超ざっくり世界史 改訂版   作:d1199

9 / 12
それなりに昔編その2 WWⅠ編

 近代の世界は、列強とそれ以外の国に、分けられます。

 が、列強にも先発・後発の二組が在りました。

 今回は、後発であるドイツを主役にして、第一次世界大戦までザックリ行きます。

 

 

 

 ザックリ世界史~それなりに昔編その二~

 

 

 

 このドイツって単語は、元々地域の名前だそうです。

 が、世界史的に見ると、複数の意味を持つので、非常に混乱します。

 例えば、

 東フランク王国から神聖ローマ帝国の過程に、ドイツ王国というのがあり、

 中世以降から統一される近代まで、この地域に存在した諸侯がドイツ諸侯と呼ばれ、

 それは神聖ローマ帝国の諸侯でもあったり、

 その諸侯の一つであるプロイセンの源流に、ドイツ騎士団なんてのも在ります。

 また、

 ヒトラーが為政した国もドイツであり、現在の国もドイツです。

 ややこしすぎるぜ。

 

 

 ざっくりシリーズでは、「ドイツ」この三文字のみを使う場合は、地方名・民族名で使う事にします。

 混乱を避ける為に、ドイツ地方で興った国を、以下の様にします。

 古い順です。

 

・フランク王国

・東フランク王国

・神聖ローマ帝国

・ドイツ連邦

・ドイツ帝国(ビスマルクの)

・ヴァイマル共和国(WW1の後)

・ナチスドイツ(ヒトラーの)

・今ドイツ(=ドイツ連邦共和国・WW2の後)

 

 今回は、第一次世界大戦の直前であるビルマルクのドイツ帝国までを、扱います。

 西ドイツ・東ドイツは現代なので気にしない。

 では、ざっくりスタート

 

 

◆◆◆

 

 最初に、中世のフランク王国がありました。

 それが分裂して、東フランク王国が出来ます。

 

西フランクの王様「フランク王国は分裂したけどさー カール大帝からの皇帝位ってどうするの? 権威ほしぃ」

ローマ法王「功績で東フランク王にあげた」

東フランクの王様「いぇーい」

西フランクの王様「ちっくしょぉぉ!」

 

 東フランクのオットーという人が、異民族からの侵略を阻止して(レヒフェルトの戦い)、その功績からローマ皇帝に成ります(オットー一世の戴冠式)

 要するに、

 ローマ法王が付与するローマ権威は、東フランクに渡ります。

 以降、ドイツ関係で帝国云々と名乗るのは、これが発端です。

 んで、

 オットー一世の戴冠式から、神聖ローマ帝国が始まります。

 何所が神聖やねん・何所がローマやねん、このツッコミは敢えて語りますまい。

 

 

 彼らゲルマン民族は、複数の部族が寄り集まったモノだったそうです。

 ですから、政治形態は、その延長である封建制となりました。

 が、

 西フランクつまりフランスは、近世で絶対王制にすんなり移行しましたが、

 東フランクは諸侯の力が強かったので、絶対制への移行が遅れ、近代でも封建制を続けます。

 その理由なんですが、

 皇帝になるにはローマ法王の権威が必要だった事もあり、その皇帝が留守がちだったから、だそうです。

 つまり、鬼の居ぬ間になんとやら、って奴です。

 諸侯の力が強すぎて皇帝が決まらない時代もあったんだとか(大空位時代)

 

 これが影響して、近代化が遅れました。

 近代化つまり工業化には、莫大な資金が必要となります。

 それには、権力と資本が融合する絶対王制(=中央集権)が、必須だったからだそうです。

 後述ですが、ビスマルクが国家統一を行ったのもこれが主因です。

 

 

 話を戻して神聖ローマ帝国時代です。

 帝国は国の集まりなので、ここでは皇帝と諸侯という構成になります。

 諸侯は沢山いました。

 

・バイエルン

・オルデンブルク

・ザクセン=ヴァイマル=アイゼナッハ

・エルザス=ロートリンゲン

・そのほか沢山

 

 多いわ・舌噛むわ。

 帝国での一番エライ人つまり皇帝は、各諸侯の中でも有力組が、代わる代わる務めていたそうです。

 その有力組を、選帝候と言うそうです。

 カッケー

 

 それら諸侯のなかで有名なのがプロイセンです。

 ナチスドイツ・今ドイツに繋がるビスマルクが、登場する国です。

 このプロイセンをザックリ追います。

 因みに。

 ○プロイセン

 ×プロセイン

 よく間違われるんだそうです。

 私も間違えてました。

 イが先か・セが先か、カナ順で「イが先」って覚えれば間違いはありません。

 

 

◆◆プロイセン前編

 

 

【中世】

 プロイセンとは、元々地域名だったそうです。

 プロイセン地方に住む人たちが、中々キリスト教に改宗しないので、騎士団が派遣されます(北方十字軍)

 この騎士団が定住して、騎士団領になります(ドイツ騎士団の東方植民)

 んで、

 近所のリトニア&ポーランドと闘って、負けます(タンネンベルクの戦い=グルンヴァルトの戦い)

 

 ドイツ騎士団団長「長いものには巻かれる事にした」

 

 従う変わりに、国にしてもらったそうです。

 プロイセン公国が始まります。

 ドイツ史を調べるとポーランドって時々聞くんですが、この頃からなんですね。

 

 

【近世】

 仏王ルイ十四世が、ナントの勅令を廃止します(参照:それなりに昔編そのイチ)

 迫害を逃れたプロテスタント達を、プロイセンは受け入れます。

 

プロイセンの偉いヒト「すべての宗教は等しく、良いものである」

 

 商工者が多かったので、これが今ドイツ=工業に繋がります。

 ユダヤの人も積極的に受け入れたのだとか……歴史の闇を見た気がする。

 

 

【近代】

 戦争に勝ってプロイセン王国に成ります

 神聖ローマ帝国の有力諸侯として存在を続けます。

 ここから、ビスマルクのオンステージなのですが、

 その前に、切っても切れないオーストリアに行きます。

 

 

◆◆オーストリア前編

 

 

 オーストリアは、プロイセンと同じドイツ民族で、同じ神聖ローマ帝国の諸侯でした。

 近代に向けて、何かと関わっていきます。

 オーストリア=ハプスブルク家で、ザックリOKです。

 

【中世】

 元々は、フランク王国カール大帝の臣下の領地だったそうです(オストマルク東方辺境伯領)

 んで、伯領から公国になります。

 幾つか王朝が継いでいたのですが、中世末期に断絶します。

 勿論ドイツ地方に居る諸侯は、領有を巡って争います。

 ここでハプスブルク家が登場します。

 地理的な意味で近くの王様と戦争して(マイヒフェルトの戦い

 勝利したハプスブルク家は、その領地を得ます。

 

 徐々に力を付けて、選帝侯では無かったのに、神聖ローマ帝国の皇帝になります。

 また、なり続けもします。

 

 ハプスブルク家は、スイスを発祥とする貴族でした(スイスとオーストリアはお隣同士です。

 明確な資料は見つけられなかったのですが、政略結婚でドイツ地方にも領地を持ったと思われます。

 

 この家は、政略結婚が好きだったようで、しまくります。

 オランダやイタリア、それぞれの一部に領土を持つ程に、します。

 この辺りでオーストリア公国→オーストリア大公国になってます。

 

 

【近世】

 なので、スペインの王様になってしまいます。

 スペイン王国ハプスブルク朝のスタートです

 これは、コロンブスを支援したスペイン女王(イザベル一世)の王朝の、次の王朝に当たります。

 

 ここで【オーストリア系】と【スペイン系】に、形上別れます。

 が、血縁は大事なので一緒に扱われます。

 スペインの領土とオーストリアの領土を足しあわせると、凄く広くなります。

 必ず何処かが昼なので「太陽の沈まぬ帝国」とか言われます。

 かっけー

 

 ところが、無敵艦隊がイギリスに破れた事を切っ掛けに、スペイン系のハプスブルクは、終わります

 十七世紀頃の話です。

 スペインは終わりません。

 ハプスブルク朝が終わったって意味です。

 

 

◆◆オーストリア後編

 

 

 戻ってオーストリア系ハプスブルクです。

 スペインハプスブルクが終わっても、版図は至る所にありました。

 当時小国が乱立するイタリアにもあったそうです。

 

 ところが、

 皇帝である【神聖ローマ皇帝&オーストリア大公国のカール六世】が、

 跡継ぎを残さず死んでしまったので、

 長女が後を継ぎます。

 マリア=テレジアさんと言います。

 勿論、神聖ローマ帝国の選帝侯が、異議を唱えます。

 

ザクセン「女が皇帝?」

バイエルン「ザケンナ!」

 

 The 権力争いの勃発です(オーストリア継承戦争)

 注意:スペイン継承戦争とは別物です

 複雑な利害関係で、部外者も口を挟みます。

 

仏「国のトップは男がなるべきだ! だからハプスブルクに敵対する!」

 

 味方もいました。

 

英「女王様だってイイジャナイ」

 

 結果は、戦争の末に、和解で終わりました。

 マリア=テレジアの旦那さんが、皇帝になります

 

マリア=テレジア「でも、実権は私よ!」

旦那「ワシって傀儡(かいらい)?」

 

 マリア=テレジアさんは、

 ルイ十六世に嫁いだマリー=アントワネットのママさんです。

 

 どういう関係かって話です。

 ルイ十四世が同時期に侵略戦争をしました(参照:~それなりに昔編そのイチ~

 

・南ネーデルランド継承戦争

・スペイン継承戦争(※同じハプスブルクですがオーストリア継承戦争とは別モノ)

・三〇年戦争

 

 これらは、ブルボン朝(ルイ王様ズのこと)vsハプスブルクの構図でもありました。

 なので、マリーアントワネットとルイ十六世の結婚は、フランスとオーストリアの和議だったんだとか。

 簡単に言えば政略結婚です。

 国家であるフランスが気にするなんて、

 ハプスブルク家は相当大きかったようです。

 

 にしても。

 フィクションでは、敵として書かれる政略結婚ですが、こう言う事を知ると感覚がおかしくなってきそうです。

 少なくとも、和平の証ではある訳ですし。

 

主人公「政略結婚なんて間違ってる!」

お姫様「よよよ」

王様「大局が見えぬ若造が知った様な口を利くな!」

 

 こんなSS書いたらご一報下さい。

 

 

 神聖ローマ帝国は、リアルチート仏ナポレオンに負けて、崩壊します。

 んで、

 ドイツ連邦に変わります(ウィーン体制)

 ウィーン体制は王制を維持するのが目的でしたので、帝国が終わっても、プロイセンは王国として残ります。

 オーストリアは帝国として独立します。

 ここで、オーストリアからプロイセンに戻ります

 

 

◆◆プロイセン後編

 

 

 近世どころか近代にもなっているのに、ドイツ地方の国家は、未だ封建制度です。

 

英・仏「やーい、時代遅れー」

ビスマルク「これって、ヤバくね?」

米「田舎者~」

ビスマルク「イラ」

 

 ウィーン体制で作られたドイツ連邦は、英・仏・米と比較すると、烏合の衆に近いモノだったらしいです。

 なので、

 これはまずいとプロイセンのビスマルクが、統一国家を作ろうと、いろいろやり始めます。

 この時に主導権を巡ってオーストリアと戦争したのが、普墺戦争です。

 結果は、プロイセンの勝利。

 

 こうして、ドイツ帝国が出来ます。

 

 ビスマルクは、軍国主義にして、近代化を推し進めます。

 もちろん植民地政策も行うのですが、後発組ゆえに、イギリスの植民地政策と、モメる事になります。

 それぞれを、3B政策(独)と3C政策(英)といいます。

 これが、WW1どころかWW2の原因にもなるのですが、どう見てもヤクザ同士のシマ争い。

 ちな、ビスマルクは宰相(=首相)であって、皇帝ではありません。

 

 

◆◆第一次世界大戦の原因

 

 

オーストリア「ドイツ帝国に興味なんてないんだからね!」

 

 普墺戦争は、統一後の国が、【イチ民族=イチ国家】か【他民族国家】かどうか、という選択をする性質を持っていました(小ドイツ主義・大ドイツ主義)

 オーストリア帝国は、複数の民族がひしめきあう多民族帝国でしたので、多民族国家でないと困ります。

 が、オーストリア帝国はプロイセンに負けます。

 イタリア統一戦争でも負けて、イタリア半島の領地も失います。1859

 んで、権威が低下して、オーストリア帝国内に居る諸民族の影響力が大きくなります。

 

 オーストリア「イタリア半島になんて興味ないわ!」

 ハンガリー「しかたないね」

 

 ドイツ民族に継ぐ最大派閥のマジャール人(=ハンガリー人)と手を組む事にします。

 これで、オーストリア=ハンガリー帝国ができます(アウスグライヒ)

 長ったらしいので、オーストリアH帝国と省略します。

 時代は植民地主義です。

 西にはプロイセンがあるので、オーストリアH帝国の野望は、東に向かいました。

 

 ですが、ヤバイです。

 なにがヤバイって、その東側です。

 三つのヤバイがあります。

 

 その1)その東側は、露・英・仏・トルコと言った大国の思惑が交錯し、戦争という意味で火花が散っていました(ナイチンゲールが看護婦という意味で活躍したクリミア戦争も、その一つ)

 その2)その東側は、大国に支配されていたので、フランス革命を発端とする独立運動が、飛び火していました。

 その3)その東側は、大国に良い様にされてきたという経緯があって、同じ民族が国という枠で分断されていました。

 

東側の人たち「「「不満。かなり不満」」」

 

 その地域の名は、「The 火薬庫」バルカン半島です。

 

 なのに、オーストリアH帝国の偉いヒトは、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ併合を強行します。

 この地域には、東側の人たちであるセルビア人が沢山居ました。

 当然、隣国&同じセルビア人のセルビアの王様は、それがとても気に入りません。

 

セルビア王「学生よ。言わなくても分るな?」

学生「分りやした。鉄砲玉いって参ります」

セルビア王「くどい様じゃが、ワシの名は出す出ないぞ」

学生「ヘイ」

皇太子「なんだ、君は?」

学生「往生せいやーっ!(バッキューン」

 

 オーストリアH帝国の皇太子が、セルビア人学生に暗殺されます(サライェヴォ事件)

 勿論、オーストリアH帝国の偉いヒトは、大激怒。

 

セルビア王「……(すっとぼけ」

偉いヒト「バレバレじゃ! ボケェ!」

 

 んで、セルビアに宣戦布告します。

 

 第一次世界大戦 勃発(一九一四~一九一八)

 

 バルカン半島は国レベルで利害が絡む場所でした。

 なので多数の国が参加する事になります。

 

・三国同盟:ドイツ帝国・オーストリア=ハンガリー帝国・イタリア・ブルガリア(四カ国)

・三国協商:イギリス・フランス・ロシアなど(二七カ国)

 

 結果は、三国同盟の敗北で終わります。

 この大戦は、戦艦・潜水艦・戦闘機・戦車などの近代兵器が使われたので、エライ事になりました。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 このドイツシリーズは、当初オマケ扱いにするつもりでした。

 ところが、

 調べるととてもオマケで収まりませんでした。

 なので、 もう一回やります。

 次こそ最後

 

 

 

 

 

【オマケ1】

 今オーストリアと今ドイツは、共に同じ民族です。

 ですが、オーストリア人=ドイツ人と言うのは、タブーなんだとか。

 理由は多分WW2。

 

 

【オマケ2】

 イタリアも、状況的にはドイツと同じです。

 あの半島に小国がひしめいていたので、統一が遅れたんだとか。

 

 

【オマケ3】

 近代(=工業)化で英仏に追いつくなんて、ドイツも大概チートですね。

 

 

【オマケ4】

 WW1の犠牲者は推定三七〇〇万人だそうです。

 当時の世界人口が十六億人ですから、これは二パーセントにもなります。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。