海の潮騒が聞こえる。
――ああ、オレ、死んだのかな――
青い海原と白い砂浜。
地獄にしては、綺麗なところだとおもう。
そんなことを考える。
「駄目だな。さっきのショックで電装系が全て逝ってしまっている」
「こっちも同じだ」
?!
ああ、咲夜や宗像中尉も道連れか。
まぁ、それも花があっていいや。
でも、エレーナに一言、せめて言っておきたかったな
「なんだ。聞いてやるから言ってみろ、黒須」
「ああ。イサミ、私も聞いておきたい。後学のために」
ああ、いいとも。聞いてくれよ。
オレさ、エレーナのこと、本当に好きだったんだ。
「「!?」」
アイツさ、いつもバカでさ。
鑑も相当なバカだけど、それに環をかけてバカなんだよな。
ガキのころから一緒でさ、どこ行くにも、なにするにも、必ずオレの傍にいるんだ。
イサミちゃん、イサミちゃんって、うるさいのなんのって。
でも、さ。
あいつがいなくなって、思ったんだ。
オレ、あいつになにをしてあげれたのかな、って。
あいつはオレのために、それこそ何でもしてくれていたんだけど、いつしかそれが当たり前になっちゃって。
ありがたさを感じられなくなってたんだ。
そうさ。あいつは間違いなくオレを愛してくれていた。
でも、オレは――オレは――あいつに最期まで優しい言葉の一つもかけてやらなくて。
せめて一言だけでも、あいつに言ってやりたかった。
エレーナ、愛してる。ってさ。
言ってやるんだったなー。
ああ、何度でも言ってやるぜ。
エレーナ、愛してる、愛してる。愛してる!!
エレーナ。アイツ、ホント、バカだよ。
せっかくオレがその気になったのに、アイツ、一人だけ生残ってやがんの。
アハハ、ほんとエレーナらしいや!
……。
ガコ!
凄い音がした。
「あいた!」
オレは頭に激痛を感じ、上を見上げる。宗像中尉がいた。
「バカはキミだ!」
パーン!
これまた凄い音がした。
「い、いてぇ……」
「貴様は馬鹿だ! これは私の分!!」
頬を張られたのだ。手を出した咲夜が泣いていた。
「どりるみるきぃーふぁんとむ!!」
ドゴ!
ありえない音がした。
「レバ……」
腹に激痛、が。これ、入ってる、入ってるって……意識が、意識が……。
「最っ低! 鈍感! まるでタケルちゃんみたい!! 見損なったよ黒須君!!!」
仁王立ちの鑑が、勝者の貫禄でオレを見下ろしていた。
『黒須~。私、感動しちゃったー。なっかなかの名シーンだったじゃなーい。直で見ることができないのが残念だわー。でもね、調子に乗るのもいい加減にしておかないと、エレーナの顔、さっきから真っ赤になってきて、そろそろ爆発しちゃいそうだからいい加減に止めてくれないかしら』
へ?
『ちなみにこれ、全部録音されてるのよねぇー。後世にアンタたちのことが映画になるとしたら、必ずノーカットでねじ込んであげるから、楽しみにしてなさいよね?』
な、なんだそりゃぁ!
『――で、バカはいい加減にして、そろそろ帰って来なさい? じゃ、待ってるわ。 純情な英雄さん!』
The End
マブラヴ Belive Alternative ~君が望む未来~