口数が少ないのは元からです   作:ネコガミ

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本日も1話のみの投稿です。


第23話『ロシアより愛を込めて』

side:ラスプートン

 

 

アメリカのマフィアに流れていたロマノフ王朝の財宝である500tの金塊…その金塊を手に入れるために、テレパシーを使って所有者たるマフィアのボスを私に心酔させていたのだが、あろうことかルパン三世とかいうこそ泥に横からかっさらわれてしまった。

 

だが教団の力を駆使してこそ泥から金塊を取り戻すことに成功した。

 

私は教団が所有する倉庫に積み上げられた金塊を見て笑いを溢す。

 

「少々手間取ったがこれで金は私の物だ。」

 

テレパシーを元に築き上げた教団の影響力は、今では各国の有力者にまで及んでいる。

 

「いずれ世界中の富も私の物となるだろう。くくく…ハーハッハッハッ!」

 

高笑いをしながら倉庫を出た直後、眉間への衝撃で私の身体は後ろに倒れる。

 

身体に力が入らず動けない。

 

いったい何が…?

 

テレパシーで周囲の状況を探る。

 

そしておよそ400m離れた所から私の状態を確認している者の存在を認識した。

 

(雪が吹雪いている中で狙撃だと…!?いや、その前にどうやって私のテレパシーに察知されず…!?)

 

混乱が続く中で意識が薄れていく。

 

(馬鹿な…私の栄光は…これ、から…。)

 

 

 

 

side:ジュディ・スコット

 

 

(ありがとう、デューク…。)

 

ラスプートンが死んだ事で求心力を失った教団は、そう遠くない内に解体されるはず。

 

そしてこの500tの金塊があれば多くの祖国の民を救えるわ。

 

「ジュディ、本当にここまででいいのね?」

「…えぇ、後はロマノフ王朝の末裔として私が責務を果たします。」

 

彼…デューク・東郷に依頼してから私のサポートをし続けてくれていた不二子にそう言葉を返す。

 

「それじゃ私は帰るわ。あぁ、そうそう。ルパン達に一抱えぐらい金を分けてあげなさい。彼等を利用したんだもの。そのぐらいの手土産がないと彼等も立つ瀬が無いわ。」

 

そう言いながら不二子は手を振り去っていった。

 

その後ろ姿を見ながら私は彼に依頼した時の事を思い出す。

 

私が彼に依頼したのは祖父の遺言がキッカケだった。

 

祖父の遺言には彼の父の連絡先が記されていたのだけど、ロマノフ王朝の財宝の行方を知った私は藁にもすがる思いでそこに連絡をした。

 

すると彼の父から彼を紹介され依頼をするに至る。

 

(デューク…。)

 

私は彼に依頼をするにあたり報酬としてこの身体を差し出した。

 

それ以来、女としての私は彼と共に在ることを求めている。

 

でもロマノフ王朝の末裔として私は責務を果たさなければならない。

 

だから私は彼と共に行けない。

 

けど…いつか責務を果たし終えたその時は…。

 

私は女としての心を封じると、ラスプートン暗殺で浮き足立つ教団内で動き始めるのだった。

 

 

 

 

side:次元大介

 

 

「あれだけ苦労して手にした金塊が30kgぽっちたぁな。」

「うるへぇ~、仕方ないだろうがぁ。東郷ちゃんが関わってきちまったんだからよぉ。」

 

ロマノフ王朝の財宝を取り巻く一連の騒動にデュークの奴が関わってきやがった。

 

俺達の動きは全てラスプートンの野郎を暗殺するために利用されたんだが、だからこそこれ以上は金塊をいただくことが出来ない。

 

デュークの依頼人の依頼内容によっては俺達も撃たれちまうからな。

 

「まぁラッキーとビッグが一味に入るんだ。それでよしとしとこうぜぇ。」

「二人の治療費で今回の儲けもすっ飛ぶけどな。」

 

ラッキーとビッグとは傭兵団ゴルゴが解散してから知り合ったんだが、あいつらとは用心棒として何度か組んだことがあってその腕は見事なものだった。

 

今回の一連の騒動でも何度も出し抜かれた事を考えても、あいつらの腕は一流の領域にあるだろうよ。

 

そんなあいつらだがラスプートンに裏切られて重傷を負った。

 

幸いにも二人共に一命を取り留めて入院している。

 

二人はラスプートンに復讐を考えていたんだが、さっき奴がデュークに暗殺された事を伝えると、どんな心境の変化があったのか二人はルパン一味に入れてくれって言ってきたのさ。

 

「二人の治療費ぐらい安いもんよぉ。あの銃弾の雨を受けて生き残れる運を持ってるんだぜ?これからいっくらでも取り返せるさぁ。」

 

裏で生きていくのに何よりも必要な素質…それが運だ。

 

どれだけ腕がよくてもこいつばかりはどうしようもねぇ。

 

たとえ英雄だろうと運が悪ければ流れ弾一発で死ぬんだ。

 

だからこそ裏で生きる者達は運を持ってる奴を求める。

 

少しでも生き残る可能性を上げるためにな。

 

「ルパァン!」

 

そんな事を考えていると不意にとっつぁんの声が聞こえてきた。

 

「あらま、とっつあんったらなんだってロシアくんだりまで来ちゃってんのかしらねぇ?奥さん臨月でしょうが。」

「貴様がバンク・オブ・リバティーを強盗したからだろうが!」

 

まぁ、500tの金塊をアメリカから盗めばICPOも動くか。

 

だが、その前にFBIやCIAはどうした?

 

「とっつぁん、こういう時って普通はFBIとかCIAが動くもんじゃねぇの?」

「俺もそう言ったわい!だが奴等は国内の事で忙しいつってICPOに要請してきたんだ!」

「そりゃ御愁傷様なこってぇ。」

 

そう言いながらルパンは30kgの金塊を俺に渡すと、とっつぁんから逃げるために走り出す。

 

「じゃあな次元、ブラッド達によろしくな!」

「おう、またな。」

「待てぇルパン!とっととお縄につかんかぁ!俺は出産に立ちあわなきゃならんのだぁ!」

 

その後、ブラッドと合流した俺はラッキー達が入院している病院に足を運んだ。

 

そしてラッキー達の病室でルパンがとっつぁんに捕まったって情報を得ると、皆で大笑いしたのだった。




これで本日の投稿は終わりです。

また来週お会いしましょう。
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