異世界にて、烈海王、復ッ活ッ!!烈海王、復ッ活ッ!! 作:浦井朝時
あと『拳児』ね。好きだったなぁ。
マイク「なんとッ最後にニンフが倒されたのは実に3年前、チュウゴク拳法の目にもとまらぬ槍捌きによる一方的な展開でファン選手の圧勝ッ!」
マイク「その後のクラス獲得戦でも当時の【クラスマスター】との熾烈な戦いを魅せてくれたぜ!」
マイク「そんなファン選手が今回初のクラス防衛戦に挑むッッ!!」
マイク「対するは、『標的に当たるまで追撃する』【補正】武器の持ち主、弓使いッヤザワ選手だッッ!!」
「やってやれーヤザワー!」
「ファン! 【クラスマスター】の維持を見せろー!」
「絶対勝て! お前にどんだけ賭けたと思ってんだ!!」
黄「…………」
ヤザワ「…………」
ヤザワ(槍使いだぁ? コイツ、話にならないぜ!)
ヤザワ(元の世界では弓道全国大会進出の俺の腕と、『標的に当たるまで追撃する』【補正】武器【紅蓮弓】、この二つがあれば、正直ガーゴイルなんて目じゃねぇぜ……)
ヤザワ(だが、わざわざこちらから危険を冒すことはない……早いこと勝って、クラス特権乱用して女と遊びまくるぜ!)
マイク「それでは、Ready~~~~?」
ファイッッッ!!! (ゴワッアアアアンン~~~~~)
ザザザザッッ
マイク「おぉっと!? ヤザワ選手、開始の鐘の音と同時にすぐさま後退だぁ~~!?」
ヤザワ(へッ、槍使いに近距離戦を挑むやつがいるかよ……)
マイク「一方、ファン選手は……ワット!? どうしたんだ!? スタート位置から全く動いていないッッ!?」
ヤザワ(…………なるほど、読めたぜ)
ヤザワ(あいつ、俺の矢が外れないことを見越して、あえて遠距離からの矢を射らせることで、発射から到達までの到達時間(インターバル)を確保……)
ヤザワ(あとはそれを見切って槍ではじくなりいなすなりで俺の矢弾数を減らそうってわけだ……)
キリキリキリッ———————
マイク「おおぉぉ?! ここでヤザワ選手、弓を構えた~! 発射かァ~~?!」
果たして、うまくいくかな?
ヤザワ「【必中矢 ストライクアロー】!!!」
シュンッ
マイク「射ッッた~~~~ッ!」
キュイーーーーーーーーン
黄「……」
ヒュッ
カキンッッッ
マイク「なんとッファン選手! これを難なく槍ではじいたぞ~~~!?」
ヒュンヒュンヒュン
マイク「はじかれた矢が寂しげに宙で回っている! ヤザワ選手、矢を防がれて万事休すか!?」
ヤザワ(フッ、ここからさ……)
ヒュンヒュンヒュ———————
ピタッ—————
マイク「……? こ、これは? はじかれたはずの矢が? 宙で止まっ……て……?」
…………ヒュンッ!!
マイク「ふ、再びファン選手の方に飛び始めたぁ~~~!?」
ヤザワ(そう、【必中矢 ストライクアロー】は標的に当たるまで『絶対に』追撃を止めない最強の矢……)
ヤザワ(矢を射るときに『腹』をイメージしたから、矢は腹に達するまではじかれようが、かわされようが、いなされようが、絶対に動きを止めないッ!)
ヤザワ(おまけに矢先には痺れ薬を塗り込んである……少しでも傷がつけばそこでアウト……!)
まさしく、最強!
やられる前にやるッ!!
攻撃の隙も与えず、一方的に射殺す!!!
黄「…………」
ヒュッ
カキンッ
マイク「ファン選手ッ! 先程と同じくまたもはじき返す!」
ヒュッ
カキンッ
ヒュッ
カキンッ
マイク「またも、またも、そのまたまたもッ! 何度も襲い掛かる矢を一切の狂い無く中二はじき返しているッ!」
ヤザワ(チッ……しつこいな、あの中国人……)
キリュッ
ヤザワ「しょうがねぇ、もう一本追加だ! 【必中矢 ストライクアロー】!」
シュンッ
キュイーーーーーーーーーーン
マイク「二本目も来たーーーーーーッ!?」
黄「……」
ヒュヒュッ
カキンカキンッ
ヤザワ(!?)
マイク「これもはじいた!?」
ヒュヒュッ
カキンカキンッ
ヒュヒュッ
カキンカキンッ
ヒュヒュッ
カキンカキンッ
マイク「なんとッ! 二本目の矢がまるでジャグリングの玉を追加するかのようにファン選手の槍捌きのの中に加わったぁ!!」
ヤザワ「そ、そんな……ありえない……【必中矢 ストライクアロー】!?」
シュンッ
キュイーーーーーーーーーーン
ヒュヒュヒュッ
カキンカキンカキンッ
マイク「三本目も加わったぁ~~~!」
ヤザワ「【必中矢 ストライクアロー】! 【必中矢 ストライクアロー】! 【必中矢 ストライクアロー】! 【必中矢 ストライクアロー】! ……」
【必中矢 ストライクアローレイン】!!!
マイク「ヤザワ選手! 怒涛の攻撃!! 矢がゲリラ豪雨のようにファン選手に襲い掛かるぜ~~~~!」
黄「…………!」
ヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュッ
カキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンッ
ヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュッ
カキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンッ
ヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュッ
カキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンッ
ヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュッ
カキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンッ
烈(!!!)
烈「こッこれはッ……!」
マイク「す、スゴすぎる~~~~~~~~~!!!!!!」
マイク「戦いというより踊りッ! 「武」というより「踊」ッそのものだぁ~~!?」
マイク「華麗で複雑な動きに目が追いつけないッ!」
烈(————いや、正確に言うと、「複雑」ではない…………)
烈(一見、高度な演武のようにも感じられる彼の槍捌き……)
烈(しかし、その実態は『攔(ラン)』と『拿(ナー)』……『六合大槍』において最も基礎的な型の反復とその応用に留まっている————)
烈(彼の槍術の凄まじさはそれら基礎の型に周到に練られた彼の功夫に他ならないッ!)
・
・
・
黄(……師よ、あなたの教え、異世界の地にてもその偉大さを感じます…………)
黄「なぜですか!? なぜ私には彼らのように他の型を教えては頂けぬのですか!?」
師「……あんなもの、お前には無用の長物よ————」
黄「それは、私の功夫がそれまでのものッ! ということですか!? 師よ!!」
師「…………「逆」よ、黄」
師「儂はお前の「武」への執念を深く認めておる。このまま正しい鍛錬を積み重ねれば、『海王』の座を手にすることもやぶさかではないとも感じておるくらいだ……」
黄「! ……ならばどうして正しい鍛錬を積ませては頂けないのですか!?」
うぬぼれるかぁぁぁッッッッッッ~~~~~~!!!!!
黄(!?)
師「黄よ、あの者たちのように槍術の基礎も出来ぬままに、見た目のみ派手な型を次々と覚えようとする……それのどこが正しい鍛錬というのかね?」
黄(…………)
師「この修練場の門には私の好きな字が書いてある……それはなにかね?」
黄「確か……『永』———」
師「そう……」
スッ、スッ
師「この、『永』という字には、書道におけるもっとも基礎的な技が八つも備わっている」
師「側、勒、怒、趯、策、掠、啄、磔…………」
師「一つ一つが書においてなくてはならない技、それらがこの『永』というなんとも慎ましき一字を極めんとすることでごく自然に備わるのだ……」
礎は全に通じ、全は礎に帰するッ
師「賢者は一滴の水を見るのみで、そこに偉大なる大海の存在を知るという……」
師「槍でいう『一滴の水』とはなにか、お前ならわかるだろう? 黄よ」
黄「……敵の槍を払う『攔』、敵の槍を抑える『拿』、……そして、敵を倒す『扎』!」
師「然り……」
ポンッ
師「極めなさい……黄よ。それら三つを極めればお前は…………」
どの様な相手であっても決して負けぬッッ!!
ヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュッ
バリバリバリバリバリバリバリッ
マイク「こ、これはッ……」
————およそ、数百にも及ぶ、はじかれ、いなされの矢と槍の攻防
ヒュヒュヒュヒュッ
シュッシュッシュッシュッ
マイク「矢が……原型を無くし……て?」
————その中にあっても、「必中」を主人に命じられた矢達は決死の思いで標的に突き進み
マイク「ついに……」
————遂に
パラパラパラパラッ…………
マイク「バラバラの木片に代わってしまったァ~~~!?」
パスッ……パスッ……パスッ……
————標的への「到達」という役目を終える
黄「ハィイイイッ~~~~!!」
ウォオオオオオオオ~~~~~~!!!!!
「すげぇぇぇーーーーーーーー!」
「ファン選手~~~~~~!」
ヤザワ「そ、そんな…………嘘、だろ……?」
黄「ヤザワ君ッ!! ……だったか?」
ヤザワ(!?)
黄「君は、どうやら槍というものが近距離でしか活躍しない武器だと思っているようだが……」
グググッ……
ヒュッ
スパッ
ガキンッッッ
ヤザワ「ひ、ひいいぃぃぃ」
槍は『投げること』もできるんだぜ?
ヤザワ「ま、参りましたぁ~~~」
決着ッ~~~~~~~!!!!
八極拳の槍は伊達じゃないッ!
擬音語多スギィ!
どういう光景か、皆さんの想像力で補ってもらえると幸いです。
人任せでごめんなさい。
追記:
申し訳ありません!手違いで第八話のものと同じ内容のものが投稿されていました。
今後、このようなことが無いよう、注意いたします!