バトルスピリッツ Sky Load   作:メガイラ

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 ようやく、奴が出ます。個人的に2位3位を争う程、気に入っているカードです。




その名は化神(ゴッド)

 

 

 

「──それで、尻尾巻いて逃げてきたってわけかい?」

 

 

「す、すみません! で、ですが、まさか別のパーティが現れるなんて──「見苦しい言い訳をするなッ!」──ヒィッ!」

 

 

「ったく。……だが、[地竜]の創界神(グランウォーカー)使い、ねぇ。」

 

 

 

 

 

 ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

 

「ええ。今俺達は『地竜軍』と名乗る盗賊団のアジトがあると思われる山の近くに来てる訳だが、これからどうするべきか何か意見がある奴は?」

 

 

「はいッ、スティール隊長!」

 

 

「………どうぞ、メイ隊員。」

 

 

「こんなところで作戦会議してないで突げk「却下だ。」何故!?」

 

 

 アマト達は盗賊に襲撃された村の人達からの情報を元に、アジトがある場所を特定、現在は茂みの中でどうやって盗賊達を壊滅させるかを話し合ってるところだ。

 

 ……順調かどうかは別問題であるが。

 

 

「当然でしょう。罠とか待ち伏せとかあるでしょうし。」

 

 

「私達メイちゃんみたいに無鉄砲な行動はしないしねぇ。」

 

 

「アカリちゃんにミヨちゃんまでも否定!? ア、アマ兄は違うよね!?」

 

 

 白の軽装備の少女『アカリ』に続き、忍び装束を着た少女『ミヨ』からもダメ出しを受けたメイはアマトに泣きつく。が──

 

 

「バカの一つ覚えの如くバカ正直に突っ込むお前の癖は直すべきと思う。だから相手のハッタリにバカみたいに引っかかるんだ。」

 

 

「実の兄にバカって言われたッ!? しかも3回もッ!! うわぁァァァっっ! みんな私をいじめるぅぅぅぅ!!!」

 

 

「何なのよこれ……。」

 

 

 アマト達の会話に入れずカイトと共に蚊帳の外と化したモモミはそう呟いた。

 

 

「大丈夫ですよ。メイちゃんとアマトお兄さんはいつもこんな感じなので。」

 

 

「全然安心できないんですが。」

 

 

「てかミヨ、だったわよね。あなたアマトの妹じゃなんでしょ? なんで『お兄さん』ってつけてるのよ。」

 

 

「それはメイちゃんのお兄さんだからなの。」

 

 

「んな無駄話は置いといて、盗賊のアジトはどう探す? 俺の妹みたいにバカだけの集まりな訳ないだろうし。」

 

 

「メイ、相棒から間接的に4回目のバカを言われた感想は?」

 

 

「アマ兄も実の妹に対して失礼だと思いまーす。アウチッ!」

 

 

「……どうしたもんか。」

 

 

 メイをデコピンで無理矢理黙らせたアマトがアジトを見つける方法を考えてると──

 

 

「アタシは『地竜軍』の頭領、名はグレン! そこに隠れてるのはわかってんだよ、出てきなッ!」

 

 

「…………。アマト、どうやらリーダーはバカみたいだぞ?」

 

 

「そのようだね……。」

 

 

 アマト達がゆっくりと茂みから顔を出すと、10人程の取り巻きを引き連れたガタイの良い女性が立っていた。その取り巻きの中にはアマト達から逃げた盗賊達もいる。

 

 

「あんた等、ウチの子分達を随分可愛がってくれたみたいじゃないか。この落とし前はキッチリ支払って貰うよ!」

 

 

「わ〜、ヤクザっぽいノリじゃん。」

 

 

「どうでもいいさ。戦って勝つ事がクエストクリアの条件だろうしな。よし、今回は俺が──「あんたはすっこんでな。」──ア"ア"ッ?」

 

 

「アタシが落とし前を払わせたいのは、あんただよ。」

 

 

 腕を回しながら前に出たスティールを一蹴したグレンはアマトを指差す。

 

 

「……は? 俺?」

 

 

「部下からの報告に面白そうな話を聞けてねぇ。

 

 『変な帽子を被った[地竜]の創界神使いと戦った』と。『地竜軍』の頭として、戦わずにはいられないのさ!」

 

 

 グレンは自身のデッキを構え、戦闘態勢に入る。

 

 

「良かったねアマ兄、ご指名だよ! ファイトォォ、一発ッ!」

 

 

「全ッ然、良くねぇんだが!? スティールがやりたがってるのにどうしてこうなる!? お前も何か言えよ!」

 

 

「……アマト。あのババァをぶっ潰して来い。」

 

 

「なんかキレてるし!? ……ハァ、わかったよ。」

 

 

 自分が行かないと話が進まないと察し、アマトはため息を吐きながらデッキを取り出す。

 

 

「それじゃあ、準備はいいか!?」

 

 

「いつでも。」

 

 

「「ゲートオープンッ、界放ッッ!!」」

 

 

 

 

 

 ◇ ◆ ◇ 

 

 

 

 

 

 バトルフィールドへと移動したアマトとグレンはそれぞれのデッキを台上にセットしカードを4枚引く。その様子をスティール達とグレンの部下達が映像を通じて眺めている。

 

 

「先行は俺が取る。スタートステップ。

 

 ドローステップ。(手札4→5)

 

 メインステップ。ネクサス、『スサノヲの轟天神殿』を配置してターンエンド。

(リザーブ4→0 手札5→4)」

 

 

 アマトの背後に巨大な社が出現し、彼はそのままターンを相手に渡した。

 

 

「さあぁて。地竜を使う者同士、派手にやろうか! スタートステップ!

 

 コアステップ!(リザーブ4→5)

 

 ドローステップ!(手札4→5)

 

 メインステップ! こっちもネクサス、『海底国の秘宝』を配置!

(リザーブ5→1 手札5→4)

 

 そしてマジック、『ストロングドロー』! 3枚ドローして2枚を破棄するよ!

(リザーブ1→0)」

 

 

 グレンの背後に三つの海竜の像とその間に安置されている赤い宝玉が出現する。その後グレンは3枚カードを引いた後、以下の2枚をトラッシュへ送った。

 

 

 海底国の秘宝[ネクサス]

 

 海魔巣食う海域[ネクサス]

 

 

「最後はバーストをセットしてターンエンドさ!

(手札4→3)」

 

 

『青のネクサスにマジック。今のところ地竜のちの字もありませんが、アマトさんと同じ赤青の混色デッキのようですね。』

 

 

『………だとしたら妙だな。』

 

 

 アカリは相手の動きを観察し、デッキの内容を推測する。しかしそれを聞いたスティールはある違和感を感じる。

 

 

 (青の【連鎖】を使いこなす[地竜]はスサノヲの配下のスピリットがほとんど。それ以外のカードは正直使いづらい物ばっか。主戦力になれる様なカードは存在しない筈。)

 

 

「───、スタートステップ。」

 

 

 スティールの違和感はアマトも感じているようだった。

 

 

「コアステップ。(リザーブ0→1)

 

 ドローステップ。(手札4→5)

 

 リフレッシュステップ。(リザーブ1→5)

 

 メインステップ。創界神ネクサス、『創界神スサノヲ』を配置!

(リザーブ5→4 手札5→4)」

 

 

 光の粒子が集まりアマトのキーカード、『創界神スサノヲ』が顕現した。

 

 

「こいつが言ってた創界神かい。いい面構えな神様じゃないか。」

 

 

「同名カードが存在しないので配置時の神託(コアチャージ)を発揮。俺のデッキを上から3枚トラッシュに、──ッ!」

 

 

 トラッシュに置かれた3枚のカードを見たアマトは思わず目を見開いた。

 

 

 ディモルフォノスケ

【コスト3 [地竜]】

 

 ディモルフォノスケ

【コスト3 [地竜]】

 

 護国ノ威光

 

 

『マジかよ、絶好のチャンスだというのにディモルフォノスケが2枚落ちるか!?』

 

 

『うぅッ、アマ兄のネクサス破壊とコアブ要員なのに……。』

 

 

 神託の結果にスティールとメイは戸惑いを隠せなかった。

 

 

「……、対象は2枚。よってスサノヲにコアを2つ置く。

(スサノヲ0→2)

 

 だがこの瞬間、トラッシュの『護国ノ威光』の効果! スサノヲの神託でトラッシュに置かれた時、手札に加えられる。そうした時、自分の創界神にコアを1つ追加する。よってスサノヲにコアを追加!

(手札4→5 スサノヲ2→3)」

 

 

 トラッシュから自動的に『護国ノ威光』が浮かび上がり、それをキャッチしたアマトが手札に加える。

 

 だが──

 

 

「せっかくトラッシュから回収したところだが残念だったね。

 

 相手の手札が増えた事により、バースト発動!」

 

 

 グレンがセットしていたカードが裏返る。そのイラストを見たアマトは驚きの声を上げる。

 

 

「ッ!? 『グリードサンダー』ッ!?」

 

 

「そうさ。そしてこのマジックはバーストが発動した時、相手の手札が5枚以上あればその手札全て破棄させる!」

 

 

「グッ!!

(手札5→0)」

 

 

 アマトが持つカードに青い稲妻が走り、その痛みに思わずアマトは手を引いた。そして彼の手から離れた以下のカード達はトラッシュへと落ちてしまう。

 

 

 護国ノ威光[マジック]

 

 ゴッドシーカー パラサノカンナギ[スピリット]

 

 海将軍イサリビノツカサ[スピリット]

 

 絶甲氷盾[マジック]

 

 地爪竜エルリコショウ[スピリット]

 

 

「その後、相手はデッキから2枚ドローする。さぁドローしな。」

 

 

「………。──クソッ。

(手札0→2)」

 

 

『そ、そんな。イサリビノツカサがトラッシュに……。』

 

 

『おまけにアマトお兄さんのあの表情。非常に悪い手札かも……。』

 

 

『ウオオオォォォ! さすが姐御!』

 

 

『そのままやってくれぇぇぇ!!』

 

 

 引いた2枚のカードを見たアマトは顔を歪めながら悪態をつく。その様子にカイト達は暗い表情をし、逆に地竜軍らはグレンが押してる為に盛り上がり出す。

 

 

「……ネクサス、『スサノヲの轟天神殿』をもう1枚配置。

(リザーブ4→3 手札2→1)

 

 バーストをセットし、ターンエンド。

(手札1→0)」

 

 

『バーストは引けたか。けど……。』

 

 

『アマトさんの手札は0。手札を増やすカードが来ない限り1枚だけで戦わなければいけないなんて……。』

 

 

 カードバトルにおいて手札の枚数が多いほど大きなアドバンテージとなる。何を握っているのかわからない不確定要素を相手に与えるからだ。

 

 

「さて、向こうが立て直す前に準備を進めとくかい。スタートステップ!

 

 コアステップ!(リザーブ0→1)

 

 ドローステップ!(手札3→4)

 

 リフレッシュステップ!(リザーブ1→6)

 

 メインステップ! ソウルコアも使って『エイプウィップ(RV)』を召喚!

(リザーブ6→1 手札4→3)」

 

 

 エイプウィップ

【レベル1 BP1000 コア1】

 

 

 グレンのフィールドに細長い腕をした緑色の猿が現れる。

 

 

「召喚時効果発揮! ボイドからコア1個をリザーブに!

(リザーブ1→2)

 

 更に、ソウルコアを召喚コストに使用したのでトラッシュに2個追加!

(トラッシュ4→6)

 

 更に更に! 『ピナコチャザウルス』も召喚!

(リザーブ2→0 手札3→2)」

 

 

 ピナコチャザウルス

【レベル1 BP1000 コア1】

 

 

 次に召喚されたのは背中に1列に並んだ棘に尻尾の先がハンマーの様な形になっている赤のスピリットだ。

 

 

『緑のスピリットに緑としても扱える地竜のスピリットも出るのですか!? 一体どんな構築なんでしょうか?』

 

 

『あの猿だけならコアブ要員だろうが、赤緑の【連鎖】も入れてるのか?』

 

 

「バーストを再びセットし、アタックステップ! ピナコチャザウルス、アタックしな!

(手札2→1)」

 

 

「ライフで受ける! ──ッゥ!!

(ライフ5→4)」

 

 

 ピナコチャザウルスが誰もいないアマトのフィールドを走り、尾のコブでアマトのライフを1つ削った。

 

 

「次だ、エイプウィップ! あんたも──」

 

 

「させるか! ライフ減少により、バースト発動ッ!!」

 

 

 アマトの声に合わせ伏せられていたカードが裏返る。そのカードは『グリードサンダー』の様なマジックカードではなく、赤のスピリットカードだ。

 

 

「バースト効果により、BP17000以下の相手スピリット1体を破壊する! エイプウィップを破壊!」

 

 

 突如、エイプウィップの全身が燃え上がる。エイプウィップは慌てながらその炎を振り払おうとするも、塵一つ残らず消えてしまう。

 

 

「そしてバースト効果発揮後、コストを支払わずこいつを召喚する。現れろ! 『大凶龍(だいきょうりゅう)ギガノマガツカミ』! レベル2で召喚ッ!

(リザーブ4→1)」

 

 

 フィールドに現れた赤のシンボルを切り裂く様に砕き、背中に巨大な金色の腕と自身の体と同じ大きさの剣を持ったスピリットが降り立つ。

 

 

 ギガノマガツカミ

【レベル2 BP10000 コア3】

 

 

「ギガノマガツカミのレベル2、3の効果! 自身のBPを+10000アップさせる! よってギガノマガツカミはBP20000となる!

 

 そしてスサノヲに神託!

(スサノヲ3→4)」

 

 

 ギガノマガツカミ【BP20000(10000+10000)】

 

 

 一気に力を高めたギガノマガツカミが大きく吠える。

 

 

「ふっ、ターンエンド。」

 

 

 しかしそれを見てもグレンは驚くどころかむしろ余裕の態度だった。

 

 

「スタートステップ。

 

 コアステップ。(リザーブ1→2)

 

 ドローステップ。(手札0→1)

 

 リフレッシュステップ。(リザーブ2→4)

 

 メインステップ。兜竜(かぶとりゅう)パキケロウをレベル2で召喚!

(リザーブ4→0 手札1→0)」

 

 

 兜竜パキケロウ

【レベル2 BP7000 コア3[ソウルコア]】

 

 

 ギガノマガツカミの横にパキケロウが召喚される。そのパキケロウだが、ギガノマガツカミを見て、一瞬だけ気圧されてしまった。

 

 

「神託対象が召喚されたのでスサノヲに神託。

(スサノヲ4→5)

 

 アタックステップ! パキケロウ、アタックだ!

 

 パキケロウのレベル2、3アタック時効果、俺のデッキを1枚オープンし、赤のカードならBP+10000、青のカードならコアを2つ追加する!」

 

 

 アマトのデッキから1枚のカードがオープンされる。オープンされたカードは『カイエンハイドラ』。赤と青の2色のカードだ。

 

 

『赤のカード、って事はBPアップ?』

 

 

『え? でも青のカードだからコアを増やすんじゃ?』

 

 

 モモミとカイトがどちらの効果なのか悩み出す。そこへアマトの口から答えがでる。

 

 

「『カイエンハイドラ』は赤と青のカード。この場合2つの効果を同時に発揮する! よってパキケロウはBP+10000、更にコアを2つ追加! これによりパキケロウはレベル3へとアップ!(パキケロウ3→5)」

 

 

 兜竜パキケロウ

【レベル3 BP19000(9000+10000) コア5[ソウルコア]】

 

 

 BPとコアを増やしつつパキケロウが突撃する。

 

 

「ライフだ! くれてやる!

(ライフ5→4)」

 

 

「ターンエンド。」

 

 

「なんだい、もう1体はアタックしてこないのかい?

 

 まあこっちは遠慮はしないさ! スタートステップ!

 

 コアステップ!(リザーブ2→3)

 

 ドローステップ!(手札1→2)

 

 リフレッシュステップ!(リザーブ3→10)

 

 メインステップ! マジック、『ストロングドロー』! 3枚ドローしてこの2枚を破棄!

(リザーブ10→9

 

 

 海魔巣食う海域[ネクサス]

 

 黄昏の暗黒銀河[ネクサス]

 

 

「次はブレイヴ、『フォビッド・バルチャー』を召喚!(リザーブ9→5 手札2→1)」

 

 

 フォビッド・バルチャー[ブレイヴ]

【レベル1 BP4000 コア1[ソウルコア]】

 

 

『あのブレイヴ! 確か召喚時効果で──』

 

 

「フォビッド・バルチャーの召喚時効果! トラッシュの紫、緑、青のネクサス全てを、コストを支払わずに配置する! これにより『海底国の秘宝』、『海魔巣食う海域』2枚、そして『黄昏の暗黒銀河』の合計4枚を配置する!」

 

 

 グレンのフィールドに次々とネクサスが現れる。その光景は圧巻の一言であろう。

 

 

「これでターンエンドだ。」

 

 

『あ、今回はネクサス配置だけなんだ。』

 

 

『ですが大量のコアに軽減確保用のネクサス。これで次のターンを渡したら高コストのスピリットが出てくる可能性が高くなります。』

 

 

「俺のターン。スタートステップ。

 

 コアステップ。(リザーブ0→1)

 

 ドローステップ。(手札1→2)

 

 リフレッシュステップ。(リザーブ1→2)」

 

 

 メイとアカリの会話を聞きながらアマトは各ステップを進めていく。

 

 

「メインステップ。パキケロウのレベルを2にダウン。

(パキケロウ5→3 リザーブ2→4)

 

そして『カイエンハイドラ』をレベル2で召喚!

(リザーブ4→0 手札2→1)」

 

 

 カイエンハイドラ

【レベル2 BP6000 コア2】

 

 

 アマトはパキケロウの効果で手札に加えたスピリットカードを召喚した。そのスピリットは左半身が炎、右半身が水で構成された体を持つ双頭の竜だ。

 

 

「コスト3以上の系統[海首]を持つスピリットが召喚されたのでスサノヲに神託!

(スサノヲ5→6)

 

 カイエンハイドラの召喚時効果! デッキから3枚ドローし、2枚を破棄する! ………俺はこの2枚を破棄する。

(手札1→4→2)」

 

 

 鎧要塞(がいようさい)バロザウルノヌシ[地竜]

 

 ゴッドシーカーカミムスビハイドラ[海首]

 

 

「この効果で系統[地竜]、[海首]を持つスピリットを1枚ずつ破棄した時、ボイドからコアを1つカイエンハイドラに置く!

(カイエンハイドラ2→3)」

 

 

「ならもっかいバースト頂くよ! 相手の召喚時効果発揮により『キングスコマンド』のバーストを発動ッ!

 

 デッキから3枚ドローし、1枚を捨てる! アタシは『ストロングドロー』を破棄!

(手札1→3)

 

 そしてフラッシュ効果も使用! これでこのターンの間、コスト4以上の相手スピリットはアタックできなくなるのさ!

(リザーブ5→3

 

 

 グレンの伏せてたマジックカード、『キングスコマンド』によりアマトのスピリット全員の動きが封じられてしまった。

 

 

(「クソッ! 召喚時バースト、しかも『キングスコマンド』だったのか! アタックを封じられた以上、今の手札でできる事は──)

 

 このままメインステップを継続。バーストをセット。そして──

(手札2→1)」

 

 

 アマトは手札に残った1枚のカードに手を伸ばすが途中で止め考え込んでしまう。残されたカード──『護国龍(ごこくりゅう)オオナムチハイドラ』を見ながら。

 

 

「…………。」

 

 

「あん? 『そして』、でどうすんだい?」

 

 

「…………、カイエンハイドラのコアを1つギガノマガツカミに移動させギガノマガツカミをレベル3にアップ。これでターンエンド。

(カイエンハイドラ3→2 ギガノマガツカミ3→4)」

 

 

 ギガノマガツカミ

【レベル3 BP23000(13000+10000) コア4】

 

 

([地竜]、青のネクサス。これらから考えられる相手のキースピリットは恐らくアイツ。ブロッカーとしてオオナムチハイドラを出してもレベルを上げなければそのスピリットで破壊されてしまう。この判断、吉と出るか凶と出るか……。)

 

 

 アマトの予想と判断。それらが正しいか誤りかが決まるグレンのターン。

 

 

「スタートステップ!

 

 コアステップ!(リザーブ3→4)

 

 ドローステップ! ──ッ!! へっ、やっと見つけたよ。

(手札3→4)

 

 リフレッシュステップ!(リザーブ4→10)

 

 メインステップ! 冥土の土産に見せてやるよ。アタシのキーカードをなッッ!!」

 

 

『『『『『ウオオオォォォォォォオオオォォォッッッ!!!!

 

 待ってたぜ姐御オオォォォッッ!!!』』』』』

 

 

『ちょっ!? 喧しいわよ、あんた達!!』

 

 

『さっきのドローでキースピリットを引いたんだよお姉ちゃん! このままだとアマトさんが!』

 

 

「──キー()()()?」

 

 

『いや流石に大丈夫だろ。アマトのフィールドにはレベル3のギガノマガツカミがいる。自身の効果でBPは23000、並のスピリットでは勝てないだろ。』

 

 

『そ、そうだよ! それにアマ兄はまだ1枚手札残ってるし、きっと返り討ちにするから!』

 

 

 一斉に地竜軍の下っ端達が騒ぎ出す。その様子からエース級のカードが来たと察するスティール達だが、アマトはある違和感を感じた。

 

 

(あのNPC()、さっき『キースピリット』と言わなかった。呼び方をそう言うように設定されてる? いや、まて。そもそもあのデッキのエースカードが本当にスピリットなのか?)

 

 

 自身の予想が少しずつ崩れていく。そんな気がし始めたアマトだが、その予感は最悪な形で的中してしまう。

 

 

「現れろッ!! スピリットを超越したモンスター!!!

 

 

 グレンが手を掲げると、空中に六芒星に似た形の金色のシンボルが現れる。それを見たアマト、スティール、メイ、アカリ、ミヨの5人は一瞬で目の色が変わった。

 

 

「……嘘だろ、スピリットの方じゃない!?」

 

 

『ちょ、マズい、ですよねコレ? ──アカリちゃん?』

 

 

『────。』

 

 

『ア、アアアカリちゃん!? 戻ってきてーー!!』

 

 

『オイ、オイオイオイ冗談だろ!? 前までNPCが()()を使うなんて情報無かったぞ!? まさか今回のアップデートで!?』

 

 

「召喚条件は自分の赤、青のスピリット1体以上! さあ、出て来なッ!!

 

 全てを越える究極の地竜! アルティメット・ガンディノスッッ!!!!

(リザーブ10→3 手札4→3)」

 

 

 金色のシンボル、アルティメットシンボルが砕け散る。次の瞬間大地に亀裂が走り、その中から全身に金色の恐竜達の骨を付けた巨大な竜が這い上がる。その圧倒的な存在感はギガノマガツカミに匹敵、否、それ以上だった。

 

──アルティメット

 スピリットの枠組みには収まらず、例外はあるが基本的に同コスト帯のスピリットと比べても、BP勝負では最大レベルのスピリットでようやく最低レベルのアルティメットとまともに立ち向かえられる正に究極の存在。

 

 

 アルティメット・ガンディノス[アルティメット]

【レベル5 BP24000 コア5[ソウルコア]】

 

 

「不足コア確保の為、フォビッド・バルチャーには消えて貰う。

(フォビッド・バルチャー1→0

 

 コイツが、アタシの切り札。けどこれだけで満足しちゃあダメさッ!

 

 ブレイヴカード、『火星神剣マーズブリンガー』をアルティメット・ガンディノスに直接合体(ダイレクトブレイヴ)ッ!!

(リザーブ3→0 手札3→2)」

 

 

 上空から黒い巨剣が飛来する。その巨剣が地面に突き刺さる前に掴み取ったアルティメット・ガンディノスはマーズブリンガーから送られる力により禍々しいプレッシャーを放つ。

 

 

 アルティメット・ガンディノス[ブレイヴアルティメット]

【レベル5 BP29000(24000+5000) コア5[ソウルコア]】

 

 

「素のBPですらギガノマガツカミに勝っているにも関わらず、ブレイヴまでもッ!」

 

 

「念の為バーストも付けてやる。

(手札2→1)

 

 そしていよいよアタックステップだ! アルティメット・ガンディノス、ブレイヴアタックッ!」

 

 

 マーズブリンガーを構え、アルティメット・ガンディノスがゆっくりと歩み始める。

 

 

「アルティメット・ガンディノスのアタック時効果、【強襲∶2】発揮! ターンに2回まで自分のネクサスを疲労させる事で回復する! 『海底国の秘宝』を1つ疲労させ、アルティメット・ガンディノスを回復!

 

 そしてもう1つのアタック時効果! U(アルティメット)トリガー、ロックオンッ!」

 

 

 グレンの右手がアマトのデッキに指差すと、彼のデッキの上から1枚のカードが弾かれトラッシュへと置かれる。

 

 

「答えな。そのカードのコストを!」

 

 

「……。『護国ノ威光』、コストは4だ。」

 

 

「ヒットッ! トラッシュへ落としたカードのコストがアタシのアルティメット・ガンディノスのコストよりも低ければ、BP10000以下の相手スピリット1体を破壊できる!」

 

 

『それじゃあ、アマトさんのフィールドにいるスピリットでBP10000以下のスピリットはパキケロウとカイエンハイドラの2体! そのどちらかが破壊されてしまうんですか!?』

 

 

「けど、ヒットしたカードがコスト4だった事によりマーズブリンガーのブレイヴアタック時効果を発動!

 

 Uトリガーでヒットしたカードが全てコスト4以下の時、ヒット効果の変わりに自分のターン終了時に自分のアルティメット3体までを回復させ、『アタックステップ』と『エンドステップ』を1回ずつ行う!

 

 さあ、そのカード1枚だけで2回のアタックステップを凌げられるかい!?」

 

 

「くッッ!

 

(今はこのバーストに掛けるしか勝ち筋が残されていないッ!)

 

 ライフで受ける!!」

 

 

『アマトッ!? 今のガンディノスはダブルシンボルだぞ!?』

 

 

「潔いねぇ、嫌いじゃないよ!」

 

 

 アルティメット・ガンディノスがマーズブリンガーを振り下ろし、アマトのライフを2つ破壊する。

 

 

「ガアァッッ!!

(ライフ4→2)

 

 ──ッゥ、これで良い。ライフ減少により、バースト発動ッ!! 『選ばれし探索者アレックス』をバースト召喚ッッ!!」

 

 

 白のシンボルが出現し、その中から紫色の長髪の女の子が現れた。

 

 

 選ばれし探索者アレックス

【レベル1 BP5000 コア1】

 

 

「そしてアレックスの効果! デッキから1枚ドローするか、ボイドからコアを1つリザーブに置くかを選べれる。俺はドローを選択!

(手札1→2)

 

 更に、このバトルが終わった瞬間、アタックステップを強制終了させる!」

 

 

 アレックスが杖を取り出すとアマトのフィールドにバリアの様な物が現れ、グレン達はこれ以上の進撃が出来なくなってしまう。

 

 

「チィッ。

 

 けど、マーズブリンガーの効果を忘れてないだろうね? このアタックステップは終わっちまったが、2回目のアタックステップが来ることにな!!

 

 2回目のアタックステップ! やれ、ブレイヴアルティメットッッ!!

 

 アタック時効果、【強襲∶2】ッ! もう1つの『海底国の秘宝』を疲労させ、アルティメット・ガンディノスを回復!

 

 続けてUトリガー、ロックオンッッ!!」

 

 

「──ッ! コスト5、『兜竜パキケロウ』。」

 

 

「ヒットッ! 今度こそBP10000以下の相手スピリット1体を破壊させて貰う! カイエンハイドラを破壊だぁぁ!」

 

 

 アルティメット・ガンディノスが火球を放ち、その業火に包まれたカイエンハイドラが破壊されてしまう。

 

 

『アマ兄の残りライフは2! しかも【強襲】のせいでブロックしてももう1回アタックが来ちゃう!』

 

 

「さあ、ブロックしないと負けるぞ!」

 

 

「……ブロックはする。が、先にフラッシュタイミングッ! マジック『絶甲氷盾』を使用ッ!

(リザーブ4→1 手札2→1)」

 

 

「何ッ!?」

 

 

 今度はグレンのフィールドが数多の氷に覆われてしまう。

 

 

「このバトルが終了した時、アタックステップは終了する!

 

 ギガノマガツカミ、お前のブロックでこのステップを終わらせてくれッ!」

 

 

 アマトの声に大きな咆哮で答えたギガノマガツカミがアルティメット・ガンディノスに立ち向かう。双方、巨剣同士を叩き付け合い、一歩も引かず力を比べ合う。

 

 だが、互いに距離を取った時、アルティメット・ガンディノスがマーズブリンガーを投擲する。ギガノマガツカミはそれを上空へ弾くが、その隙きを突いたアルティメット・ガンディノスがギガノマガツカミの首元に喰らいつく。そのままアルティメット・ガンディノスは首を左右交互に振り、ギガノマガツカミを何度も地面に叩きつける。

 

 

『───ッッ! ……ぅぅっ。』

 

 

 兄のスピリットが成すすべ無く甚振られている様に耐えきれなくなったのか、メイが両手で顔を隠してしまう。

 

 数十回程叩き付けられ、ギガノマガツカミは解放されたが、フラフラしておりとても立ってはいられない状況だった。そこへ、アルティメット・ガンディノスがようやくギガノマガツカミに止めを刺す気になったのか、マーズブリンガーを回収し、豪快に振り下ろす。強烈な一撃を受け、ボロボロにされたギガノマガツカミは爆発四散してしまった。

 

 

(……ッ。すまない、ギガノマガツカミ。)

 

 

「命拾いしたね坊や、ターンエンドッ。」

 

 

 グレンはこのターンで決着をつけるようだったが、それが出来ず初めて悔しそうな表情をする。だが、それはアマトも同じだった。

 

 

「(バーストをオオナムチハイドラにしておけばアルティメット・ガンディノスを破壊出来てた。俺の判断は間違っていたのか……。)

 

 って、迷うな俺ッ! まだバトルは終わってない!

 

 スタートステップ!

 

 コアステップ!(リザーブ4→5)

 

 ドローステップ!」

 

 

 デッキに触れた瞬間、アマトに緊張が走る。

 

 

「(間違いなく、このドローのカードで、俺の運命が決まる!)

 

 ドローッ!! ──ッッ!?

(手札1→2)」

 

 

 引いたカードを見たアマトは目を見開き、そして──

 

 

「リフレッシュステップ! (リザーブ5→10)

 

 メインステップ! 『護国龍(ごこくりゅう)オオナムチハイドラ』をレベル2で召喚ッ!

(リザーブ10→3 手札2→1)

 

 スサノヲに神託とオオナムチハイドラ、レベル2の効果! 自分の系統[地竜]、[海首]を持つスピリット全てのBPを+10000!

(スサノヲ6→7)」

 

 

 護国龍オオナムチハイドラ

【レベル2 BP22000(12000+10000) コア4】

 

 兜竜パキケロウ

【レベル2 BP17000(7000+10000) コア3[ソウルコア]】

 

 

 白い鎧を身に着けた三つ首の竜──オオナムチハイドラが姿を現した。

 

 

『──はあッ!? オオナムチハイドラを素出しすんのかアマト!?』

 

 

「フッ、そんなスピリットを出したところで意味がある訳──」

 

 

「意味は大アリだ。このカードを使う為に! マジック、『フォースドロー』を使用ッ!

(リザーブ3→1 手札1→0)

 

 このマジックは、自分の手札が4枚になるようにドローした後、このカード自身をフィールドへ置く効果を持っている!」

 

 

「──っ!? 手札を4枚になるように!?」

 

 

『い、今、アマトさんの手札は0! つまり──』

 

 

「カードを4枚、ドローするッ!

(手札0→4)」

 

 

 1枚のカードで4枚もドローしたアマトは手札を確認する。

 

 

「……来たッ。来てくれたんだなッ!

 

 まずはパキケロウをレベル1にダウン。ソウルコアも外す!

(パキケロウ3→1 リザーブ1→3)」

 

 

 兜竜パキケロウ

【レベル1 BP15000(5000+10000) コア1】

 

 

「な、何をするつもりだ!?」

 

 

「そっちがエースを出すならこっちも出すって事さ!

 

 来たれッ! スサノヲの赤き半身ッッ!!

 

 

 アマトが手札から1枚のカードを天に掲げる。すると、背後に佇むスサノヲの体から赤のシンボルが出現する。そのシンボルがバトルフィールドの中央へ来ると、アマハラの創界神ネクサスの紋章と同じ亀裂が入る。

 

 同時にアマトの胸に炎が集まり、竜の頭部を模したアーマーが装着される。

 

 

その強靭なる力を持って、我らの敵全てを薙ぎ払え!

 

 召喚、化神(ゴッド)スピリット、『恐竜武神(きょうりゅうぶしん)ムラクモレックス』ッッ!!!

 

 

 ヒビから火が吹き出し、シンボルは炎に包まれる。その炎を切り裂き現れたのは和風の鎧を着、右に七支刀、左に盾を持ったティラノサウルスに似た竜人だった。

 

 

「不足コア確保の為、アレックスのコア全てを外す! ゴメン、アレックス。

(アレックス1→0)」

 

 

 謝るアマトだったが、アレックスは安心させる様に笑顔を見せながら消えていった。その消滅したアレックスの代わりにムラクモレックスがフィールドへ着地する。

 

 

「そして系統[地竜]、[化神]を持つコスト6のムラクモが召喚された事で、スサノヲに神託!

(スサノヲ7→8)」

 

 

 恐竜武神ムラクモレックス

【レベル1 BP16000(6000+10000) コア1】

 

 

『あのスピリットが、アマトさんのキースピリット!?』

 

 

『この土壇場でムラクモレックスを引き寄せるとか流石だぜ相棒ッ!!』

 

 

「ハッ! たった1体のスピリットだけでこの盤面を崩せれると思ってんのかい!?」

 

 

「化神スピリットは、創界神と力を合わせる事で真価を発揮する。その真価の力、見せてやる!

 

 アタックステップッ! ムラクモレックス、アタックだッ!!」

 

 

 七支刀と盾を打ち合い、ムラクモレックスが走り出す。

 

 

「行くぞムラクモ、スサノヲッ!! ムラクモレックスのアタック時効果、【天界放】、発揮ッッ!!

 

 

「天、界放!?」

 

 

「スサノヲのコア2個をムラクモレックスに譲渡ッ!

(スサノヲ8→6 ムラクモレックス1→3)

 

 そうした時、ムラクモレックスのBP以下の相手スピリット、アルティメット1体を破壊する! コアが3個に増えた事により、ムラクモレックスはレベル2! オオナムチハイドラの効果も合わせてBP20000以下のピナコチャザウルスを破壊する!」

 

 

 恐竜武神ムラクモレックス

【レベル2 BP20000(10000+10000) コア3】

 

 

 ムラクモレックスは進行方向にいたピナコチャザウルスを盾で突き飛ばす。それによってピナコチャザウルスは数回バウンドして破壊されてしまう。

 

 

「更に、自分フィールドに青のシンボルがある時、ムラクモレックスはターンに1回、回復する!」

 

 

「なんだい、大層な効果名の割には大したものじゃ無いじゃないかい!」

 

 

「それはどうかな? ムラクモレックスが相手スピリット、アルティメットを破壊した事により、レベル2、3の効果が発動! あんたのライフを1つ、破壊させてもらうッ!」

 

 

「は? ──グガアァァッ!!?

(ライフ4→3)」

 

 

『え!? えぇぇ!? どういう事!?』

 

 

 何が起こったのかわからない様子のモモミ。

 

 これはムラクモレックスのレベル2、3の効果が原因である。ムラクモレックスが相手スピリット、アルティメットを破壊すれば自動的にライフを1つリザーブに置く効果を持っているのだ。

 

 

「ちぃぃ! けどライフが減った事によりバースト発動ッ! 『絶甲氷盾』ッ!

 

 効果でライフを回復!

(ライフ3→4)

 

 更にフラッシュ効果も使ってアタックステップを終了させ──」

 

 

「無駄だ! スサノヲのレベル2の神域(グランフィールド)の効果! 相手はアタックステップを強制終了する事はできない!」

 

 

「何!? 面倒な効果を! だったらアルティメット・ガンディノスッ、ブロックしろ!」

 

 

 ムラクモレックスの目の前にアルティメット・ガンディノスが立ち塞がる。両者が互いの得物を振り回し、激しい剣戟が繰り広げられる。

 

 

『ムラクモレックスのBPは20000! アルティメット・ガンディノスのBPは29000ッ! このままじゃあ!』

 

 

「そうさ、BPはこっちのブレイヴアルティメットの方が上! スピリットがアルティメットに勝てると思うな! 返り討ちにしてやらぁッッ!!」

 

 

 その言葉通り、序盤は互角だったが徐々にムラクモレックスが押され始める。だが、そんな状況でもアマトの目は死んではいなかった。

 

 

「確かにアルティメットは強い。でも、皆の力を合わせればスピリットはアルティメットにも勝る! フラッシュタイミングッ!

 

 最後の大仕事だ、パキケロウ! 怒れる暴君よ! その力を解き放ち、我が敵に滅びを与えよ! 暴双恐龍(ぼうそうきょうりゅう)スーパーディラノス、パキケロウに煌臨ッッ!!

(リザーブ1[ソウルコア]→0

 

 

 アマトとスサノヲの背後に巨大な竜の幻影が現れる。その影はフィールドで待機していたパキケロウと1つになり、2つの頭を持つスーパーディラノスへと進化する。

 

 

 暴双恐龍スーパーディラノス

【レベル1 BP13000(3000+10000) コア1】

 

 

『あ、あいつは、あの時出てきた!?』

 

 

「スーパーディラノスの効果! 系統[地竜]を持つ自分のスピリット全てのBPを10000アップさせる! オオナムチハイドラの効果も含めスーパーディラノス、そしてムラクモレックスのBPは20000アップする!」

 

 

「な、なんだと!!?」

 

 

 恐竜武神ムラクモレックス

【レベル2 BP30000(10000+10000+10000) コア3】

 

 暴双恐龍スーパーディラノス

【レベル1 BP23000(3000+10000+10000) コア1】

 

 

 スーパーディラノスから放たれるオーラを纏ったムラクモレックスが、アルティメット・ガンディノスが持つマーズブリンガーを叩き落とす。

 

 

「これでムラクモレックスのBPは30000! 行けッ! ムラクモォォォォオオォォォッッ!!!」

 

 

 アマトの声に応えるが為、ムラクモレックスは一気に距離を詰める。アルティメット・ガンディノスは負けじと火球を撃とうとするも、一瞬の差でムラクモレックスの刃がアルティメット・ガンディノスの腹部を貫き、そのままムラクモレックスは回転斬りを行う。そしてアルティメット・ガンディノスは地面に倒れ伏し爆発した。

 

 

『や、やったぁぁ!! 凄いよ、アマ兄、ムラクモ!!』

 

 

「ば、ばかな……。アタシの、切り札が……。」

 

 

「ムラクモレックスが相手のアルティメットを破壊したのでライフを1つ。更に、スサノヲの神域のもう1つの効果!」

 

 

『系統[地竜]を持っている自分のスピリットがブロックされたバトル終了時に、相手のライフを1つリザーブに置く……!』

 

 

「正解だ、カイト。

 

 よって合計2つのライフを破壊する!!」

 

 

「グッ! ガア"ア"ッッ!!

(ライフ4→3→2)」

 

 

『『『『『あ、あ、姐御ぉぉぉぉぉおおおぉぉッッ!!』』』』』

 

 

 ムラクモレックスとスサノヲ。互いの効果を最大限に活かし、アマトは1度のアタックで3つものライフを削る事に成功する。

 

 

「これで決めるぞムラクモッ!! ムラクモレックス、2回目のアタックッ!!

 

 アタック時効果の【天界放】を再び発揮! ムラクモレックスはレベル3となり、マーズブリンガーを破壊! そしてライフも1つ破壊!

(スサノヲ6→4 ムラクモレックス3→5)」

 

 

「グヴゥッ!!

(ライフ2→1)」

 

 

 恐竜武神ムラクモレックス

【レベル3 BP33000(13000+10000+10000) コア5】

 

 

 ムラクモレックスは地面に突き刺さっているマーズブリンガーを足で踏み砕き、グレンのライフを走りながら咆哮だけで破壊する。そしてグレンの目の前で七支刀を大きく振りかぶった。

 

 

「ク、ククク……。ハハハハハッッ!! そっちの勝ちだよ坊やッ!!

 

 最後のライフ、持っていきなッ!!」

 

 

 敗北を悟るもどこか嬉しそうにグレンは笑いながら両腕を広げる。そんな彼女へムラクモレックスは止めの一太刀を与えた──

 

 

 

 

 

 ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

 

「あ〜、負けた負けた。ひっさしぶりに燃えるバトルだったよ!」

 

 

「下っ端共はガッカリしてんのになんてコイツは清々しい笑顔をしてんだ……。」

 

 

 地面に倒れながら笑うグレン。その様子を呆れながらスティールは眺めていた。

 

 

「それで、このあとはどうしましょう? 私達が勝ったのですから何かしらイベントが起こる──」

 

 

 ドドドドドドッッ──

 

 

「──あら?」

 

 

 アマト達の後方から大きな振動と音が鳴り響く。すると、グレンは直ぐに立ち上がった。

 

 

「ったく。騎士団の連中、もう嗅ぎ付けたのかい。野郎共! 必要な物だけ持ってズラかるよッ!」

 

 

「「「「「了解ッス!!!」」」」」

 

 

 そう言った地竜軍はアジトがあると思わしき山へ一目散に駆け出す。

 

 

「おっと、そうだった。」

 

 

 下っ端と一緒に逃げようとしてたグレンが突然立ち止まり、アマトに視線を向けた。

 

 

「坊や、受け取りなッ!」

 

 

「え、はっ!? ちょ!? ……なんだよコレ?」

 

 

 グレンがアマトに投げ渡したのは歪な形をした短剣だった。しかしその刃は酷く錆び付いており、短剣としての機能はできなさそうな代物だった。

 

 

「昔襲った村の1つに大事に保管されてたもんさ。ま、それがどんな物かわからんし、アタシらが持ってても何も起こらなかったけどな!

 

 けど、アタシとアタシのアルティメットを打ち負かしたその実力。あんたならソレを使う資格があるかもね。」

 

 

「ちょっと待て! コレ盗品かよ!? そんな物アマトに押し付け、──って逃げんな、ババアッ!」

 

 

 言うだけ言ったら直ぐに立ち去っていったグレンの背中が消えるまで眺めてると、アマトの視線の前にゲームウィンドウが表示される。

 

 

「……これでクエストはクリア。で、この短剣は『特別報酬』みたいだ。」

 

 

「『特別報酬』って事はレアアイテム!? 他のゲームなら最強クラスの武器が手に入るフラグだよきっと!」

 

 

「いや流石に無いと思うけどなぁ。」

 

 

 錆びた短剣を手元で玩びながらアマトはそう呟いた。

 

 

 

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