旧時代的な建物が立ち並び、かつてはトタン屋根を歩くこともできた、ラテラルタウンは、近代的な建物がいくつか増設されており、古くから住む住民たちの建物は、改装により整備されていた。そのラテラルタウンのジムは、年によってメジャーリーグとマイナーリーグそれぞれのジムリーダーが交代し合う激戦区でもあった。
『オニオンとラテラルタウン:気弱そうな青年でありながら、20年以上メジャーリーグの座を守り続けている豪傑である。
かつてはサニーゴの死骸を上にしていたが、現在は三日月状の顔半分を隠すだけの仮面となっている。
それは肉体の成長とともに自信がついたとも言われている。一方で、1番のお気に入りの仮面が破損したため今の形に加工したとも言われている。ゴーストタイプの使い手であり、ノーマルタイプのポケモンでシャドークローやシャドーボールを覚えるポケモンは非常に有利とされている。ジムミッションに至っては、安全性の配慮から大幅な変更がされており、ルミナスメイズの森に似たお化け屋敷場になっている。実力は高く、特にゴーストタイプと言う耐久力の低いポケモンが集まるライブの中で高い耐久力を見せるサニゴーンは強力』
ホープは、ララテルタウンの整備された石畳を歩き、1番の観光スポットである遺跡にたどり着く。ここは母親であるソニアが新たな歴史を発見した場所であり、ガラル地方の正しい伝説を明らかにする機会でもあった。
その遺跡はジムリーダーであるビートが当時のローズの手持ちであるダイオウドウを使い、壁面を破壊したことから発見された。この発見の功績と破壊行為が相殺され現在ビートは無罪放免となっている。その裏にはリーグ委員長であるローズが指示をしていたと言う黒い噂もある。
遺跡は非常に丁寧に掃除がなされており、その盾を持ったザマゼンタとよく似たポケモンと、チャンピオンがエースとしてまた切り札として使っているザシアンと言うポケモンによく似ている像があった。
「…すごいな」
改めて父親が伝説のポケモンを使っていると言う事実に感銘を受けたホープであったが、またもやその感動を上塗りする人物がいた。哀愁のネズと呼ばれている人物である。
「おや、また会いましたね」
「ネズさん!」
「すでにラテラルタウンですか。オニオンもダークホースに驚くでしょうね」
ジムチャレンジで半数がカブで脱落することに加え、ジムチャレンジ自体も長期間行われるため、ワイルドエリアで修行する面々もいる。また、ユウリがチャンピオンになってからは、ポケモン道場の一時利用も無料となっているため、ジムチャレンジも長期化している。
その中でかつてのホップにも劣らない速さでのジム突破は上位に入っていた。
「…未だにジムリーダーのクセが抜けてねぇですね」
「…」
マリィにジムリーダーを譲った後も、マリィの補佐や経理、その他の雑多な処理を行っていたネズは、懐古し、哀愁のネズと言う名然りという表情を見せる。
「これもなんかの縁ですかね。ホープ。手を出しゃんせ」
「ん?こうか?」
「そうね」
ネズは、ホープの手に一つのダークボールを置き、若干の悲しみと期待をホープに渡す。
「…ジムチャレンジのために育てていた子の子供でね。狭いボックスやスパイクタウンに篭りっきりよりもホープ、あなたのもとで広い世界を見て欲しいんですよ」
ホープは、マッスグマを手に入れた。まじまじとボールを見るにネズはゆっくりを踵を返そうとすると、ムゲン団らしき髪型が特徴的な集団がネズの元に歩み寄る。
「ネズさん、ねがいぼしです」
「ん。ご苦労さんです。じゃけん次行きましょうね」
袋いっぱいに何かを詰めた団員はネズに話しかける。その髪型はスパイクタウンのジムトレーナーの特有の、トゲのようなモヒカンと、キノコのような刈り上げという出立だ。
その袋に同調するように、ホープのカバンのねがいぼしのアクセサリーが揺れた。
「ネズさん、ムゲン団だったんですか?」
2度めの質問をネズに投げかける。
「…ええ。エネルギー事業のために集めてるんですよ。ちょうどターフタウン近くに輩がいましたんで、一緒にされたくなくて。あくタイプ使いなんで、多少の嘘はご愛嬌で」
そう言ってネズはすこし肩をすくめ、すこし周りを見ると、ホープに囁く。
「ムゲン団は一枚岩じゃありません。気をつけなさい」
そう言って、ネズは立ち去る。ムゲン団であるにも関わらず、自身の組織の陰口を叩くような発言をしたホープは、その真意が分からなかった。
しかし、ムゲン団を名乗るチンピラや、ムゲン団に訳ありの人間がいることなどは何か裏があると言うメッセージには十分であった。
・ブラッシータウン
ホープがジムミッションを始めてしばらくがたった夕暮れ、論文の下書きに終わりが見え始めたホップは、一息つくためにスマホロトムを起動し、メールやSNSをチェックする。
あいも変わらず、延々とトピックにあるのはジムチャレンジであるが、公開情報から有力株がピックアップされているのを見る。
自身の息子がそれに上がっていないかと淡い期待を寄せるが、その期待の薄さに対して、ホープは、名前の意味にもあるような活躍を見せていた。
「期待のホープか…フフッ」
期待のホープ、ホープという固有名詞と、新人という意味のホープが合わさったその文字には、ホープがオニオンを撃破する様子が写されている。
ガラルマッスグマという相性が良いポケモンということもあるが、ラストはエースバーンのダイバーンで締めを飾る写真は、かつてのユウリのような勇猛な後ろ姿である。
他にもSNSで拡散されているのは、マッスグマのあくタイプの技を振るう動画や、イオルブがひかりのかべを貼ってチーム全体の耐久力を底上げするなどで、ポケモンの相性と特性を考えて行動している様子は父親として嬉しかった。
「さて、俺も頑張るか…」
そう言いかけて、伸びをした時、あまり連絡のなかったネズから着信が入る。
「お久しぶりです。ネズさん」
「おひさしゅう。先程息子さんに会いましたよ。あなたのジムチャレンジを思い出す優秀な子ですね」
「そう言われると恥ずかしいんですが…どうかされましたか?」
倅を開口一番に褒められたホップは鼻をかいて照れる。それを察したネズはすこし間を置き、神妙なトーンで話し始める。
「…ムゲン団ってご存知ですか?」
「ええ、何度かダイマックスエネルギーの文献を工面して貰いましたが…どうかされましたか?」
「最近、ムゲン団もどきのチンピラがいるでしょう?その影で動いてる者がいます」
「というと?」
「詳しくは分かりませんが、サイトウやメロンさんの言うには、ねがいぼしを使って無限のエネルギーを得るとかなんとか」
その目的にホップは過去に起こった一つの事件を思い出す。ねがいぼしを使い、活性化されたパワースポットと連動させて起こる作られた悪夢。ユウリから教えられたブラックナイトの原理である。
「…ブラックナイトに似ていますね」
「ええ。聞いた話ではまんまブラックナイトなんですね。ねがいぼしを活性化させ、ガラルにエネルギーの枯渇を防ぐ」
「けどそれはムゲンダイナがいないと出来ないのでは」
「ええ。なんらかの方法でムゲンダイナの代わりやムゲンダイナを政略的に使えるようにすればできます。特に王族が絡めばいかにチャンピオンといえど、政治には逆らえません。
しかし、ブラックナイトの先にある恐ろしい計画があるようです」
「それは?」
「過去の干渉です」
「それは…」
過去の改変、無限のエネルギー自体は、全く悪ではなく、むしろ慈善事業をメインとしているムゲン団の性質からローズのような歪んだ執着による実行はないが、そのガラルを恒久の発展に尽くすと言う考えは肯定できた。
しかし、その方法がブラックナイトという危険性のあるのでは、一部反対の立場にいたかったが、過去の改変と聞き、その立場が一気に変動した。
「分かりますか」
「ええ。過去の改変、バタフライエフェクト、この単語だけで何が起こるかくらいは」
過去の改変は、たとえ一つの石を転ばないようにするだけで大きな変更があるとホップは考える。仮に、サイトウがメジャーリーグとして君臨するようにポケモンの鍛え方を変え、本人の知力を本来持てないほどまでにあげられたとして、そこから派生するのは、同じ区画で争っているオニオンがマイナーリーグに移行し、ゴーストタイプの立ち位置が不気味なものとして扱われる。その結果、ロトムスマホに疑念が湧き、結果、ロトムが別の何かに変わる。という未来ができる可能性がある。それが商業的な一部であれば問題ないが、青年一人が配偶者ができる前に死亡した場合、本来の歴史にある、その青年の遺伝子を持った子・この兄弟、孫、未来のひ孫は消滅するという危機があった。
「けどそれがパラレルワールドになる可能性は?」
仮に過去が変わったとして、「変える要因となった人間が未来で生まれる」前提条件がある上、
「過去を変える人間が存在し、その思考に至る環境で、それを実行する資産と能力を得る」必要がある。つまり、自分の生まれた過去で自分に都合の良い過去に変えることは不可能である。
仮にそれができとして、「過去を変えようとした人間が来た」瞬間に世界線が分岐し、過去は変わらないが、「遠くのどこかの誰か」の未来が変わるだけである。
「セレビィがそれを解決してくれます」
「ときわたり、ですか」
ジムトレーナーや、ポケモン博士は各地方の伝説のポケモンについても知っていることは多い。こと、ガラル地方のような伝説のポケモンがチャンピオンの手で制御されたり、未だに王族制度があるため、他の地方の伝説のポケモンについては周知されている。
「とくにセレビィの存在が重要でしてね。シンオウ地方の神話のディアルガとパルキアの能力から考えると、セレビィが居るだけで、この並行世界の分岐理論が崩壊するんですよ」
セレビィは、未来から時間移動を繰り返し、過去と未来を往来するポケモンであり、ディアルガは時間を操るポケモン、パルキアは空間の間、並行世界を含む境界を操るポケモンである。
「過去へ渡った場合、新たな『未来から来た人』が来たという並行世界が生まれるというわけですか」
セレビィはときわたりという、時間を移動する性質を持つ。仮に、過去を知っている人間が過去にゆくと、並行世界の分岐点が発生するとする。しかし、ディアルガの時間遡行と、パルキアの異空間移動は別種であることから、セレビィのときわたりは、セレビィには、パルキアの並行世界という空間を超える能力はなく、ディアルガの特性と同じ単純な「時間遡行」になる。
つまり、セレビィはパラレルワールドに行くことができず、セレビィが過去と認識する過去しか遡れない。この矛盾により行き着くのは、「セレビィが存在する限り、並行世界には分岐した世界ではなくなる」である。
「ということはネズさん」
「ええ。セレビィを持ったトレーナーが過去をかえると、それが正しい歴史となるんです」
「けれどセレビィを捕まえるなんて出来るはずが…」
セレビィは常に時間を彷徨っており、統計上最も出現するというウバメの森にも狙って遭遇することは不可能である。
「それが、ガンテツさんから奇妙なことを聞きましてね」
「ガンテツさん?ボール職人の?」
ジョウト地方のモンスターボールに精通した職人、ガンテツの話題が出て困惑する。ガンテツは齢90近くなるが、原料のぼんぐり探しやボール職人としての脳の活性化でいまだに現役の活動家であり、ジムトレーナー専用のポケモンのレベルの上がらないボールや研究者用の特殊な条件に耐えるボールの作成を担っている。
「とある不思議な羽を使ったボールを作成したということらしいです」
「そのボールというのは?」
「ジーエスボール、ガンテツさんの直感では、時間をとらえるボールというらしいです」
「時間をとらえる…ときわたり…セレビィの座標をとらえるボールですか?」
「おそらくは、そしてそのボールを依頼した人物は」
・ウバメの森
普段は閑静で麗な森であるが、この日はざわめき、何かを待っているようにも見えた。そのウバメの森にあるとある祠に黒い喪服のような服を着た人物が立っていた。
「来なさい、セレビィ」
その人物は祠に摩訶不思議な、単なる道具とも思えない雰囲気を放つボールを供える。すると、急にそのボールがその場で起動し、虹色の網が発生し、空気にヒビが入り、その場の景色が壁画が剥がれるように崩れ、見たこともない草原と、真新しい祠、そして本命のセレビィがいた。そこからセレビィはボールに吸い込まれはじめ、ときわたりをしようと過去への境界を広げようとするも、ジーエスボールの網が伸び、糸のように伝って空間が縫合される。
ついには、セレビィはボールに入り、ボールの中から抵抗するも、ときわたり以外には強力な能力を持たないため、そのままボールに固定される。
「これで私の作る過去は固定される。待っててね。みんな」
どこか懺悔をするようにボールを撫で、セレビィに謝るようにその場を後にする人物は、黒い喪服のような服から移動用のポケモンを繰り出す。
異形の龍がその姿を見せ、主人に頭を下げた。
ポケットモンスター ムゲンソードアンドシールドの幻覚商品解説
今作では何故か御三家が、リベロようきヒバニー、スナイパーおくびょうメッソン、グラスメイカーいじっぱりゴリランダーという破格のスタートを切ります。見た目通りの性格は、当たり前だよなぁ?!
しかし、御三家で何がもらえるかはランダムで、前作のソードまたはシールドのデータがあれば、その時の主人公の選択した御三家が適応される仕様です。
RTAでは、エースバーン一強で、TAS動画では、絶対に急所に当たるインテレオンですね。
全体的に相手のポケモンのレベルが高いため、戦略性が求められます。虫取り少年がバタフリーを使うの、誇らしくないの?しかし、初代よりは経験値ゲットなどが確実に優しくなってるので、マイナーチェンジらしい大きなお友達使用になってますね(こなみかん)