遊戯王Ruine des Spiels   作:シャイガイ

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第二話 変わり続ける幽霊と変わらない想い

「うう……いってて」

 

 

この俺こと、雙見・遊代は控室で打った頭の処置をしていた。先ほど決闘した相手に手を振っていたら

前方が不注意になり電信柱に顔を強かに打ち付けた。鼻に絆創膏を貼り、鼻血をぬぐう。

そして、頭の傷を触った。

 

 

「……」

 

 

この傷を触る度思い出す。あの時のことを。あの時の燃え上がる車を。あの時の恐怖を。

―――兄の顔を。あの頃の兄の顔を忘れられない。世界のすべてを憎むというあの顔が。

今まで、兄のそういった顔はエースカードを盗まれてから、いや、その影響で勝てなくなり、

様々な人間から切り捨てられてから、何度か見てきた。しかし、あそこまで憎悪のこもった顔は初めて見た。

朱音のとき、天国の兄貴と言ったが、本当に兄は、天国へ行けたのだろうか。

今でも兄は、

 

 

―――無の煉獄にとらわれているんじゃないのか。

 

 

『受験番号、110番、至急試験会場へ来なさい』

 

 

「お、もう時間か」

 

 

デッキをもって控室を出て行く。途中で足元に注意を払うのを忘れて転んだ。

 

 

「おお、みんなやってるなあ」

 

 

既に他の受験生が試験官と実技試験を行っている。その中で、ひときわ俺の目を引く決闘があった。

俺と試験前に決闘した女の子、桃園・朱音の決闘である。相手は大人、それも試験官に選ばれるほどの

腕がある決闘者。これはある程度手を抜いてある試験用デッキを使っているとはいえ、

朱音のLPが8000まるまる残っている。

圧倒的である。

 

 

「これで終わりだ、『ドラゴンメイド・シュトラール』!!バニッシュインフェルノ!!」

 

 

「うわあああああああああああああああああああああ」

 

 

LP3500→0

 

 

「ジャストキルは気持ちがいい。……」

 

 

あちらの方がこっちに気が付いたらしい。流し目でこちらを一瞥すると、すぐに正面の試験官に視線を戻した。

 

 

「……いいデュエルだった」

 

 

そう言って軽く握手をして、すぐに控室の方へ戻っていった。

 

 

「俺も負けてらんねーな。よーし、やってやるぜ!!」

 

 

そうして自分の試験場所へと走る。やがて試験場所が見えてきた。そこには、おそらく試験官であろう男性が立っていた。

髪をだらしなく伸ばし、無精ひげまで生やしてある。酷く無気力といったようで椅子に腰かけ、コーヒーを啜っている。

本当にこの人が試験官なのだろうか。

 

 

「……君が、110番君か」

 

 

「ああ、よろしくな、先生」

 

 

「全然緊張してないね、君。まあそっちの方が面倒じゃなくていいけどさ。じゃあ、早速始めようか」

 

 

「「決闘!!」」

 

 

雙見・遊代 LP8000 手札5枚

 

 

 

  vs

 

 

 

試験官 LP8000 手札5枚

 

 

「先攻後攻は君が決めてくれていい。君が挑戦する立場だし」

 

 

「あ、じゃあ後攻で」

 

 

「では私の先攻。……めんどくせえ」

 

 

「え!?」

 

 

「手札から、ワン・フォー・ワンの効果発動。手札を1枚墓地に送り、手札及びデッキからレベル1モンスターを特殊召喚できる。

 来なさい、『オルタ―ガイスト・メリュシーク』」

 

 

何処からか人形と魚の混合生物といった様相のモンスターが現れた。

 

 

『オルタ―ガイスト・メリュシーク』 ATK500 レベル1 水属性 魔法使い族

 

 

「さらに手札の『オルタ―ガイスト・プークエリ』の効果発動。このカードはリンク召喚する場合、

 手札からリンク召喚素材にできる」

 

 

「手札からだって!?」

 

 

「全てを絡めるサーキット。アローヘッド確認。召喚条件は「オルタ―ガイスト」モンスター2体。

 サーキットコンバイン。来なさい、リンク召喚。『オルタ―ガイスト・へクスティア』。EXゾーンに召喚」

 

 

今度は下半身が蜥蜴のような形をした、上半身が人形のようなモンスターが炎に包まれながら現れた。

 

 

『オルタ―ガイスト・へクスティア』 ATK1500 LINK2 炎属性 魔法使い族 【リンクマーカー:右/下】

 

 

「さらに、『オルタ―ガイスト・メリュシーク』の効果。墓地に送られた場合、デッキからオルタ―ガイスト

 モンスターを手札に加える。そして今手札に加えた『オルタ―ガイスト・マリオネッター』を通常召喚」

 

 

今度は道化師のメイクを施された人型ではあるものの、人間とはかけ離れているような雰囲気を醸し出す

下半身は花のような形をしたモンスターが召喚された。

 

 

『オルタ―ガイスト・マリオネッター』 ATK1600 レベル4 光属性 魔法使い族

 

 

『よーやくおれ様のご登場かよ。もっと早く出せよなー』

 

 

「……え?」

 

 

今、何か、声が聞こえたような気がした。あたりを見回しても、声の主と思われる存在はどこにも見えない。

 

 

「マリオネッターの効果発動。デッキからオルタ―ガイスト・マテリアリゼーションをセット。そしてこれを発動!!」

 

 

「え!?罠はセットしたターンには発動は……」

 

 

「マリオネッターの効果でセットした罠は即座に使用可能。墓地にいるメリュシークを蘇生。そしてこの罠を装備する。

 罠カードが発動されたことにより、手札の『オルタ―ガイスト・マルチフェイカー』の効果で特殊召喚する」

 

8本の足を持つ人形のような気味の悪いモンスターが、死からよみがえった同法のにおいを嗅ぎつけ、フィールドに降り立った。

 

『オルタ―ガイスト・マルチフェイカー』 ATK1200 レベル3 闇属性 魔法使い族

 

 

『オルタ―ガイスト・メリュシーク』 ATK500 レベル1 水属性 魔法使い族

 

 

「さらに、召喚したマルチフェイカーの効果発動。デッキから「オルタ―ガイスト」モンスターを守備表示寺で特殊召喚する。

 私は、『オルタ―ガイスト・マリオネッター』をへクスティアのリンク先へ特殊召喚。

 へクスティアは、リンク先モンスターの元々の攻撃力分地震の攻撃力を上昇させる効果を持つ」

 

 

『オルタ―ガイスト・マリオネッター』 DEF1700 レベル4 光属性 魔法使い族

 

 

『オルタ―ガイスト・へクスティア』 ATK1500→3100

 

 

 「マリオネッターの効果で、オルタ―ガイスト・プロトコルを発動。

 さらに、マリオネッターの効果を発動。メリュシークを再び墓地に送り、墓地のプークエリを蘇生する。

 そして、再びメリュシークの効果で「オルタ―ガイスト」モンスターを手札に加える」

 

 

黒い魔導陣の中にマリオネッターが手を入れると、その手にひきあげられるように小さな桃色の妖精が現れた。

 

 

『オルタ―ガイスト・プークエリ』 ATK300 レベル1 闇属性 魔法使い族

 

 

「さらに、ワンダーワンドをプークエリに装備。これは魔法使い族のモンスターに装備でき、攻撃力を500上昇させる。

 しかし今回使うのはもう一つの効果。プークエリを墓地に送り、デッキから2枚ドロー。そして、

 死者統べるサーキット。アローヘッド確認、召喚条件、「オルタ―ガイスト」モンスター2体。

 リンク状態となっていないほうのマリオネッターと、マルチフェイカーでサーキットコンバイン。

 リンク召喚、来なさい、『オルタ―ガイスト・キードゥル―ガー』」

 

 

2体がサーキットに吸い込まれると、サーキットの中から、8本の腕を伸ばし、獅子に似たその下半身を悠々と

姿を現した。

 

 

『オルタ―ガイスト・キードゥルーガー』 ATK1000 LINK2 闇属性 魔法使い族 【リンクマーカー:左/下】

 

 

「さらに墓地のプークエリの効果発動。リンク召喚されたとき、このカードを墓地から手札に戻す。

 カードを1枚伏せてターンエンド」

 

 

1ターン目からリンク召喚を連続して2回……しかも片方は攻撃力3100。

リンクモンスターの効果も未知数。……というかこれ、マジで試験用デッキなのか?

 

 

雙見・遊代 LP8000 手札5枚

 

ーーーーー

ーーーーー

 □ -  

ー☆□ーー

ー■ー◇ー

 

試験官 LP8000 手札3枚

 

 

私こと桃園・朱音は、観戦席で実技試験のデュエルを見ていた。その中でも私が最も注目していたのは、

雙見・遊代の入学試験だ。それは単に、私を負かした男のデュエルが気になったからというわけではない。

大きな理由の一つは、主に相手にある。

 

 

『お嬢様、あの方は……』

 

 

「元プロデュエリスト、逢坂・骸。使用デッキは「オルタ―ガイスト」。……試験用デッキじゃない。

 本気のデッキだ。彼に先攻を与えると、何もできずにLPが底をつくという」

 

 

『なぜあの殿方は本気のデッキを?』

 

 

「私が知るか。何かしらのアクシデントがあったのだろう。だが、仮にも私を倒した男だからな。

 善戦ぐらいはしてくれるだろう」

 

 

 

 

「(……試験用のデッキを持ってきたと思ったが、間違えて普通のデッキを持ってきてしまったらしい。

 まあ、また試験用のデッキを探すのも面倒だし、ちょっと手を抜いてやればいいか)」

 

 

「俺のターン、ドロー!!まずは下準備だ、KYOUTOUウォーターフロントを発動!!」

 

 

「『オルタ―ガイスト・へクスティア』の効果発動。リンク先の『オルタ―ガイスト・マリオネッター』をリリースし、

 魔法・罠の発動を無効とし、破壊する。さらに、リバースカードオープン。オルタ―ガイスト・マテリアリゼーションの効果発動。

 墓地に存在するマルチフェイカーをリンク先に蘇生する。守備表示」」

 

 

『オルタ―ガイスト・マルチフェイカー』 DEF800 レベル3 闇属性 魔法使い族

 

 

「特殊召喚されたマルチフェイカーの効果発動。デッキから「オルタ―ガイスト」モンスターを特殊召喚する。

 来なさい、『オルタ―ガイスト・シルキタス』」

 

 

小さな妖精が天に向かいくるりと魔法陣を描くと、鳥にも人にも似た、しかしながら異質な存在が、

のそりと現れた。

 

 

『オルタ―ガイスト・シルキタス』 DEF1500 レベル2 風属性 魔法使い族

 

 

「リンク先のモンスターが変化したことで、へクスティアの攻撃力はマルチフェイカーとの合計分、2700となる」

 

 

『オルタ―ガイスト・へクスティア』 ATK3100→2700

 

 

「あ、あれ、俺のターンなのに先生のモンスターが増えてる……」

 

 

「効果はよく読むんだね」

 

 

「だが、1枚止められたって、俺の「壊獣」たちは止まらねえ!!

 俺は先生の『オルタ―ガイスト・へクスティア』をリリースし、『怪粉壊獣ガダーラ』を特殊召喚する!!」

 

 

天空が割れ、大きな翼と美しい鱗粉をまき散らし、優雅にフィールドに舞い降りた。

 

 

『怪粉壊獣ガダーラ』 ATK2700 レベル8 風属性 昆虫族

 

 

「壊獣……そう来たか。へクスティアが墓地に送られたので、デッキからオルタ―ガイストカードを手札に加える」

 

 

「手札から壊獣の出現記録を発動。さらにさらに、相手フィールドに「壊獣」モンスターがいるので

『多次元壊獣ラディアン』を特殊召喚!!壊獣モンスターが召喚されたので、出現記録にカウンターが一つ乗る」

 

 

フィールドに闇が溢れ、次元の歪のようなものが現れ、その中から黒い手が伸び、足が伸び、

敵をその紅い双眸で睨みつけた。

 

 

『多次元壊獣ラディアン』 ATK2800 レベル7 闇属性 悪魔族

 

 

壊獣の出現記録 壊獣カウンター 0→1

 

 

「手札から、強欲で貪欲な壷発動。デッキから10枚を除外し、カードを2枚ドロー!!

 さらに強欲な壷を発動し2枚ドロー!!『破械童子ラキア』を通常召喚」

 

 

四肢に鎖をつながれた青い髪と服を持つ、怒りの雰囲気をまとわせる少年のようなモンスターが現れた。

 

 

『破械童子ラキア』 ATK1500 レベル3 水属性 悪魔族 

 

 

「そしてラキアを破壊し、『破械童子アルハ』を特殊召喚!!」

 

 

ラキアを踏み潰し、顔に辜と書かれた四肢に鎖をつながれた赤い人型のモンスターが現れた。

 

 

『破械童子アルハ』 ATK1500 レベル3 炎属性 悪魔族

 

 

「ラキアが破壊されたことにより、効果発動!!デッキから「破械」モンスターを特殊召喚できる!!」

 

 

「ここでオルタ―ガイスト・プロトコルの効果発動。キードゥルーガーをリリースし、

 その効果を無効にして破壊する」

 

 

止められてしまった。だが、残りの手札は……

 

 

「バトルだ!!ラディアンでクモグスを攻撃!!」

 

 

ラディアンが闇を拳にまとわせ、ガダーラの顔面に沈み込み、爆砕した。

 

 

LP8000→7900

 

 

「まだまだ行くぜ。アルハでシルキタスを攻撃、滅流炎掌破!!」

 

 

「『オルタ―ガイスト・シルキタス』の効果発動。『オルタ―ガイスト・マルチフェイカー』を手札に戻し、

  アルハを手札に戻す」

 

アルハの拳がシルキタスに届く前に、手札の方へ方へと吸い込まれて行ってしまった。

 

 

「くっ……ターンエンド」

 

 

雙見・遊代 LP8000 手札2枚

 

ーー◇ーー

ーーー□ー

 - -  

ーーーー□

ーーー◇ー

 

試験官 LP7900 手札3枚

 

 

「……まあ、こんなものなのかな。ドロー。墓地のオルタ―ガイスト・マテリアリゼーションの効果発動。

 このカードを除外し、墓地の罠カードを手札に戻す。そしてこのカードに同名制限がない。

 カードをセットし、三度来なさい。『オルタ―ガイスト・マリオネッター』」

 

 

『オルタ―ガイスト・マリオネッター』 ATK1600 レベル4 光属性 魔法使い族

 

 

「マリオネッターの効果発動。デッキからオルタ―ガイスト・エミュレルフをセットし、これを発動。

 このカードを効果モンスターとし、特殊召喚できる」

 

 

『オルタ―ガイスト・エミュレルフ』 DEF1800 レベル4 光属性 魔法使い族

 

 

「この子は、自分フィールドの罠を効果の対象から外し、破壊不能にできる。そして罠が発動したため、

 手札の『オルタ―ガイスト・マルチフェイカー』を特殊召喚する」

 

 

「ま、また来るの……」

 

 

『オルタ―ガイスト・マルチフェイカー』 ATK1200 レベル3 闇属性 魔法使い族

 

 

「そして、デッキから『オルタ―ガイスト・フィフィネラグ』を特殊召喚する」

 

 

足と角が無数にある、人間とはかけ離れた風体のモンスターがふわりとフィールドに降り立った。

 

 

『オルタ―ガイスト・フィフィネラグ』 ATK0 レベル2 闇属性 魔法使い族 チューナー

 

 

「攻撃力0……?いや、こいつは!」

 

 

「レベル4、エミュレルフに、レベル2、フィフィネラグをチューニング。

 伝説の悪しき聖霊よ。悠久の時を超え、今ここに姿を現せ。

 シンクロ召喚!現れろレベル6。オルターガイスト・ドラッグウィリオン」

 

 

フィフィネラグが霧散し緑の輪となり、エミュレルフがかき消え、4つの光の粒へと早変わりした。

輪が粒を囲み、光輝く道を形成する。その奥から3つの尾を持ち、杖を携えた魔法使いを呼び出した。

 

 

『オルタ―ガイスト・ドラッグウィリオン』 ATK2200 レベル6 闇属性 魔法使い族 シンクロ

 

 

「さらに、マルチフェイカーを墓地へ送り、甦れ、『オルタ―ガイスト・へクスティア』。

 そしてこの子の攻撃力は、リンク先のマリオネッターの攻撃力分プラスされる」

 

 

『オルタ―ガイスト・へクスティア』 ATK1500→3100 LINK2 炎属性 魔法使い族 【リンクマーカー:右/下】

 

 

「さぁバトルだ。行け、へクスティア」

 

 

「ぐっ、俺の壊獣が……」

 

 

LP8000→7600

 

 

「行け、ドラッグウィリオン、マリオネッター、ダイレクトアタックだ」

 

LP7600→3800

 

 

「ターンエンド」

 

 

雙見・遊代 LP3800 手札2枚

 

ーー◇ーー

ーーーーー

 □ -  

ー☆□ー□

ーー■◇ー

 

試験官 LP7900 手札2枚

 

 

「(LPが100しか減らせていない。手札は2枚。入学は絶望的……やっぱり、俺には無理なのかな。

 十代さんみたいに、兄貴みたいに、なれないのかな)」

 

 

 

 

『いつか俺みたいにって?ああ、なれるさ。

 そうだ、これを貸してやるよ。また立派になったら、返しに来てくれよな』

 

 

 

十代さん……

 

 

「俺のターン、ドロー!!!……十代さん、あなたの力、お借りします!。俺は手札を一枚捨て、

 超融合を発動!!」

 

 

「超融合!?」

 

 

「相手はこのカードに対してモンスター・魔法・罠の効果を使用できず、自分・相手フィールドのモンスターを素材とし、

 融合召喚が可能!!!俺は、『オルタ―ガイスト・ドラッグウィリオン』と、『オルタ―ガイスト・シルキタス』を

 素材とし、融合召喚!!現れよ『覇魔導士アーカナイト・マジシャン』!!」

 

 

空中に魔導陣が描かれ、その中へドラッグウィリオンとシルキタスがその中へと吸い込まれていく。

その二体の代わりに現れたのは雄々しき紫色の衣服をまとう魔術師が降誕した。

 

 

『覇魔導士アーカナイト・マジシャン』 ATK1400 レベル10 光属性 魔法使い族 融合

 

 

「さらに手札から捨てられた『暗黒界の策 グリン』の効果発動!!フィールドの魔法・罠を破壊する。

 オルタ―ガイスト・プロトコルを選択!!」

 

 

「だが、プロトコルの効果発動。マリオネッターを墓地に送り、効果を無効!!」

 

 

「だがプロトコルの効果は使わせた。、融合召喚成功時に魔力カウンターを2つ乗せ、

 そのカウンター×1000ポイント攻撃力が上昇する」

 

 

『覇魔導士アーカナイト・マジシャン』 ATK1400→3400 魔力カウンター 0→2

 

 

「攻撃力3400!?」

 

 

「まだだ、カウンターを2つ取り除き、その伏せカードとプロトコルを破壊!!」

 

 

『覇魔導士アーカナイト・マジシャン』 ATK3400→1400 魔力カウンター 2→0

 

 

「チッ」

 

 

「そして再び舞い降りろ、『破械童子アルハ』!!バトルだ!!アルハでへクスティアに攻撃!!

 相打ちだ!!」

 

 

お互いの拳が体を貫き、二体とも粉砕された。

 

 

「アルハの効果発動!!破壊されたときデッキから後続を呼び出せる。現れろ、『破械童子ラキア』!!」

 

 

『破械童子ラキア』 ATK1500 レベル3 水属性 悪魔族

 

 

「二体でダイレクトアタックだ!!」

 

 

LP7900→5000

 

 

「よおっしゃあ!!ようやく5000!!ターンエンド!!」

 

 

雙見・遊代 LP3800 手札0枚

 

ーー◇ーー

ー□ー□ー

 - -  

ーーーーー

ーーーーー

 

試験官 LP5000 手札2枚

 

 

「……君、名前は?」

 

 

「俺?俺の名前は雙見・遊代。十代さんみたいな決闘者になる男だ!!」

 

 

「雙見……。成程。あいつの子供か」

 

 

「?」

 

 

「いや、君には関係のないことだ。ドロー。墓地に存在するマテリアリゼーションの効果発動。

 このカードを除外し、プロトコルを手札に加え、カードを伏せる。

 そして来なさい、『オルタ―ガイスト・シルキタス』」

 

 

『オルタ―ガイスト・シルキタス』 ATK800 レベル2 風属性 魔法使い族

 

 

「うわ、また来たのかよ」

 

 

「以上、ターンエンド」

 

 

「えっ」

 

 

先攻であれだけ展開し、こちらの一切を封じてきたオルタ―ガイストがただ伏せカードと攻撃力の低い

モンスター一体の召喚だけ?しかもあの伏せカードはおそらくオルタ―ガイスト・プロトコル。

プロトコルは自分のオルターガイストを墓地に送って発動するカード。

そしてシルキタスも自分のオルタ―ガイストを手札に戻して発動する。どちらかが発動すればどちらかが消える。

 

 

雙見・遊代 LP3800 手札0枚

 

ーー◇ーー

ー□ー□ー

 - -  

ーー□ーー

ーー■ーー

 

試験官 LP5000 手札2枚

 

 

「俺のターン、ドロー!!無の煉獄発動!!デッキから2枚ドロー!!……よっしゃあ!!俺天才!!

 魔法カード、手札抹殺を発動!!お互い手札をすべて捨て、捨てた分ドローする!!」

 

 

「何だと!?」

 

 

「さあ、手札を捨ててもらうぜ、先生!」

 

 

苦い顔をして、試験官が手札の二枚を墓地へ送る。墓地に送られたのは『オルタ―ガイスト・プークエリ』。

そして、『オルタ―ガイスト・クンティエリ』。

 

 

「『オルタ―ガイスト・クンティエリ』。相手が攻撃してきたとき自分の場に「オルタ―ガイスト」がある場合、

 特殊召喚して攻撃を無効……。やっぱ握ってたんだな、手札誘発のカード」

 

 

「……分かっていたのか」

 

 

「ああ、伏せたそのカードはプロトコルだ。そしてシルキタスはオルタ―ガイストを手札に戻さなければ

 効果が発動しない。なら、そんな状況の中でシルキタスを一匹だけ放り込むなんてむざむざダメージを受けに行くようなもの。

 だが出してきたってことは、受けきる自信があるってことだ。

 なら手札に誘発即時効果持ちの特殊召喚可能なモンスターを握っていると思ったんだ。

 プロトコルはブラフ兼保険って感じじゃないかな」

 

 

「君、意外と頭が働くんだね。そして意外と豪運に恵まれている」

 

 

「褒めてるの!?バカにしてるの!?」

 

 

「あっはは、褒めてるんだよ」

 

 

「ならついでに今捨てた『暗黒界の刺客カーキ』の効果、手札から捨てられたので、

 相手フィールドのモンスターを一体破壊する!!」

 

 

「効果を無効にしても結果は同じか。通そう。君、破械と壊獣だけじゃないんだな」

 

 

「破械も壊獣も、効果は強力だけどカードの種類は多くないから……。そして今引いたカードのもう一枚は、

 無の煉獄!!二枚ドロー!!っし!カードを一枚伏せ、ラキアの効果で破壊!!」

 

 

今しがた出たばかりのフィールドに現れた伏せカードを、怒りに任せ、ラキアはそれを叩き潰す。

 

 

「破壊された破械雙極の効果でデッキから破械モンスターを特殊召喚する。

 出番だぜ、『破械神の禍霊』!!」

 

 

砕かれたカードの残骸から、のそり、と青い獣の顔がのぞく。その顔は獲物を見つけたとでも言わんばかりに舌なめずりをし、

その全貌を現した。

 

 

『破械神の禍霊』 DEF3000 レベル8 闇属性 悪魔族

 

 

「そして、花形を飾れ、激痛呑み込むサーキット!!アローヘッド確認、召喚条件は「破械神」と名の付くモンスターを含む二体。

 サーキットコンバイン!!輪廻の苦痛より舞い降りよ。リンク2、『破械神ラギア』!!」

 

 

サーキットに二体の魂が吸い込まれてゆくと、場を青黒い光が包み込む。その中から憎悪、憤怒、苦痛、

そのすべてを煮詰め、固め、獣の形に作り直した。そう形容するにふさわしい青い獣が降り立った。

 

 

『破械神ラギア』 ATK1800 LINK2 闇属性 悪魔族

 

 

「だが二体の攻撃力は合計しても3200。まだ私を倒すには足りない」

 

 

「それはどうかな!!俺は手札から魔法加速を発動!!デッキの上から二枚を墓地へ送り、魔力カウンターを二つ置くことができる。

 対象は当然、アーカナイトマジシャン!!」

 

 

『覇魔導士アーカナイト・マジシャン』 ATK1400→3400 魔力カウンター 0→2

 

 

「これで総攻撃力5200。バトルだ!!『覇魔導士アーカナイト・マジシャン』で攻撃!!覇・王・魔・導(オーバーロード・マジック)!!」

 

 

LP5000→1600

 

 

「これで最後だ、行け、『破械神ラギア』!!神砕鬼(かみくだき)!!」

 

 

LP1600→0

 

 

忠実なる魔術の覇王は仕事は終わりだとばかりにマントを翻し、ラギアは食いちぎったライフの味を噛み締めるように舌を

唸らせると、掻き消えた。

 

 

「ありがとな、先生。楽しい決闘だったぜ」

 

 

「……ああ、それはどうも」

 

 

そういうと、さも面倒だとでも言わんばかりに大あくびを一つし、頭をかきながらイスに座って眠り始めた。

 

 

「(なんか、変わった先生だったな)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『まさか、あの逢坂が負けるとは』

 

 

「それもそうだが、あの少年、マリオネッターの声が聞こえていたような反応を示していた」

 

 

『そのようだな。しかし、今年は厄介だな。あの桃園・朱音、逢坂、そして先ほどの少年。

 どれもレベルがかなり高い。苦戦を強いられるかもしれない』

 

 

「ああ、だが、我々は負けない。そうだろう?『ヴェノミナーガ』」

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