藤丸立香は間違った青春ラブコメに巻き込まれる   作:小説大工の源三

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チェーンメールなんてガキのやることさね

川崎沙希の深夜バイト問題を解決し、中間テストも終わり職場見学の時期が近づいて来た。

オレは特にこだわりも無くおそらくこのままカルデアに所属することになると思うので(一度魔術協会に辞めさせられかけたが英霊達が暴走し、その結果留まれることになった)、適当に決めた。

 

「今日は何か依頼って来る?」

 

「いえ、何も来てません」

 

「それじゃあゆっくり過ごせそうだね」

 

放課後になり部室へ向かうが、鍵がかかっていたので職員室へ向かい鍵を取りに行く。

すると八幡が平塚先生に怒られていた。

理由を聞くと志望場所が自宅という『何書いてんだお前』という理由だった。

 

「八幡……」

 

「八幡さん……」

 

マシュが冷たい目(剣スロよりはまし)を向けていた。

 

「とにかく書き直してこい」

 

「うっす……」

 

「平塚先生、部室の鍵ください」

 

「わかった少し待ってくれ」

 

平塚先生は鍵を取りに鍵棚へ向かう。そして鍵を手渡されそのまま八幡と向かう。道中、雪乃と結衣と遭遇し、そのまま部室へ行く。

依頼がないとは言え突然来る可能性がないわけではないので部室でだらだらする。

すると携帯を弄っていた結衣が嫌な顔と声を出す。

 

「うわっ……また来た……」

 

「結衣さんどうしたんですか」

 

「ライちゃん……さっきこれが来たんだ……」

 

「えっと……悪口ですね」

 

「チェーンメールか」

 

「うん……こんなの来ると気分悪いよ……」

 

するとノックする音が聞こえる。雪乃が「どうぞ」と言うとノックの主が入って来る。「失礼するよ」と言うのは染められた金髪の男子生徒、葉山隼人だった。

 

「突然遅い時間にごめんね」

 

「能書きはいいから用件を言え」

 

「えっとこれを見てくれるか」

 

葉山がオレ達に見せたのは携帯の画面だった。そこに写し出されていたのはメールのようで、内容は特定の三人を悪く言うものだった。

 

『戸部は西校で暴れている危ない男』

 

『大岡は試合でエース潰しのラフプレーする糞』

 

『大和は3股する最低野郎』

 

と書かれていた。

しかしながら明らかに誰が書いたかわかるものだった。

 

「それあたしの所にも来てたやつだ……」

 

「今時そんなことやる奴いるんだな、無益なのに」

 

「それでこれをオレ達にどうして欲しいの?」

 

「止めて欲しいんだよね。こういうのが流れてると空気が悪くなるからさ。丸く収めれないかな?犯人も捜したくないし」

 

そう言うのだが、なぜ丸く収めるなんて言うのだろうか。こういうことは犯人を突き止めて反省させるのが普通だ。そもそも犯人は葉山グループの一人なのだから、仮に丸く収めたとしてグループ内の人間は安心して過ごせるのだろうか?

自分の周りに悪口を平気で書く奴が居て次は自分が書かれるかもしれない、という恐怖が付きまとうのに、だ。

オレだったらそのグループにいられない。

■■■■■に裏切り者がいると言われた時も訳がわからなかったがだんだん怖くなっていった。

 

「わかったわ。まずは犯人捜しをしましょう」

 

「いや何でそんなことになるんだい?」

 

「チェーンメール人として最低な行為よ。陰口と同じです人にバレないよう見えない所で人を陥れ自分は免れる……許されざる行為よ」

 

「ゆきのん……」

 

どこか悲しい空気を雪乃が纏ったのを感じたのか、結衣が雪乃に寄り添う。

彼女も前に被害に遭ったことがあるのだろう。

 

「それより何時からだ?」

 

「えっと……確か先週くらいからだったよハッチー」

 

先週というと……確か職場見学のグループ分けがあった。

 

「職場見学のグループ分けがあったね」

 

「なるほどな葉山と同じグループになりたいがためにこんなメールを送ったのか」

 

「うわ、くだらな。小学生かよ」

 

幼稚だなぁ~

 

「つまり犯人はこの三人の内の誰かって訳ね」

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ。ホントに三人なのか?三人のことが書かれてるのに」

 

「むしろ自分が疑われないように自分のも書くのが普通だと思うのですが……」

 

「マシュの言う通りだ。むしろ自分だけ書かなかったら逆に怪しいだろ」

 

「というかオレ犯人わかったよ」

 

むしろ自分ですって犯人言ってるし。

 

「「「えっ?」」」

 

「立香さんもですか」

 

「オレはこの場で言ってもいいけどさ、誰かが言って欲しくなさそうだから言わない」

 

「解決策なら俺は浮かんだぞ」

 

「三人共すごいわね……私なんてさっぱりよ……」

 

「あたしも……」

 

「とりあえず葉山、お前はこの三人と組むな。もしくは三浦達と同じところ行け、どうせその三人もお前について行くんだろうし」

 

「あ、ああ、わかったそれじゃあ」

 

そのまま葉山は部室から出ていった。

 

「ねぇリッカにライちゃん。犯人誰か教えてくれる?」

 

そう聞いて来たのは意外にも結衣だった。

 

「別にいいけど……大丈夫なの?自分がいるグループなのに」

 

「別に大丈夫だよ、葉山くんのグループは優美子と話したりするうちにいつの間にかなってただけで、あたしが本当にいる場所はここ、『奉仕部』だよ」

 

そう言って、笑う彼女。

 

「なら言っちゃうか……犯人は『大和』だよ」

 

「何故?」

 

「なるほどそう言うことかよ」

 

「ハッチー?何でわかったの?」

 

八幡は気づいたみたいだ。理由説明を彼にお願いする。

 

「三人のうちバレたとしてもさほど問題にならないのが大和だけだからだ」

 

「八幡の言う通りさ。しかもこれは逆に考えれば『3股出来るほど魅力がある』とも捉えられる」

 

─────────────────────────

 

その後葉山は自分のグループのメンバーと一緒に見学に行くことになり事態は終息した。

職場見学が終わり帰る頃になる。すると八幡と雪乃にLINEで呼び出されたので向かう。

結衣がいないのでどうしたのか聞くと、そろそろ彼女の誕生日が近づいて来たので一緒に選びに行こうということだった。

 

「おっけ、それじゃ明日ね」

 

「さようなら」

 

「じゃあな」

 

「ええ、さようなら」

 

 

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