口数が少ないのは元からです   作:ネコガミ

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本日投稿2話目です。


第8話『一味結成と少女のお誘い』

Side:デューク・東郷

 

 

報復を終えた俺はスイスにあるセーフハウスで心身を休める。

 

バイオニックソルジャー計画の一件から動き続けてきたからな。

 

しっかり休まないといけない。

 

そう思ってゆっくりとして日々は過ぎていき数日後、次元からルパン三世と組むと一報があった。

 

五ェ門の一件から近々ルパン一味が結成される可能性が高い事は知っていたが、こうして一味が結成されても特に感慨は湧いてこない。

 

前世の俺ならありえない事だな。

 

可能性でしかなくても間違いなくルパン一味結成の瞬間を見に行っていた筈だ。

 

だが、これでいい。

 

今や彼等はディスプレイの向こう側の憧れの存在ではなく、俺と同じ世界で生きている対等な存在なのだから。

 

ゆっくりと身体を休めてから日本に帰ると、ポアロで友人と軽食を取っていた毛利蘭と再会した。

 

近所付き合いがある両親の事もあるのでそれなりに会話をしていたのだが、突如脈絡もなく彼女が俺をプールへと誘ってきた。

 

話を聞くと彼女の両親や友人の両親が忙しく、同伴してくれる保護者がいなかったらしい。

 

依頼を受けていないので暇ではあるが、幼少時から戦場で育ってきた俺の身体には無数の傷痕がある。

 

少なくとも平和な日常を過ごしている一般人……特に日本人には見せるべきものではないだろう。

 

故に俺が同伴しない方が楽しめる筈だ。

 

そう思って断ろうとしたのだが、何故か両親が快諾してしまった。

 

……まぁ、依頼も無いので暇だからかまわないが。

 

毛利蘭が帰った後に両親に訳を問うと彼女の友人……鈴木園子の護衛の依頼が来ているらしい。

 

なるほど、あの老人からの依頼か。

 

随分と過保護な事だな。

 

だが護衛は専門外だ。

 

せいぜい近付く敵を排除するぐらいしか出来ない。

 

そう言ったのだが、両親曰くそれでいいらしい。

 

かの老人にとっては何よりの保証となるそうだ。

 

……まぁいい。

 

ここは両親の顔を立てて依頼を受けるとしよう。

 

話を終えた俺はポアロの地下に入りトレーニングを始めるのだった。

 

 

 

 

Side:ルパン三世

 

 

「ようブラッドぉ、調子はどうだ~。」

 

クラム・オブ・ヘルメスの一件で重傷を負った相棒の見舞いに訪れると、相棒は看護婦のお姉ちゃんに飯を食わせて貰っているところだった。

 

「ようルパン、まぁそれなりに入院生活を楽しませて貰ってるぜ。」

 

ブラッドが飯を食い終わると看護婦のお姉ちゃんはトレーを手に去っていく。

 

「どうやらナンパが成功したわけじゃねぇみてぇだなぁ?」

「怪我のせいか口説きのキレが悪くてな。」

「よっく言うぜぇ。」

 

こうして笑い話が出来てなによりだ。

 

あの時ブラッドは俺でもわからなかったクラム・オブ・ヘルメスの在りかを掴み、見事に盗み出してみせた。

 

だが、ガルベスの野郎にバレて後ろから撃たれそうになっちまった。

 

咄嗟に声を掛けた事でブラッドは致命傷だけは避けられたが、こうしてリハビリが必要な程度の傷は負っちまったわけだ。

 

まぁ、次元に腕のいい医者を紹介してもらったから後遺症は残らねぇのが不幸中の幸いだなぁ。

 

「そういえば次元達はどうした?」

「次元ちゃんは元お仲間さん達に連絡中、五ェ門先生は一度日本に帰るとさ。」

 

今回の一件で一番の収穫は次元と五ェ門が仲間になった事だな。

 

まぁお宝は五ェ門に譲っちまったから実入りはねぇが、それはこれから幾らでも取り戻せるからいいだろ。

 

適当なところでブラッドとの話を切り上げ、病院の近くにあるバーに入る。

 

するとそこには先に一杯やってる次元の姿があった。

 

「お待たせ~次元ちゃん。」

「おう、ブラッドはどうだった?」

「リハビリを含めて3ヵ月ってとこ。」

 

グラスを干した次元が息を吐く。

 

「そうか、そんじゃその間は好きにさせてもらうぜ。」

「わぁってるよぉ、そういう約束だかんなぁ。」

 

次元とは組むにあたって幾つか条件をつけられた。

 

1つ目が仕事が無い時は自由にするというもの。

 

こいつは元からそうするつもりだったから問題無い。

 

問題は2つ目だ。

 

デューク・東郷と敵対、もしくはデューク・東郷の仕事の邪魔をしそうな時は、お宝を目の前にしていても手を引くってものだ。

 

義理堅いのはいいんだけっども、土壇場で引かれた時の事を考えたら困るんだよなぁ。

 

……まぁ、俺も東郷には借りがあるし、しっかり計画を立ててそうなってもいい様に準備しとくしかねぇかぁ。

 

「あぁそうだルパン、さっき銭形を見掛けたぞ。」

「そりゃまた仕事熱心だことぉ。」

 

あのICPOのとっつあんがねぇ……。

 

今回の一件の終わり際、突然現れたと思ったら俺を逮捕するって宣言して来やがったんだよなぁ。

 

そして特に油断してたわけでもないのに手錠を掛けられちまった。

 

今回は関節を外して対処したが、次からは対応してくんだろうなぁ。

 

ICPOに追われる程に俺も名前が売れたと思えば悪くねぇけど、あの腕利きをあしらい続けるのは骨が折れそうだぜ。

 

「見つけたぞルパン!」

 

噂をすればなんとやらってか?

 

ずらかろうと立ち上がるが次元は座ったままだった。

 

「ありゃ?逃げねぇの?」

「俺はまだICPOに指名手配されてねぇからな。」

「とっつあん、こんなこと言ってっけどぉ?」

 

次元を指差しながらとっつあんに問い掛けると、とっつあんは肯定する様に頷く。

 

「次元大介の言う通りだ。だから俺に追う理由はない。」

「そこは現場判断で臨機応変に対処すべきとこなんじゃないのとっつあん?」

「地元警察との兼ね合いがあるからな。俺の判断で動くのにも限界があるんだ。」

 

そう言いながらとっつあんは手錠を手にすると俺ににじり寄ってくる。

 

「そんなせっかちだと女の一人も出来ないぜぇ、とっつあん?」

「余計なお世話だ!俺にはもう嫁さんがいるし、ついでに言えば妊娠中だ!」

 

あらま、とっつあんもやることやっちゃってるのね。

 

「それはおめっとさん。ならこんなところで油売ってないで、早く帰って嫁さんを安心させてやんないと。」

「言われんでもわかっとる!貴様をさっさと逮捕して地元警察に引き渡したら直ぐに帰るわい!」

 

すったもんだの末に俺はとっつあんに捕まっちまった。

 

ガルベス一家の一件で手持ちの道具は使いきっちまったかんなぁ。

 

その補充もしてねぇ現状じゃ、とっつあん程の腕利きを煙に巻くのは至難の業だぜ。

 

まぁ、いいさ。

 

折を見て脱獄すりゃいい。

 

「そんじゃ次元、また後で会おうぜぇ。」

「おう、ブラッド達にはよろしく言っとくさ。」

「余計なこと話しとらんでキリキリ歩け!俺は早く嫁さんのところに帰んなきゃいけねぇんだ!」

 

その後、俺は牢屋に入れられちまったがとっつあんが帰った頃合いを見て牢屋を抜け出すと、慌てふためく警察を尻目に行方を眩ましたのだった。




これで本日の投稿は終わりです。

活動報告に書いたのですが来週の投稿をお休みさせていただきます。

9月20日にまたお会いしましょう。
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