口数が少ないのは元からです   作:ネコガミ

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本日は1話のみの投稿です。


第17話『少年の周囲は変わりゆく』

side:工藤新一

 

 

母さんの付き人から漸く解放された俺は日本に帰り付くと、その足で阿笠博士の所に向かった。

 

「博士ぇ~、いるか~?」

「はぁ…新一、依頼案件の物を手掛けとる事もあるから、ちゃんと許可を取ってから入ってくれと前に言ったじゃろ?」

「おっと、悪いな博士。」

 

博士は俺を見ながらため息を吐く。

 

「なんだよ?」

「なんでもない。」

 

しかし、博士も随分と痩せたもんだな。

 

どんな心境の変化があったんだ?

 

そんな事を考えていると博士が幾つか新聞を持ってくる。

 

「ここ最近の事件を知りたいんじゃろ?すまんが今は忙しくてのう。こいつを持っていって構わんから今日のところは帰ってくれんか?」

「しょうがねぇなぁ…わかったぜ博士。また今度な。」

 

愚痴とか色々聞いて欲しかったんだけどな。

 

まぁ、仕方ねぇか。

 

あっ、そういや夏祭りが近かったな。

 

今年も蘭を誘ってみるか。

 

新聞を脇に挟みながら携帯を手に取ると、蘭に電話を掛けて夏祭りに誘う。

 

だがあっさりと断られてしまい、俺はわけもわからずに呆然とするのだった。

 

 

 

 

side:阿笠博士

 

 

「はぁ…。」

 

窓から新一が帰ったのを確認すると思わずため息が出る。

 

危なかったわい。

 

下手をしたら新一は消されていたかもしれんからのう。

 

振り向くとデューク・東郷くんの姿がある。

 

儂はアタッシュケースを机の上に置くとゆっくりと開ける。

 

ここで急ぐと銃を向けられて怖い思いをするからの。

 

あんな寿命が縮む思いは一度で十分じゃ。

 

「一番左が注文された物じゃ。特性のワイヤーを仕込んであり、300kgまでの負荷に耐えられる。」

 

東郷くんは機械式の腕時計を手に取り確認する。

 

「真ん中の腕時計は麻酔針を撃ち出す代物じゃ。注文にはなかったが、あれば便利かと思ってのう。」

「…詳細な仕様は?」

「アタッシュケースの隠し底に針と一緒に説明書を添えてあるから、後で確認してほしい。不明な点はいつでも聞いてくれて構わんよ。そして最後に一番右の腕時計は安全ピンを抜くとグレネードになる仕様にしてある。言わんでもわかっとると思うが、扱いには十分に気を付けてくれ。」

 

アタッシュケースを閉じた東郷くんは机に札束が幾つも入った紙袋を置くと、アタッシュケースを片手に去っていった。

 

「毎度思うことじゃが、払いのいい男じゃのう。」

 

東郷くんは年俸とは別にこうして報酬を払ってくる。

 

だからこそ仕事に手は抜けない。

 

まぁ、彼が依頼してくる仕事は面白くもあるから、報酬とは別に楽しめるがのう。

 

報酬を金庫にしまうと宮野夫妻が顔を出す。

 

「さぁ、阿笠さん、後一息です。研究の続きをしましょう。」

 

例の薬の完成も近い。

 

それが終われば今度は薬の解毒薬の研究じゃ。

 

先は長いが…毎日が楽しいわい。




これで本日の投稿は終わりです。

また来週お会いしましょう。
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