前話に夏未の描写を少しだけ追加しました。
そしてお気に入りが2000を超えました。維持する自信はありません()
読者の皆様、いつもありがとうございます。完結まではまだまだ掛かると思うのでこれからもよろしくお願いします。
「俺達はエイリア学園マスターランクチーム、プロミネンス。俺はキャプテンのバーンだ」
その言葉に今までに二度に渡りジェミニストームと戦ってきた雷門の面々から困惑の声が上がる。
「プ、プロミネンス……?」
「エイリア学園にはジェミニストームの他にもチームがあったのか?」
ジェミニストームを倒せば全てが解決すると思っていただけに、新たなチームの登場に衝撃が広がる。だが、その辺りの情報を知っている鬼道にとっては、この状況は他の者とは違った意味で動揺を隠せなかった。
────何故セカンドランクのジェミニストームすら倒されていない状況でマスターランクのプロミネンスが……。
本来ならセカンドランクのジェミニストーム、ファーストランクのイプシロンが倒されてからようやく重い腰を上げるはずの存在であるマスターランクチーム。それが動くとなればそれ相応の理由があるはずだが──。
「鬼道有人、そして雷門中。お前らは俺が直々に潰してやる。光栄に思えよ?」
ニヤニヤとこちらを見下した様な笑みを浮かべながら放たれたバーンのその言葉で、薄らと目的を察する。
────奴らの狙いは俺か……?
円堂と豪炎寺の前にグランが現れたという話を聞いた時、自分は放置されていることに対して、舐められているのかと若干腹を立てたものだが、今更手を出してくるとは……。いや、今の発言からすると雷門がいるこのタイミングを狙われたのか。
だとすれば少しまずいな……。俺個人が目的なら一人で勝負でもなんでもすればそれで済む話だが、雷門も標的になっているのなら試合をすることは避けられない。今の雷門がプロミネンスと戦えば原作のジェミニストームとの初戦のように大量の脱落者が出ても不思議では無い。グランのことを考えればバーンもそれに匹敵するレベルの実力であることは間違い無いだろうし、そいつが率いているチームが弱いと考えるのは楽観的過ぎる。帝国のメンバーも大半が病み上がりで、万全の状態とは言い難いし、正直言って勝ち目などゼロに等しい。
風丸にはエイリア学園がどれだけ破壊行動をしようがどうでもいい、などと言ったが、奴らを煽ってやろうとしただけで別に本心からエイリア学園の好きにさせてやればいいと思っている訳では無い。ただ、俺は手の届く範囲の身内が大切なのであって、何の面識も無い人間を気に掛ける程お人好しでは無いだけだ。尤も、もっと噛み付いて来るかと思っていたのに、黙りこくってしまって拍子抜けしたのは事実だが。
何にせよ、ここで雷門に完全に潰れてもらっては困る。結果的に賭けに負けたようで癪だが、今回は仕方ないか。
「言っておくが、お前らに拒否権は無ぇ。さっさと試合の準備をしな」
「……いいでしょう。試合を受けます」
「少しいいか」
雷門の監督が試合の申し込みを受け入れたタイミングで声を掛ける。
「帝国は奴らと試合が出来る状態では無いんでな。俺も目的のようだし、今回は手を貸そう。源田、キーパーを頼めるか」
「俺は構わん。今の雷門にはキーパーがいないからな。俺が入るのが妥当だろう」
源田にも声を掛ければ、頼もしい返事が返ってくる。この状況で源田がプレー出来るのは幸いだった。俺のシュートを日頃から受けているだけあって世宇子から受けた怪我は一番軽傷だったからな。
「しょうがねぇなあ。だったら俺も────」
「いや、お前は出なくていい」
「──って何でだよ!?」
不動が自分も出ると言おうとしたようだが、即却下する。こんな負け試合で無理に不動を消耗させる意味は無い。これからの戦いにこいつの力は必要だ。
俺自身、不動と接した時間はまだそう長くはないが、見ていれば分かることは色々とある。まず、どういったバタフライエフェクトの結果なのか知らないが、不動が帝国に転入して来た。これはいい。元々、不動の動きを警戒して帝国に戻ったので、その心配が無くなったのは朗報だった。見ていれば、何か企んでいるかどうかぐらいは分かる。飄々とした態度をとってはいるが、あれはそういう性格なだけだろう。
だが、一つ残念なのは恐らく原作無印よりも不動本人のゲームメイク能力が低い可能性があることだ。これについては実戦で判断した訳では無いので正確では無いかもしれないが、練習を見ている限りではそんな気がするのだ。原作の不動とここにいる不動は別人と考えた方がいい。まあ、原作と比べればの話であって、優秀なMFであることには違いない。原作でも地上最強イレブンは中盤の層が薄いチームだったからな。不動がいれば少しはマシになるだろう。未だブツブツと文句を言っているが、無視しておく。
────お兄ちゃん……。
フィールドに立つ鬼道の姿を音無は見つめていた。この帝国にやって来てから、一度として視線を合わせようとすらしてくれない自分の兄。
鬼道が雷門からいなくなった時、音無は寂しさと共に僅かながらの安堵を覚えた。そして後からそれを自覚し、そんな風に思ってしまった自分に嫌悪を抱いた。
頑なに自分と兄妹であることを否定する鬼道だが、音無にとっては今も昔も、大切な兄だ。
もし、この試合が終わった後、また一緒のチームにいられるのなら、その時は今度こそ、昔のように────。
共にいることに不安はある。それでも、音無は鬼道との関係が改善される日が来ることを願う。それが一方的な感情であったとしても。
風丸はいきなりの展開に困惑しながらも、試合の準備を終え、フィールドに立つ。
相手はエイリア学園の新たなチーム。ジェミニストームの他にもチームがあったことには驚いたが、相手がエイリア学園である以上はやるべきことは同じだ。けれど────。
自分の左腕に巻かれたキャプテンマークに目をやる。ゴールを振り返れば、そこにいるのは円堂ではなく、雷門のユニフォームに身を包んだ源田の姿。
円堂がいないのは、はっきり言って不安だ。そんな感情を必死に取り繕う。今は俺がキャプテンなんだ。その俺が不安がっていたら、チームにも影響が出てしまう。
────俺が、俺が頑張らなきゃ……。キャプテンとしてチームを引っ張らなくちゃならないんだ……。
センターサークルに立ち、鬼道はこの試合で自分が取るべき行動を考えていた。敗北が濃厚なこの試合において、自分がすべきことは少しでも負傷者の数を抑えること。可能かどうかはさておき、一応はそれを念頭に置いておくべきだろう。
最も注意すべきバーンを俺がどこまで抑え込めるか、重要になってくるのはそこかもしれない。
────そう簡単には潰されてはやらんぞ。油断しているようなら、容赦なく、その喉元に食らいついてやる。
試合開始のホイッスルが鳴り、染岡からボールを受けた俺はそのままドリブルで攻め上がる。だが、プロミネンスの選手達は誰一人として動こうとしない。世宇子を思い出し、少し苛つくが動くつもりがないなら好都合だ。このままシュートまで持ち込んでやる。
中盤のバーンの横をすれ違いざま、呟くような声が耳に届く。
「少しは楽しませてくれよ?」
誰にも阻まれることなく、ゴール前まで到達した俺は天高くボールを蹴り上げる。
────出し惜しみはしない。最初から全力でいく。
ボールに向かって跳躍し、両足でボールを挟み込み、捻じるようにして変形させる。
「デス……スピアァァァ!!」
赤黒い稲妻を帯び、死の槍と化したボールがゴールへと向かう。しかし、シュートコースに先程抜いたはずのバーンが立ちはだかる。いつの間に戻って来ていたのか。かつてアフロディに〈デススピアー〉を蹴り返された時と酷似した状況に嫌な予感を覚える。そして直ぐに、それが間違っていないことを思い知らされる。
バーンは迫り来る凶弾に微塵も怯まず、まるで軽くトラップするかの如く、バーンの胸に受け止められた〈デススピアー〉は完全に威力を失い、バーンの足元にボールはこぼれ落ちた。
「なっ!?」
「鬼道のデススピアーが……!!」
「そんな馬鹿な!?」
その光景に〈デススピアー〉の威力をよく知る雷門、帝国のメンバーから驚愕の声が上がる。
斯く言う俺も、予想していたとはいえ、渾身の一撃がまるで通用しないことに動揺を隠せない。
────俺のフルパワーのデススピアーをこうもあっさりと……!!
雷門や世宇子に防がれたことはあった。だが、それは幾重ものシュートブロックや疲労により威力が落ちていたのが大きかった。流石にここまで容易く止められたのは想定外だった。
「そんなもんか?もっと来いよ」
好戦的に笑いながらこちらを挑発するバーン。その言葉に従う訳では無いが、バーンからボールを奪うべく、奴の元に向かっていく。
そしてボールを奪おうとした瞬間、バーンの姿が視界から消えた。
「は……?」
────消えた?奴はいったいどこに……。
刹那の内に思考を巡らせ、そして足元に俺のものとは別に影が出来ていることに気付く。
「上か!!」
上空を見上げれば、一瞬で俺が〈デススピアー〉を放った時よりも高く跳躍していたバーンの姿がそこにあった。
恐るべきは一瞬で天高くまでの跳躍を可能とする脚力と、驚異的なボディバランスによって生み出される、まるで飛んでいると錯覚する程の滞空時間。
空中でゆったりとした動作からバーンが放ったゴール前からの超ロングレンジシュートは、炎を纏いながら恐ろしい速度で加速していき、雷門ディフェンス陣と源田の反応を許さず、ゴールネットに突き刺さった。
鬼道がバーンを完璧に押さえ込んで誰も負傷者が出ない世界線?そんな物は無い(無慈悲)
不動の能力云々は作者がちゃんと書く自信が無い為の保険なので気にしなくてもいいです。
そして気になるという声があったので豪炎寺のステータスを載せます。
ぶっちゃけ普段はそんな物気にして書いてないので、あくまでゲームに実装されるならこんな感じになる、という参考程度ですけどね。
豪炎寺 修也 Lv40
属性 火
GP 5000 TP 7500
キック 300
ボディ 220
コントロール 180
ガード 150
スピード 220
スタミナ 250
ガッツ 200
必殺技(消費TPは豪炎寺仕様)
必殺技は6枠まで?そんな縛りある訳ないやろ。
※連携技の一部は主導が豪炎寺では無い為、無掲載。
ファイアトルネード TP 40
イナズマ落とし TP 50
ヒートタックル TP 40
イナズマ1号 TP 55
爆熱スクリュー TP 156
グランドファイア TP 380
マキシマムファイア TP 174
イグナイトスティール TP 85
レーヴァテイン TP 198
巨人の剣 TP 210
スカーレットハリケーン TP 350
ヘルファイア TP 144
ムスペルヘイム TP 350
爆熱ストームG5 TP 460
ソード・オブ・ファイア TP 950(ブチ切れ状態のみ発動可)
ぞくせいきょうか
火のこころえ
シュートプラス
あれ?おかしいな……ステータス若干控えめにしたはずだったのに結局化け物に……。