原作を壊したくない円堂守の奮闘記   作:雪見ダイフク

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大変長らくお待たせ……したかは分かりませんけど、投稿再開します。今までより少し投稿速度が落ちるかもしれないですけど、許してください。
後、これまで以上に原作が崩れていく可能性(大阪とか愛媛の出来事がそもそも起きるか分からなかったり)がございますので先に謝っておきます。ごめんなさい。


雷門崩壊

 

『雷門が遂に逆転!!そしてここで試合終了!!フットボールフロンティア決勝戦、勝ったのは雷門!!劇的な大逆転勝利だーーー!!』

 

「勝った……のか?」

 

すぐにはそれを理解出来なかった。だが、俺達を称える観客の声と駆け寄ってくる仲間達の姿に、やっと優勝したという事実を認識する。

 

『やったぜーーー!!』

 

仲間達と勝利の喜びを分かち合う。辛く、苦しい試合だった。だけど、誰も諦めなかった。だからこそ掴めた勝利。原作で円堂が口にしていた勝利の女神がもしいるとしたら、満面の笑みを浮かべていることだろう。

 

 

 

 

 

「僕達を倒すなんて……なんて奴ら何だ……」

 

喜びに湧く雷門の面々を見ながら、アフロディがそんな言葉を漏らす。だが、悔しげな口調とは裏腹に、その顔には清々しい笑顔が浮かんでいた。

 

「君達のおかげで、大切なことを思い出せた気がするよ」

 

 

 

 

 

「やっと第一目標達成ってところだな、円堂」

「ああ、でもまだまだこれからだ。これからも頼りにしてるぜ、豪炎寺」

「ああ」

「何の話をしてるんだ?」

 

俺と豪炎寺の会話に鬼道も混ざってくる。

 

「鬼道、お前もありがとな。世宇子に勝てたのはお前のおかげだ」

「ふん、俺は自分のやりたい事をしただけだ。礼を言われるような事じゃない。ただ、まあ……」

 

そこで一度言葉を切る鬼道。今までに見た事のないような笑顔を浮かべ、口を開く。

 

「帝国の皆には及ばないが、お前らとのサッカーも、悪くない」

「ーーーー!!嬉しいこと言ってくれるなこいつ!」

 

俺達のことを利用しているだけだと言い続けてきた鬼道からこんな言葉が聞けるなんて、今日は本当に良い日だ。

 

「これからも頼むぜ、鬼道!」

「……ふん、気が向いたらな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

表彰式も終わり、俺と豪炎寺はタクシーで病院へと向かっていた。

俺は右腕の怪我の為、豪炎寺は妹の元へと戻る為に。

 

「良かったな、豪炎寺。得点王になれて」

「ああ、世宇子が全試合を大量得点で勝ち上がっていたから不安だったからな。無事にタイトル取れて俺もホッとしてるよ」

 

とは言いつつも、世宇子で最多得点を上げているアフロディが22ゴールに対し、豪炎寺は32ゴールなので数字だけを見れば圧倒的である。連携技は打った選手全員の得点として計算されるらしいので、これだけの差がついた。まあ、例え単独の得点だけで集計しても24ゴールで得点王には変わりないのだが。………やっぱこいつおかしいわ。

おまけにMVPまで獲得している。各試合内容を考えれば当然ではあるが。

 

表彰式の後、俺も皆と騒ぎたかったのだが、腕のことを心配されて豪炎寺と一緒に響木監督が手配してくれたタクシーに押し込まれた。こんなの大したことないし、トロフィーだって片手でも落とさないってのに、皆心配性だよなぁ。

 

「ところで円堂」

「ん?」

「エイリア学園って今日のいつ頃来るんだ?」

「………えっ」

 

…………ヤバい。すっかり忘れていた。そういえばアニメだと優勝した後、帰りのバスで雷門中に向かってる時に、学校に襲撃してくるんだったか。ま、まあゲームだと確か一週間ぐらい間があったはずだし、今日来るにしたってそんなに急に……。

 

そこまで考えたところで、上空を黒い光が雷門中の方角へと猛スピードで向かっていくのが見えた。

 

「…………」

「…………」

「もしかしなくても、今のだよな……?」

「今の……だな……」

「「………………」」

 

ある意味タイミングピッタリだったな。じゃなくて……。

 

「鬼道がいれば何とかなるんじゃないか……?」

「鬼道なら、もう雷門に用はないとか言って、ユニフォーム脱ぎ捨ててどっか行ったぞ」

「嘘だろ!?」

 

一縷の望みを賭けて口に出した言葉は、豪炎寺によって無慈悲に否定された。このタイミングで何考えてんだあいつは。決勝戦の後の感動的なやり取りは何だったんだよ。エイリア学園来るの分かってたはずだろ。優勝したのが嬉しくて忘れてた俺が言えたことじゃないけど……。

何で三人も原作知識持ってる奴がいるのに、誰も気づかないんだよ。

 

「豪炎寺!お前も覚えてなかったのかよ!?」

「えっ、いや、覚えてたけど何も言わないから、何か対策でもあるのかと思ってたんだが」

「ねぇよそんなもん!覚えてたんなら言えや!」

 

普段言わなくてもいいことまで言うくせに、何でこんな時だけ思い出したように無口キャラになるんだよ。そんなものお前に求めてねぇよ。

 

「運転手さん!雷門中に向かってください!急いで!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こ、これは……!?」

「ひでぇ……」

「いったい何が……」

 

雷門中へと戻って来た風丸達が目にしたのは、跡形もなく破壊された雷門中の校舎。眼前に広がる予想外の光景に誰もが動揺を隠せないでいる。

 

「き、君達なのか……!?」

「校長先生!」

 

風丸達に声を掛けたのは憔悴し切った様子の雷門中校長、火来。

 

「何があったんですか!?」

「う、宇宙人だ!」

「えっ?宇宙人……?」

 

火来校長の口から出た言葉に困惑を隠せない一同。確かにこの様子は尋常ではないが、それと宇宙人という単語はすぐには結び付かない。

 

「そうだ!宇宙人だ!宇宙人が攻めて来たんだ!!」

「そ、そんな馬鹿な……」

 

常識的に考えて信じられる話ではない。だが、火来校長の様子はとても冗談とは思えない。

未だ状況が掴めない中、瓦礫が崩れるような音が近くから聞こえ、そちらに目をやる。そこに居たのはユニフォーム姿で倒れ伏す雷門の用務員である古株、そしてイナズマイレブンのOB達。

 

「古株さん!?」

「それにOBの人達まで!」

「大丈夫ですか!!」

 

それぞれ倒れている彼等の元に駆け寄り、声を掛ける。

 

「バトラー!!」

「申し訳ありません……。皆様の代わりに宇宙人と戦ったのですが、歯が立ちませんでした……」

「皆の代わりに?どういうことなの?宇宙人と戦ったって……!!」

 

夏未も自分の執事であるバトラーへと声を掛けると、そんな言葉が返ってくる。それにより、さらに疑問は深まる。

 

「古株さん、あんた……」

「おお、響木か……」

 

火来校長に肩を借り、何とか立ち上がった古株に響木も声を掛ける。流石の響木もこの状況を理解出来ていない。

 

「昔取った杵柄、久しぶりにキーパーの名乗りを上げたんだが……奴らには通用しなかったよ…」

「本当に宇宙人と戦ったのか……」

「ええ……サッカーで戦いを挑んで来たんですよ」

「サッカーで?どういうことですか……ッ!?」

 

響木の問いに答えた火来校長に詳しい話を聞こうとした風丸だが、何処かから飛んで来た黒いサッカーボールによって遮られる。

 

「何だ!?」

 

3つの黒いサッカーボールが、崩壊した雷門中の校舎の上空で紫色の怪しい光を放つ。その光が収まると、先程まではいなかった三人の人物がその場に立っていた。

 

「や、奴らです!!奴らが、サッカーを挑んで来たのです!!」

「お前らが宇宙人だってのか!?」

 

バトラーの言葉を聞き、問いを投げかけた染岡に、中央に立つ抹茶色のような髪を独特な形で纏めあげた男が口を開く。

 

「我々は、遠き星エイリアよりこの星に舞い降りた、星の使徒である。我々は、お前達の星の秩序に従い、力を示すと決めた。その秩序とは………サッカー!」

 

そう言った後、足元のボールを蹴り上げ、隣にいるピンク色の髪に褐色肌の女へと手渡す男。ボールを受け取った女はその場でリフティングを始める。

 

「サッカーは、お前達の星において、戦いの勝利者を決める手段である。サッカーを知る者に伝えよ」

 

リフティングをしていた女が、抹茶髪の男の逆隣にいる青髪の大男へとボールを渡し、何度かボールを蹴った後、抹茶髪の男にボールを返す。ボールを受け取り、右足でボールを踏みつけながら男が言葉を続ける。

 

「サッカーにおいて我々を倒さぬ限り、この地球に、存在出来なくなるであろう」

 

男の言葉に誰もが言葉を失う。あまりに非現実的な状況に、これが現実であることを理解することを脳が拒んでいる。だが、

 

「お前達が何者であったとしても、古株さん達をこんな目に合わせたのを、許す訳にはいかない!」

「それに、宇宙人だろうが何だろうが、学校壊されて黙ってられるか!」

「今度は俺達と勝負だ!!」

 

そんな事は関係無い。自分達の通う学校が破壊され、顔見知りの人物達が傷つけられた。戦う理由は、それだけで充分過ぎる。

だが、戦意を燃やす風丸達に、その必要は無いと言い放つ。

 

「見よ。この学校は崩れ去った。即ち、勝負が終わった証。……尤も、あれが勝負と呼べるものならな」

 

崩れて瓦礫と化した校舎の上に立ち、敗れ傷ついた者を見下し笑う男に、風丸達の怒りが増す。

男は足元のボールを浮かび上がらせると、怪しい光を放つボールを蹴り放つ。ボールは一同の頭上を越し、崩れ去った校舎の中で、奇跡的に形を保っていたサッカー部の部室へと向かい。その威力にサッカー部の部室は呆気なく倒壊した。

 

「俺達の部室が!!」

「なんて事を……!!」

「あの野郎!!」

 

自分達が今まで過ごして来た部室を目の前で破壊され、一同の怒りは頂点に達する。

だが、怒りを露わにする彼等を嘲笑うような表情を浮かべた後、独りでに男の手に舞い戻ったボールが再び光を放ち、それが収まった時には宇宙人を名乗る男達の姿は、もう何処にも見当たらなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「き、消えた………?」

「奴ら、いったい何処に行ったんだ……」

 

周囲を見回すが何処にも宇宙人の姿は無い。

 

「あいつら、逃げやがったな!」

「染岡先輩、落ち着いてください……」

「これが落ち着いてなんていられるか!」

「ひぃっ!?」

 

声を荒らげる染岡を宥めようとする宍戸だが、染岡の剣幕に気圧される。義理人情に厚い染岡は、この中でも特に激しい怒りを抱いている。否、染岡だけではない。胸に渦巻く怒りは、全員が共有するものだ。

そんな中、木野と夏未に電話が掛かってくる。

 

「土門君?」

 

木野の電話の相手は、西垣に優勝の報告をする為に木戸川清修へと足を運んでいるはずの土門からのようだ。

 

「ええっ!?……それが、雷門中にも宇宙人が……」

 

聞こえて来る内容から察するに、木戸川清修にも宇宙人は現れたようだ。最後には敗れたとはいえ、豪炎寺とも渡り合った西垣を有する木戸川清修が宇宙人に完敗したというのは信じ難いが、木野の様子から見て、そういう事で間違いないのだろう。

 

「お父様、今何処に居るんです?」

 

一方、夏未の電話の相手は夏未の父である雷門の理事長からのようだ。

 

「傘美野中?」

「夏未、傘美野中に宇宙人はいるのか」

「え、ええ……。傘美野中のサッカー部に、勝負を挑んでるって言ってるわ」

「傘美野中なら、隣町だ!」

「行こう!傘美野の皆を助けるんだ!」

 

傘美野中は、まだ雷門が人数も少ない弱小だった頃、円堂が頭を下げ、一緒に練習させてもらった仲だ。今でこそ交流は少なくなっているが、決して見捨てられる相手ではない。

 

「行くぞ皆!」

『おう!』

 

 

円堂がいない今、代わりに風丸が中心となり、一同は宇宙人と戦う為に傘美野中へと向かう。




【悲報】 円堂、豪炎寺、鬼道、土門不在の為ジェミニとの初戦、目金含む10人で戦う模様。


〈雷門に向かう前のレーゼ〉
雷門が帰ってくる前に早く校舎を壊さないと……!!急げ、急げ!!

〈星の使徒云々言ってる時のレーゼ〉
あれ?ヤバい奴らがいない!これならいける……!!
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