マフィアでヒーロー〜緑谷出久はボンゴレ光と雪の守護者〜 作:雷神 テンペスタ
視点は、出久です!
僕が転校して3日が過ぎた、この3日で僕が無個性と知られた、担任が口を滑らしたんだ。別に隠してるわけじゃなかったけど、周りからの態度がすぐに変わった。もう並盛町に戻りたいと思ったことはないよ。かっちゃんは、何も言わずにただ僕を睨み続けていた。あと僕の席は後ろから2番目の席になっている。今日行っているのは…
「え〜、お前らも3年という事で本格的に将来を考えていく時期だ。今から進路希望のプリントを配るが…。」
先生がそう言ったら皆が個性を出し始めた。個性を出すのは原則禁止だけど寺折中は軽く注意するだけで留まっている。…雲雀さんが見たら即噛み殺されるんだよね。これ。
「だいたいヒーロー科志望だよね!」
「「「はーい!!」」」
「うんうん!みんないい個性だ!でも校内で個性出すのは、原則禁止な。」
ほらね。先生は僕に見向きもしない、無個性だからかもしんないけど。
「先生〜」
みんなが騒いでいると、かっちゃんが先生を呼んだ。その瞬間に教室はしんっとなった。かっちゃんはこの教室のヒエラルキー上位にいるからね。そりゃそうなるか。足を机に乗せている、パンツ見えるかもなのにそんなんでいいのかな?
「みんなとか一緒くたにしないでよ〜!あたしはこんな没個性共と仲良く底辺なんて行きませんので!」
…あの態度、ザンザス思い出すなぁ。
「そりゃないでしょ〜勝美!」
「「そうだ!そうだ!」」
ギャーギャー!!
かっちゃんがそんなこと言うもんだからまた教室が騒ぎ出した。まぁ、こういう事が言えるくらいの空気なら別にいいか。
「うっさいのよ。あんたたち!モブはモブらしくしてなさい〜」
かっちゃんは煽っていた。先生はかっちゃんが雄英高校に進学すると言ったら騒がしかった教室がさらに騒がしくなった。他の教室から苦情がよく出ないね。…雲雀さんがこの光景を見たら絶対噛み殺すね。
「そのザワザワがモブたる所以よ!模試じゃA判定!あたしは
…なんて言うか爆発的みみっちさを感じる。マフィアに狙われてるって事も知らずに呑気なもんだよ。…あっ、先生が何か言いたそうな顔になってる。っていうか僕の方を見てる。…ツナより感は鋭くないけど、嫌な予感。ツナの直感が恋しいよ。
「そういや、緑谷も雄英志望だったな。」
「「「は?」」」
言っちゃったよ。周りの空気崩すの好きだね、この先生。プライバシーの侵害で訴えようかな。僕は少し怯えたように肩をビクッとした。もちろんこれは演技…じゃなくて僕の昔からの性格。ツナや他のみんなには多少慣れているけどね。ヴァリアーやミルフィオーレとの戦いの時はツナと一緒にビビってたなぁ。
「はぁ!?緑谷ぁ!?無理っしょ!」
「無個性じゃ、ヒーローにはなれないんだぜ!」
そんな事を考えていたら名も知らぬクラスメイトからそう言われた。リボーンから護衛対象と一緒の所に行くのがベストなのと、お前の昔からの目標だろ?って言われたんだよね。かっちゃん怒ってきそうだなぁ。
「……」
…来なかったけど、睨んできた。かっちゃんはドカッと音をたてながら席についた。確実に怒ってはいるんだろうなぁ。
ーーーーーーー
それから何事もなく放課後になり僕は、かっちゃんが他のクラスメイトと一緒にいるのを確認してからスマホを見ていた。朝に起きた敵の事件がニュースのトップになっていたり、今年デビューしたMt.レディが大々的に掲載されてたりしていた。…最近のヒーローは目立つ事、財政に目が行きがちだと思うなぁ。ヒーローは元来奉仕活動なのに、その分オールマイトやベストジーニストなどの上位陣(2位のヒーロー以外)は奉仕活動も怠っていない。それにオールマイトは…
「ねぇ、デク」
「ビック!?」
かっちゃんが睨みつけながら目の前にいた。急に声をかけるもんだから、心臓が飛び出そうになるかと思うくらいびっくりした。
「…な、なに?」
「…ツラ貸しなさい」
不機嫌そうな言葉で言ってきた、僕はこの3日間護衛していたけど、かっちゃんは他の友達とよく帰っている。でもその友達の姿が見当たらない。
「友達と帰らなくていいの?」
「いいから来なさい!」
「はひ!」
僕は言われるがままにかっちゃんのあとを追った。ここは学校裏の鯉がいる池の近くだ。かっちゃんは着くなり僕を壁へおいやってから、腕を壁にドンッと置いてから、さらに睨んできた。
「あんた、3日前に帰ってきたと思ったらなんなの?」
「な、なんなのって?」
「無個性のあんたが何ができるって聞いてんの」
…ヒーローになる事は昔からの目標だった。ヴァリアー戦でツナの守護者になると決めた時は、これでヒーローにはなれないと思っていたけど、9代目から聞いた話ではボンゴレと日本政府との間にヒーロー協定という取り決めが決まりボンゴレファミリーに属する人はヒーローになれるらしい。ボスも例外じゃないけど、9代目はヒーローにはならなかったみたいだけど。
「聞いてんの!デク!」
「…小さな時からの目標なんだ。い、いいだろう!」
「……そう。」
かっちゃんはそれだけ言うと、学校から出ていった。…ごめん。かっちゃん、僕は無個性だけど…。僕には個性とはまた別の能力がある。その名は死ぬ気の炎、人間の生体エネルギーを圧縮し視認できるようにしたもの、指紋のように個々によって炎の色・形・強弱が異なる、死ぬ気の炎には属性が存在し、【大空】【嵐】【雨】【雲】【晴】【雷】【霧】といった、天気になぞられた7つの属性があり、
【大空】はオレンジ
【嵐】はレッド
【雨】はブルー
【雲】はバイオレット
【晴】はイエロー
【霧】はインディゴ
【雷】はグリーン
といった色になっている。そしてこの7つは大空の七属性と呼ばれている。…僕はさらに珍しい天気の【雪】と【光】の炎を2つ持っている。色は【雪】が濃いホワイト、【光】がゴールド。1人が複数の属性の素質を持つこともあるが大抵の場合は波動の強い属性は1つのみで、残りは微弱であるとされる。僕は例外的にこの2つの属性が強いらしい。【雪】属性を持っているのは僕と初代ボンゴレファミリー雪の守護者のみらしい。【光】属性は僕の他に2人いる。もう1人はヴァリアーにいるけど。もう1人の事は残念ながら聞かされていない…ってあっ!!かっちゃん1人にさせちゃった!!僕は急いでかっちゃんの後を追いかけて行った。
ーーーーーーー
「ーーーーリボーンにドヤされるな。」
考え事をしてる間に護衛対象と離れてしまったとリボーンが聞いたら、ねっちょり指導されるな…。いやもう確定か、どっかで見てると思うし。はぁ…かっちゃんはまっすぐ家に帰ったと思うし。今日ぐらいは護衛しなくてもいいよね。え?職務怠慢じゃないかって?…おっしゃる通りですね。
『Mサイズの…隠れ蓑…!』
「え?…!?」
声が聞こえたと思って後ろを振り向こうとしたら、
「君は俺にとってのヒーローだ。まさか“あんな”のがこの街にいるとは思わなかった。」
だ、れが!お前のヒーローだ!くそ!空気が吸えなくて苦しい…ッ!死ぬ気になれば…!!
「もう大丈夫だ。緑谷少年!」
声が聞こえた。聞き覚えのある声、テレビや雑誌などでも見たことや聞いた事はある。半年前に間近で聞いた事のある…
「私が来た!」
オールマ…ィト…!僕は、そのまま意識を失ってしまった。
ーーーーーーー
「ーーーーへいへい!起きるんだ!緑谷少年!」
「…オールマイト…」
目が覚めると、オールマイトが目の前にいた。本当に画風が違うよね。って目が覚めるまで律儀に待ってたんだ。
「久しぶりだな。緑谷少年、」
僕は、半年前にオールマイトと出会っていた。それは虹の代理戦争の後、僕とツナはオールマイトの事務所に連れてこられたんだ。リボーンからね。オールマイトとリボーンは友人らしくて、時折連絡をとっていたらしい。平和の象徴と友達ってどこまでリボーンの交友関係は広いんだろうって思ったっけなあの時は。
『オールマイト、こいつは緑谷出久でこっちは沢田綱吉だ。』
『初めまして!沢田綱吉です!」
『は、初めまして!緑谷出久でしゅ!!』
『HAHAHAHAHA!リボーンにはいつまでも驚かされるよ!緑谷少年と沢田少年か!』
『…あのオレ…一応女です。』
『え!そうなの!?』
出会いはこんな感じで、オールマイトはリボーンが世界最強のヒットマンと知っており、そして僕達がマフィアだってことも知っていた。でもオールマイトはそんな事お構い無しに僕やツナに優しくしてくれた。
「オールマイトは何でこの街に?」
「それはこっちのセリフだ。緑谷少年またリボーン絡みか?」
「そう思っていただけるとありがたいです。」
「じゃあ、私はこいつを警察に出すからね。またどこかで会おう。」
オールマイトは行こうとしていた。引き止めちゃったね。それに少しキツそうな顔になってる。はぁ…
「飛ぶ時に気をつけてくださいね?“活動制限”は多くなったとは思いますけど、いきなりあの姿になって落っこちたら、元も子もないですから。」
オールマイトは5年前にある
「…笑顔でえぐいことに言うね君は。大丈夫だ。六道少年の有幻覚で全摘した胃を補ってもらってるし。傷もほぼ治ったからね。」
「それでも気をてください。」
「わかってるさ。じゃあ、またどこかで会おう。」
「はい。」
オールマイトは飛んで行った。…聞けなかったなぁ。マフィアで無個性でもヒーローになれるかどうか。まぁ、ボンゴレはなれるって事はオールマイトも知ってるから、マフィアでもなれるだろうけど。僕はカバンを拾い上げて、家路に着こうとした…。
ドッカーーーーン!!!
爆発音が聞こえ、辺りを見渡したら商店街の方から爆煙が上がっていた。僕は何事かと思い、急いでそこに向かった。
ーーーーーーー
商店街には人集りができていた。今朝の
「これはいい個性だ!!」
あいつは…ヘドロのヴィラン…!?あいつはオールマイトが、ペットボトルに詰め込んで警察に渡したはずだ!オールマイト…うっかり落っことした?それとも制限時間になって休んでたら、逃げられた?いや待ってヘドロヴィランに爆発する個性があったわけじゃない!ヘドロヴィランから顔が見えた。…かっちゃん!?…そうか!爆破はかっちゃんの個性!…ッ!くそ!!
「バカヤロー!!!止まれ止まれ!!」
僕の身体は勝手に動いていた。僕はカバンから光、雪のボンゴレギアと死ぬ気丸を出して、それを飲んでから死ぬ気になって光の炎を出した。
「なんだ!この光は!!」
ヘドロヴィランが目を眩ませたのを見た瞬間に、僕は雪の炎で道路を凍らせ、スケートの要領で滑りかっちゃんをヘドロヴィランから引き剥がしてからヒーローがいる場所に連れてきた。
「この子をお願いします。」
「ゴホッゴホッ!デ…ク…なんで!」
「…なんでだろうね。でもこれだけは言えるよ。君が救けを求める顔してたから。」
「デ…ク」
「おい!!戻るな!!おい!!」
僕はそれだけ言うと、ヒーロー(というかデステゴロ)の叫びを聞こえないフリして再びヘドロヴィランの元へ行った、ヘドロヴィランは目が回復したのか僕の方を見ていた。
「よくも邪魔してくれたな!殺す!!」
「…気が立ちすぎだよ。」
ヘドロヴィランは僕に迫っていた、…はぁ…なんだろうな。何で僕はこんなに冷静なんだろう?いや違うか。かっちゃんは僕の憧れ。そして護衛対象にも関わらずこんな事になった僕の不甲斐なさに怒っていた。さっきは油断してたから簡単に捕まったけど、油断もしてないから、ヘドロヴィランが遅く見える。リボーンの修行には感謝しないといけないな、本当に。
「お前!なんなんだ!!」
ヘドロヴィランの攻撃を全て躱してるから、さらにキレだした。ヘドロヴィランは距離を置いた。何するつもりだ?
「ヘドヘドの!バースト!」
ヘドロヴィランは口からヘドロを出して僕に飛ばした。…どっかで聞いたことある技名だね。僕はバーストを蹴りで相殺した。光の炎を足に纏っているから、ダメージはない。そして僕は、光の炎で速度をあげて、ヘドロヴィランの眼前まで来た。
「いつの間に!!ヘドヘドの」
「やらせるわけないでしょ。
「ぶはぁぁぁ!!」
天使の輝き。光の炎を腕に纏わせながら殴りさらに炎を放出させる。オールマイトのスマッシュを参考にしていて、見かけはスマッシュそのものだけどね。ヘドロヴィランは、辺りに散らばりながら気絶していた。ふぅ…なんとかできたか。
ーーーーーーー
「お前がやらなくても良かったんだ!結果的に良かったものの!なぜ危険を冒した!」
僕はさっきの事でプロヒーローに怒られていた。かっちゃんは近くにいて個性の事で賞賛され、将来は
「…じゃあ聞きますけど、何であの子を助けなかったんですか?」
「それは…相性のいい個性のやつがいなかったからで」
「…それであの子が死んでいたら?ヘドロヴィランに侵食されて自我を失っていたら?どうなってたか分かりますよね?相性あるなし関係なく救けるのがヒーローでしょ!それにスカウトするのものお門違い!スカウトする前にその子に治療を行ってください!!」
僕の声はその場にいるヒーローや取材陣にまで聞いていた。ヒーロー達は何も言えずに棒立ちになっていた。
「…言いすぎました。僕は帰ります。」
僕は逃げるようにその場を後にした。ここは僕の家の前、隣はかっちゃんの家がある。はぁ…ヒーロー相手にヒーローでもない中学生が何言ってんだろ。
「デク!!」
「…かっちゃん?」
声が聞こえ振り返ったら、かっちゃんがいた。意外とタフネスだなぁ。
「どうしたの。」
「…助けてくれてありがとう。」
かっちゃんは顔を赤くしながら、そう言った。…かっちゃんが?僕に?自尊心の塊のあのかっちゃんが!?
「…かっちゃんに礼を言われるなんて、明日は槍でも降るのかな。」
「あ、あたしだってお礼ぐらい言うわよ!」
「ごめんごめん。それで他に何か言うことあるんでしょ?」
これだけを言うために僕を追いかけて来たわけじゃないだろうしね。
「あんたは!本当にヒーローになるの」
「学校でも言ったけど、小さい時からの目標だから。」
なし崩し的にマフィアになってしまった僕だけど、目標を諦めなかった。
「……そっか。なら、応援してあげる。」
「へ?」
かっちゃんが?僕の目標を応援!?え!?どういう事!?
「か、勘違いしないでよね。さっきのヒーローっぽかったのとさっきのプロヒーロー全員に言った言葉に共感した。それだけよ!じゃあまた明日ね!」
かっちゃんは顔を伏せながら、隣の家に入った。…まさかかっちゃんからそんなこと言われるなんて思わなかったなぁ。よし帰るか。
「緑谷少年がぁ!いたァ!」
と思ったら、オールマイトが曲がり角から現れた。と思ったら
「オールマイト。あなたも説教ですか?」
「違うよ。緑谷少年、礼と提案をしに来たんだ。」
「…礼?」
「…ヴィランを取り逃して、そのヴィランに人質を取られてしまった。プロとしてあるまじき行為だ。本当にありがとう。」
オールマイトは深々と、頭を下げた。確かにオールマイトの油断があの事件を起こしたのかもしれない。けど、オールマイトにもオールマイトの事情があるし、騒ぎを起こしたのはあのヘドロヴィランだし。オールマイトは何も悪くない。
「平和の象徴が簡単に頭を下げないでください。僕は無個性で中学生です。生意気なこと言ったし」
「大丈夫だ。私が駆けつけた時にその事を聞いてヒーロー達は考えていたみたいだぞ。俺達は中坊の言葉に気付かされたと。デステゴロは言っていた。無個性ってのは思われてなかっただぞ?光と氷の個性だと思われてたみたいだ。それに君もそうだったんだろ?トップヒーローは学生時代から逸話を残している。『考えるより先に体が先に動いていた』と」
この時何故か僕は母の言葉を思い出していた。
「君もそうだったんだろ!いや君はヘドロヴィランの前に出会った時、沢田少女と共に私の身体を治したりしてくれた。」
4歳の頃に無個性だと知り、絶望していた僕に言われた言葉は謝罪だった。でも違うんだ。お母さん。あの時言って欲しかったのは…
「マフィアで無個性でも君は… ヒーローになれる!」
かっちゃんからもさっき遠回しに言われた。ツナからはオレのヒーローなんて言われていた。他の守護者からもそれと同じような事を言われていた。全部嬉しかった。10年以上も押し殺していた涙が瓦解したように出てきた。前にも言ったけど。これは僕がマフィアでもオールマイトのようなヒーローになれるかの物語だ
雷神「やっと1話が出来ました。。。」
銀「…長くね?」
雷神「修正とかしていたら4日もかかっちゃった。」
銀「この小説には光の守護者と書いてあったが…何故雪の守護者になってんだ?」
雷神「いつもの思いつきさ!(校長の真似)」
銀「…タイトル変えろよ?」
雷神「…はい、では次回もお楽しみに!」