異世界にて、烈海王、復ッ活ッ!!烈海王、復ッ活ッ!! 作:浦井朝時
月末って色々イベントありますよね…
なにがとは言いませんが。
―――バルゴニウム王国より数百㎞
王国を囲むようにして「アラマンダ大森林」
別名:「悪魔の住む森」
国内ギルドハウスでもこの森林地帯より先の地域を活動場所とするクエストの依頼や受諾は禁止されている超危険地帯―――
その実際の全長面積を知る者はいかに王国広しといえども片手に数えるほどしかいない―――
その入り口境界付近……
ミネルバ「……いよいよね」
烈「これがアテナさんの話にあった『悪魔の住む森』―――」
レガロ「ここに入った冒険者グループの中で、五体満足で帰還できた者はマギリカーゼのギルドハウスの歴史の中でも数えるほどしかいません」
ラン「既に途中でゴブリンの集団に遭ったりニンフの群れに遭ったりレッサーデビルの巣に遭ったりとトラブル続きでしたけど……」
ケンジ「おっさんがいなかったらここまでたどり着けなかったな。いや、マジで」
烈(―――研究室におけるアテナ殿の提案)
烈(一時はいかがなものかと思ったが、この森から発せられるすさまじいほどの獣臭、強者の予感)
烈(アテナ殿の言う通り、この異世界における新たな中国武術を模索するうえで早くもいい経験になりそうだ……)
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時は遡る―――
烈「―――私たちに他国との通信使としての任務を依頼すると?」
アテナ「そういう事。話が早くて烈さんはホント助かるわ」
ケンジ「ちょ、ちょっと待てよッ!?」
アテナ「ん? どうした、少年?」
ケンジ「いや……『他国』ってどういう意味だよッ!?」
ケンジ「この国以外にこの世界には国家が存在するのか!?」
ラン「私もてっきりバルゴニウム王国がこの世界の主要な王国なのだと……」
アテナ「……あーーー」
アテナ「そういえば、これ転生者にはオフレコなんだっけ?」
ミネルバ「オフレコって……国家機密レベルの最重要事項なんじゃなかったの? 姉さん」
アテナ「あら? そうだったか?」
レガロ「この国において沈黙を保てという暗黙のルール……『悪魔の住む森』の向こう側の話ですね?」
アテナ「そうそう! 今回はそれについての依頼ね」
ミネルバ「それって! 確かギルドハウスでも以来自体が禁止されてるんじゃ……」
烈「―――お三方、すまないが……」
三人「!」
烈「私達転生者にも分かるように詳しく説明してはいただけないだろうか?」
烈「依頼を受けるにしろ受けないにしろ、私たちにはその内容を知る権利があると思うのだが?」
ケンジ「お、おっさんの言うとおりだぜ!」
ラン「どうなっているのか、説明してくれませんか?」
アテナ「―――そうね」
ミネルバ「ごめんね? こっちが内輪だけで話し過ぎちゃって―――」
レガロ「アテナ博士の話があまりにも突拍子過ぎてつい……申し訳ありません」
アテナ「……でも、これだけは知っておいてほしいの」
アテナ「この『秘密』は決してあなたたち転生者を貶めるためではなく、むしろ守るのためのものであると」
烈「守る?」
アテナ「えぇ……」
アテナ「実は、この世界においてこのバルゴニウム王国は」
アテナ「魔道・文明レベル、そして国家としての軍事力においても最も劣っているといわれているの」
三人「!?」
ケンジ「バルゴニウム王国が、この世界では後進国だって言いたいのか?」
アテナ「えぇ。それもぶっちぎりでね」
アテナ「そうたらしめているのが、このバルゴニウム王国を囲むように広がる大森林『アラマンダ大森林』」
アテナ「この森林地帯による地図上の隔絶によって、太古には『魔導士の故郷』といわれたこの国は外界と関係を絶たれ、国同士で盛んに貿易協定を結んでいた他国との国力の差が歴然となったの」
アテナ「簡単に言えば、この国は他の国から見れば貿易も進行もする価値のないド田舎ってわけね!」
ケンジ「この国が、ド田舎……」
ミネルバ「ま、他国に超危険区域であるアラマンダ大森林を抜けてまでわざわざこの国に出向くメリットは無いわね」
レガロ「実際、私達魔導士もアラマンダ大森林を超えた先に高度の文明を持った国々が存在している……ぐらいにしか情報がありません。その情報というのもかなり前にこの地に訪れた旅人による伝聞でしかないですし」
ラン「―――つまり、他国が実在するのかどうかも分からないってこと?」
アテナ「いえ、それはないわ」
アテナ「現に王立図書館に保管されている歴史文書にも過去に他国との交流を示すものが存在していて、この地で生まれた多くの優秀な魔導士が他国に渡ったという事が研究の中で明らかになっているわ」
アテナ「恐らく、それら稀代の魔導士の他国への流失による魔道研究の遅延が、この国の国力が他国に劣る大きな要因の一つでしょうね……」
烈「―――それで?」
烈「今回何故その国交回復の任を私たちに依頼する運びとなったんだ?」
烈「正直、他にも適任の者がこの国には大勢いると思うのだが?」
四人(た、確かに……)
ミネルバ(うちのパーティーは決して弱くはないといっても、このような国家規模かつ難易度もすこぶる高い依頼を受けるにはあまりにも名声も実力も伴っていない……)
ケンジ(俺たち転生者が魔導士の国を代表するっていうのもどうかだし……)
ラン(どう考えてもたかが5人の冒険者パーティーに依頼するのには無理があるクエスト)
レガロ(なにより、なぜ今この国が他国との国交回復に動き出そうとしているのか? それが一番の疑問ですね……)
アテナ「―――そうね。みんな思うところもあるようだから、順を追って今回の依頼の訳を説明するわ……」
アテナ「まず、なんであなたたちにこの超難度クエストを依頼したのか?」
アテナ「それはぶっちゃけ、烈さん、あなたの存在が大きいわ」
烈「私が?」
アテナ「この国でも間違いなく最強といわれる烈さんと深い親交がある冒険者パーティーはあなたたち4人……」
アテナ「正直、別名『悪魔の住む森』といわれるようなアラマンダ大森林を超えて他国と国交を結ぶなんてクエスト、この世界の知識のないおバカな転生者はおいといて、魔導士には立候補者すらいないわ」
アテナ「でも、烈さんが、いわば4人のボディーガードとして同行してもらえればこのクエストの成功率は格段に上がるッ!」
烈「………………成る程」
アテナ「―――それに、この話は烈さんにとってもおいしい話だと思うの」
烈「私に?」
アテナ「以前、烈さん言ってたわよね?」
強いものと戦いたい――――――――
「武」の最強をこの異世界で証明したい――――――――
この異世界における「中国武術」の新たな歴史を築きたい――――――――
アテナ「恐らく―――」
アテナ「アラマンダ大森林やそれを超えた土地にはキリクなんて目じゃないほどの強い魔法生物や魔導士……それに転生者だっているはずよ」
烈「ッッッッッッ!!!」
アテナ「どう? 決して悪くはない提案だと思うんだけど?」
烈「……確かに」
烈「常在戦場を望む私にとっては、願ったり叶ったりの心躍る提案―――」
烈「……しかし」
ペコリ―――
烈「申し訳ないが、アテナ殿。この依頼、謹んでお断りさせていただきたい」
4人(!?)
アテナ「……理由を教えてもらえないかしら? 烈さん?」
烈「依頼自体に全く問題はない……」
烈「今すぐにでもこの地を出立して未知なる強者と一戦交えたい……その気持ちに嘘偽りはない」
烈「……だが」
烈「現在この学園にて中国武術の指導者として、この地を離れるというのは心苦しい」
烈「語るべくもなく……いや、この異世界の地では知る由もないか。4000年という歴史を積み上げてきた中国武術……」
烈「国王や学園長直々の懇願から身不相応とは思いつつ受けたものの、やるとなったらせめてその基礎だけでも学園の門下生には伝授したい」
烈「少なくても、10年……いや、そもそも「武術」という概念が無いこの世界の魔導士ではそれ以上か………………」
4人(す、ストイックッッッッッッ!!!!)
アテナ「あぁ、それに関しては……」
バンッ――――――
(!?)
それに関しては私に任していただきたいッッッッ!!!!
烈「き、君は……」
烈「
黄「お久しぶりです。烈海王ッ!」
黄梓豪、復ッ活ッッッ!!!