めざめ とびたて 緋色の鳥よ すべてをくわらぬ うえのみたまよ
どこからともなく、そんな祝詞が部屋中に響いた。
緋色の鳥、かの化け物は動きを停止した。
「やった・・・ぞ、後は・・頼みます。■■主任・・・」
祝詞を紡いだ男は、血だまりの中に倒れ伏せる。
その意識を消失させながら・・・
「ふぁ、んっ?えっ?はっ?」
俺は目覚めて、困惑を隠せなかった。
辺り一面が赤黒い、鉄錆の香りが漂い、地に大量の肉塊と肉片が不規則に落ちている。
いや、よく見ればまだ完全に形を残している肉塊もあるが・・・
まて、人の死体の事を肉塊と考えたのか?
なんだろうか、鳥と融合したからだろうか?
・・・うん、どうでもいいな。俺は俺だからな!
「さて、どうするか」
今この場から分かることは、この場所がおそらくSCP財団の施設だと言う事だ。
目の前にSCPと、プリントされている白衣を着た肉塊が、倒れ伏しているからね。
後は、ここから離れた場所に生存者が1人いるくらいだろう。
「一先ず、様子を見に行くか」
ふわっ、と飛び立ち、壁をすり抜けて生存者の所まで一直線に飛ぶ。
感覚的に実体が無いと思ったから、できると考えたので実行してみたらいけたわ。
数分もすれば、目的地の天井裏に辿り着いた。
大量の配線があるだけで、なんの面白みも無いけどな。
さて、頭だけこっそりと覗かせて、覗き見てみるか。
「奴の事を知っているのも、残りは私だけか・・・■■君、時間稼ぎありがとう。どうにか間にあったよ・・・後はこの場所を封鎖するだけだ」
白衣の男が、必死でパソコンに入力している。
遠目から見る限り、報告書の類いだと思われる。
「ふぅ、本当は残すべきではないんだろうが、もう遅いか・・・」
白衣の男は、ふぅっと椅子に深く座った。
体の伸ばす、パキパキと音が聞こえた音から、長時間座り続けて作業していたのだろう。
「っ!」
ドンドンドン、ドン
白衣の男は白衣の内に手を突っ込み、拳銃を取り出して俺の居る天井に撃ちこんだ。
突然の事で俺は驚いたが、拳銃の弾丸は身体をすり抜けていった。
そして俺は、天井からすり抜け現れる。
「くっ、ここまでか・・・」
拳銃を構えたまま、俺から離れるようにして扉へとジリジリゆっくり動いていった。
「・・・そいつはどうかな」
白衣の男の言葉に、俺はそう言った。
「なっ!・・・なんだと?」
白衣の男は驚いている。
驚愕の表情を浮かべて、しかし拳銃の銃口はこちらに向けたままだ。
「「・・・」」
静寂がこの空間を支配する。
さてノリで言った言葉が、こんな空気になって、どうきりだしたものか・・・
俺は決め顔(できているのか分からない)みたいな事をしながら、心の中で頭を抱えていた。