緋鳥物語   作:蟲鳥獣

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第0話

「う、うーん・・・はっ」

 

 俺は目を覚ました。

 視界には赤が、飛び込んでくる。

 

「うおっ、なんじゃこりゃ・・・って、うわっ鳥になってる」

 

 次に体の異変に気が付いた。

 鳥になっているのである、体の動かし方はなんとなく分かる。

 本能的な感じで、覚えているんだろうな。

 あと視界にさっきから、映り込んでくる景色と同様に赤い。

 

「なんでなん」

 

 翼で器用に頭を抱えて、うずくまった。

 傍から見れば、毛づくろいしている美しい鳥である。

 その状態で、最後の記憶を引っ張り出す。

 


 

 休日で給料日だったので銀行に行きます。

  ↓

 銀行強盗が登場しました。

  ↓

 大変危険ですので言いなりなりました。

  ↓

 数時間くらい後に警察到着

  ↓

 後ろの子どもが泣き出して・・・パァン

  ↓

 銃声が聞こえた。

  ↓

 ゆっくりこちらに上から飛んでくる弾丸

  ↓

 意識のブラックアウト

 


 

「あっ、死んだ・・・じゃない、マジかよ」

 

 どうやら最後の記憶では、強盗が拳銃を撃って、その弾丸が跳躍して俺に当たったようだ。

 運がない、最悪だ。

 

「あ゛ぁ゛、これからどうしよっか・・・」

 

 思考が冷静になってきた、というよりは無理やり切り替えた。

 こうなったら仕方がないので、考えない事にする。

 考え込んでも埒があかないし、昔からこういう人間性なので無問題だな。

 

「・・・飛んでみるか」

 

 俺は鳥なので空を飛んでみた。

 飛び方は、体が覚えているようなので問題はない。

 しかしどこまで行っても、真っ赤だな・・・うーん、なんだっけ?

 

「あー、アレだ。緋色の鳥だっけ?」

 

 数時間くらい飛び続けて、ふとそう考えが過ぎって着陸した。

 

「えっと、そう、SCP財団って架空サイトの奴」

 

 俺はSCP‐910‐JPやSCP‐2000‐JPは記憶に残っている。

 他にも原典の『彫刻』とか、『クソトカゲ』『アベル』『キチクマ』などの有名所は知っている。

 

「緋色の鳥ってどんなSCPだっけ?」

 

 そこまで考えようとすると、見知らぬ記憶が浮かび上がった。

 その記憶は体の元の持ち主、つまり緋色の鳥の記憶なのだろう。

 

 星の生命を喰らって成長し続けたが、ある日に新しく誕生した生命に封印された。

 鳥という姿を付与されて弱体化したが、それまでに無かった知恵を考える力を持った。

 今は休眠して、新たに生命を喰らえるようになるのを待っている。

 そうして休眠中に落ちてきたものを喰らったら・・・そこで記憶は途切れている。

 

 要約をすればそんな感じの記憶だった。

 

「・・・もしかして俺なにかやっちゃてる?」

 

 また、翼で器用に頭を抱えるはめになった。

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