ジオン公国、首都ズムシティー総帥府。
デギン公王、ギレン総帥、ドズル中将、キシリア少将の4名がそろっていた。
ザビ家独裁のジオンではこれが最高会議といっても言い過ぎではない。
「ガルマはよくやってくれた。技術的にはホワイトベースには大した価値はなかったが、ガンダムのビームライフルが手に入ったのはでかいな。これで我が軍でもビーム兵器の量産にはいれる。よってゲルググの量産を早める。現在生産中のドムの生産ラインはゲルググに切り替える。
そして完成したドムはオデッサに最優先でまわす」
ギレンが淡々と喋る。
「やはりオデッサで決戦か。ソロモンからも増援をだすぞ」
ドズルが意気込む。
「そのことですが、ドムは優先でもらいますが、他の部隊はいりません。いまさらザクやグフは必要ありません」
キシリアが断る。
「何を言う。戦いは数だよ!キシリア!オデッサは地球の最重要拠点だぞ」
「ですからドムは受け取ります。あと必要なのはエースパイロットです。少数精鋭でレビルを倒してみせます。数ではなく優秀なパイロットをよこしてください」
「キシリアよ。自信があるのか?」
「オデッサにレビルを引き込んで殲滅します。兄上は連邦宇宙軍がオデッサに増援を降下させないようにしてくれればいいのです。マクベの策で勝って見せます」
「しかしルウム戦役以上の重要な戦い、おまえ一人にまかせるわけにはいかん」
「作戦の指揮はマクベがとりますが、私もオデッサに降ります」
「そこまでの自信があるのか、しかし・・・」
「よい、ドズル。そこまで言うのならキシリアにまかせよう」
ギレンはキシリアの案を認めた。慎重なキシリアがオデッサに自らいくのなら必勝に近い策があるのだ。少しでも危険があればキシリアは行かないはずだ。
「もしレビルを殲滅できたら、ユーラシアは全てジオン勢力にできるな。うまくいけば戦争はおわるな」
もともとルウム戦役の後に連邦は休戦条約を結ぼうとしていた。それを捕虜から脱出したレビルのせいで戦争継続にかたむいたのだ。国力の劣るジオンとしては早期講和をしたかった。
「休戦にならなくても問題ない。もうすぐマッドアングラーが完成する。これで大西洋の制海権は簡単にとれる。オデッサからの進撃と、マッドアングラーが西から攻めればベルファスト陥落。
ゲルググが量産されたらドズルはルナツーを、キシリアは陸海空からジャブローおとせば完全勝利。中途半端に休戦条約よりよいかもしれません」
ギレンが雄弁に語る。
「開戦以来、総人口の半分以上が死んでいる。ギレンよ、まだ殺したりんのか」
「開戦前の100億以上の人口なぞ異常ですよ。もっと少なくてもよいぐらいです。これ以上むやみに増やさず優良な者のみを残しコントロールします。それ以外に人類の永遠の平和は望めません」
「しっておるかヒットラーを?」
「ヒットラー?中世期の人物でしたかな?」
「世界を読みきれなかった独裁者だ。貴公はヒットラーの尻尾だな」
「いつになく喋りますな父上。ヒットラーの尻尾の戦略をごらんにいれましょう」
「そうか・・・それよりガルマのことだが、ホワイトベースとの戦いの記録をみたが、あぶなっかしすぎる。シャアがいなかったら戦死もありえた」
「しかし自ら出撃してホワイトベースをしとめた。見事なものだ。あいつならいずれ俺さえも使いこなしてくれる将軍になるはずだ」
ドズルがかたる。デギンとドズルはガルマの将来に期待しているという点では共通している。
「わたしとしてはシャアにガルマの側にいてほしい。士官学校からの親友だそうだな」
「たしかにシャアは優秀だ。しかし配下のエースをオデッサに送って、シャアまでガルマのとこにとどめたら、ソロモンが薄くなりすぎるな」
「オデッサが終わればパイロットはソロモンにかえしますよ兄上」
「よいではないかドズル。オデッサが終わるまで宇宙では大きな戦はおこらんよ」
「わかった」
これで話は終わった。しかし解散する前にキシリアをデギンが呼び止める。
「キシリア、ガルマのことだが・・・」
ギレンとドズルは去っていく。いつものことだ、キシリア麾下のガルマについてデギンはうるさい。
ひとしきりガルマを危険な目に合わせるなとか言った後・・・
「ギレンは危険すぎる。もしもの時は頼むぞ」
「はい」
これだけで伝わった。オデッサで勝っても負けてもギレンは、デギンにとってもジオンにとってもリスキーだ。頼めるのはキシリアのみ。
ドズルはバカでガルマはまだ若すぎる。
具体的なことは今は必要ない。
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