原作を壊したくない円堂守の奮闘記   作:雪見ダイフク

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試合描写って難しいですね…
違和感とかないと良いんですけど……


三人目のイレギュラー

帝国戦に向けてまずは部員を探そうと言う話になったのだがこれはあっさりと解決した。俺がマックスこと松野空介に声を掛けてみたところ拍子抜けするほどあっさり入部してくれた。まあ、原作でも面白そうという理由で入部したはずだから、勧誘すれば乗ってくるのではないかとは思っていた。ならさっさと勧誘しておけよと言う話だが、器用で大抵のスポーツは出来るが、飽きっぽい性格をしているという設定だったので早めに入部してもらったはいいものの直ぐに飽きてしまい退部する、なんて展開になることを危惧した為、後回しにしていた。

とにかく、部員は十一人揃ったので今日から猛練習を開始した。

 

 

 

 

 

練習を終えた放課後、俺と豪炎寺はとあるサッカー雑誌を広げていた。

俺達というイレギュラーの存在や帝国が練習試合を申し込んで来た理由が分からないこともあり、情報収集をした方が良いのではないかと思い至ったのだ。そこでとりあえず帝国の記事が掲載されているというサッカー雑誌を購入してきた訳なのだが、

 

「「…………………」」

 

その記事を読んだ俺達二人の感想は恐らく全く同じだろう。雑誌の記事では帝国のキャプテンである鬼道有人を写真付きで紹介しているのだが……

 

「「………こいつ、誰?」」

 

その少年の姿に俺達は思わず声を上げる。原作における鬼道と言えばゴーグルにマントにドレッドヘアというそんな中学生いるかとツッコミたくなる、現実に居れば不審者扱いされそうな格好をしている。だがこの写真の少年はゴーグルもマントもしていなければ、ドレッドヘアでもない。肩まで伸ばした茶髪に赤い瞳。素顔を見たことがなければ同一人物だとは思わないだろう。

おまけに、十年に一人の逸材、帝国の天才ストライカー、などと書かれている。なんか同じような感じで称えられてる選手いなかったか?というかMFですらないのかよ。

 

「おい、まさかこいつもじゃないだろうな」

 

という豪炎寺の言葉を否定は出来ない。俺達という前例がある上にここまで原作とかけ離れているのだ。むしろそうである可能性は高いかもしれない。しかし、そうと決まった訳でもない。俺達の行動はさらに謎を深めるだけの結果に終わった。

そして時間は流れ、遂に帝国との練習試合の日を迎える。

 

 

 

 

 

俺達はユニフォームに着替え、グラウンドで帝国学園の到着を待っている。

今日の試合、大量得点は期待出来ない、良くて二点が限度。それも相手が油断していればの話であり、実際には一点取れるかどうか。

ならば勝つ為には自ずと失点を最小限に抑える必要があるのだが、ここで問題になるのは俺が未だに〈ゴッドハンド〉を使えないことだ。いや、ホントなんで使えないんだろう。練習量も実力もこの時点で考えれば原作よりも勝っていると思うのだが……。

と、そんなことを考えていると僅かに地面が揺れ出す。……来たか。

凄まじい音を立てながら雷門中の正門前に駐車したのは帝国学園のサッカー部専用の装甲バス。…実際に見ると迫力が凄いな。これ公道通れんの?

バスのドアが開かれると、そこからレッドカーペットが敷かれる。そしてその両脇に帝国の生徒が整列し敬礼する。軍隊かよ…。

レッドカーペットの上を鬼道を先頭にして帝国イレブンが歩いてくる。

……流石にオーラが凄いな。王者の貫禄とでも言うべきか。

 

「雷門中サッカー部キャプテンの円堂守です。練習試合の申し込み、ありがとうございます」

「……初めてのグラウンドなんでね。ウォーミングアップをしてもいいか?」

「ええ、どうぞ」

 

ここのやりとりは原作通りか。しかし、事前に知ってはいたがやはり違和感が凄いな。声は鬼道そのものなのに外見が完全に別人だ。

帝国がウォーミングアップを始める。…どいつもこいつも上手いな。プレーの一つ一つが正確な上に、次の動作に移るまでに一切無駄がない。

でも、俺達だって必死に練習して来たんだ。チームとしての力は劣っているかもしれないが、個人の力は負けていない部分もあるはず。そこに突破口を見出すしかない。

 

「円堂くーーん!」

「ん?」

 

帝国のウォーミングアップを眺めていると名前を呼ばれた。あれは木野か?一緒に居るのは……

 

「彼、サッカー部に入ってくれるって!」

「どうも、目金欠流です」

 

ああ、そういやこいつも居たっけか。戦力的には居なくても変わらないからすっかり忘れていた。まあ、十一人ちょうどしか居ないと怪我人が出た時とか困るし、居て損になることもないか。

 

「ホントか?よろしくな目金」

「ええ。ところでもう十一人揃っているのですか?」

 

……最後の一人で加入するつもりだったか、こいつ。メンバーが揃っていることを認識すると立ち去ろうとしたので、秘密兵器だとか切り札だとか適当なことを言って丸め込み、ベンチに座らせる。一度入部すると言った以上は簡単には逃がさんぞ。

そうこうしているうちに帝国のウォーミングアップも終わったようなのでグラウンドに整列する。

審判がコイントスを行おうとするが、鬼道が必要ないと言って自陣へと戻っていく。なので雷門ボールから試合開始だ。

両チームの選手がポジションにつく。……なるほど原作の鬼道と佐久間のポジションが入れ替わっているのか。佐久間は原作でも個人でのシュート技は持っておらず連携メインの選手だったから確かにこうなるのは妥当と言ったところか。

対するこちらのフォーメーションは原作と同じなので特筆するべき点はない。強いて言うなら風丸をサイドではなく中央に配置しているぐらいか。風丸のディフェンス能力はチームで最も高い。なので中央の守りを固める意味合いで風丸を配置している。それに風丸の足ならサイドから攻め込まれてもフォローが間に合うはずだ。

 

審判の笛が吹かれ遂に試合が始まる。

 

豪炎寺が軽くボールを蹴りだし、キックオフ。染岡がドリブルで上がっていく。しかし、帝国イレブンは誰も動かない。

 

「舐めやがって!!」

 

そのままゴール前まで上がった染岡がシュート体勢に入る。体を捻ると染岡の背後に青い竜が現れる。

 

「くらえ!!ドラゴン……クラッシュ!!」

「パワーシールド!!」

 

しかし、染岡の必殺シュートは帝国キーパー源田の創り出した衝撃波によって弾き返される。帝国の何人かはろくに試合経験も無いであろう弱小校の選手が必殺技を使ったことに意外そうな表情を浮かべている。俺は鬼道の顔を見るが別段驚いた様子は見受けられない。

弾かれたボールを帝国DFが拾い、中盤の佐久間へ、さらに鬼道とツートップを組む帝国のもう一人のストライカー寺門へとパスが繋がる。

 

「始めるか」

 

鬼道が何かを呟くと、ボールを受けた寺門はいきなりセンターライン付近からの超ロングシュートを放つ。ボールは唸りを上げ雷門ゴールへと迫る。身構える俺だったが、ボールがゴールに届くことはなかった。

 

「ふっ!!」

 

素早くシュートコースへと割り込んだ風丸がこのシュートをブロック。しっかりとボールをキープする。

 

「何っ!?」

「ほう……?」

 

まさかDFに止められるとは思っていなかったのか、シュートを放った寺門が驚愕し、鬼道も感心したような声を出す。

 

────よし、通用するぞ。

 

俺もこの風丸のプレーに手応えを感じていた。帝国は強いが全く歯が立たない訳じゃない。勝ち目はある。

ボールは風丸から半田へと渡る。半田は豪炎寺にパスを出そうとしたようだったが、豪炎寺には二人がかりでマークがついていた。

……やけに豪炎寺を警戒しているな。やはり鬼道は…。

半田は豪炎寺にパスを通すのは無理と判断したか、染岡へとパスを出す。しかし、これを読んでいたのか、帝国MF辺見がパスカット。やや下がり目の位置にポジションをとっていた鬼道へとパスが通る。

来た、いったいどんなプレーをするんだ。俺は鬼道の挙動に注目する。

 

「止めるぞ壁山!」

「はいっス!」

 

ドリブルを開始した鬼道からボールを奪おうと風丸と壁山の二人が迫る。

 

「ふっ…!」

 

しかし、鬼道はこれを意にも介さず、鮮やかなフェイントで二人を抜き去る。俺と鬼道の一対一の状況。ペナルティエリアの外から鬼道がシュート体勢に入る。

 

「こい、絶対に止めてみせる!!」

 

放たれたシュートのコースは俺の正面やや右。これなら取れる!

そう思った瞬間、ボールが急激に曲がり始める。

 

「なっ!くっ………!」

 

飛びついた俺を嘲笑うかのようにボールは俺の手をすり抜け雷門ゴールのサイドネットへと突き刺さった。

 

帝国、先制。

 

0-1

 




作者はサッカーはゲームしかまともにやったことないです。
そこまで深い知識がある訳ではないので変なところがありましたらどんどんご指摘してください。
まあ、でもイナイレならなんとかなるやろ(適当)
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