異世界にて、烈海王、復ッ活ッ!!烈海王、復ッ活ッ!! 作:浦井朝時
異世界
バルゴニウム王国
首都 マギカリーゼ
通称:『魔導士の故郷』――――
四人の冒険者グループを助けた烈は、
異世界という未開の地における情報を得るため
彼らが拠点にしているという都市に来ていた――――――――
烈「つまり、この世界では【呪文】というものが、戦闘における重要な手段というわけ
だな? レガロさん?」
レガロ(魔導士)「はい。そうなりますね」
レガロ「人によって覚えられる【呪文】は異なるのですが、大半の魔導士は成人までに基礎的な自分の系統【呪文】は身に着けるようになります」
ケンジ(剣士)「そ~そ、んで、魔導士以外の人間は、俺やランのように剣士とか格闘家み
たいな職業になるわけ」
ミネルバ(回復魔導士)「烈さんって、多分他の世界から転生してきた方、ですよね?」
《ピクッ》
烈「なぜそれを?」
ラン(格闘家)「実はこの世界って、現実世界――――ここでいうと元々私たちが暮らして
いた世界ですね、そこで死んでしまった人が稀に転生してくるみたいなんですよ」
ケンジ「そういうこと。だから俺とかランみたいな【転生者】はもとからこの世界の住人じ
ゃないから、基本的には【呪文】を使えないってわけ」
ミネルバ「正確に言うと、ちゃんと訓練すれば【呪文】は使えるようになるけど、生まれた
ときから【呪文】に触れてきた私たちとではブランクがありすぎるわね」
烈「しかし、そうだとすると、【転生者】とこの世界の住民とでは、戦力にあまりにも差がありすぎるのではないかね?」
レガロ「そのために、【転生者】には転生後に【補正】がかかるみたいなんですよ」
烈「【補正】?」
ケンジ「そ、転生者はもとの世界より身体能力とか体の頑丈さが上がるし、あと転生前には
なかった能力や武器がもてるんだぜ!」
ラン「私は『殺気を持った相手がとる次の行動を読む』能力、ケンジは『対魔法生物に対し
て殺傷能力が向上する』剣だよね?」
ミネルバ「こんな感じで、この世界でも暮らしていけるように転生者には【転生神】様によ
る【補正】のご加護が施されて、私たちとあまり力の差が出ないようになっているんです」
烈(な、成る程オオオオッッそういう仕組みかッッッ)
レガロ「そ、それにしても烈さんの【補正】はすごいですッ!! あんなに強力な蹴りを出せるような【補正】能力は今まで見たことありませんよ!」
ケンジ「おっさん、マジでうらやましいわぁ~、あんなのチート能力だぜ」
ラン「中国拳法は転生前から知ってたんですか? それとも【補正】能力なんですか?」
烈「いや、まぁ、なんだ……中国拳法自体は転生前から習得していたが、あの破壊力は【補
正】によるものかもしれん――――」
パンパン
ケンジ「あったりまえじゃねぇか!! あんなのよっぽどいい【補正】受けてねぇとできるわ
けねぇだろぉ?」
烈「むぅ――――」
実際のところ――――――――
烈は彼らの言う【補正】とやらの効力を今一つ感じることは出来なかった
いつも通りの構え――――
いつも通りの蹴り――――
いつも通りの手ごたえ――――
烈が先程のゴブリンに対して行った一連の動きは
白林寺入門後から海王の座を得るまで幾度となく繰り返した行為そのものであった
しかし――――
烈(先程の破壊力を説明する上でも、私になんらかの【補正】とやらがかかっていると考える方が自然か――――)
ミネルバ「はぁ~いいなぁ~~~、烈さんみたいな能力があれば、【呪文】なんていらないのになぁ~~~」
烈「そんなことはないッッッ」
ミネルバ「!?」
烈「――――とどのつまり」
全ての『技』とは――――
強者による不当な暴力に対し――――
圧倒的不利な立場に置かれる弱者が抵抗するための――――
「理」性的防衛手段ッッッ
烈「君たちから見れば、私の力は「理」から外れた圧倒的な力に見えるのかもしれん」
烈「だが、それは私の世界における「技」と君たちの世界の「技」が違っていただけにすぎん……」
烈「武「道」か魔「道」か、たったそれだけの違いだ――――」
《ポンッ》
烈「君たちは君たちの「道」を極めなさい……」
それが君たちの「道義」ではないかね――――?
ミネルバ「…………う、うす///」
レガロ「……い」
(いいなぁ~~~~~~~~~ッッッッ)
・
・
・
ラン「着きましたよ! 烈さん!」
ここが――――
異世界の冒険者や魔導士たちが集まる――――
クエストギルド ~マギカリーゼ支部~
ですッッッッ――――
「海王」初の冒険者ッッッ!?——————