はゴブリンの仕業でしょう。
「イメージが先行して正しい知識が広まらないのも考え物ですね。(フフッ)」
「――――え?もし巣を形成するようなゴブリン100体に一人で遭遇してしまったら、ですか?」
苦笑いをしながらラドグリフ氏は答えた。
「・・・・・・考えたくもありませんね。」
「そのような状況を一人で打破するには、まぁ、かの伝説に名高い獄炎火竜一体を倒せるぐらいの力量でもないと無理でしょうね。」
「もっとも、そんな化け物じみた人間なんて、この世にいるかどうか・・・」
────────────────────────────────────────
否ッッッッッッッッ!!!存在するッッッッッッッッ!!
白林寺における数えきれないほどの鍛錬の日々――――
来日後繰り広げられた数多くの死闘に次ぐ死闘――――
そして――――
自らの命を落とすことになった大剣豪宮本武蔵との死闘――――
それらすべてを経験量を数値化した際の
烈海王氏の戦闘経験値から算出される異世界でのLv、
実に――――
100000000Lvッッッッッッッッッ!!!!
そのような烈が放つ【ただの蹴り】、その破壊力――――
《シュパァァンッッッッ》
ドタッッッ
魔導士「――――き、消え・・た・・?」
ゴブリン頭部<消滅>に至る――――
海王の名は伊達じゃないッッッ!!!