藤丸立香は間違った青春ラブコメに巻き込まれる   作:小説大工の源三

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今回本格的に葉山へのアンチがあります。
無理な方はブラウザバック推奨です。


葉山は愚かにも一つの命を……

目を覚ますとまだ外は薄明かるく起きるのには少し早かったようだ。

 

「少し散歩してこよう」

 

オレは着替えて外に出る。気温も夏にしてはひんやりしていてとても気持ちがいい。

 

「立香さん?」

 

「マシュ、おはよう」

 

「おはようございます」

 

「この時間は涼しいね」

 

「はい……山の中は気温が低いですね」

 

しばらくオレ達は散歩して、宿泊施設に戻った。

すると葉山が既に起きていた。

 

「おはよう」

 

「ああ、おはよう藤丸くん」

 

「それじゃあオレ先に行ってるから」

 

オレは朝食の準備をする。

しばらくすると八幡達も起きて席に着く。

 

「みんなおはようご飯準備出来てるよ」

 

朝食を食べながら平塚先生の話を聞く。

今夜きもだめしやキャンプファイヤーをするのでそれの準備をする。

ぶっちゃけ木組み終わったらきもだめしまでほとんど自由なので、川で遊ぶ時にジャック達も呼んで遊ぶ予定だ。

 

「何か質問はあるか?」

 

全員質問もないので食事を続ける。

 

「立香さんキャンプファイヤーとはどういったものなんですか?」

 

「木を組立てたやつを燃やしてその周りを音楽に合わせて回ったり踊ったりするやつ」

 

「宗教みたいですね」

 

「改めてそう思うよ」

 

 

─────────────────────────

 

食べ終えたオレ達は丸太を組立てる。

 

「こうしてみるとジェンガみたいだな……」

 

「確かに……こう組立てた物を壊してくまでの一連が」

 

再び作業に戻り、十数分するとうなじに冷たい物が当たる。

 

「ひゃっ!」

 

「あはは!ドッキリ成功!はいおかあさん」

 

オレはジャックから飲み物を受け取り飲む。冷たい物が喉を通り抜けて行くのが気持ち良い。

 

「藤丸、比企谷、後は教師陣でやるから君達も自由にしたまえ」

 

オレと八幡はロッジで水着に着替えて川に向かう。

既に女子陣は川で遊んでいた。ジャックにナーサリーもいた。

 

「立香さん!」

 

マシュに呼ばれて振り向くと、そこには前の水着姿のマシュがいた。

 

「今回はそっちにしたんだ」

 

「はい、どうですか?」

 

「うん、似合ってるよ」

 

「立香さんも似合ってますよ」

 

「ありがと」

 

オレとマシュは水をかけ合ったり、水鉄砲で撃ち合ったりし楽しんだ。

木陰にいたボイジャーとエミヤの所に向かう。

ボイジャーは水が苦手だもんなぁ

 

「リツカ、私は釣りをしてくるからボイジャーのことを頼めるか?」

 

「いいけど、もしかして最初からそのつもりだったの?」

 

「勿論」

 

良い笑顔でエミヤは釣り道具を持って釣り堀に向かって行った。しかも鼻歌まで歌いながら。

アレ昭和に流行ったやつだし!

しばらくボイジャーと話していると、オレは忘れ物に気づき、ボイジャーに少し待ってもらう。そしてボイジャーの所に戻ると、エリセと葉山が言い合って……というよりエリセが葉山を敵視していた。

 

「エリセ?どうしたの?」

 

「立香、実は」

 

 

 

─────────────────────────

 

三人称side

 

 

「やぁボイジャーくん、そこにいないで一緒に川で遊ぼう?」

 

「ううん、ぼく水が苦手だからいいよ」

 

「でもジャックちゃん達も遊んでるし、それにそこまで深くないから大丈夫だよ」

 

と葉山がボイジャーの手を引っ張り川に引き込もうとしていた。

普段のボイジャーなら振り払えたのだが、一般人に怪我を負わせないよう、魔力放出していない。

そのためボイジャーの筋力は小学生並みのため振り払うことが出来なかった。

 

「離して!」

 

そこに止めに入ったのがエリセだった。

 

「ちょっと!ボイジャー嫌がってるでしょ!」

 

葉山の手を軽く弾く。

 

「えっと……君は?」

 

「宇津見エリセ、何でボイジャーを川に連れて行こうとしたの」

 

「みんな遊んでいるから彼も一緒に遊ぼうと思ったんだよ」

 

葉山はいつもの笑顔でエリセに話すのだが、エリセは何か違和感と薄気味悪さを感じ取った。

 

「ボイジャーは水が苦手なの、だからやめてください」

 

エリセは大事にならぬよう、一度頭を下げてボイジャーとこの場を離れようとしたのだが、葉山にボイジャーの手を掴まれそれを阻止された。

 

「でも苦手のままじゃダメだろう?僕がみてるから大丈夫さ」

 

「別に今でもなくていいでしょ?」

 

─────────────────────────

 

その時にオレが来たらしい。

 

「葉山やめてくれないか?オレもそろそろ怒るぞ」

 

「だが……「だがも糞もないんだ。やめてくれ」くっ……」

 

葉山は何か言いたげだったが、戸部達の所に戻って行った。

 

「やれやれ……ボイジャーごめんね一人にして、エリセも迷惑かけた」

 

「ぼくは大丈夫だよ」

 

「ううん、私も彼があんなにも強引な人だと思わなかったから」

 

すると八幡と雪乃がこちらに来る。

 

「どうしたお前ら」

 

「八幡に雪乃、実は──」

 

オレはエリセから聞いたまんまのことを話す。

 

「あいつ何がしたいんだ?」

 

「昔より悪化してるわ……」

 

八幡はため息を吐き、雪乃は頭を抑える。

正直オレも彼が何故ボイジャーに無理強いをしたのか理解出来ない。

 

「八幡、小町は?」

 

「あそこで休憩してる」

 

八幡が指差した所にはジャック達に振り回されて疲れはてた小町ちゃんの姿が見えた。

まぁジャック達の体力は底なしだからね……仕方ないネ。

 

「リツカ……ぼく、あの金ぴかの人、海にいたじぇいそんさんみたい」

 

海にいたイアソン……ああ、第三特異点のか……オリオンもくそ認定した時のイアソンは酷かったなぁ

 

「ジェイソン?」

 

「研修の時に海に行くことがあってその時にいた男の名前。葉山より露骨に嫌な奴発言が多くてね……」

 

マシュや結衣達もこちらに来る。

すると後ろからガサガサと音がして振り向くとそこに留美ちゃんがいた。

 

「藤丸さんとキリエライトさん」

 

「留美ちゃんどうしたの?」

 

「自由時間、朝ごはん食べて部屋に戻ったら誰もいなかった」

 

「小学生のやることかよ……」

 

「中々にひどいわね……」

 

「あの……そこの人達は?」

 

「頭のてっぺんに毛がちょこんと生えてるのが比企谷八幡、黒髪ロングが雪ノ下雪乃、ピンクの髪のが由比ヶ浜結衣、それでこっちが宇津見エリセ」

 

「鶴見留美です」

 

「よろしく留美ちゃん」

 

「藤丸さん達って小学生の友達っているんですか?」

 

「オレはいてもここ最近会ってないな……」

 

「私はいませんね」

 

「私も」

 

「俺もだ」

 

「あたしはいたけど会う人なんて2、3人位かな?」

 

「まぁ1クラス40人位と仮定して、クラスの中心にいる由比ヶ浜でさえ3人だ。あんま気にしなくても良いと思うぞ」

 

「そうなんだ……ねえ藤丸さんわたし──」

 

留美ちゃんはオレ達に今まであったこと、そして自分も悪いことをしてしまったこと、ジャック達と話してその子に謝りたいとそれでも次の日になってやっぱり不安になったことを話してくれた。

 

「なるほど……ちゃんと誠意込めて謝ったらいいよ。それでもしダメならジャック達がいる、だから大丈夫だよ」

 

留美ちゃんの表情はまだ暗いものの徐々に明るさを取り戻しているのがわかる。

その後しばらくジャック達と遊留美ちゃんは昼食の時間になるまで遊び戻っていった。

次、接触できるのはきもだめしの時だ。

まぁ留美ちゃんが今求めているものは手に入ったから大丈夫だ。

 

─────────────────────────

 

八幡side

 

きもだめしの準備の時間になり、俺達はおどかす用の衣装を用意されたのだが……

 

「なんというかコスプレ大会のやつだね……」

 

「ハロウィンだね立香くん」

 

「ハロウィン……ハロウィン……ウッアタマガ」

 

突然立香が頭を抑える。

 

「どうした?」

 

「ごめん変なこと思い出した……」

 

「そうか……」

 

「お兄ちゃん!」

 

小町の方を向くと肉球と尻尾に猫耳をつけていた。

 

「なんだそれ、化け猫?」

 

「そうなんじゃない?」

 

すると雪女の姿をした雪乃が突然現れ、猫耳など触り何を納得したのかわからないのだがうなずく。

相変わらず猫好きだなこいつ。今度カマクラ連れてってやるか。

 

「お兄ちゃん、雪乃さんの着物姿どう?」

 

「どう……かしら?」

 

「似合ってるぞ……」

 

鏡を見ながら百面相する結衣。

 

「騒がしい奴だな」

 

「うひゃあ!ハッチー!?」

 

「さっきから鏡の前で何やってるんだよ……」

 

「似合ってるかなって……どう?」

 

「……まぁいいんじゃねーの」

 

雪乃達と過ごすようになってから衣類の感想を聞かれるようになり、最初はあまり慣れず訳のわからない感想を言ってしまったが、最近は少しましなものになった気がする。

そして準備を終えた俺達は夜になるまで待つことになった。

 

─────────────────────────

 

小学生の班は昨日のオリエンテーリングと同じのようだ。

順番はくじ引きで決まる。のだが葉山が持つあの箱、妙に不自然な形をしていた。

くじ引きの箱を立香も睨んでいた。

 

「立香?どうしたんだ、箱なんか睨んで」

 

「いや、なんとなくあの箱怪しいと思って」

 

「お前もか。疑い過ぎなのかもしれないがな」

 

互いに納得して、配置につく。

俺と立香は見回りを担当している。

順当に進んで行くのだが突然立香の携帯が音を立てる。

 

「マシュ?どうしたの?……留美ちゃん?来てないけど……は?ルートから外れた?わかった、捜してくる。そっちも気をつけて……八幡、緊急事態だ」

 

「ああ、会話の内容を聞くにおそらく戸塚の所までは来てたはずだ……となると……カラーコーンの所か?」

 

「確かあそこって道を間違えないように置いてたんだよね」

 

「誰かずらしたんだろう、そしてそのさきに犯人がいるはず」

 

「不審者侵入の連絡とか来てないから内部犯だろうね……」

 

俺達は駆け足でカラーコーンの地点まで戻る。

 

「八幡!立香くん!」

 

「戸塚!鶴見達の班見てないか!」

 

「ううん、見てない。マシュさんから連絡を受けて僕も捜したけど見つからなくて」

 

「彩加、カラーコーンの先に行ったんだよ」

 

「カラーコーン!?何でそんなところに」

 

「知らないよ……でも確実に言えることは」

 

立香は一呼吸置く。

 

「ろくでもないことになっている」

 

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留美side

 

きもだめし、この林間学校での一番のイベント。

わたしの班は一番最後になり。順番がくるまで同じ班のメンバーの人達は四人でおしゃべりをしていた。

そして順番が来てわたしはみんなから少し離れた位置で歩く。

魔法使いの格好をしたお姉さん?の所を過ぎてカラーコーンが置いてある所と反対の場所に進む。

するとその先にいたのは、お札を持っている巫女さんではなく、金髪のお兄さん(・・・・・・・)だった。

 

「やぁ君達待っていたよ」

 

「お兄さん何でここにいるの?」

 

「僕はね、君達だけにお話しに来たんだ」

 

わたしはこの時、寒気と共にこの場から逃げ出したくなった。だけどわたしの足は、身体は凍ったかのように動かない。

 

「君達が留美ちゃんにいじめをしているって聞いてね。ちゃんと謝ってもらおうと思ってるんだ」

 

やめて、早く帰りたい。それだけがわたしの頭の中で繰り返される。

 

「いじめはしちゃいけないだろう?みんなで留美ちゃんに謝るんだ、出来るだろう?」

 

四人はわたしの方向を向く。その顔は憎しげにわたしを睨む。

 

「「「「ごめんなさい」」」」

 

「うん……」

 

「よし!これで仲直り出来たね!ここから行けば巫女さんの所に行けるよ」

 

わたし達の班は進む。しかし途中で立ち止まる

 

「ねぇ、鶴見あんたお兄さんにチクったでしょ」

 

「ホント最悪!」

 

「怒られちゃったじゃん」

 

「調子乗らないで」

 

四人がわたしを睨みながら怒りをぶつけてくる。

 

「ち、違う……」

 

否定しようと絞り出した声もかすれ声でまともに聞こえない。

彼女達は次々と悪口を言う。

そして一番聞きたくなかった言葉が飛び出す。

 

「あんたみたいなやつ『死ねばいいのに』」

 

わたしはその場から走る。

こんな暗闇の中やみくもに走れば自分が何処にいるかなどわかるもなく、道に迷ってしまう。

 

「あれ……ここ……どこ……?」

 

わたしは怖くなってきて、とうとう泣き出してしまう。

 

「ひっく……ジャックちゃん……ボイジャーくん、ナーサリーちゃん……何処?藤丸さん、キリエライトさん助けて……」

 

ガサガサと音が後ろからして振り向くと蛇が出てくる。

 

「シャー!」

 

「ひっ!」

 

後ろに後ずさろうと下がろうとした途端地面がなく、わたしは崖から転げ落ちてしまった。

 

(このまま死んじゃうのかな……?……嫌だ誰か助けて!)

 

─────────────────────────

立香side

 

オレ達はカラーコーンが元々あった地点を過ぎて、その奥に進む。そこにいたカラーコーンをずらした先にいたのは不敵な、何か目的を達成した笑いを浮かべた葉山だった。

 

「やぁ藤丸くん」

 

「葉山、留美ちゃん達の班見てないか?」

 

「ああ、彼女達ならここを通って行ったよ。それといじめは僕が解決したから問題はないよ」

 

オレは血の気が一気に引くのがわかった。

 

「何したお前!」

 

「いじめはいけない事だって教えてたのさ」

 

「なっ葉山、お前あいつらを話し合わせたのか!?」

 

「みんな良い子だったからねあっさり終わったよ」

 

ニタニタと笑みを浮かべる。

すると突然叫び声が聞こえる。

 

「誰の声?」

 

「さっきの班の子達だよきっと驚いただけさ」

 

葉山は何の心配もしない表情で答える。

 

「八幡、彩加叫び声の所に向かおう。嫌な予感がする」

 

オレは全速力で走る。そして令呪を使い、エミヤを呼び出す。

 

『令呪を以て命ずる!違和感なく合流しろエミヤ!』

 

木陰にエミヤが現れそこから徒歩で現れる。八幡や彩加からすれば違和感はないだろう。

 

「リツカ!鶴見くんは!?」

 

「わからない!」

 

「立香!ここから先は崖だ!」

 

「ってことは落ちたのか!?」

 

不味い、かなりの高さがある。間違いなく死ぬ。

オレはそれを意識した瞬間三人を置いていく速度で走る。そして留美ちゃんが崖下の木に引っ掛かっていたのを見つけた。しかし意識がなく、身動き一つ見ることが出来ない。

 

「留美ちゃん!」

 

オレはいてもたってもいられず崖をゆっくり降りていく。

そして留美ちゃんが引っ掛かっている木に到着、そしてエミヤに長いロープをおろしてもらい、腰にくくりつけて留美ちゃんをゆっくり抱える。

 

「エミヤ!ゆっくり引っ張ってくれ!」

 

「了解だ!」

 

ゆっくり引き上げたので2、30分ほどかかったが、留美ちゃんを引き上げることに成功した。

 

「リツカ、鶴見くんの身体なのだが相当ひどい……早めに病院に運んだ方がいい」

 

それを聞いたオレはエミヤに留美ちゃんを預け、病院に電話をする。

 

『はい、こちら救急センターです』

 

「夜にすいません!今女児が意識不明の重体、呼吸も浅く、出血していて身体の至るところに打撲の後があります。場所は千葉村です!」

 

『かしこまりました。すぐに救急車を向かわせます』

 

「エミヤとにかく今は」

 

「わかっている治療魔術を使う」

 

エミヤは治療魔術を留美ちゃんに使う。しかしエミヤが魔術を使えると言っても治療魔術はエミヤの得意とする魔術ではないので効果が薄かった。

クソっ

 

「立香!」

 

「八幡、彩加!留美ちゃん見つけた!」

 

オレは八幡達に留美ちゃんの容態を伝える。

そして救急車が到着、留美ちゃんを乗せて走って行った。

きもだめしの後のキャンプファイヤーも中止になり、留美ちゃんの班が小学校教諭に事情聴取をしていた。

そこで葉山の名前が上がり呼び出しを受ける。

 

「留美ちゃん大丈夫かな……」

 

「わからないよ……崖から滑り落ちたみたいだから……」

 

「そもそも何で留美ちゃんだけあそこにいたんですか?小町よくわかっていなくて……」

 

「葉山が鶴見達を話し合わせた後、鶴見に対して同じ班の奴らが悪口を言い、突然走り出したんだとよ」

 

「それでそのまま落ちたのね……あの男……何も変わっていないどころかとても酷くなっているわ!」

 

バンッと力強く木造の机を叩く。

 

「雪乃、落ち着いて」

 

結衣が雪乃を抱き締めて抑える。

 

「これからどうなるの?」

 

「停学は免れないでしょうね……」

 

オレ達はバンガローに戻り寝る準備をする。

葉山は別室で寝泊まりするようだ。

 

─────────────────────────

 

次の日、エミヤが乗って来た車に乗り込み自宅へ帰る。

ジャック達には伝えるべきか否か悩んだのだが、伝えることにした。

 

「ねぇおかあさん、その葉山って人解体していい?」

 

「ダメよジャック。そんなことしたら貴女がマスターとさよならすることになるわ」

 

「でも、葉山って人のせいで留美お姉さんは死んじゃう所だったんだよ!」

 

「落ち着きたまえジャック。彼には法の裁きを受けてもらうしかない」

 

「ううう……!」

 

ジャックは納得しないのか唸りながら地団駄を踏む。

 

「とにかく、今は留美ちゃんの無事を願うしかない」

 

オレ達は何も出来ない事が悔しくて拳を強く握り締める。

するとスマホから着信音が鳴る。

 

「八幡!留美ちゃんは!?意識を取り戻した!よかった〜」

 

「立香さん?留美さんは大丈夫ですか?」

 

「うん、目を覚ましたって」

 

「ならお見舞いに行こう!」

 

オレ達はお見舞いの品を買いにデパートへ向かう。

 

─────────────────────────

 

総武総合病院

 

あれから2、3日が経ち一般のオレも面会ができるようになる。

 

「留美さん身体に何か異常はないですか!?」

 

「うん、お医者さんが奇跡だって。後遺症も残らなくて、暫くしたら元の生活に戻れるって言ってた」

 

「よかったね留美お姉さん!」

 

ジャック達は喜んでいるのだが、留美ちゃんには癒えない傷が残ってしまった。

()の傷だ。あれから学校に行く事に恐怖はないのだが、一部のクラスメイトに対して近づく事が出来なくなった。

しかしそのクラスメイトは別の学校に転校したので会うことはほとんどなくなった。

 

「鶴見先生、娘さんを守る事が出来ずすいませんでした」

 

オレ達は頭を下げて謝罪する。

 

「いえ、皆さんは娘の為に頑張っていたのは平塚先生から聞いています。これからも娘と仲良くしてもらえると嬉しいです」

 

あの後平塚先生は鶴見先生や小学校教師に頭を下げに回っていた。

オレ達も着いて行こうとしたのだが、自身の監督不届きによるものだとオレ達は着いて行く事が出来なかった。

子供組が留美ちゃんと話しているのを眺めている内に時間が来てしまい帰る事になった。

鶴見先生には、オレの家に留美が遊びに来る許可をもらい、彼女がいつでも来れるようになった。

 

 

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