モチベーションが上がらないんじゃ……。
書かないといけないとは思ってるんだけどね。
タイトル詐欺。思いつかないんだからしゃあない。
「皆、集まっているわね」
プロミネンスとの試合から1週間。入院組以外は怪我も治り、これからのことに不安を抱える者もいるものの、それぞれが特訓に励んでいた。
そして特訓を終え、半田達の病室に見舞いに訪れていた部員達に、病室に入って来た瞳子が掛けた第一声がこれである。
「監督?何かあったんですか?」
ここのところ、理事長と何やら連絡を取ったりしていて忙しそうにしていた瞳子。これからどうするかについてだろうと考えていた風丸は何か方針でも決まったのかと瞳子の返答を待つ。
「単刀直入に言うわ。よく聞きなさい」
瞳子は室内の部員達の顔を見渡してから口を開く。
「北海道、白恋中学のサッカー部にジェミニストームが倒されたわ」
『………え?』
予想外の言葉の意味を理解出来ずに思わず呆けてしまう一同。
「い、今……何て言ったでヤンスか?」
「ジェミニストームが倒された……?」
「じょ、冗談ッスよね?」
「俺達が負けた相手だぞ……?」
ジェミニストームの強さをよく知るからこそ、その言葉をすぐには信じることは出来なかった。口々に放たれる言葉は、どれも瞳子の言葉を否定しようとする言葉ばかりだった。
「監督、本当……なんですか?」
そう瞳子に聞き返す風丸自身も、その事実を受け止め切れてはいない。自分達しか戦えないなどと自惚れていた訳では無いが、仮にも日本一である雷門が勝てないなら、他のチームが試合をしても勝てないだろうといった考えが頭の片隅にあったのは否定出来ない。
「……ええ。白恋中はジェミニストームを7-3のスコアで降したそうよ」
瞳子のその言葉を聞いた一同に再度衝撃が走る。
「あいつらから7点も取ったってのか……?」
「それに失点もたった3点……」
「そんなに強いチームが、なんでフットボールフロンティアに出てこなかったんスかねぇ……?」
「チームとして強いかは分からないわよ」
口々に発せられた言葉の一つを瞳子は静かに否定した。
「どういうことです?監督」
「……私も情報でしか知らない以上はっきりとは言えないけれど、白恋中の挙げた得点は全て1人の選手によって記録されたものらしいの」
「ひ、1人?ジェミニストームから1人で7点取ったってことですか?」
「ええ。それも後半だけで全得点を叩き出したらしいわ」
『…………』
開いた口が塞がらないとはこのことか。思わず絶句する一同。
「嘘だろ……?」
「そんな、豪炎寺じゃあるまいし……」
ここで豪炎寺なら同じことが出来てもおかしくないと思われているあたり、彼等の豪炎寺への印象はお察しである。
「白恋中のエース、吹雪士郎。私達の次の目的は彼をチームに引き入れ、戦力アップを図ること。準備が出来次第、北海道へ向かうわよ」
「で、でも監督、そうは言っても俺達は今は8人しかいませんよ?」
「そ、そうッスよ!」
「ジェミニストームが倒されたなら、そんなに急がなくてもいいんじゃないでヤンスか……?」
先のプロミネンスとの試合では鬼道達が協力してくれたが、その前にエイリア学園と共に戦うのは断られている。あの時はあくまでも、帝国学園に襲って来たから迎え撃ったというだけだ。現状の雷門は大量の負傷者を出したことで試合が出来るメンバーが揃っていない。
「貴方達、プロミネンスの存在を忘れた訳ではないでしょう?それに、ジェミニストームが倒されたことで、さらにイプシロンと名乗る新たなチームが現れたという情報もあるわ。ぐずぐずしている暇はないの」
「ええ!?」
「プロミネンスの他にも……」
「エイリア学園にはいったいいくつのチームがあるんだ……?」
プロミネンスに惨敗して、さらに倒さなければならない相手が増えたとくれば、弱気になってしまうのも無理はない。しかし、立ち止まっている時間はない。
「メンバーが足りないなら、集めるしかないでしょう」
「あ、集めろったって……」
エイリア学園とわざわざ好き好んで戦おう等と言ってくれる様な奇特な者を3人も集めろと言われても、流石に短時間では無理がある。
そんな空気が場に流れたが、唐突に響いたその声によって、一同の視線は一点に引き寄せられた。
「その必要は無い」
「き、鬼道?」
「お兄ちゃん!?」
その声に病院の入口の方へ振り向けば、そこにいた人物に思わず目を見開く。なにせその男はプロミネンスとの試合から、1週間も昏睡状態となっていたのだから。
「お、お前、目が覚めたのか!?」
「少し前にな……。それより、人数が足りないのだろう?それは俺がなんとかしよう。俺や源田が共に戦うことに文句はないだろう?元々お前らはその為に帝国まで来たんだからな」
「そ、そりゃお前らが一緒に来てくれるなら、それ以上はないけど……。お前、あんなにキッパリ断ってたのに、どういう風の吹き回しだ……?というかそんなすぐに動いて大丈夫なのか?」
取り付く島もなかった鬼道が、急に意見を翻したことに疑問を抱く風丸だったが、鬼道自身もその問いに対するはっきりとした答えは持ち合わせてはいない。
「フッ……。この俺がこの程度でどうにかなるものか。それに、理由等どうでもいいだろう。……まあ、強いて言うとすれば、賭けに負けたといったところか」
「賭け?何の話だ?」
「お前達が知る必要のないことだ。今日のうちに荷物を纏めておけよ。出発は明日、北海道へ向かう前に帝国学園に立ち寄ってくれ」
そう言って立ち去ろうとする鬼道だったが、何を思ったか病室から一歩出たところで足を止める。
「春奈」
「えっ?」
自分が呼ばれるとは思っていなかった音無が思わず声を上げる。鬼道から音無に話し掛けたのは幼い頃を除けば、長く記憶にないことだった。
「………心配を掛けてすまなかったな」
「……!!」
その一言だけを残し、今度こそその場を去る鬼道。そんなことを言われるとは思ってもなかった音無は、関係改善の希望が見えたような気がして、少しだけ気分が晴れたのだった。
ちなみに鬼道はその後、病室を勝手に抜け出したことがバレ、鬼の形相を浮かべた看護師によって病室へと連れ戻された後、説教と検査を受けることとなる。
翌日、各々準備を済ませキャラバンは鬼道に言われた通り、帝国学園を訪れていた。そこで待っていたのは、当然と言わんばかりに目を覚ましたその日に退院した鬼道、源田、見送りに来た佐久間ともう1人。
「で、そいつが11人目なのか?鬼道」
「そうだ」
鬼道、源田を入れても10人。1人足りない状況であり、後1人は誰になるのかと思っていた雷門メンバー達。風丸の確認に鬼道は肯定の意を返す。
「おい。俺は行くなんて一言も言ってねえぞ」
「お前の意見など端から聞いていない。これは決定事項だ」
「おい!?」
鬼道が連れて来た人物、不動明王は明らかに納得していない様子で鬼道に噛み付く。雷門側としても、人数が足りないのは確かだが、不動がプレーしているところを見たことがなく、どれほどの実力なのかも全く分かっていない為に強くは言いづらい。
「なんで俺がこんな奴らと宇宙人退治なんてやらなきゃならねぇんだよ」
「仕方ないだろう。佐久間は怪我が治っていないからな。消去法でお前になる」
「はあ?俺はあいつの代わりかよ」
鬼道の言葉を聞き、さらに不機嫌になる不動。自分が誰かの代用だなどと言われて良い気分にならないのは当然である。
「阿呆らしい。そこまで言われてホイホイついてくわけねーだろ」
踵を返しその場を去ろうとする不動だったが、鬼道が呟いた言葉に足を止める。
「そうか。そこまでエイリア学園と戦うのが怖いなら仕方ない。他を当たるか」
「ちょっと待て」
「ん?」
聞き捨てならない言葉が耳に入り、鬼道を睨む不動だが、当の鬼道は何か問題でもあったかと言わんばかりにすっとぼけた態度を取る。
「誰がそんなこと言った」
「お前」
「言ってねぇ!!」
不動が怒鳴るが鬼道は何処吹く風だ。露骨に耳を押え、うるさいと言いたげな視線を寄こす鬼道に不動の怒りは増す。
「……すまん。言い過ぎた。だが許してくれ。俺はお前ならエイリア学園と戦うのに強力な戦力になると思っていたんだ。お前なら安心して中盤を任せることが出来ると。だから少しショックでな……。だが、そこまで嫌なら無理強いはしない。残念だが他を当たろう」
今度は不動の表情が変わる。呆気に取られた顔、と言えばいいだろうか。
いつも言い合いが絶えず、今も馬鹿にされているのだと思っていただけに、そんな風に思われていたと知り不動は……。
「ま、まあ、そこまで言うなら行ってやってもいいぜ?精々俺の足を引っ張らないように気をつけろよな」
「そうか!来てくれるか不動!ありがとう!…………ちょろい奴め」
「何か言ったか?」
「いや?何も?」
その流れの一部始終を見ていた佐久間と源田はなんとも言い難い表情を浮かべている。
「なあ佐久間。鬼道の奴、不動をおちょくる時は普段より生き生きしてないか?」
「反応がいいから楽しいんだろ。あれで言うこと聞くならいいんじゃないか」
「…………」
あまり仲が良くないのも相まって不動には割と辛辣な佐久間である。
何はともあれ、これで人数は揃った。目指すは遥か北の大地、北海道。
白恋中のエース、吹雪を仲間に加えるべく、一同は再び東京を後にする。
不動の扱いは多分この先も大して変わらない。
次回、吹雪登場(多分)
吹雪が出てくればモチベ上がると思うんだよ。うん。
やっぱり豪炎寺みたいにちょっと頭のネジ外れてる奴書いてる方が楽しいからね。
オリキャラ登場するのは許せる?※エイリア編及び世界編では出るとしても一瞬です。
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許せる
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やめてほしい