ありふれた調律者は異世界にて   作:凡人EX

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奈落に落ちた二人の一日目。半分くらいダイジェストです。


奈落の底にて怪物は産まれ、幻想は命を持つ

「……う、ん」

 

 何かに揺られている様な感覚に、メルは目を覚ます。誰かにおぶられているような、そんな揺られ方。

 

「気がついたか」

 

「……カムラ、様?」

 

 前方すぐ近くから、自分の主人の声がする。目を開けてみれば、確かにカムラがいる。どうやら、気絶していた自分を背負っていてくれたらしい。

 

 周りを見回せば、ぼんやりと明かりがある洞窟の中。記憶が正しいのなら、オルクス大迷宮の奈落の底だろう。

 

「背中に違和感は無いか?」

 

「? いえ、特には……あれ?」

 

「貴様が目覚める前に治しておいた……配慮が足りなかったな。まさか、貴様に向けて攻撃するとは思わなかった」

 

「……そうでした。私は確か、カムラ様の下へ走っていて、それで……」

 

 意識がはっきりとしてくるにつれ、気絶する前の事を思い出してきた。何者かの魔法が背中に当たって、そして……

 

「あっ」

 

「うん?」

 

「も、申し訳ございません! すぐに降りますから……」

 

 今更ながら、主人に背負われている事を思い出し、降りようとする。が、カムラは離さない。

 

「いい。色々あって疲れただろう。それにこれは、私なりの謝罪の気持ちだ。配慮が足りぬ故に、貴様を傷つけてしまったのだからな」

 

「で、ですが……それは私の油断もあります。カムラ様が悪いわけでは」

 

「……はぁ、ならば命令だ。メル、そのまま背負われていろ……後で、今までより動く事となる。今はよく休め」

 

「……かしこまりました」

 

 主人に命令と言われてしまえば、反抗する事もできない。ので、大人しく揺られる事にする。心臓がうるさいのは、どうにもなりそうもないが。

 

 早鐘を打つ心臓を落ち着かせようとしながら、ふと、メルは気づく。

 

「カムラ様、髪切りました?」

 

「ん? ああ、一つの区切りとして丁度良いと思ってな。元は面倒で伸ばしていたのだが……それはそれで鬱陶しくてな」

 

 そう、今まで腰まであった長い黒髪を、バッサリ切ってしまっていたのだ。美女と言われてもおかしくない顔立ちだったが、髪が短くなった事により、男らしさを感じられる様になった。

 

 美女から正統派なイケメンへのクラスチェンジである。ちなみに、現在の髪型は所謂ツーブロックというやつに近い。素材がいい分、わかりやすくイケメンになったカムラである。

 

 

───────────────────────

 

「そういえば、メルよ」

 

「はい」

 

「こんな物を見つけたのだが、心当たりは?」

 

 そう言ってカムラは、どこからか石を取り出す。青白いバスケットボール程の鉱石。何故か水滴が滴っている。

 

「……いえ、このような鉱石は見たことがありません。魔力の様な物は感じますが……」

 

「やはりそうか。何やら強い力が込められているらしいので持ってきたのだ。水も出ている事だから水源として使えるやも……どうした?」

 

「……あ、もしかしたら“神結晶”かもしれません」

 

「神結晶……どこかで見たな、そんな物の記述を」

 

「はい。千年以上の長い年月をかけ、大地の魔力が魔力溜りに溜まり、結晶化した物です。神話には、クソ神がそれから流れる“神水”……この水滴でしょうか、それを使い人々を癒したとも伝わっています」

 

「ああ、アレか。そうだ神話で見たな。確か、どのような怪我、また病であろうとも治すと言う水だったな、神水とは。既に失われていたとも聞いたが」

 

「この迷宮の創始者、オスカー・オルクスは自力で神結晶を作れたと聞きます。あってもおかしくはないかと」

 

「……稀代の天才だな、オスカー・オルクスというのは」

 

「錬成の腕に関しては、神代でも最高峰だったそうです」

 

 

───────────────────────

 

 もう十分に休んだというメルを降ろし、歩き続ける二人。道中、異常に脚が発達した兎や、雷を纏う狼、風の刃を飛ばしてくる熊に遭遇したが、兎と狼はメルがギリギリ、熊はカムラが余裕で倒した。

 

「さては貴様、ベヒモスを倒せるな?」

 

 とはカムラのツッコミ。サポートもしたし、満身創痍になった(具体的には、兎に蹴り飛ばされて血を吐いたり、狼の雷に焼かれかけたりした)が、割かし元気なメルに、さしものカムラも若干恐怖を感じたそうだ。

 

 ちなみに、怪我は神水で治した。カムラが神結晶に魔力を流すと、溢れる程に神水が流れ出てきたので、水源兼万能薬としてありがたく利用させて貰う。

 

「神代の万能薬を湯水の如く……贅沢の極みだな。教会の人間が聞けば、それこそ金の成る木か、或いは神の恩恵を独占する不敬者と見るだろうよ」

 

「私としては、カムラ様の魔力量がおかしいと思うのです。本来千年もの年月をかけてゆっくりと溜まっていくはずなのに……」

 

「……いや、それはオスカー・オルクスにも言えることだろう」

 

 余談だが、カムラの持つ時の特異点でも傷は癒せるが、カムラはあまり使いたがらない。時を戻すのはそれなりに疲れるらしい。時間の流れを固定するだけならあまり問題はないとの事。

 

 

───────────────────────

 

 更に探索を続ける二人。

 

「……階段が見つかりませんね」

 

「うむ。これでは上にも下にも行けん。ここでひとまず野宿だな」

 

「そうですね……」

 

 と、ここでキュルルル……と可愛らしい腹の音が鳴る。メルが顔を赤らめ、小声で「申し訳ありません……」と謝っている。

 

「……そういえば、朝に食べて以来、何も口にしていないな。今はもう夜だ、無理もない」

 

「……ずっと暗いままですし、時間感覚が狂いそうですね」

 

「私はそうでも無い。時の特異点で凡そ把握出来るからな……とはいえ、腹ごしらえはどうするか」

 

 神水の効果で空腹になろうとも動けるとは言え、飢餓感は癒えない。流石に心を治す効果は無い。

 

 カムラは、いざと言う時のために取っておいた魔物の肉を見る。具体的には腹ごしらえに使えるかもしれないからだ。しかし……

 

「魔物を喰うのもいいが……猛毒だったな」

 

「変質した魔力を取り込むと、体がボロボロに崩れるそうですね」

 

 魔物の肉は、人体には猛毒なのが問題だ。適切な調理をすれば食べられるかもと思っているからこそ持ってきてはいるが。

 

「……しかし」

 

「カムラ様?」

 

 カムラの目が光る。餌を目の前に置かれ、待てをされている犬のような目をしているのだ。

 

「……いやいや、待ってください冗談ですよねカムラ様、いくら何でもこれは……」

 

「……臭いし不味いな。食えぬことも無いが」

 

「カムラ様!?」

 

 メルは諌めようとしていたが、カムラはその前に狼の肉を口に運んでいる。手が出るのも食べるスピードも本当にはやい。

 

 ところで、先程も言ったが、魔物を食った人間は、例外無く、すぐに体が崩れ落ちたと言う話だ。カムラも同じ末路を辿る……

 

「しかし、何ともないな」

 

「はい?」

 

 事は無かった。平気でバクバク食べている。本格的に人間なのかが怪しくなってきた。

 

 

 しかし、ひたすら肉にかぶりつくカムラを見て、メルも徐々に空腹感が強くなっていった。

 

「しかしだ、メルよ」

 

「はい」

 

「私は何ともないが、確かにこれは猛毒やもしれんぞ」

 

「……どう言うことですか?」

 

 狼一匹分の肉をたいらげたカムラは、いつもの無表情で、しかし真剣な声色で話す。

 

「私の前世は既に話したな? その時に語ったと思うが……私も無事ではなかった」

 

「……“川”の水の話、ですね」

 

 頷くカムラは、更に続ける。

 

「あの水を飲んだ時……私は非常に苦しんだ覚えがある。いや、忘れられない程に苦しんだ、と言うのが正しいな」

 

「カムラ様でも……いえ、当時は普通の少年だったんでしたね……この肉も同じと言うわけでしょうか」

 

「ああ。この肉、不味いだけでは無い。それ以上に何かを感じるのだよ、経験的にもな」

 

 カムラはただ食事をしていただけではない。魔物の肉に含まれる猛毒、それを探っていたのだ。それを可能にしたのが、カムラがこの世界に来て目覚めた固有の技能、“魔力の暴走”。

 

 魔力の暴走は、普通に使えばカムラ自身の膨大な魔力を起点、もしくは引き金に、周囲の魔力に依存する物を無効化、消滅させる技能。

 

 無効化だけでなく、魔法を暴発させたり、魔力その物を探知する事が出来る。神結晶を見つけたのも、その原理を応用しての事だ。

 

 初めて使った時は、ハイリヒ王国中の魔力に依存した物が異常をきたした。例えば、小さい被害では料理の為の火が消えたり、訓練中の兵士達が魔法を急に使えなくなったり、大きい所だと、王国を守る結界が揺らいだりもした。

 

 今回は、魔物に宿る魔力が変質している故に猛毒と聞き、試しに調べてみたのだが……端的に言えば、川の水と似通っていた。幻想ではなく、魔力が詰まった物体である。

 

 故に、危険と判断したのだ。

 

「……ただ、メルよ」

 

「はい」

 

「魔物の肉を食えば……壁を越えられるやもしれん。私がそうだったようにな」

 

 カムラは、同時に可能性を見出していた。カムラは、川の水を飲むことで、幻想の一端に触れ、汲み上げ、形を与えられるようになった。それが“幻想抽出”だ。

 

 魔物の肉も、もしかしたらそうかもしれない。魔力が多い程、身体能力も強化されるらしいこの世界で、濃厚な魔力を取り込めたなら、あるいは……と。

 

「……ある種、これは覚悟を確かめるものとなる。現状、私もこれを無毒化するのは不可能だ。そもそも、今腹を満たしたければ、これを食うしかない。メルよ、お前はどうする?」

 

 メルが自分と同じ苦しみを味わうかもしれない。出来ればそれは避けたい。

 

 現状でも、メルは強い。しかし、神には届かない。その爪は、牙は、神に届く前に折れるだろう。カムラはそう確信していた。

 

 かつて、神の如き威容を放つ、白い胎児の様な怪物と闘った彼だからわかる。まだ足りないと。

 

 折れるのならば、それも又良し。苦痛を避けるのは、生き物の本能だからだ。幸い、他にも道はありそうだ。他の大迷宮という道が。

 

 ……メルは、主の言外の意を理解した。だからこそ。

 

「……神水と共に食べれば、五体満足に済むかもしれません」

 

 魔物を食らう決意をした。

 

「……わかりきっていた事だったな。脅かすような言い方だったが……ああ、よく言った。いざとなれば私が時を戻すが、覚悟はいいな?」

 

「……神を敵に回すと決めた時から、覚悟は出来ております」

 

 ならばとカムラは兎の肉を渡す。メルは、躊躇い無くそれにかぶりつき、神水を飲んだ。

 

 …………

 

「あ、ぐゔぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」

 

 突然、メルが獣のような唸り声を上げて苦しみ出す。何かに侵食されるような感覚。激痛と共に体のあちこちが軋み、脈打つ。神水が足りなかったかとまた飲むが結果は変わらない。壊れた箇所から修復され、また壊れ、また修復され……それをひたすら繰り返す。

 

「あ゙があ゙ぁ゙ぁぁぅぅぅぅ゙ぁぁぁ!!」

 

 苦しむメルを無言で抱きしめ、見守るカムラ。暴れるメルに殴られようと、引っ掻かれようと、離してなるものかと、我が子をあやす様にしっかりと抱きしめる。

 

 その感覚はメルにも確かに伝わっていた。激痛も、恐怖も、幾分か和らいだ気がした。

 

 

「……似ているな」

 

 カムラは、川の水を飲んで自身に起こった出来事を思い返す。あの時は確かに激痛もあったが、それ以上に心を蝕まれた。何者かが心の中に入り込み、カムラ……エルヴァ自身の自我を内側から否定していた。エルヴァという存在が消えようとしていた。

 

 それでもなお助かったのは、エルヴァが無くならなかったのは、彼の、子供ながら尋常ではないほどの強度を持つ自我のおかげだった。

 

「負けるなよ、メル」

 

 

───────────────────────

 

「……」

 

 激痛の度に体が慣らされていき、やがて収まる。呼吸も安定してきたので、カムラは腕を離す。

 

 メルは無言で、ゆっくりと瞼を開け、手を開閉させる。よく見れば、手には魔物の様な赤黒い線が走っている。

 

「……よく耐えたな。気分はどうだ?」

 

「……とりあえず、不味いですねこの肉」

 

「軽口を叩けるならば心配ないな。あと、私の食らっていた化け物よりは美味いぞ? 奴らはもはや味が無かったからな。臭いや味があるだけマシだ」

 

「……本当に過酷だったんですね。ええ、今のところ問題ありません……寧ろ、コンディション的には最高です」

 

 そう言って、姿勢を正したメルは、違和感に気づいた。

 

「……胸が、大きくなっていますね」

 

「身長も伸びたな。負荷が全体にかかったからだろう……女性らしさが増したと言うべきか?」

 

「魔物の肉を食べると成長を先取りできるんでしょうか。新しい発見です……そうだ、ステータスは」

 

 そして、メルはステータスプレートを取り出して見てみると……

 

=======================

メル・パーシマリイ 15歳 女 レベル:46

 

天職:便利屋

 

筋力:790

 

体力:830

 

耐性:660

 

俊敏:1030

 

魔力:940

 

魔耐:910

 

技能:技能習得[+洗練][+期間短縮][+見聞の極]・全属性適正・錬成[+精密錬成][+高速錬成]・格闘術[+身体強化][+浸透破壊][+遠当て]・縮地[+重縮地]・先読・剣術・魔力操作・胃酸強化・天歩[+空力]

=======================

 

「……ええ。何かと可笑しいですね」

 

「素のスペックが高かったのが功を奏したか。魔物の技能も手に入れたようだな。良かったでは無いか、一息に人類最強候補だぞ?」

 

「嬉しい様な、嬉しくない様な……この天歩とはなんでしょうか。あの兎の宙を蹴る様な動きでしょうか」

 

「だろうな。魔力操作は……陣や詠唱無しで魔法を使えるといったことか」

 

 物は試しと、メルは足元の少し高い場所に足場があるのをイメージする。そして、その上に立つと……

 

「……浮いたな。少しだけ」

 

「これに縮地を組み合わせれば、機動力がかなり高くなりそうですね。そう考えると、あの兎も縮地を使えたのかもしれません」

 

「……胃酸強化とやらもある事だ。そう苦しむ事は無いだろうし、他の肉も食うか?」

 

「是非いただきます」

 

 カムラの誘いに乗り、狼や熊の肉を食べていくメル。熊を食べた時に一瞬痛みが走ったが、何ら問題は無かった。

 

「しかし、躊躇い無く生で食らうとはな」

 

「……はしたないのはわかっているのですが……父と旅をしていた時を思い出して、つい……」

 

「……どの様な旅に出ていたのかは聞かん」

 

 

───────────────────────

 

「そういえば、カムラ様も魔物の固有魔法を使えるようになったのでしょうか。ステータスは……変わったとしても分からないでしょうが」

 

「……そういえば、最近自分のステータスを見ていなかったな。どれ」

 

 ゴソゴソと制服のポケットからステータスプレートを取り出し、見てみると……

 

=======================

虚時カムラ(エルヴァ) 男 16歳 レベル:───

 

天職:調律者

 

筋力:───

 

体力:───

 

耐性:───

 

俊敏:───

 

魔力:───

 

魔耐:───

 

技能:鍵の特異点[+発動速度上昇][+威力上昇]・妖精の特異点[+発動速度上昇][+威力上昇]・時の特異点[+限定操作][+保存期間延長]・波の暴走[+発動速度上昇][+威力上昇]・柱の暴走[+発動速度上昇][+威力上昇]・魔力の暴走[+魔力探知][+魔力掌握]・自動回復・幻想抽出[+半幻化][+罰鳥]・魂魄魔法・生成魔法・言語理解

======================

 

「……ふむ」

 

「固有魔法を手に入れた訳では無い、と……この半幻化とは何なんですか?」

 

「……いや、今は気にするな。来るべき時のために取っておくとしよう」

 

 少し渋るような言い方に「しまった」と思ったメルだったが、カムラは相も変わらず無表情。特に気にしている様子は無い。どうでも良さそうだ。

 

「……では、この罰鳥とは?」

 

「コイツなら、そろそろ帰ってくるはずだ……ああ、来たな」

 

 カムラはステータスプレートから目を離し、奥の方を見やる。すると、腹部に赤い模様のある白い小鳥が飛んできた。

 

「あら可愛い。あの子が罰鳥ですか?」

 

「ああ。貴様が寝ている時に、偵察などを頼もうかと抽出したのだ。かつて、少しの間過ごしていた森にいた鳥でね。かなり利口な子だよ」

 

「あの兎よりも愛着が湧きますね。脚が太くて気持ち悪かったですから」

 

 カムラは、自身の記憶から特定の幻想を抽出出来ないかと考えていた。その実験や、魂魄魔法の練習を兼ねて抽出したのが罰鳥である。

 

 魂魄魔法とは、メル曰く魂への干渉を可能にする魔法。ならば自分で魂を創造できるのではと踏んだカムラは、抽出した罰鳥の肉体に魂魄を宿そうと画策していた。

 

 しかし、結果的に魂魄魔法は必要無かった。生き物として抽出された幻想は、生き物として活動し始めたのだ。よくよく考えれば、外郭の生き物達は大体そんな物だった。

 

「ああ、ただ、魂魄を一から創ろうとしたのは無駄では無かった。面白い事が分かったからな」

 

 腕に止まった罰鳥を構いながら、カムラは言う。

 

「面白い事……ですか?」

 

「簡潔に言えば、神代魔法はどうやら字面通りとはいかんらしい」

 

「……えっと」

 

「魂魄魔法で干渉できるのは魂魄だけでは無い。現に、記憶を元に抽出する事ができたのは、魂魄魔法があったからだ……記憶を読み取ると言う形で使ったのだよ」

 

「……申し訳ありません、私にはよく……」

 

「何、いずれ分かる時が来る。世界の真実は。最奥は。深淵は。常に隣にいるのだからな……あの世界の真理を知り、使う私が言うのだ、間違いは無いと断言しよう」

 

 クツクツと笑うカムラ。腕に止まっている、キョトンとした様な顔の罰鳥で色々と台無しな感じだが、愉快に笑っている。

 

 

「……ところで、その子に名前はつけないのですか?」

 

「……うむ。罰鳥から取って、パニと言うのはどうだ? 地球で罪を表す言葉をもじったのだが」

 

「……ピーちゃんではダメですか?」

 

「一応言っておこうか。此奴はピーちゃん等と呼べるほど可愛くはないぞ?」

 

「いやいや、この子が可愛くないとは言い難いでしょう……」

 

「いや、見ていろ……コレを食え」

 

 そう言って、明らかに小鳥では食べられないサイズの肉を差し出す。罰鳥はそれをじっと見た後、

 

 

 

 赤い模様から巨大な口を出し、それによって肉を一口でたいらげた。

 

 

 

 メルは衝撃的な光景に唖然としている。

 

「……ピーちゃんにするか?」

 

「……パニちゃんにしましょう」

 

 ちゃん付けだけは外せないメルであった。




雑な展開は御容赦ください……どうしても罰鳥を出したかったんです……

ツッコミがあるかもしれないので先に補足しますが、前にカムラは幻想抽出をあまり使いたがらないといった描写があったと思いますが、あれは自重のためです。

超がつくほど強力な武器を製造出来ると知られては、面倒な事になりかねなかったので。

次に一度王国の様子を覗いて、あのメインヒロインの所へ行きます。
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