バトルスピリッツ Sky Load   作:メガイラ

5 / 6
創界神(グランウォーカー) VS 創界神(グランウォーカー)

 

 

 

「──なあレン。1ついいか?」

 

 

 レンを後ろからボーっと眺めながらジュンが声を掛けた。

 

 

「フラッシュタイミングは……こちらはありません。

 

 で、なにジュン?」

 

 

「ほら昨日、クエストで特別報酬あったろ?」

 

 

「ああ、あの錆びた短剣ね。

 

 ではそのアタックはライフで受けて、バースト発動、『絶甲氷盾』。効果でライフを1つ回復し、フラッシュ効果も使用します。このバトル終了後、アタックステップは終了します。

 

 んで、その短剣が何?」

 

 

「あの後独自に調べたんだけどよ、どうやらお前以外に例の短剣をゲットした奴は今のところ存在しないみたいだぞ。」

 

 

「え、そうなの?

 

 あ、スタートステップ。

 

 コアステップ。

 

 ドローステップ。

 

 リフレッシュステップ。

 

 メインステップ。フム───」

 

 

「あら、レンくんにジュンくんじゃなぁい。こんな早い時間にカードショップでデート?」

 

 

 レンが手札とコアの数を見て考え込もうとしたら1人の女の子が声を掛けてきた。

 

 彼らが振り返るとそこにはよく知る2人が立っていた。1人は黒髪のロングヘアー、もう1人は茶色の髪をツインテールにしている綺麗な女の子達だ。

 

 

「シオリ、ヒトヨ。おはよ。」

 

 

 黒い長髪の女の子の名は『風晴(かぜはれ)シオリ』。ツインテールの女の子は『奏宮(かなみや)ヒトヨ』という名である。

 

 

「おはようレン、ジュン。」

 

 

「オウ。で、何処をどう見たらデートだと思った腹黒女。」

 

 

「ひっど〜い! ジュンくんってどうしていつもわたしの事を『腹黒女』だなんて言うのぉ?」

 

 

「自分の胸に手を当てて聞いてみな。」

 

 

「胸を? う〜ん? (ムニムニ)

 

 あら、これってセクハラ?」

 

 

「違うわ! 『当てろ』と言ったのに何で揉む!? これだからお前は──」

 

 

「……。それでレン、目の前で今にもブチ切れそうな人とどうしてバトルしているの?」

 

 

 ジュンがヒトヨに怒鳴ってる間に、シオリはレンに状況を説明する様に頼んだ。因みにそのレンは大量の手札をシャッフしながらブツブツと計算している。

 

 

「何か『道場破り』らしい。」

 

 

「道場破り? ここで? 何で?」

 

 

「さあ? 俺達が来た時にはもう居て、『バトルスペースを占領されたから何とかして〜』って店長に頼まれて今に至る。」

 

 

 レンが指差す場所には気弱そうな顔見知りの店長が隠れながら見守っていた。

 

 

「オイテメェ、サッサとリザインしろ!

 

 アタックしないでドローやコアブばっか! チンタラターンを稼いだところでお前の負けは確定してんだよ!」

 

 

 道場破りに来た男の盤面は確かにスピリットのカードが何枚も並んでいる。それに対しレンの方はネクサスが多く、しかも色やシンボルもバラバラ。ライフも男は5、レンは2だけとフィールドの情報だけなら確かに男の方が優勢であった。

 

 ──フィールドだけならば。

 

 

「んん……掛けるか。

 

 『テッポウナナフシ』を召喚。召喚時効果、手札を全て破棄して相手の手札と同じ数だけドローします。」

 

 

「手札交換だと? それだけ手札があるのに事故って……た?」

 

 

 男はレンの手札を確認すると言葉を失った。

 

 

「『光龍騎神サジット・アポロドラゴン(RV)』に『獅機龍神ストライクヴルム・レオ(RV)』、『白羊樹神セフィロ・アリエス(RV)』だと!?」

 

 

「それ以外の十二宮Xレアもトラッシュに落とすなんて、思い切った事をしたね。」

 

 

 『十二宮Xレア』とは黄道十二星座をモチーフにしたカードの事であり、強力な効果を持つ物が多い。それを簡単に手放した事に驚きを隠せないヒトヨと男。だがその理由は直ぐに分かることになる。

 

 

「───。デッキあと何枚ですか?」

 

 

「は?」

 

 

 手札を入れ替え、あるカードを確認したレンは男にデッキ枚数を訪ねた。

 

 

「に、20枚だが?」

 

 

「了解。それじゃあフル軽減、6コスト。

 

 ──『光魔神』召喚。」

 

 

「………。──はあッッ!!?!」

 

 

「召喚時効果。自分のデッキを全て破棄。そしてトラッシュから系統[神皇]を持つスピリットを12体までノーコスト召喚する。

 

 まずは『光龍騎神サジット・アポロドラゴン(RV)』。次に『金牛龍神ドラゴニック・タウラス(RV)』。他は──」

 

 

 次々と高コストの十二宮Xレアを召喚し続けるレンの姿を呆然と眺める男。

 

 

「最後に『天秤造神リブラ・ゴレム(RV)』を召喚し、リブラ・ゴレムとサジット・アポロドラゴンに光魔神を合体(ブレイヴ)

 

 アタックステップ。リブラ・ゴレムでアタック。アタック時効果で系統[神皇]を持つ自分のスピリット1体につき相手のデッキを上から3枚破棄。今12体いるので合計36枚、よってデッキ全てを破棄して下さい。」

 

 

 デッキアウト──

 

 バトスピではデッキからカードを引けなくなるとその瞬間、敗北が決まってしまうのだ。

 

 

「わぁ〜、すっごぉ〜い。あっという間に形勢逆転じゃない。」

 

 

「やられた側に同情するぜ。優勢だったのがいきなり劣勢にかわるんだから。」

 

 

「それ、経験談?」

 

 

「……デッキアウトされたよ。で、デッキ破壊対策して再戦したら、今度は『ドラゴニック・タウラス(RV)』に『エクゼシード』の【走破】を付与させて2桁のライフ貫通でワンパンされたわ。」

 

 

「ジュン、2桁のライフ貫通なんてそうそう起きないし、ある意味良い経験したんじゃない?」

 

 

「良くねぇわ!」

 

 

「なんの話をしてんの?」

 

 

 ジュン達3人の会話にバトルを終えたレンが割り込んで来た。

 

 

「あらレンくん、バトル終わったの?」

 

 

「途中まで見てたよね?」

 

 

 レンが親指で後ろを指すと机に突っ伏してる男の姿があった。

 

 

「デッキを全て破棄させて勝ったよ。」

 

 

「でも凄かったわ! 光魔神を実際に召喚する人なんて見た事なかったもの。」

 

 

「──言われてみれば、俺以外に使ってるの見た事ないな。」

 

 

「言われなければ気付かなかったのか……。つーか、よくそんなロマンデッキを作ろうと思ったな。」

 

 

 ジュンの台詞にレンは一言──

 

 

「楽しそうだから。」

 

 

 とだけ答えた。

 

 

「そんな理由で毎度毎度、試作デッキの試し相手にさせられる俺の身を考えた事あるのか!? この前は3ターン目で『ラグナ・ロック』を召喚するデッキを作りやがって!」

 

 

「やだ〜、鬼畜なデッキじゃない。」

 

 

「人が色々と考えたデッキにそんな感想はなくない?」

 

 

「男の子って女の子に蔑まれるのが好きなんでしょ?」

 

 

「それとこれとは話が違うよ。」

 

 

「蔑まれるのが好きって事は否定しないのか!?」

 

 

 そう吠えるジュンだが──

 

 

「え、だってジュンが持ってるDVDの中にそういう事をするのもあるだろ?」

 

 

「ちょッッ!?!」

 

 

 その直後にレンが思いもよらない爆弾発言をした。

 

 

「……ジュン。」

 

 

「それは流石にわたしも引くわ……。」

 

 

「違う! アレは知り合いが勝手に置いていった物で──

 

 だーくそッ! ちょっと来い!!」

 

 

 レンの首元を掴み、ジュンは店から出る。

 

 

「ま、まさか! ジュンくんってそっちの方がお好みなの!?」

 

 

「キャー、タスケテー。」

 

 

「黙っとれ腹黒女! レンも棒読みでおかしな事言ってんじゃねぇ!」

 

 

「何やってるんだか。……フフッ。」

 

 

 呆れながらもどこか楽しげに笑いながらシオリは3人の後を追った。

 

 

 

 

 

 ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

 

 『BS.O』内のとある噴水広場前───

 

 

「整れーつ、番号始め!」

 

 

「いーち。」

 

 

「2。」

 

 

「よ〜ん♪」

 

 

「……? 総員4名、イジョーなーし。」

 

 

「異常アリだろ!! なんで1人増えてんだよ!?」

 

 

 BS.O内でスティールの大声が響き渡る。今、どういう状況なのか簡潔に説明すると──

 

 まず現実世界でジュンがレンに『BS.Oに来い。』と言われ、彼は渋々ログインした。そして集合場所へ向かうと何故かシオリとヒトヨも来ていたのだ。因みにだが、シオリは髪の色を黄色にし、帽子にパーカーなどボーイッシュな服装をしておりゲームネームは『クシナ』。ヒトヨは逆に女性らしいゆったりとした服で髪を緑色に変え、ゲームネームを『セラ』にしている。

 

 尚、2人とも来た理由は──『暇だから。』、らしい……。

 

 

「それでスティール、こっちの世界に来た理由は?」

 

 

 帽子の位置を調整しながらクシナが尋ねる。

 

 

「2つある。1つはアマトがゲットした短剣の情報を探す。」

 

 

「この短剣な。」

 

 

 アマトは短剣を取り出しクシナとセラへと見せる。

 

 

「でも肝心の情報はどうやって探すつもりなの? 闇雲に行動するのは効率が悪いでしょ?」

 

 

「こういう時、重要な情報をいち早く確保する人らがいるだろ?」

 

 

 

 

 ─────

 

 

 

 

 

「いらっしゃ──って、あらやだアマト君達じゃなぁい!? 久しぶり〜!」

 

 

 居酒屋のような店に入ったアマト達を出迎えたのは、オカマ口調で話すガタイの良い人物であった。

 

 その人の名は『マリア』。『乙女の園』と呼ばれる店を運営しており、『愛の伝道師』を名乗っている者だ。

 

 

「こんにちは。」

 

 

「ども。」

 

 

「アップデート前以来ですね、マリアさん。」

 

 

「お久しぶりで〜す。」

 

 

 アマト達はそれぞれの言葉で返答する。その様子を見てマリアは満足そうに頷きながら開いてるカウンター席に座るように4人を促した。

 

 

「もう、アップデートが終わったというのにあなた達が来なくて心配してたのよ。あ、飲み物は何にする? お姉さんからのお・ご・り☆」

 

 

「それじゃあコーヒーを。砂糖も1つ。」

 

 

「私はコーラで。」

 

 

「………。あー、なら俺もコーラ。」

 

 

「この時、スティールは思った。

 

 『お姉さん』? 『おっさん』の間違いだろ? ──と。」

 

 

「おいセラ! 人の考えを勝手に読m──

 

 ゴチンッッ!!!

 

 

「あ、私は紅茶をお願いしま〜す。(ニコニコ)」

 

 

「は〜い! 喜んで〜!」

 

 

((……悪女がいる。))

 

 

 店内に鈍い音が鳴り響くと、頭に大きなたんこぶができたスティールがカウンターに突っ伏していた。

 

 

 

 

 

 ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

 

「そのクエストはアタシも受けたわ。アルティメットだけでも驚いたのにマーズブリンガーは流石に想定外よ。」

 

 

「聞いただけでもほぼ詰みだとわかるのによく勝てたね。」

 

 

「正直、自分でも分の悪い賭けだと思ったよ。」

 

 

 出された飲み物を各自飲みながら、先日のクエストの内容をアマトは説明していた。

 

 

「それで、この特別報酬が一体何なのかって話ね。

 

 ごめんなさい、アタシもまだわからないわ。クエストは何度か受けてクリアしたんだけどこの短剣はゲットしてないのよ。」

 

 

「そっか、マリアは情報屋で一番信用できるから何かわかるかと思ったんだが。」

 

 

「アテが外れちゃったみたいね。……ところで、スティールくんは何時まで頭を抱えながら黙ってるの?」

 

 

「ほぉ……。だーれのせいなのかわかんねぇとでも言うつもりか腹黒陰険陰湿悪女が!!」

 

 

「あーもー、マリアさんの店で暴れちゃあダメでしょ。」

 

 

「というかセラの性格に『陰湿』は含まれないと思うのは俺だけか?」

 

 

 セラに掴みかかろうとするスティールをアマトとクシナが宥めようとする。その光景を見ていたマリアが、何か思い出したかのように手を叩いた。

 

 

「そうだわ! アップデートで追加された街に行ってみてはどう? そこなら何かわかるかも知れないし、短剣の本来の持ち主のNPCがいるかもしれないわよ。」

 

 

 マリアの言葉にスティールをクシナと2人がかりで抑えていたアマトが考え込む。

 

 

「そっか。そういえばまだ新しい街には行ってないからそこで探すのもアリか。よし、それじゃ今から行くか?」

 

 

「まて。その前にやる事がもう1つある。マリア、地下のバトルフィールドを貸してくれ。」

 

 

「あら? 貸すのは別に構わないんだけど、異世界風のフィールドじゃダメなの?」

 

 

「あっちのフィールドでも構わないんだが、それだと周りの人に観られるだろ?」

 

 

 そう言ってスティールはアマトに視線を向ける。その仕草で何を言いたいのかアマトは直ぐに気づいた。

 

 

「何だかんだでスティールもバトル狂だな。」

 

 

「うっせぇ。で、返事は?」

 

 

 スティールの言葉に、アマトは答えず不敵な笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 ───乙女の園・地下スタジアム

 

 

 

 

 

「ねぇ、どっちが勝つか賭けてみる?」

 

 

「イイね。じゃあ私はアマトに自販機のジュース1本。」

 

 

「それじゃあ私はスティールくんに、コレ。」

 

 

 セラがクシナに両手を広げて見せる。

 

 

「10、って少なくない?」

 

 

「その、い・ち・ま・ん・倍♪」

 

 

「OK、乗った!」

 

 

「ちょぉっと待ちなさい! アタシの目が黒いうちはそんな不当な賭け事は許さないわよ! ってセラちゃん、貴女そんな大金持ってんのッッ!?」

 

 

 観客席で並んで座る3人を尻目にアマトとスティールは準備を進めながら会話をしていた。

 

 

「こうやってお前と戦うのは何回目だ?」

 

 

「100ぐらいから数えるのを止めたからなぁ。実際どのぐらいだろうね。」

 

 

「ま、どうでもいいか。この前はお前に美味しい場面を取られた上に、俺も俺のデッキらもあのリーダーと戦えなかったから不完全燃焼なんでな。」

 

 

「だから完全燃焼させる相手に俺、ってか。まあ普段試作のデッキ相手にしてもらってるから構わないさ。」

 

 

「それでこそ俺の相棒兼ライバルだ。」

 

 

 互いに笑いながら準備を終わらせ、同時にコールをあげる。

 

 

「「ゲートオープン、界放ッ!!」」

 

 

 するとスタジアムのフィールドが輝き出し、アマト達がいる場所の雰囲気だけが一瞬にして変わった。

 

 

「そうだマリアさん。お店、空けて大丈夫ですか? オーナーですよね?」

 

 

「他の店員に任せているから気にしないで。それに見たかったのよアタシ。

 

 少数精鋭ギルドで有名な貴女達──『ACCESS(アクセス)』のリーダーとそのライバルのバトルを、ね。」

 

 

 『ギルド』とは、他のゲームでもあるゲームプレイヤー達の集まりの事。『BS.O』内では基本、少なくても10人ぐらいで結成するのが普通であるが、アマト達『AKUSES』は4人だけという異端の存在だ。だがその4人だけで大きなイベントや大会で好成績を数多く残しており、中堅プレイヤー以上の間で知らない者は少なくない。

 

──閑話休題

 

 

「先行は貰う。スタートステップ。

 

 ドローステップ。(手札4→5)

 

 メインステップ。ネクサス、『スサノヲの轟天神殿』を配置。

(リザーブ4→0 手札5→4)

 

 バーストをセットし、ターンエンド。

(手札4→3)」

 

 

「へぇ。スタートステップ。

 

 コアステップ。(リザーブ4→5)

 

 ドローステップ。(手札4→5)

 

 メインステップ。初ターンで轟天神殿にバーストとは良い出だしじゃないか。」

 

 

「そんな事を言うって事はそっちも良い手札なんだろ?」

 

 

「そういうこった。いくぜ! 白き守護神、創界神(グランウォーカー)クリシュナを配置!

(リザーブ5→3 手札5→4)」

 

 

 スティールの背後に光が集まる。その光は金色の長髪に褐色の肌が特徴の男へと化した。

 

 

「先に創界神を配置できたのはスティールね。」

 

 

「配置時の神託(コアチャージ)を発揮! デッキを上から3枚トラッシュに!」

 

 

 スティールのデッキからトラッシュへ置かれたのは以下のカード達だ。

 

 クリシュナーガ・サトラェ

【コスト3 系統[甲竜]】

 

 障壁(しょうへき)のクリシュナーガ・サッタル

【コスト3 系統[天渡][甲竜]】

 

 クリシュナーガ・パチャース

【コスト4 系統[甲竜]】

 

 

「オールヒットッ! 落ちたのが対象のコスト3以上の系統[甲竜]、[天渡]を持つスピリット3枚! よって3チャージ!

(クリシュナ0→3)

 

 で、本来ならこっからスピリットを召喚したいところだが、轟天神殿が厄介だな。」

 

 

 『スサノヲの轟天神殿』は系統[地竜]、[海首]を持つ自分のスピリット全てに相手の効果でフィールドから手札、デッキに戻らない様にする効果を持っている。そしてスティールが使う白のカードはスピリットを手札やデッキに戻す効果が最も得意なのである。

 

 つまり『スサノヲの轟天神殿』が存在する間、スティールのカード達は効果を活かしきれないのだ。

 

 

「つー訳で、こいつの出番だな。クリシュナはシンボルを白としても扱える。よって軽減を1つ満たしてマジック、『メビウスリング』を使用!

(リザーブ3→0 手札4→3)

 

 お前のネクサス、轟天神殿をデッキの下に送るぜ!」

 

 

「──ッ!」

 

 

 アマトの頭上に穴が空き、フィールドに展開されてた轟天神殿が崩壊しながらその穴に吸い込まれてしまう。

 

 

「この効果でネクサスを戻せたらボイドからコアを1つ、俺のトラッシュに追加し、最後にこのカードはフィールドに置かれる。

(トラッシュ5→6)

 

 これでターンエンドだ。」

 

 

 お互いに最初のターンを終えたが、現状では圧倒的にスティールの方が優勢である。

 

 

「(マズイな。轟天神殿を除去されたのはとても痛い。)

 

 スタートステップ。

 

 コアステップ。(リザーブ0→1)

 

 ドローステップ。(手札3→4)

 

 リフレッシュステップ。(リザーブ1→5)

 

 メインステップだが……仕方ない、これ以上遅くなるのはいけないからな。創界神ネクサス、創界神スサノヲを配置! 同時に神託も発揮する!

(リザーブ5→3 手札4→3

 

 

 1ターン遅れてアマトもスサノヲを出し、そのまま神託でデッキから以下の3枚がトラッシュへ置かれた。

 

 ゴッドシーカー パラサノカンナギ

【コスト3 系統[地竜]】

 

 シロイワノハイドラ

【コスト3 系統[天渡][海首]】

 

 恐龍武神(きょうりゅうぶしん)ムラクモレックス

【コスト6 系統[化神][地竜]】

 

 

「んん?」

 

 

「こちらも対象カードは3枚、よってスサノヲにコアを3つ置く。

(スサノヲ0→3)

 

 そしてトラッシュのシロイワノハイドラの効果発揮! スサノヲの神託でデッキからトラッシュに置かれた時、コストを支払わず召喚できる。来い、『シロイワノハイドラ』ッ!

(リザーブ2→1

 

 

 アマトのフィールドに現れたのは、その名の通り白い岩の様な鱗に覆われた双頭の竜だ。

 

 

 シロイワノハイドラ

 【レベル1 BP3000 コア1[ソウルコア]】

 

 

「そして神託対象が召喚された事でスサノヲに神託!

(スサノヲ3→4)」

 

 

「おいおい、そんなスピリット入れてなかったよな?」

 

 

「いつも同じ構築だと思うなよ。アタックステップ!

 

 シロイワノハイドラでアタック!」

 

 

 アマトの指示に従い、シロイワノハイドラが走り出す。

 

 

「ライフで受ける! ──ッッ!!

(ライフ5→4)

 

 召喚して早々ライフを削るか。」

 

 

「コアもバーストも無いからな。ターンエンド。」

 

 

「けど、ムラクモレックスがトラッシュに落ちたのは残念だったな。スタートステップ。」

 

 

「………。」

 

 

「コアステップ。(リザーブ1→2)

 

 ドローステップ。(手札3→4)

 

 リフレッシュステップ。(リザーブ2→8)

 

 メインステップ。

 

 (で、どうするか。一番気になるのはバーストだが。)」

 

 

 アマトの場にセットされている1枚のカード───バーストは発動条件を満たす事で強力な効果を発揮する。逆を言えば発動条件を満たさなければ何時までも発動する事はない。

 

 

「(アマトのデッキにあるバーストは4種類。その中で条件が【ライフ減少後】のバーストは3つ。最初のターンでコアを使い切ってもセットした事を考えれば、【ライフ減少後】のバーストである可能性が高い。)

 

 なら今は場を整えるのを優先するか!

 

 『クリシュナーガ・サトラェ』を召喚!

(リザーブ8→5 手札4→3)」

 

 

 スティールが最初に召喚したのは戦闘機に似た頭部を持つ機械的な竜だ。

 

 

 クリシュナーガ・サトラェ

【レベル1 BP3000 コア1[ソウルコア]】

 

 

「系統[甲竜]を持つスピリットを召喚した事でクリシュナに神託!

(クリシュナ3→4)

 

 そしてサトラェの召喚時効果! 相手の手札、手元のカード3枚につき、ボイドからコアを1つ追加する。お前の手札は3枚ピッタリだから1個追加だぜ!

(サトラェ1→2)」

 

 

 クリシュナーガ・サトラェ

【レベル2 BP5000 コア2[ソウルコア]】

 

 

 コアが増え、レベルが上がったサトラェは力強く咆える。

 

 

「次は『ゴッドシーカー コル・ハープル』を召喚する!

(リザーブ5→3 手札3→2)」

 

 

 クリシュナーガ・サトラェの隣に首が長い白竜が現れる。

 

 

 ゴッドシーカー コル・ハープル

【レベル1 BP3000 コア1】

 

 

「クリシュナに神託し、コル・ハープルの召喚時効果!

(クリシュナ4→5)

 

 デッキを上から4枚オープンし、そこから『創界神クリシュナ』1枚と、系統[天渡]、[化神]、[インディーダ]を持つ白のカードをどれか1枚を手札に加える。頼んだぜ、コル・ハープル!」

 

 

 コル・ハープルが高い声で鳴くと、スティールのデッキから4枚のカードがオープンされる。

 

 クリシュナーガ・リグ・ガンナ

[天渡・甲竜]

 

 神龍甲笛(しんりゅうこうてき)バガヴァット・ギーター

神話(サーガ)・神装・天渡]

 

 クリシュナーガ・パチャース

[甲竜]

 

 ドリームビーム

 

 

「おし! 今回手札に加えるのはバガヴァット・ギーター! そして『ドリームビーム』の効果!

 

 コル・ハープルの効果でオープンされた時、手札に加えるられる。この効果で手札に加えた時、ボイドからコアを1つ、俺の創界神に置く。これでクリシュナにはコアが6個乗る!

(手札2→4 クリシュナ5→6)」

 

 

 スティールは順調にコアと手札を増やしていくが、それを待ってたかの様にアマトの口が開かれる。

 

 

「相手の『このスピリット召喚時』発揮により『カムナビノミコト』のバースト発動ッ!」

 

 

 セットされていたアマトのバーストが開かれた事にスティールは驚きの声を上げた。

 

 

「なッ!? 召喚時バースト!?」

 

 

「バースト効果により、コスト8以下の相手スピリット1体を破壊する。コル・ハープルを破壊する!」

 

 

 アマトのフィールドに水球が現れ、そこから5本の水のレーザーが放たれる。そのレーザーは次々にコル・ハープルの体を貫き、切り裂いていった。

 

 

「この効果で破壊に成功すればボイドからコアを2つ、系統[地竜]、[海首]を持つ俺のスピリットに置く。よってシロイワノハイドラにコアを2つ追加する!

(シロイワノハイドラ1→3)

 

 そして『カムナビノミコト』をバースト召喚! 並びにスサノヲに神託!

(リザーブ1→0 スサノヲ4→5)」

 

 

 水球の中から和風の鎧を身に着けた5つの首を持つスピリットがゆっくりと歩きながら現れた。

 

 

 カムナビノミコト

【レベル1 BP8000 コア1】

 

 

「サトラェの時に発動しなかったのはバーストで確実に破壊するのを狙ってたわけか……。」

 

 

 『クリシュナーガ・サトラェ』はレベル2になると、【重装甲∶ 赤/青】を得る。その効果で赤と青のスピリット、ネクサス、マジック、ブレイヴの効果を受け付けないのだ。

 

 

「言ったよね、同じ構築だと思うなって。」

 

 

「ったく、おかげで色々と計算を狂わされたぜ。なら今度はこっちがバーストをセット!

(手札4→3)

 

 最後に神話ブレイヴ、『神龍甲笛バガヴァット・ギター』をクリシュナに直接合体(ダイレクトブレイヴ)ッ!

(リザーブ4→2 手札3→2)」

 

 

 上空から銀色の横笛が出現し、クリシュナがその横笛を手にする。

 

 

「クリシュナの神託条件には白の系統[神装]ブレイヴも含まれる。よってクリシュナに神託!

(クリシュナ6→7)

 

 アタックステップは何もせず、このままターンエンドだ。」

 

 

「了解、スタートステップ。

 

 コアステップ。(リザーブ0→1)

 

 ドローステップ。(手札3→4)

 

 リフレッシュステップ。(リザーブ1→4)

 

 メインステップ。スサノヲのシンボルを赤として扱い、追加されたシロイワノハイドラのコアで、ディモルフォノスケを召喚!

(シロイワノハイドラ3→1 手札4→3)」

 

 

 ディモルフォノスケ

 

【レベル1 BP3000 コア1】

 

 

「スサノヲに神託と、召喚時効果の【連鎖(ラッシュ)】発揮ッ! ボイドからコアを1つ追加。

(スサノヲ5→6 ディモルフォノスケ1→2)」

 

 

 緑色の翼竜に似た姿のディモルフォノスケが召喚され、アマトも順調にコアを増やしていく。

 

 

「スティール。さっきムラクモが神託でトラッシュに置かれた事を残念って言ってたよな?」

 

 

「ああ、それがどうした?」

 

 

「俺としては、逆に好都合だったんだよ。マジック、『エクスキャベーション』を使用!

(リザーブ4→2 手札3→2)」

 

 

 アマトが1枚のカードを取り出すと、トラッシュにある『パラサノカンナギ』、そして『ムラクモレックス』がそのカードと共鳴し合う。

 

 

「『エクスキャベーション』はトラッシュにある系統[地竜]を持つスピリットカード3枚までを手札に戻す効果! よって『ゴッドシーカー パラサノカンナギ』、『恐龍武神ムラクモレックス』の2枚を手札に戻す!

(手札2→4)」

 

 

「なるほど。そのカードを握っていたから神託でムラクモレックスがトラッシュに置かれてもアマトは焦らなかったのね。」

 

 

「おまけにキースピリットを召喚できるだけのコアもあるし、このままじゃあスティールくん逆に追い込まれちゃうわよ?」

 

 

「はっ! 寧ろ望むところって言ってやら! よーく見とけよセラ!」

 

 

「フフ、青春ねぇ。」

 

 

「………。続けていい?」

 

 

「「「「あ、どうぞ。」」」」

 

 

 軽いため息をつき、アマトは表情を固めた。

 

 

来たれッ! スサノヲの赤き半身ッッ!! その強靭なる力を持って、我らの敵全てを薙ぎ払え!

 

 召喚、化神(ゴッド)スピリット、『恐竜武神ムラクモレックス』ッッ!!!

 

 不足コア確保のため、ディモルフォノスケのコアを全て外し、スサノヲに神託!

(リザーブ2→0 手札4→3 ディモルフォノスケ2→0 スサノヲ6→7)」

 

 

 スサノヲの体から生み出されたシンボルから、アマトのキースピリットであるムラクモレックスが現れる。

 

 代わりに維持コアが無くなったディモルフォノスケは他のスピリット達に応援する様に声を上げながら消えてしまった。

 

 

 恐竜武神ムラクモレックス

【レベル1 BP6000 コア2】

 

 

「(で、これまでの動きでバーストが発動しなかった事は、【アタック後】か【ライフ減少後】だろうな。)

 

 ま、攻めない選択肢は無いけどな。アタックステップ!

 

 ムラクモ、アタックだッ!!」

 

 

 七支刀の切っ先を向け、ムラクモレックスが走り出す。

 

 

「ムラクモレックスのアタック時効果、【天界放】発揮ッ!

 

 スサノヲのコア2個をムラクモに譲渡! ムラクモはレベル3となり、自身のBP以下の相手スピリット、アルティメット1体を破壊する!

(スサノヲ7→5 ムラクモレックス2→4)」

 

 

 恐竜武神ムラクモレックス

【レベル3 BP13000 コア4】

 

 

 ムラクモレックスが口から赤い衝撃波をクリシュナーガ・サトラェに向けて放つ。が、クリシュナーガ・サトラェのボディにある赤い線が輝き自身の周囲に赤いバリアが展開され、衝撃波から身を守った。

 

 

「サトラェは【重装甲∶赤】でムラクモレックスの効果は受けない!」

 

 

「でも【天界放】の効果はまだ続いてる! 青のシンボルがあるためターンに1回、回復し、相手の創界神のコア2個をボイドに置く!」

 

 

「チィッ、確かにそんな効果も持ってたな!

(クリシュナ7→5)」

 

 

 ムラクモレックスが放つ赤い衝撃波はスティールの後ろにいるクリシュナへとダメージを与える。更に、その衝撃波の影響はアマトのあるスピリットにも与えていた。

 

 

「カムナビノミコトの効果!

 

 【天界放】を発揮した自分のターンの間、相手は手札、手元、バーストのスピリットカードの効果を発揮する時、2コスト余分に支払わなければ発揮できなくなる!」

 

 

 ムラクモレックスの咆哮に呼応し、カムナビノミコトも天高く咆える。2体の調和によってスティールの手札、バーストカードが青い光に包まれてしまう。

 

 

「そしてこれがメインのアタック!」

 

 

「ムラクモレックスのアタックはライフで受けるぜッ!

(ライフ4→3)」

 

 

 七支刀で斬り付けられスティールのライフが1つ減らされる。

 

 

「へへ、ライフが減った事でバースト発動ッ!!

 

 バーストはスピリットカードなのでリザーブのコアを2つ支払い、相手スピリット3体を手札に戻す!

(リザーブ3→1

 

 

「──くッ!

(手札3→6)」

 

 

 シロイワノハイドラ、カムナビノミコト、そしてムラクモレックスの3体が一斉にアマトの手札に戻されてしまい、アマトのフィールドには何もいなくなってしまった。

 

 

「この効果発揮後、こいつをバースト召喚する! 『クリシュナーガ・アルティース』ッ!

(リザーブ1→0

 

 

 上空から高速で人型の甲竜──クリシュナーガ・アルティースが飛来する。

 

 

 クリシュナーガ・アルティース

【レベル1 BP5000 コア1】

 

 

「神託対象が出たのでクリシュナに神託する。

(クリシュナ5→6)」

 

 

「……これは流石にターンエンドだな。」

 

 

 アタックできるスピリットが存在しない以上、アマトにできる事はなかった。

 

 

「スタートステップ。

 

 コアステップ。(リザーブ0→1)

 

 ドローステップ。(手札2→3)

 

 リフレッシュステップ。(リザーブ1→8)

 

 そしてメインステップ! さぁて、派手に行くか!

 

 出て来い! クリシュナの化神スピリット!

 

 大いなる翼持て、白金の龍! 『神撃甲龍ジャガンナート』、レベル2で突撃ッッ!!

(リザーブ8→2 手札3→2)」

 

 

 クリシュナの体から白のシンボルが現れた瞬間、スティールのフィールドが数多の氷山に覆われ、その中でも一番大きい氷山の中に封印されてるかの様に眠る龍がいた。そんな龍に白のシンボルが吸い込まれるように入っていく。

 

 すると氷山が震えヒビが入り、巨大な龍がフィールドの氷諸共、氷山を砕きながら動き始めた。

 

 

 神撃甲龍ジャガンナート

【レベル2 BP10000 コア3】

 

 

「──やはり持ってたのね。ジャガンナートを。」

 

 

「当然だ。クリシュナに神託。

(クリシュナ6→7)

 

 次にクリシュナのバガヴァット・ギターをジャガンナートに合体!」

 

 

 クリシュナの手元から離れたバガヴァット・ギターが変形、巨大化し、ジャガンナートの両翼の付け根に収まる。

 

 

 神撃甲龍ジャガンナート[ブレイヴスピリット]

【レベル2 BP15000(10000+5000) コア3】

 

 

「アタックステップ! 行け、ブレイヴジャガンナートッ!」

 

 

 ジャガンナートが飛翔し、アマト目掛けて突っ込む。

 

 

「ジャガンナートのアタック時効果、【界放】発揮!!

 

 クリシュナのコアを3つジャガンナートに置く事で、相手の手札、手元のカード合計3枚につき、白のシンボルを1つ追加する! アマト、お前の手札は6枚! なのでシンボルを2つ追加する!

 

 そしてジャガンナートはレベル3にアップだ!

(クリシュナ7→4 ジャガンナート3→6)」

 

 

 神撃甲龍ジャガンナート[ブレイヴスピリット]

【レベル3 BP21000(16000+5000) コア6】

 

 

「更にジャガンナートレベル2、3の効果! ボイドからコアを2つ、自身か系統[インティーダ]を持つ創界神に置く事でブロックされなくなる。今回はクリシュナに置いてアンブロッカーにする!

(クリシュナ4→6)

 

 そしてフラッシュタイミング! クリシュナの神技(グランスキル)を発動! クリシュナのコアを3つボイドに置く事で系統[甲竜]を持つ自分のスピリット1体を回復させる! 当然ブレイヴジャガンナートを回復させるぜ!

(クリシュナ6→3)」

 

 

 クリシュナから力を与えられジャガンナートはさらなる高みへと上がっていく。

 

 

「ブレイヴジャガンナートはクアドラプルシンボル! このアタック、どうする!」

 

 

「───ライフだ!」

 

 

 ジャガンナートは口から白い雷を纏った光線をアマトへ放つ。

 

 

「グガア"ア"ア"ァァッッッ!!!

(ライフ5→1)」

 

 

 一度に4つもライフを削られ、アマトは思わず膝を付いてしまう。

 

 

「ハァ、ハァ、流石に、ライフを4つ持ってかれるのはキツイな……。」

 

 

「──この勝負、アマト君の負けね。」

 

 

 マリアの一言は当たっていた。

 

 この場面。アマトが勝つためにはジャガンナートのアタック中に防御マジックを使うべきだった。それをしなかった、という事はアマトの手札にはジャガンナートを対処できるマジックが無かったという訳なのだ。

 

 

「どうだ? リザインするか?」

 

 

 挑発するスティールに対し、アマトはふらつきながら立つが、その表情に陰りはなかった。

 

 

「生憎、俺は自分から負けを認めない主義だ。例え負けが確定してるとわかっててもな!」

 

 

「ハッ! だよな。

 

 だからこそ、直接引導を渡してやる! ブレイヴジャガンナートッ! ラストアタックッッ!!」

 

 

 両翼を広げ、再びジャガンナートが飛び立つ。そして口元に白い雷を迸らせる。

 

 

「ライフで受けるッ!」

 

 

 両腕を広げたアマトにジャガンナートは容赦なく光線を放ち最後のライフを破壊した。

 

 

 

 

 

 ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

 

 バトルを終えた後、アマト達4人はマリアの店を出て当初の目的だった短剣の情報があるかもしれない街へと向かおうとしていた。が───

 

 

「目的地までどう行く? やっぱ徒歩?」

 

 

「嫌よ! 足が棒になっちゃうじゃない!」

 

 

 現在、目的地までの移動手段で揉めていた。

 

 

「どうした腹黒女。ちょっと歩くだけでバテちゃうって言いたいのかぁ?」

 

 

「あなた達が体力オバケなだけですぅ!」

 

 

「でも徒歩以外になると馬車ぐらいしかないし、その馬車もアップデート後の新要素にいろんな人達が使っているだろうから取り合いになるかも。」

 

 

「……リムジンを持ってきましょう。」

 

 

「世界観壊してでも歩きたくないのかお前は!?」

 

 

「そもそもゲームなんだから疲れたりしないんじゃ……。」

 

 

 4人が頭を悩ませていたその時だった。

 

 

「ぬわあぁっハッハッハッ!! お困りのようだねそこの少年少女諸君!!」

 

 

 突然の大声に反応し4人が振り向くと、そこにいたのは奇抜なサングラスにマントを着けた変人がいた。

 

 

(((誰!?)))

 

 

 4人中3人が全く同じ反応をする中、残った1人がため息を吐きながら言った。

 

 

「妹よ。いくらゲームとはいえそんな格好をした変人の親族として言わせてくれ。……今までありがとう、そしてさようなら。」

 

 

「ちょちょちょちょちょっとまって!? やめて!? こんなかわいい妹を見捨てないでアマ兄っっ!!」

 

 

 奇抜な服装を脱ぎ捨て、涙目でアマトの足に縋り付いた者はメイだった。

 

 

「は? メイだと? なんでここにいんだ?」

 

 

「あの〜、僕達もいます。」

 

 

 メイに遅れて現れたのはカイトとモモミの2人だった。

 

 

「……? 君たちは?」

 

 

「アマトくん達と一緒にクエスト受けた子達。カイトくんとモモミちゃんね。」

 

 

「………。なあセラ。アマトは2人の名前言ってなかった気がするんだが、いつ知った?」

 

 

「ウフフ♪」

 

 

 セラはスティールの疑問に笑顔だけで答えた。

 

 

「まあカイト達は一旦置いといて。メイ、なんでさっきのダサい変装をしてまで声を掛けた?」

 

 

「一言余計だよも〜。」

 

 

 文句を言いながらメイはある場所を指差す。そこにあったのは大きな馬車が1つあった。

 

 

「皆さん、一緒に乗ってく?」

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。