緋鳥物語   作:蟲鳥獣

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第1話

「はぁ、どうしよう・・・」

 

 推定、緋色の鳥となって、体感的に数日が過ぎた。

 今は気分を上げるために空を飛び続けている。

 正直この世界は目に毒だ。

 全部が赤いし・・・しかも全然、景色が変わる気配がない。

 どこまで飛び続けても、赤い原野に赤い空だ。

 

「うぅ、休憩するか。精神的に辛い」

 

 そう言って、俺は地面に降り立った。

 記憶から色々と現状に対して推測している。

 例えば、俺が緋色の鳥と言う存在に吸収されたが、逆に吸収して成り代わってしまったのでは?という事だ。まぁ情報が少なくて、そこまで分らんのだが・・・

 多分そうなんだろうと考えている。

 緋色の鳥側の記憶の大半が、眠り続けていた弊害か、半分以上が抜け落ちている。

 そんな状況で、深く考えることができないのだ。

 正直、俺が緋色の鳥を逆に吸収できた事に対して、大きな疑問を抱いているが、分かる日は来るのだろうか?

 それにしてもアレだな、腹が減ってきた。

 これ以上動くのはやめておこう。

 緋色の鳥が永い休眠を行っていて、俺の魂的な何かが、目の前に落ちてきたときにバクンッ、と速攻で喰らった理由が分かった気がするわ。飢餓状態で寝ぼけていて、目の前に久しぶりのご飯があれば、誰だって食らいつくだろう。例えそれには、毒が混入されていたとしてもだ。

 

「とりあえず、寝る・・・」

 

 俺は飢えを誤魔化すために眠ることにした。

 そして意識が完全にシャットダウンした時に、獲物の匂いを感知した。

 

「ギャァアァア」

 

 雄叫びを上げる。歓喜を上げる。口から涎は出ないが、喉が鳴る。

 そこに俺という理性はなく、体は緋色の鳥としての本能で動き始めた。

 

 跳んで、飛ぶ。

 速く、速く、速く、速く、もっと速く飛べ。

 

「ハハハ、成功だ。新たな発k・・・」

 

 ブチッ

 

 喰らったぞ、美味い・・・

 腹が満たせる、もっと食べたいなぁ。

 戻れ、戻れ、戻れ、戻れ、戻った。

 緋色の世界の時が戻った。

 もう一度、もう一度、もう一度、もう一度、もう一度。

 繰り返せ、繰り返せ、繰り返せ、繰り返せ、繰り返せ。

 

「ハハハ、成功だ。新たな発k・・・」

「ハハハ、成功だ。新たな発k・・・」

「ハハハ、成功だ。新たな発k・・・」

「ハハハ、成功だ。新たな発k・・・」

「ハハ・・・ハ?、なんだ何かがおかしい」

「なんだ、なんだ、なんだ、なんだ、なんだ」

「なにが、なんだ。逃げないと、なぜ?なぜ?」

「やめろ、やめてくれ、嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ」

「死んだ?生きてる?どうして?」

「くそがぁ、化け物め。やめろ、やめてくれ」

 

「くぁwせdrftgyふじこlp・・・あっ、そうか」

 

 また、巻き戻った。しかしそこに獲物はいなかった。

 しかし鳥は歓喜していた。獲物が自らやってきてくれていると、本能は理解しているから・・・

 (理性)は起きない、本能が抑えているから・・・

 近い未来のSCP-444-JPは、(理性)を起こさず動き出した。

 

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