「よっと」
「君が、この地の主人かな」
バサァ、と1人と1匹ではなく2匹の近くに降り立った。
すると、黒い猫に話しかけられた。
「そうだな、おそらく」
俺は曖昧に猫の問いに答える。
実際に俺は、今の俺がこの緋色の原野の主人かどうか、分かっていないからな。
「うむ、警戒するのは分かる。君のテリトリーにこうして侵入しているのだからな」
「警戒はしてないさ、好きに居れば良い」
目の前に居る猫と、海に浮かぶオウムガイ。2つで1つのSCPなんだろう。
それもおそらくは、俺と同じ精神世界に存在するタイプだ。
「・・・」
「・・・」
微妙な空気が流れる。
その間、『
SCP-097-JPは、何が何だか状況がイマイチできていないが、一先ず落ち着く為に飲んでいる。
オウムガイは、海の上を相変わらずプカプカと浮かんでいるようだ。
「・・自己紹介がまだだったな、私の名は『猫』だ。それ以上でも、それ以下でも無い」
「・・ご紹介感謝しよう。俺は、そうだな・・・『緋色』とでも呼ぶといい」
「我が名 呼び名は ノーチラス
彼を救えた オウムガイ」
「えっ?えっと、俺を作りやがったクソ親父には『ミスターずぶずぶ』って呼ばれてました。
猫さんには言いましたけど、こちらの緋色さまに助けてもらった?と思っています」
「「「「・・・・」」」」
猫から始まった自己紹介は、無事に終わったが、話しが続く事は無かった。
気まずい空気が、また流れ始めた。
この場に居る生きる?者は、皆が心の中で(こっからどうしよ)と完全一致していた。
そして、この微妙な合間を撃ち破ったのは俺だ。
「まぁ一先ずアレだ。仲良くしようぜ?」
「なぜ疑問形なのかな?」
俺の言葉に猫は反応する。
「海に浮かぶは ノーチラス 先に見えるは 赤き砂浜」
ノーチラスは相変わらずのようだ。
「えっとあのー・・・緋色さま文句を一言だけ言っていいですかね」
「なんだ」
そしてSCP-097-JP、いやミスターずぶずぶが、文句を言いたいと居てくる。
「確かに思い返せば、俺のあの行動はどうかと思いましたがね。その結果が落とし穴で、その先が死体の山って言うのは、えっとですね・・・その・・・」
「あぁ、うん。悪かったな、言いたい事はよく分かった」
ミスターずぶずぶの言葉に俺は全力で目を逸らして、脱兎の如く逃げる構えを取って・・・
「それでは失礼する」
全力で大空に向かって飛び去った。
目指すは、あの■■の所である。
「逃げたあああっ!」
そしてミスターずぶずぶの渾身の叫びが、聞こえたような気がするが気のせいである。