ブチギレ戦士アムロ   作:金光初

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第6話

 ガルマの部隊にやられてから1ヶ月後、アムロはオデッサにいた。

 レビル将軍の部隊の最前線、新しいガンダムG3に搭乗している。

 傍らにいるのはブライト、 リュウ、カイの陸戦ガンダム。

 レビル将軍の連邦軍は北から南下してオデッサの正面に布陣した。 エルラン中将は東から側面攻撃を担当する。

 レビル将軍とエルラン中将の部隊は戦力比6対4。

 これだけの大兵力ならオデッサの陥落は時間の問題だとアムロは思った。

 しかしビッグトレーで指揮をとるレビル将軍は危うさを感じていた。

 

「推定ですがこちらの数は、オデッサの兵力の3倍の兵力だと思われます」

 レビル将軍の側近が自信満々にしゃべる。まるで分かってないとレビル将軍はがっかりした。

 ゴップ大将のようなジャブローのモグラたちが反対しなければ、4倍の兵力は集められたはずだ。しかもモビルスーツの数がジオンに比べて圧倒的に少ないはずだ。レビルからしてみれば5倍くらいが理想だ!

 ルウム戦役の後、モビルスーツ量産計画に反対したのはゴップ大将だ。

 全く無能な人間というわけではないが、モビルスーツの有用性を全く分かっていない。彼は未だにフライマンタなどの航空戦力でジオン倒せると思っているのだ。

 

 ゴップ大将はジャブローでよく言っていたものだ。

「ルウム戦役の結果から宇宙では、宇宙だけならモビルスーツは有効だと認めましょう。しかし地上は別です。重力のある地上なら空からの攻撃の方が有効なはずです。 モビルスーツに費やしたお金があれば、フライマンタの大軍勢を作った方が良かったと思うんだけどね」

 これだけではなく優秀なパイロットであるアムロレイたちをいたずらに体罰で疲弊させるなど許しがたい。

 モビルスーツ開発をごり押ししたレビルへの当て付けなのだろう。

 ゴップ大将のように自らは前線で戦わず、階級の高いものは後方支援に徹していればいいのだ。

 

「しかし予想以上に上手くいきましたな。宇宙から降下してきたジオン部隊は少数しか確認できておりません。さらにヨーロッパ方面軍やアフリカ方面軍、アジア方面軍からの増援もありません」

 側近が嬉しそうに言う。

 だからこそだ、だからこそ危ういのだ。

 ジャブローからベルファスト。そして 北海を渡りワルシャワを通ってオデッサに着くまで、抵抗らしい抵抗は全くなかった。これはマクベの策なのかキシリアの策なのか知らないが、オデッサの決戦に絶対の自信があることを表している。

 もちろんこんな考えは部下の前では話さない。弱気な話をして士気を下げてもしょうがない。

 ルウム戦役以上の激戦になるなとレビル将軍は腹をくくった。

 大まかな配置は終わったが、細い配置を決めている途中、数で劣るジオン軍からの攻撃が開始された。

 

 

 アムロたちガンダム隊の士気は高かった。

 ゴップ大将のいじめのような仕打ちから救ってくれたレビル将軍への恩がある。さらにホワイトベースを失った自分たちに新しいガンダムを回してくれた。

 アムロたちは全員少尉にまでなった。もっともブライトは前から少尉だったが。

 オデッサに着くまで連邦軍の人たちはガンダム隊を見下していた。

 レビル将軍のお気に入りということで喧嘩を売られたりすることはなかったが、冷たい対応をされてきた。

 唯一、親しげに話しかけてくれたのは現在、左隣に布陣しているアマダ隊のシローアマダ隊長ぐらいのもんだ。

 

 戦闘は急に始まった。オデッサ基地からの砲撃。さらに空中に散らばるドップ。そして地上を砂煙を上げながら突っ込んでくるモビルスーツ部隊。

「新型がいるぞ。早いぞ」

 カイシデンが叫ぶ。

 先頭を切って突っ込んでくるモビルスーツは見たことがなかった。驚いたのは足を使って走らずに、滑るように高速で移動していた。

「ホバー移動だ」

 リュウホセイも叫ぶ。

「当たれ!」

 射撃の得意なブライトが陸戦ガンダムのロングレンジライフルを放つがかわされる。

 ビームライフルの射程距離に入ったからアムロも撃ちまくるがなかなか当たらない。

  距離が詰まってきて接近戦となる。

 ロングレンジライフルからビームサーベルを抜くのに手間取ったブライトが、スカートをつけたようなホバー移動のモビルスーツに撃破された。

 弐度も殴られた恨みはなかった。ジャブローのシゴキを経験した後では、ブライトからの2発など、なでられたようなものだ。

 しかし続々と突っ込んでくる敵モビルスーツの嵐の中で悲しむ余裕もなかった。

 最初の交錯が終わった後、あたりはすごい砂煙で視界が悪く、他の部隊との連携は無理だと思ったアムロ。

「ここから混戦になります。僕たちの部隊だけでも密集連携して戦いましょう。でないと新型には勝てません」

 

 それから、しばらく戦ったが、ザクを3機たおしただけだった。

 時々見えるスカート付きには攻撃が回避されてばかりだった。最も敵の方もガンダムが手強いと見て仕掛けてくるものはいなかった。

「どうやらここら辺には敵がいないみたいですね」

 突っ込んできた敵は、そのまま奥に行ったようだ。

「そうだな。どうする。オデッサの基地に仕掛けるか?」

「でも抜けていった敵モビルスーツがどうなったか気になります」

「確かにそうだな俺たちガンダムチームだけでオデッサに突っ込んでもしょうがないしな」

 ここでレビル将軍のビッグトレーから全部隊に通信が入る。

 

 エルラン中将が裏切った!

 




オデッサ決戦です
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