藤丸立香は間違った青春ラブコメに巻き込まれる 作:小説大工の源三
入学式の日の事故の翌日、オレとマシュは職員室で自分のクラスを教えてもらい担任と共に向かう。
クラスは1-Fだった。八幡も同じなので少し安心した。知り合いがほとんどいないので不安もあった。
「俺はこのクラスの担任の野村だ。よろしくな。それじゃあお前達には自己紹介をしてもらうぞ」
どうやら最初は自己紹介をするようだ。
入学式の時は軽い顔合わせだけだったようでまだクラスメイトのことは詳しく知らない状態らしい。
「それじゃ出席番号の一番からだな」
順番通り自己紹介をしていく。そしてオレの番になる。
「次は藤丸だな」
「はい。オレは藤丸立香、趣味は読書やゲーム、運動もある程度。一年間よろしくお願いします」
普通とか言うなよ……あまり慣れてないんだ。マシュは留学生ということもあり人だかりが出来ていた。
そこの男子、鼻の下伸ばすな。
それからはすぐに時間が過ぎていき、もう下校時間になり、オレとマシュは雪乃を玄関で待つ。
ものの数分で小走りで雪乃がこちらにやってくる。
「ごめんなさい待たせてしまったかしら」
「大丈夫、そんなことないよ」
「ではエミヤ先輩が迎えに来ているので行きましょうか」
ここから総武総合病院はかなり離れているのでバスを使うのだが、今日はエミヤに来てもらっているのですぐに行ける。
「えみや先輩?」
そういえば雪乃には迎えに来ることは話してはいたけど、どんな人物かは言ってなかったな。
「えっとオレとマシュが向こうに研修に行ってる所の先輩。白髪褐色の人だけど、れっきとした日本人だから安心して」
「わかったわ」
校門を出るとシルバーの車の近くにエミヤがいた。
「む、来たかマ……リツカ、マシュ。それとそこのお嬢さんが」
「うん、前に説明した雪ノ下雪乃」
「雪ノ下雪乃です。今日はよろしくお願いしますエミヤさん」
「こちらこそよろしく」
車に乗り込み八幡が入院している病院に向かう最中エミヤが念話で話しかけてきた。
『マスター、彼に魔術を使ったのか?』
『うん。気絶してたから』
『そうか、本来ならば注意するべきなんだろうが今回は許す。次からは自分かマシュに使いたまえ』
『はーい』
そんなこんな話してるうちに総武総合病院に到着、それぞれ荷物を持って病室に向かう。エミヤが紙袋を持っていたので中身を聞くと、『栄養食だ特にカルシウムなど骨にいいものをな』と言った。さすがカルデアのオカンだなぁ。
途中ピンクがかった茶髪の総武高女子とすれ違ったりした。
『808号』と番号が当てられている病室の扉を開くと、そこにはアルトリア達と似たようなアホ毛が立っている中学生位の少女が八幡の寝るベッドにいた。
「えっと……皆さん、どちら様ですか?もしかしてお兄ちゃんの言ってたお見舞いに来てくれた人ですか?」
沖田さんに結構似てるな……
「そうだよ。オレは藤丸立香、こっちがマシュ・キリエライト、それから保護者のエミヤ」
「私は雪ノ下雪乃です」
「えっと……わたしは比企谷小町です」
どうやら八幡の妹らしい。アホ毛がそっくりだ。
「突然大人数ですまない。小町くん、これを君のお兄さんに」
「あ、ありがとうございます……」
小町ちゃんが、差し出された紙袋を受け取り備え付けの冷蔵庫にしまう。
「皆さんお兄ちゃんの為にありがとうございます」
するともぞもぞと布団が動き、むくりと八幡が起き上がる。
「……んぅ?藤丸達か?」
「おはよ八幡、といってももうこんにちはの時間だけどね」
「おう……」
まだ眠そうだ。
「八幡さん、クラスですが私と立香さんと同じF組です」
「わかった、教えてくれてサンキュ」
「比企谷くん、そのこれを……」
雪乃が紙袋をテーブルの上に置く。紙袋をよく見ると有名菓子店の物だった。
あっさり出してくる辺りお嬢様なんだな……
「それとあの時あなたに言われた通り家族と話し合ったわ」
「それでどうだったんだ?」
「私の思い違いだったわ……」
「そらそうだ」
オレ達にはわからないが、事故当日の時に二人で話したのかな?それで仲良くなってるなら、とても良いことだ。
それからしばらく時間まで他愛もない話をして、オレ達は病院を出た。
雪乃は家の車が迎えに来ていたのでその場で別れ、オレ達はエミヤが送ってくれた。
「とりあえず、保護者として私が選ばれた。これからは私が親の代わりになるからそのつもりで」
エミヤがこっち側に残るのか、向こうにいるアルトリアズは大丈夫なのだろうか」
「駄々をこねたのでご飯を作らないと言ったら大人しくなったぞ。それと声に出てる」
「うぇ!?マジ?」
「気をつけてたまえ」
「うん」
その後、風呂に入って、歯をみがいて寝た。
あと少しで八幡も退院するし、来週の学校が楽しみだな~