月の賢者のモルモット   作:熊四郎

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月の賢者のモルモット

目が覚めると周りには檻に入れられた多種多様な動物達が眠ったり檻に噛み付いて暴れたりしている。その奥にはシミひとつない白い壁と金属で出来た机や椅子。その上には理科室で見たようなフラスコなどの実験器具や注射などの病院にありそうなものが並んでいる。

 

どこだここは…

「グウゥウ……?!?!」

声を出そうとするが何故か唸り声のようなものしか出ない。

目線を下に向けると手?足?が見えた。太く毛むくじゃらな動物の足である。

 

 

 

 

数分後、状況を整理し落ち着いたところ自分がクマの幼獣になっていることがわかった。

 

しかし、何故熊なんだ?友人や家族に熊みたいだとか言われたことはあるがなぜ?

 

そんなことを考えていると、扉が開く音がした。

 

なぜそんな服?

 

そこには赤と青を互い違いに配置した見たことの無いような柄をした服を着た銀髪の女性が立っていた。

 

??「これが被検体?」

 

こちらを見ながら呟く。

そしてそのまま、持っていたカバンを置きその中から大量の注射器を取り出して手前の動物から注射していく。注射された動物は何故か動かなくなった。

 

冗談じゃないぞ、、、死んだのか?

 

だんだんと迫って来るその女性を見ながらどうしたら逃げ出せるか考える。

檻を壊そうにもそんな力があるはずがない。どうにか逃げようと足だけでも出してみる。

 

??やべっ!足ハマった!!

 

檻から出した足が抜けなくなった。四苦八苦している間についに順番が来てしまい、、、

 

??「抜けなくなったの?可愛いわね。」

 

そう言いながらもその足に注射器を近ずけてくる

 

プスッ

 

刺された瞬間、ものすごい痛みと同時に眠気が襲って来る

 

あぁ、これはダメ…だ…

 

??「これも失敗か〜…本当に不死の薬なんてあるのかしら…。」

 

そう呟きながら次の動物へと針を向けていく。そして全ての動物が静かになった時、深くため息をついた。

 

 

 

 

 

 

俺は再び目を覚ました。

 

熱い…暑いではなく熱い。まさに今炎で焼かれているかのように熱い。

そう思いながら周りを見てみる。すると…

 

本当に焼かれてんじゃねーか!!!!

「グルァアアア!!!」

 

俺はいつの間にかあの時一緒に刺された動物たちと共に炎の迫り来る部屋の中で倒れていた。周りの動物たちは揺すっても起きず冷たくなっており、死んでいるようだった。

 

どうすれば…

 

ここから出なければという強い意志とともに周りを見渡す。すると天井にドアが見えた。

 

しかし、高いな…

 

そのドアは5メートル程上にありドアノブもない。そうして考えている間にも死んだ動物たちを伝って炎は迫ってくる。

 

とりあえずこっちに来ないように…

 

そう思いながら周りの動物たちを遠くへ遠ざける。

 

これで炎はとりあえず大丈夫か…

 

「グホッグホッ!」

 

周りの煙でむせてしまう。息もしにくくなってきた。

 

く、空気が足りない…。

 

空気欲しさにジャンプしてドアを開けようとするも届かない。

 

ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ!!!

 

焦って炎の近くまで来てしまった。その時、

 

「…シャー…」

 

炎に巻かれそうになりながら1匹の蛇が鎌首を上げ、威嚇してくる。まさか生きているものがまだ居たのかと驚き1歩下がる。その瞬間蛇が飛びかかってきた。

 

「グルアアア!!」

 

首に飛び込んでこようとしたのを必死で防ぎ、腕を噛まれる。

 

痛い痛い痛い!

 

腕を振り回すがなかなか外れない。蛇は急に前に出てきた腕に驚き必要以上に牙が刺さってしまい引っかかっていたあまりの痛さに俺は意識を支配され暴れ回る。この煙の中暴れ回り起こるのはもちろん酸欠である喉が焼ける痛みと蛇に噛まれる痛みを感じながら俺は、ゆっくりと意識を失って行った。

 

 

 

 

 

 

??「何よこの音…」

 

何かが壁を叩いているような音が聞こえてくる。こんな音を鳴らすなんて迷惑な奴が…

そう考えていると、この施設を守る兵士が血相を変えて飛び込んできた。

 

兵士「報告します。現在、実験動物廃棄場より何かをぶつけるような音がこの差施設全体に広がっております。先日の実験の生き残りかと思われるとの報告です!」

 

それを聞いてその女は驚愕した。確か最近動物を使っての実験は私しかしていない。しかし、その実験での生き残りはゼロのはずなのだ。

 

??「そんなことあるはずない!!私は確かに全ての動物が死んだことを確認したはずよ?!?!」

 

驚き、すぐさま確認したいが焼却炉にそれを確かめるすべはなく炎を止める方法もない。

やがて来た静けさは余計に不安を煽るものだった。

 

 

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