藤丸立香は間違った青春ラブコメに巻き込まれる   作:小説大工の源三

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新年度初依頼と乱入者

春も終わりに近づき少し暑さが顔を出してきた頃、オレ達は八幡が見つけたベストプレイスで昼食を食べる。

弁当はエミヤが作ってくれた……と思うじゃん?(槍バカ)実はマシュが作ってくれたものだ。念願の恋人弁当!お世辞抜きに美味しい。オレの好みの味つけだし、見た目も綺麗だ。

八幡達とおかず交換したりする。八幡も去年の秋頃から自分で弁当作るようになったらしいし。

 

「リッカのお弁当やっぱり綺麗!」

 

「でしょ?マシュが作ってくれるからね~」

 

「同じ家に住んでるんだもんな」

 

「はい、雪山での研修で日本には家もないので、立春さんの家に同棲してますし、エミヤさんにも教わってます」

 

「いいなぁ~恋人と同棲なんてライちゃん羨まし~」

 

「雪山での研修が気になるけれど、とても苦労してきたのは火を見るより明らかね。二人が信じ合ってるのがわかるもの」

 

「そう?それなら嬉しいや」

 

「あたしえみやさんとは一回しか会ったことないけどどんな人なの?」

 

その質問にオレはカルデアでのエミヤのことを説明する。男なのにオカンと家事スキルが天元突破してること、それでいて強くて頼れるお兄さんだということ。

 

「あれか?執事(バトラー)なのか?その人」

 

「オレは家政婦だと思ってるけど」

 

するとジャージを着た、アストルフォ系統である彩加がこちらに来る。

 

「結衣ちゃん?」

 

「あれ?さいちゃん?やっはろー!」

 

「うん、やっはろー」

 

「彩加、久しぶり」

 

「彩加さんお久しぶりです」

 

戸塚彩加、去年オレ達と同じクラスでテニス部所属。

最初は女子生徒かと思ったのだが、アストルフォと同じ気配を感じ念のため聞くと男子生徒だった。たまにテニスをする仲でもある。

 

「テニスの練習してたの?」

 

「うん。藤丸くんも知ってる通りうち弱いからね。練習しないといけないし」

 

「また時間が合ったらテニスやろう」

 

「そうだね」

 

ふと一つ考えた。彩加のテニス練習手伝えないかと。ここにはオールマイティーで観察眼を持つ八幡、ほぼ熟練者の雪乃、元デミ鯖であふマシュがいる。

 

「ねぇ雪乃、彩加の練習手伝えないかな?」

 

「戸塚くんがそれを望むならだけれど……」

 

そうだよね~

テニスコートに戻る彩加を見送り、いつ時間が空くか考える。

 

「なぁ立香、うちに女子テニあったか?」

 

「ハッチー、さいちゃんは男子だよ」

 

「えっ……嘘だ、嘘だと言ってよバーニー!」

 

「ところがどっこい嘘じゃありません!」

 

「一条かてめぇ!」

 

「八幡も現実を見なさい……」

 

やれやれと何時もの仕草で呆れる雪乃だった。

 

─────────────────────────

 

放課後、一つの依頼が入った。内容と依頼主は彩加だった。内容も『テニスの練習を手伝って欲しい。自分が強くなれれば他の部員もやる気をだしてくれるかもしれないから』とのことだった。翌日の昼休みにテニスコートの使用許可を取り、メールで彩加を呼び、練習の準備の為にラケットとボールも借りる。

最初、練習メニューを考えることにしたのだが雪乃の考えるメニューはかなり鬼畜だったので却下することになる。(レオニダスブートキャンプを経験したオレとマシュには慣れたもので、そこまで鬼畜に感じられなかったが)

カルデアに戻りメニューを考えるのを手伝ってもらったのだがあまりにも鬼畜過ぎるのでエミヤが考えたもので実行する。

 

「行くよ彩加!」

 

「うん!」

 

オレはサーブを勢いよく放つ。3割ほどの力で打つ、本気でやったら彩加が絶対に取れない。マシュしか取れないと思う。

そのサーブを打ち返すのだ、正直な性格故か返した先が読まれやすい。彼も修正しようとしてるのだが染み付いたものは中々直せない。

しばらくラリーを続けそろそろ彩加の体力が限界に近いのでボールをキャッチして止める。

 

「彩加ー休憩!」

 

「はーい!」

 

休憩時間にはメニューの再確認、蜂蜜レモンなどの塩分&水分補給。世間話などの会話でストレス軽減。

 

「藤丸くん体力すごいね息切れもまったくしてないし」

 

「本当こいつ体力化物だろ」

 

「失敬な、オレは人間だぞ」

 

10分の休憩も終わり次は反復横跳びのように、左右に移動しながら打ち返す練習をする。

 

「結衣さん私飲み物を買って来るのだけれど何かいるかしら?」

 

「うーんお茶お願いハッチーは?」

 

「俺もお茶で、ほれ」

 

「いえ、お茶くらいいいわ」

 

「俺は養われる気はあっても施しを受けるつもりはない」

 

「何が違うんですか……」

 

雪乃が飲み物を買いに校舎へ戻る。

すると彩加が無理に動き過ぎたのか体制を崩し勢いよく転ぶ。

 

「彩加!?大丈夫?」

 

「うん……少し擦りむいただけだから。続けよう」

 

「いや、やめた方がいい。無理にやっても意味はないからな」

 

「私、救急箱取って来ます」

 

「マシュお願い」

 

マシュが駆け足(それなりに速いが)で校舎に戻る。

それから少しするとコートの外から声が聞こえる。

 

「あーテニスしてんじゃん。あーしらも遊んでいいしょ?」

 

「み、三浦さん……僕らは遊んでるんじゃなくて練習を……」

 

「聞こえないんですけど?」

 

少しイライラする(ネロやエリちゃん等もわがままだがまだ保護者などがいるので別)が、穏便に済ませたいのでこちらが使っている理由を話す。

 

 

「彩加は遊んでいるんじゃなくて練習で使ってるんだ」

 

「でも、あんたらも使ってんじゃん」

 

「でももくそもねぇよ俺達は許可取ってここ使ってるんだ。使いたいなら許可取れ」

 

座っていた八幡がこちらに来て反論する。

 

「はぁ?あんたらが許可取ってるなら使わせてくれてもいいじゃん」

 

オレはさすがに強く言わないと調子に乗ってさらに威圧してくると思い、語気を強くして注意しようと息を吸い込んだところで、そばにいたおそらくグループのリーダーであろう人物が口を開く。

 

「まあまあ、そんな喧嘩腰にならないでさ、みんなでやった方が楽しいだろう?」

 

「んなこと許される訳ないだろうが」

 

すると、何か思い着いたのか、金髪はあり得ない提案を持ちかける。

 

「ならさ、こういうのはどうだい?テニスで勝負して勝った方がコートを使うってことで」

 

するとわらわらと人が多集まる。それで目の前の金髪の名前を思い出す。

葉山隼人、総武高校のリア充グループのリーダーでサッカー部所属。女子人気も高いカリスマ的存在。

だがオレは彼よりもすごいカリスマを見てきた。獅子王(アルトリア)征服王(イスカンダル)賢王(ギルガメッシュ)、等の英雄達のカリスマに比べれば恐るるに足りない。正直に言ってゴミだ、この程度のカリスマは比較するのも烏滸がましい。

 

「葉山君テニスするの?」

 

「ああ、そこの彼等とね」

 

「頑張ってね!」

 

なるほどな、こうやって周囲の人を同調させて少数派を諦めさせる作戦か。

だが甘い!八幡が飲むMAXコーヒーよりも甘い!

オレはその程度で怯むほど弱くはない!

まぁ正直言って2対1でも勝てるけど。一般人の弾速なんて英霊達のスピードに比べれば遅い。

だが勝負して彼等にコートを勝手に使わせてとばっちりが来るのは、面倒臭い。

 

「却下も却下、ド却下だ。なんでオレ達に利益のない勝負をしなきゃいけないんだ」

 

「なに?負けるのが怖いんだw」

 

「別にそう捉えても構わないけど。とにかく使いたいなら許可を取って来てくれ」

 

すると、雪乃が校舎からお茶を持って戻って来た。

 

「どうしたのかしら?」

 

「雪乃、実は……」

 

オレは雪乃がいなかった間にあったことを話す。

 

「はぁ……葉山くんはまたやったのね」

 

「雪乃ちゃん……」

 

「名前で呼ばないでちょうだい」

 

「ごめん雪ノ下さん」

 

「立香さーん!すいません、保健室に先生がいなかったので時間が……どういう状況ですか?」

 

オレは雪乃に説明と同じ説明をする。

 

「なんというか自分勝手ですね」

 

「ホントだよ」

 

「それと私も一言言って来ます」

 

マシュも葉山達の所へ向かう。

その後言い負かされたのか葉山達は校舎に戻って行った。

 

「ようやく帰ったか」

 

「彩加の手当て終わったよ」

 

「藤丸くんありがとう」

 

「どういたしまして。これからも頑張ってね」

 

 




ぐだ男がぐだ男してない気がする。
まあ葉山のカリスマ(笑)に比べて英霊達のカリスマには当たり前のように敵いませんし足下にも及ばないよね(笑)
八幡はぐだ男と友達になっていてリア充に立ち向かう勇気が少しあります。
ぐだ男は無意識に無差別に人を惹き付ける魅力もありますし。
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